酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

天城越えのあとは河津七滝で滝めぐりをする

 前回の天城越え編からの続きです。無事に旧天城トンネルを抜けて旧道を下り、現国道414号線に戻った後は、もう少しだけ南に向かって走ります。修善寺あたりからひたすら上り続けていた道は天城峠を越えたことで、急な下り坂に変わり、下田の手前の河津町に入ると巨大なループ橋が現れます。そのループ橋を下りきったところに「河津七滝」への入り口があります。

 「河津七滝」は「かわづななだる」と読むそうですが、その字の通り七つの滝が並んでいるそうです。天城越えをする前に「浄蓮の滝」を見てきたばかりですが、スローシャッターとPLフィルター効果で思ったより綺麗に撮れたのに気をよくして、今日のテーマは滝ということで、徹底的に滝を撮りまくることにしたいと思います。

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 遊歩道が整備されてるとは言え、滝をハシゴすると言うことはそれなりの坂道になっているはず。現地のパンフレットには総延長で1km弱と書かれていますが、高低差はよく分かりません。しかも三脚とフルサイズ一眼レフを担いで往復しないといけないわけで、無理をせずに行けるところまで行ってみることにしました。

 河津七滝には町営の無料駐車場が2カ所あります。遊歩道に近い方は私が到着した時点でほぼ満車でした。少し離れたループ橋真下の駐車場はガラガラでした。あるいは周辺には民間の有料駐車場がいくつかありますので、混んでるときはそちらに停めるしかないかも知れません。

 町営駐車場は七滝のほぼ最下流にあって、滝巡りの遊歩道は基本的に上りとなります。バスを利用するなら登り切ったところでバスに乗るという手がありますが、車の場合は駐車場に戻ってこないといけないので、往復する前提となります。ちなみに小さいながらも最上部にも無料駐車場があるそうなので、そちらをベースにするのもありかも。

 浄蓮の滝では雨が降っていた空模様は、ここへ来て微妙に晴れて暑くなってきました。どんな景色なのか早速行ってみましょう。

大滝への遊歩道の再開を見逃してしまった

 さてまず河津七滝の最下流にある滝が「大滝」です。その名の通り、七滝の中で一番大きな滝。落差30m、幅7mもあります。

 ですが、この大滝は6年前の台風で遊歩道が被害を受け、その後復旧工事に際して地権などなど色々なもめ事があり、この6年間ずっと一般見学が出来ない状態が続いていました。

 河津町役場のWEBサイトにある観光情報にも「大滝のご観覧は出来ません」と注意書きがされています。近くのホテルに入場料を払うと、そのホテルの敷地内から見物できるようにはなっていたそうです。

 ということで、大滝は見られないと思い込んでいたのですが、後でよくよく見てみると、今年の8月3日からひっそりと再開されていたそうです。気がつかなかった!

 こちらは「河津七滝観光協会」のWEBサイト。トップに「2017年8月3日、6年ぶりに大滝が見学できるようになりました」と書かれています。でも現地にも8月3日という日付が書かれた看板を見たような気がするのですが、良く読まずに素通りしてしまい気がつきませんでした。

 と言うことで、最下流に位置する最大の滝、大滝を見逃すという大失態からスタートです。

 なお、以下各滝につけた番号は河津町役場作成のパンフレットに準じています。上流から順に番号が振ってあるようですが、巡ったのは下流からなのでカウントダウン形式になっています。

No.6 出合滝


 気を取り直して(というか現地では気付いてなかったので良いのですが)残りの滝を見に行きましょう。大滝の上に位置するのは「出合滝」です。

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 荻野入川が本谷川に合流する地点にあるので出合滝と名付けられたそうです。落差2m、幅も2mの小さな滝ですが、とても綺麗です。というか、高い位置から見下ろすおかげで滝壺のエメラルドグリーンの水がよく見えます。

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 滝の部分をちょっとアップにしてみました。ちょうど滝は荻野入川の終点部分にあって、写真では分かりづらいですが本谷川は右の方から流れてきています。それに、周辺の岩もすごいですね。縦の規則正しい割れ目は「節理」と言うんでしたっけ? この一帯は滝だけでなく周囲の岩も見所です。

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 そして出合滝の本谷川のほうもこうした滝になっています。こっち側の滝には名前が付いてないのでしょうか? もしかしてさっきのと二つ合わせて出合滝なのかも。

No.5 カニ滝


 次の滝へ行ってみましょう。まだそれほど落差のある滝はないので、道は平坦で歩きやすいです。

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 やってきたのは「カニ滝」です。こちらもそれほど大きくなくて、落差2m、幅1mほどですが、けっこう見応えがあります。白い流れと濃い水の色、空を覆う緑のコントラストが美しいです。

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 ここは河原に降りられるようになっていたので、水際スレスレまで行ってみました。超広角を使いたかったのですが、ぐっと我慢。左上の建物はどうしても入ってしまうので仕方ありません。

 さて、なんでここが「カニ滝」という名前かと言えば、周囲の岩が蟹の甲羅のようだから、という説明がありました。けど、よく分からないですね。ただし、先ほどのようにハッキリとした節理は見られません。石の種類がと言うか成り立ちが違うのでしょう。

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 それにしても、滝と滝の間をつなぐ何でもない流れもいちいち綺麗です。奥入瀬みたい!とはしゃいで写真を撮っていました。いえ、本物の奥入瀬がどんな美しいところなのかはよく分かっていません(正確には中学生の頃に行った記憶だけはあります)。

No.4 初景滝


 次が河津七滝の中では代表的な風景の一つです。ここがメインと言っても良いかも。

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 三筋に分かれて流れ落ちているのが特徴的な「初景滝」です。今までの滝と比べてかなり立派になりました。落差は10m、幅も7mあります。トップに貼った写真もほぼ同じ場所から撮ったもの。

 滝の流れもやっぱりエメラルドグリーンの水も、周囲の木々も、濡れた岩肌も、何もかも美しいですね。

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 滝壺だけアップにしてみました。もっとフワフワにするにはさらにシャッター速度を落とさないとダメなようです。PLだけではなくNDフィルター必須ですね。

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 ちなみにこの初景滝のそばには、こんな像が立っています。川端康成の「伊豆の踊子」にちなんだものなのでしょう。物語中にこの滝が出てくるのでしょうか? 読んで確かめてみたいと思います。

No.3 ヘビ滝


 初景滝までは比較的平坦な道のりでしたが、この先は急に階段や細いぬかるんだ山道になります。行くかどうか悩んだのですが、七滝のうち三つだけでは寂しいと思い先へ進んでみることにしました。そして次に現れたのが「ヘビ滝」です。

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 静かな佇まいは「カニ滝」に似ています。落差は3m、幅は2mでこちらの方が少し大きいです。

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 このヘビ滝の周辺は特に岩の様子がすごいです。この写真では左右に柱状節理があるのに、真ん中には全く違った様子の岩が割り込んでいるのが分かります。これは異なる時代の火山活動で出来たものだそうで、真ん中のツルッとした岩が一番古いもので、その両脇の柱状節理はその後に流れてきた溶岩が固まったものだとか。

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 ヘビ滝を上から眺めてみるとこんな状態。滝よりもここではこの柱状節理の断面が見所です。溶岩が冷えたときに出来た縦の裂け目がこんな風に地表に現れてるんですね。

 ちなみに「ヘビ滝」の名前の由来は、滝の部分だけではなく、この前後の真っ直ぐで細い水の流れの姿から付いた名前だそうです。写真にはうまく撮れませんでしたが、現地では「なるほど!」と納得してしまいました。

No.2 エビ滝


 さらに道は険しさを増していきます。でももう少しなので行ってみましょう。

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 だって目の前にこんな面白そうな吊り橋が現れたら、渡ってみないわけにいきません。この橋は「河津踊子滝見橋」というもので、片塔式ウェーブ橋という珍しい形式の吊り橋だそうです。階段状でなかなか歩きにくい橋でした。

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 そんな吊り橋を渡った先にあるのがその名も「エビ滝」です。カニ、ヘビときて今度はエビですか。落差5m、幅3mです。かなり高いところから見下ろす形になります。先ほどのヘビ滝周辺にあった柱状節理はこの辺りにはありません。この辺の地層は複雑なんでしょうね。「エビ滝」の名前の由来は、そのものずばり、水の流れがエビの尾に似てるからだそうですが... うーん、どうかな...?

 ちなみにこのエビ滝については、三脚を立てられる場所が全くないため手持ちで撮りました。

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 なぜ手持ちかと言えば、吊り橋の上から撮ったから。さすがに吊り橋の上には三脚は立てられないし、立てても意味はありません。他の人が来ない瞬間を狙って、橋の欄干に身体を預け、肘を置いて息を止めてシャッターを切りました。24mmとは言え4秒はかなりきついです。

 そしてこの写真の通り、エビ滝周辺は一番山深いところでした。でもまだ奥があるはず。滝は残り一つなのでせっかくだから行ってみることにします。

No.1 釜滝


 ここまで来たならと、最後の気力を振り絞って細い山道を登った先に急に現れたのが、とても素晴らしい景色でした。有名な観光地とは思えない、秘境感に溢れています。

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 これが河津七滝最上流にある「釜滝」です。これまでの滝と違って細く長いその姿は、もっとも滝らしいです。落差は22m、幅は2mあります。

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 本体だけでなく、滝壺より下のおまけも良いですよね。さらにこの下にもう一段おまけの段差がありました。

 しかし釜滝にはここよりももっと近づけるポイントがあります。少し移動してみましょう。

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 またもや吊り橋を渡って...

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 たどり着いたのは釜滝展望デッキという場所。釜滝の真正面に張り出したテラスになっています。ここからだと近すぎて 24mmでは入りきらないので超広角ズームに付け替えました。なお、この展望デッキにはガンガンに水飛沫が飛んでくるのでカメラもレンズも体も濡れてしまいます。なので、撮影はさっさと済ませなくてはなりません。ちょっと近すぎて迫力があるのかないのか良く分からない写真になってしまいましたが、現地はゴォォー!という水の音と飛んでくる水飛沫とともに大迫力が楽しめます。

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 釜滝周辺の断崖絶壁はこれまた見事な柱状節理。これはすごい!

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 河津七滝周辺はジオパークとなっていて、このようにわりと詳しい解説看板があちこちにありました。ここまで見てきた柱状節理の数々は、2万5千年前の登り尾南火山の噴火で出来たものだそうです。

 ということで、大滝を除く六滝を制覇しました。距離はわずか1km足らずですから大したことありませんが、重たい機材を担いでの行程だったので、結構足に来ました。ただ滝から飛んでくる水飛沫や、水で冷やされた風のおかげで結構涼しかったです。

復路は海岸線をドライブ


 ということで、河津七滝巡りは終了です。行けたら下田まで行きたかったのですが、良い時間になってきたのでここから引き返すことにしましょう。

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 復路は快適な新天城トンネルを越えて修善寺方面へ。そのまま同じ道を戻るのは詰まらないので、遠回りして西伊豆方面の海岸線へ出てみました。ここはちょうど戸田港を見下ろす展望台。海上は青空が広がってとても良い天気です。これはもしかして! と思い車を沼津方面へ走らせます。

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 井田の近くにある「煌めきの丘」という展望酢スポットへやってきました。相変わらず良い天気ですが... 残念ながら富士山はやっぱり姿を見せませんでした。本当なら右手の岬の奥に富士山がいるはずなのですが、雲の中に隠れています。

 その後も車を走らせながら、対岸の様子を気にしていたのですが、雲が切れる気配はありません。なのである時点で諦めてそのまま東名高速を目指し帰途につきました。

 ということで伊豆の奥深さを感じた日帰りドライブでした。他にもまだまだ見所がありますし、写真目当てでなく温泉やグルメ目当てでもネタが尽きそうにありません。ドライブしていても気持ちの良い道が多いので、また訪れたいと思います。

関連エントリー

 とりあえず、私個人的には旧天城トンネルが今のところ一押しオススメスポットです!

使ったカメラ

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310