酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

紫陽花を撮りたくて初めてのマクロレンズ DFA MACRO 100mm F2.8WR を手に入れる

 と、タイトルを付けてから気がついたのですが「初めて」は嘘でした。K-7を使っていた時代にDA35mmF2.8 Macro Limitedを使っていたことがありましたっけ。でも、あのレンズは猛烈に寄れる標準レンズとして使っていたもので、あまりマクロであると言うことを意識したことがありません。でも今回のレンズは「マクロである」という事を理由に買った「初めて」のレンズです。

 さて、Kマウントのマクロレンズと言えば純正ではAPS-C対応のDA35mm以外に、DFA50mmとDFA100mmがあります。DFAの2本も割と古くからあるレンズですが、100mmのほうだけWR化とともに外装などがリニューアルされたのに対し、50mmは絞りリング付きの旧タイプのまま放置されています。しかしそれはそれで人気があるわけですけど。

 なおサードパーティ製で現在も販売されているKマウントのマクロはタムキューことタムロンのSP AF90mm F2.8だけです。タムロンもシグマも新しい設計のレンズはKマウントをサポートしていません。
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 50mmならLXでも使えるかな?と一瞬思ったものの、WRであることや、手持ちの他のレンズとの焦点距離の関係、ワーキングディスタンスなどなど考えて、やはりK-1には100mmかな?ということでDFA100mmF2.8 WR Macroをとうとう手に入れてしまいました。

 そう、ずっと前から欲しかったんですよね、これ。

外観など眺めてみる

 Kマウント的には定番中の定番の一本なので、もはや珍しくはないのですが、まずはどんなレンズなのか見てみましょう。

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 箱です。このレンズが発売されたのはHOYA時代だったと思いますが、現在流通しているものはこうしてリコーイメージングのパッケージになっています。

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 同梱品はこんな感じで、レンズ本体と前後キャップ、専用フードにレンズポーチです。

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 前玉側をのぞき込んでみました。実際に手にしてみると驚くのですが、フィルター径はなんと49mmしかありません。かなり細身のレンズです。そして、昔ながらの単焦点らしくズドンと前玉とほぼ同じ径のレンズが突き抜けてる辺りが美しいですね。

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 マウント側です。WRレンズですのでマウント外周に赤いゴムリングが付いています。比較的古い設計のレンズなのでAF駆動はボディ駆動です。これがこのレンズの最大にして唯一の欠点だと思います。これについては後述します。

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 早速K-1に取り付けてみました。このレンズはK-7の時代に発売されたもので、当時はペンタックスにまだAPS-Cサイズのデジタル一眼レフしかありませんでした。かといって絞りリングを廃してしまったので、使用可能なフィルム一眼レフも相当に限られます。

 それでもフルサイズ対応のDFAで出てきたのは、元となった光学系がフルサイズ対応だったからで、当時からK-1が具体的に計画されていた、という事はないはずです。もしそういうことがあったら良いよね、程度で。

 なんてことを考えていると、この組み合わせはなかなか感慨深いものがあります(PENTAXIANにしか分からない「感慨」だと思いますが^^;)

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 先ほどAF関連がこのレンズの一番の欠点と書きましたが、それに関連するのがこのレンズ繰り出し量です。他社ではマクロレンズでもインナーフォーカスが主流になりつつありますが、このレンズはバカ正直に鏡胴がするすると伸びてきます。最短撮影距離0.3m(等倍)まで繰り出すと、こんな姿になります。

 しかもこれを多数のギアを介したボディ内モーターで駆動するわけで、デフォーカス量が大きい状態でのAF時は「ギュイ~ン」とかなり賑やかな状態になります。人の多いところでは「何事か?」と振り返られるくらい。

 なお、光学的には全郡繰り出ししているわけではなく、一部の光学系のみ動いているようです。それでもフォーカスレンズの重量はそれなりにあるのでしょう。なおピントリングの回転角はさすがにかなり大きいです(正確に測っていませんが、ロックtoロックで180°以上あります)。

 スピードや音の問題もそうですが、精度という面でもやはりレンズ内モーター駆動のほうが良いのですが、このレンズは登場時期とこの光学的な制約を考えると、ある意味仕方ないのかもしれません。

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 なお、フードはピント合わせによって前後しない外装に固定されるので、こうしてフードを付けておけば、むにゅ~と伸びたかっこ悪い姿は隠すことが出来ます。フードとしての効果がどうなるのかは分かりませんが、中望遠マクロとはいえ等倍近くなると、ワーキングディスタンスは10cm程度になるので、この構造は理に適っています。

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 バヨネット式フードなのでもちろん逆さ付け可能です。AF限定でクイックシフト・フォーカスが使えなくなりますが、とっさの場合にはこのまま使うことも出来ます。

 もちろんK-3IIにも使えます。その場合は約150mm相当の結構立派な望遠マクロになります。撮影倍率については1倍は1倍なのですが、見かけ上は画角が狭くなった分、1.5倍になったかのような錯覚を味わえます。

紫陽花をマクロで撮ってみる


 さて、この時期になって観念してマクロレンズを買ったのは、紫陽花の全盛期を迎えたから。紫陽花ってマクロ向きだな〜、と常々思っていました。

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 ほら、こういうやつです。額紫陽花の花の部分をドアップで撮るには、マクロレンズが絶対に必要です。うむ、コレがやってみたかった! この日は近場の公園内にある紫陽花の群生エリアに行ってみたのですが、残念ながら雨は降っていません。これで雨が降って濡れていると最高なんですけどね。

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 もちろん、そんなに近づかなくてもいろいろ使い道はあります。まだ咲きかけの紫陽花は思ったよりも小さいです。このカットはどこにピントが合ってるのか分かりませんが。

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 さらに引いて紫陽花の玉一つ分が画面にいっぱいになるくらい。普通のレンズではがんばって近寄れてもこのくらいじゃないかと思います。

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 もっと引いて使えば普通の望遠レンズです。APS-Cで77mmとか大好きで使っていた感覚からすると、このくらい狭い画角も意外にしっくり来ます。もしや万能レンズなんじゃないかこれ?と思えてきました。

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 使ってみて実感したのはボケの綺麗さです。こういう近接撮影領域ではむやみに絞りを開けない、ということは覚えたので、F5.6まで絞っています。それでも近接撮影と100mmという焦点距離の効果で、背景も前景も十分にボケます。なお、F5.6まで絞り形状は円形が保たれます。

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 逆光のハイキー気味でもコントラストはビクともしません。というか、ベースの設計が古いとは言え十分にシャープです。これはLightroomの明瞭度で少し和らげたくらい。

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 でもやっぱりこういうの撮ってしまいます。ちなみに全て手持ちで撮りました。風も吹き荒れていてとても大変でした。本来は三脚に据え付けてじっくり使うレンズなのかもしれませんが、K-1のAFは十分に信頼が置けるし、シフトブレの補正もこの領域ではかなり効いているはず。意外に手持ちで撮れてしまうところがすごいです。

 ということで、マクロレンズはやはり1本持っておくべきレンズだと思います。このレンズも定番で人気がある理由がちょっと使ってみただけでよく分かりました。今まで手にしていなかったのが不思議なくらいです。紫陽花が元気なうちに雨でも降って欲しいところですが、天気予報を見ているとちょっと怪しい感じです。でも、もちろんこのレンズは紫陽花以外ににも積極的に使っていきたいと思います。

【6/14 10:45追記】
 当初「DA35mmはハーフマクロ」と表記していましたが、等倍マクロでした。本文修正しました。