酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

2017年最後の桜はリバーサルフィルムで撮ってみる

 4月も下旬ですから関東地方ではもう桜の季節は過去のものとなりました。とは言え、今年は気象庁の発表とは裏腹に、都内の桜は比較的開花も遅めで、その分先週末あたりまでは散り際の桜がまだ見られました。花吹雪とか花筏とか、散った花びら一面の地面とか、散り際ならではの美しい景色もありますが、満開の桜を撮るほど簡単ではありません。

 何となく桜はもうお腹いっぱいかな?と思っていたのですが、散り際が見られるのは今だけ、と思うと撮っておかないと勿体ない気持ちになってきます。ただ、いつものK-1などデジタルカメラで撮るのは面白くないというか、もはや同じような写真しか撮れなさそうなので、今回は目先を変えてフィルムを久しぶりに使ってみることにしました。

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 しかも久々のリバーサルフィルムです。マウントせずにスリーブで仕上げてもらい、ライトボックスに載せてルーペで確認するという作業はワクワクします。それを久しぶりに楽しんでみることにしました。

リバーサルフィルムは高い

 そうと決めたからには、まずはフィルムを手に入れなくてはなりません。昔はコダック、コニカ、フジの大手三社からいろいろな種類、感度のフィルムが発売されていましたが、今は大手カメラ量販店に行って手に入るのは主にフジフイルム製のみ。しかも銘柄はかなり限られています。

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 今回はPROVIA 100Fを買ってみました。多分このフィルムを使うのは初めてです。

 そう言えばXシリーズのデフォルト設定がPROVIAだったよなぁと思い出し、Velviaほどどぎつくないニュートラルなほうが桜には合うだろうと思いました。というか、Xシリーズのフィルムシミュレーションの方が本来フィルムを模しているわけですが、今の時代本当のフィルムの発色を知ってる人の方が少ないわけで、私のように正反対にデジタルカメラの仕上がりからフィルムの特性を想像してしまうひとは多いのではないかと思います。

 で、1本だけ買うのも寂しいのでここは思い切って大人買いすることとし、5本パックを買いました。そして最近フィルムを買ったことのある方ならご存じの通り、これがビックリするくらい高いのです。

 この通り1本あたり1,000円強、5本で軽く5,000えんを超えます。ヨドバシカメラの店頭では5,800円の値札が付いていました。フィルム写真は本当にお金がかかる贅沢な趣味になってしまったことを実感します。

使用したカメラ

 フィルムが用意できたら今度はカメラ。今回は2台用意してみました。

PENTAX LX + Distagon 2/35mm ZK

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 まずは一眼レフのPENTAX LXです。レンズはZEISS Distagon 2/35mm ZKを付けました。今回はこれ一本で撮りきるつもりです。それにしてもこの組みあわせはよく似合います。超格好いい!

 ファスナーと呼ばれるストラップホール用の部品をLXに取り付け、ストラップを通してみました。とりあえず付けたストラップは余っていた純正のO-ST842です。実用性は良いのですが、見た目にちょっと詰まらないです。クラシカルなLXに合わせて実用性よりも見た目重視のストラップを今後探してみたいと思っています。

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 さらにファインダー接眼部はプラスチック製の枠がむき出しで、眼鏡をしているとカチカチ当たって気になるので、アイカップを付けないとなぁ... と思っていたのですが、ふと思いついてK-3IIに標準で付いていたアイカップを填めてみたらこれがぴったりでした。

PENTAX アイカップ MII 30087

PENTAX アイカップ MII 30087

PENTAX アイカップ FS 30129

PENTAX アイカップ FS 30129

 ファインダーチューンとしては丸いゴム製のアイカップMIIを取り付けるのが定番のようですが、見た目的にあまり主張のない角形のほうが好みなので、K-3/K-3II用のアイカップFSを別途入手してLXに取り付けておくことにしました。

RICOH GR1

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 今回用意したもう一台はRICOH GR1です。現代のGRシリーズの祖となるフィルム時代のGR。これは約20年くらい前に手に入れたもので、デジタル時代になって使わなくなったものの、ずっと死蔵していたものです。久しぶりに電池を入れてみたらちゃんと動きました。なので動作確認の意味も込めて使ってみることにしましょう。

 所詮コンパクトカメラと侮ることはできません。この28mmF2.8はGRレンズと呼ばれ、後々レンズだけ別売りされるほどの人気を博しました。その実力を再確認できるでしょうか?

実写結果

 ということで4月中旬の週末、今年の桜見納めのつもりで近所の桜並木を散歩してきました。撮影データはメモもしていないのでありません。

PENTAX LX + Distagon 2/35mm ZK

 絞り優先オートで撮りましたが、絞りはグリグリ変えたし、露出補正も結構使いました。前回も反省したばかりですが、戻し忘れが多発して難儀しました...。全て自分の不注意の性ですけど。ネガと違ってリバーサルは露出にシビアなので、気をつけなくては。

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 まずは大横川沿いの遊歩道です。花はほとんど散ってわずかに残っているだけ。ソメイヨシノは葉っぱが出てくるのが遅いので、枝ばかりの寂しい景色に戻ってしまいました。

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 川面に張り出した枝の様子はこんな感じ。花びらは落ちきって額だけ残ってます。咲き遅れたのか、雨にも風にも耐えたのか、ほんのわずかに残ってる花が健気です。

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 ちなみに川面にはこうして花筏というか花びらが落ちていてゆったりと流れていました。どうやって撮ったら良いのか全然分かりません。

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 少し移動して木場公園にやってきました。あれ?こんなところにこんな立派な桜の木があったんだ! 常緑樹に囲まれた感じが良いですね。最盛期に見に来れば良かった。

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 木場公園のバーベキュー広場には、遅咲きの八重の花を咲かせるしだれ桜があります。これは満開直後くらいでなかなか良い感じでした。ここへ来てK-1持ってくれば良かった... と思ってしまう程度にはヘタレです(A^^;

 ないものは仕方ないのでLXだけでがんばりましょう。

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 下から見上げて空をバックにすると枝垂れっぽいかな?と思って無理な姿勢で一生懸命撮ったのですが、上下もよく分からない微妙な写真になってしまいました。相変わらず絞り開けすぎなのかも。桜は本当に難しいです。そしてフィルムも難しいです。

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 この木はまた別の種類の桜でしょうか。かなり上品ですし、まだ蕾がありました。桜はいろいろ奥深いですね。歩き回ってあちこち見ていると木場公園には、ソメイヨシノだけでなく色んな種類の木があることに気付きます。早咲きから遅咲きまで揃っていると、長く楽しめて良いですね。

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 そのすぐ近くにはソメイヨシノの森があって、そこから舞ってきた花びらで地面は埋め尽くされていました。そんな中、しだれ桜の下でバーベキューにいそしむ人達は楽しそうです。

RICOH GR

 お次はGR1で撮った写真です。LXと同じく絞り優先で撮りましたが、レンズシャッターは1/500secまでしか対応していないので、感度はISO100といえども日中の屋外ではほとんど開放付近は使用できません。

 というか、そういう撮り方するカメラでもレンズでもないってことなんですよね。やたらに近寄って開放で背景をぼかす、ってのはデジタル時代になってから多用するようになった手法なのかも。そういう癖を矯正するためにも、こういうカメラを使ってみるのは新鮮な体験でした。

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 木場公園にはこうした芝生の広場にぽつんと桜の木があったりします。満開だと見事な姿なのですが、今年はタイミングが合わずに見ることができませんでした。もうほとんど散ってしまってますが、額が残っているので全体がほんのり赤く染まっています。

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 木の近くまで行くとやっぱり地面は花びらで埋め尽くされていました。

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 ちょうど満開の八重の枝垂れ桜も撮ってみました。ビューファインダーでピントが見えないし、パララックスもあるので近いものを撮るにはあまり向いてません。が、思わずやってしまいます。

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 桜の木なんかない、木が密集して昼間でも薄暗い森の中まで花びらは散らばっていました。桜の威力はすごいです。これもそのうち土に帰るというか、どこかに消えてしまうのでしょう。

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 怪しげなカメラを持って森の中をウロウロしてる不審人物がいる!とワンコに警戒されていたようです。かなり明暗差があったので+2EV程度プラス補正しました。空はすっかり白飛びしてしてしまいましたが、それほど間違ってはいなかったようです。分割測光とかRGB測光なんかない、中央重点測光の癖を読む感覚を少しだけ思い出しました。

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 こうやってアンダー目に撮ると途端にフィルム臭くなるのはなぜでしょうか? デジタルではアンダーに撮ってもこうはならない気がします。

 てことはフィルムらしさを出すにはアンダー目に撮ると良いのか? とも思ってしまいますが、これってフィルムはアンダーに弱くて、階調やカラーバランスが崩れた失敗写真がこんな感じになったよな、という記憶による負の印象によるものだと気づき、こうではいけないと思い直しました。

フィルムは楽しい

 ということで、今回は2台のカメラで2本使い、計70枚ほど撮影してみました。数を撮ってまぐれ当たりを狙うことが出来ないので、センスと腕が如実に表れてしまいます。フィルムなのが珍しいだけで、本当はほとんど没にしたいくらいなんとも詰まらない写真ばかりだな、と反省しています。

 でも趣味ですからね。下手の横好きでいいや、と向上心のかけらもないことを思っています。楽しければいいや、と。

 あと3本ほどPROVIA 100Fが残っているので、また連休中にでも使ってみようと思います。

 なお今回貼った写真は全てEPSON GT-F740でスキャンしました。

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