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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

PENTAX LXによる初撮影で慣れないフィルムの扱いに苦労する

写真 ZEISS FA77mm F1.8 Limited 散歩

 PENTAX LXを衝動買いした翌日、さっそくLXにフィルムを詰めて散歩に出かけてきました。雨が上がり急激に晴れ間が覗いてきた冬の午後は、まだ早い時間なのに太陽が低いせいでどこか夕暮れのような光に包まれています。そして、乾燥しきっていた地面にも水たまりが出来て、ひんやりした空気もどこかしっとりしています。この絶妙な雰囲気はフィルムにぴったりかも?

 ということで、向かったのは特に撮るものの当てもない時にふらふらと出かける近所の公園です。一回の撮影で数百枚とか平気で撮るデジタルの流儀に慣れ切った身としては、36枚撮りフィルムなんてすぐに使いきると思っていました。

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 シャッターを切るペースは確かに予想した通りで小一時間で1本撮りきってしまったのですが、そのずっと前段階で予想もしなかったトラブル(自業自得)に見舞われて、フィルムを2本も無駄にしてしまいました。1本は不可抗力、もう1本は自業自得というか、低レベルな失敗によって。フィルムって難しい...。

機材とフィルム

 まず、持ち出した機材を確認しましょう。と言ってもごくシンプルなものです。
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 カメラはもちろんPENTAX LX。その感触を十分に楽しむために余計なものは持っていきません。つまり同時にデジタルでも撮ってやろうなどとは考えず、持っていくカメラはこれっきりです。

 レンズはとりあえず、広角のDistagon 2/35mm ZKと中望遠のFA 77mm F1.8を使ってみることにしました。この2本は明確に画角が違うので迷いなく使い分けができそうです。

 そして肝心のフィルムですが、今回はごく普通のカラーネガを使ってみることにしました。というか、このフィルムはMZ-Sが壊れる前に買ってきたものだったりします。

 フィルムは本当に選択肢が減ってしまいました。カラーネガもほとんど種類がありません。しかも高い! そんなフィルムを取り巻く状況に驚きつつ、実際に手に入れたのはFUJIFILMのSUPERIA PREMIUM 400というフィルムの36枚撮り3本パックです。

3本のうち2本を失う

 そのパックになった3本のうち、1本目はMZ-Sが壊れていることに気付かずに装填してしまいました。何かが変だと思いつつ数枚撮ったところでミラーが壊れていることにようやく気付き、そのまま失意とともにフィルムも巻き戻すしかなくなってしまいました。ベロを引っ張り出すノウハウも昔はありましたが、今となってはもはや忘却の彼方です。

 そしてLXを手に入れることとなり、意気揚々と2本目を装填して撮り始めたのですが、なんと裏蓋がしっかりロックされていないことに気付かず、10枚以上撮ったところで突然裏蓋が開いてしまいました。日中の屋外でもあり、しばし呆然と開いた裏蓋を眺めてしまったこともあり、撮影済の部分はほぼダメになったはず。これまで撮ったシーンを思い出しながら、それが失われたことにがっかりしつつ、これもそのまま巻き戻してしまいました。

 フィルムは高価ですし、上記の2本とも使える部分が残っていることは分かっているのですが、初のLXでの撮影はそういう変な中途半端なフィルムではなく、しっかりと最初から最後まで残り枚数を数えながらきれいに一本使い切りたい、という精神衛生上の理由で、残る最後の新品1本を改めて慎重に装填しなおし、今回はしっかりと裏蓋がロックされたことを確認し、1コマ目まで巻き上げて撮影再開しました。

 それでも、アワアワしながらフィルムを交換しているときに、露出補正ダイヤルを不意に回してしまったらしく、最初の3枚くらいはどアンダーで撮ってしまいましたけど。

撮影結果

 ということで、トップに既に1枚貼りましたが、以下その他の撮影結果です。以前、写ルンですを使ったときには現像と同時プリントならぬ同時データ化してもらいましたが、今回は普通に同時プリントしてもらいました。フィルムも高ければDPEも高くなっており、L判のプリントはなんと1枚37円もします。36枚撮りだと1本で2,000円近い出費になります。これは気軽に3本も撮らなくてむしろ良かったかも。

 そして以下は小さなL判のプリントをEPSONの複合機で自分でスキャンしてJPEG化したものです。ということで、かなりいい加減なやりかたでデータ化したものなので、これらはあくまでも雰囲気と言うことで割り引いて見てください。実際プリントの方がずっと綺麗です。

Zeiss T* Distagon 2/35mm ZK

 まずはZEISSで撮ったカットから。そもそもLXを手に入れた原因の大元は、このレンズをフィルムで使ってみたかったからでした。
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 公園の水たまり。空が綺麗。偏光効果で直接撮るよりも色が濃いかも。

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 ほらやっぱり! この淀んだ使われていない運河の水は、本来はとても薄汚いはずなのに、凪いでいて青空を映しているおかげでとても綺麗に見えます。

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 でも実際に空を見上げてシャッターを切ると、もっともっと青く写るんですよね。これはソメイヨシノの木。細かい枝先の蕾はあと3ヶ月もしないうちに開くことになります。桜の季節はもうすぐ!

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 と、気の早い話をする前に、梅の季節がそろそろやってきそう。実際にちらほらともう咲き始めていました。

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 吹きだまったまま冬を越すであろう落ち葉は、雨をたたえてしっとりしています。そこになぜか小さな葉ボタンが顔を出していました。

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 そしてまた空。以前まったく同じ写真をK-1で撮った気がします。(→この記事の中に出てきます)

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 これは光漏れで被ったわけではありません。ドングリの林の中に差し込んだ太陽の光を逆光で撮ったもの。こんなにフレアっぽくなるなんて。いや、悪くないです、こういうの。

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 何がしたくて撮ったカットなのか分かりませんが、とにかくこのレンズとLXの組みあわせは、何を撮っても新鮮で楽しいです。実際のところプリントはもっと綺麗だし、さらにはファインダー像はそれよりもさらに美しいと思います。その美しいスクリーンの映像を見ながら、自分の手でゆっくりとピントを合わせる過程は本当に楽しいです。

FA77mm F1.8 Limited

 お気に入りの77mmもぜひフィルムで使ってみたい!ということでやってみました。

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 パンパスグラスはまだまだ元気。これも同じ写真を昨年に撮りましたっけ。フィルムはホワイトバランス固定なので、冬の太陽の低い色温度の影響がそのまま写ります。デジタルカメラでホワイトバランスがどうにでも弄れることは、良いことなのか余計なことなのか...?

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 枯れたひまわりの残骸。いや残骸ではなくてしっかり生きています。さすがにこのレンズ、至近距離で絞りを開けるとボケ量はたっぷりです。

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 でもその分ピント合わせが難しくて、こうしてどこにもピントが来てないような失敗もつきもの。

 デジタルで使ってると、このくらいの画角とパースペクティブの圧縮感がとても好きなのですが、LXで使ってみると難しさばかりが目立ちました。むしろデジタルで苦手と思っていた35mmの方がしっくり来ます。その感覚の差を生む要因は何なのか分かりません。

 それに小さいながらもプリントされた写真を見ていると「何でも背景をボカせば良いってもんじゃないな」という当たり前のことに今更気付いたような気がします。多分、私はこのFA77mmの良さを半分も知らないんじゃないかと思えてきました。

フィルムをデジタルで楽しむ最適な方法

 さて、最後にちょっと余談です。

 写真はそもそもプリントして楽しむものであって、特にフィルムはそれ意外にその良さを引き出す方法はないわけですが、それでも今のネット時代、特に写真とカメラを中心にブログを書いてる私としては、プリントだけでなくデジタル化もして楽しみたい、と思っています。

 フィルムをもっと楽しむためには、今回のようなやり方では質的にも不十分なのはよく分かっていて、やはりちゃんとフィルムからスキャンしたいな... と思っています。

 そう思うのは今に始まったことではなく、今から15年以上前に↑このフィルムスキャナーを買って使っていたことがあります。かなり良いお値段しましたし、当時既にマイナーになりつつあったSCSIインターフェースが必須で、なかなか使いこなすのが難しい装置でした。今でも実機はあるのですが、当然ながら動かす環境がもはやありません。

 で、その後10年ほど前にこれに買い換えました。当時はまだフィルム写真もそれなりに残っていたせいか、家庭用複合機にもフィルムスキャン機能が搭載されていました。これはそこそこの性能でしたが、とても便利。WEB用途にフィルムをデジタル化するにはちょうど良い機械でした。ですがこのプリンターはもう捨ててしまいましたし、最新の複合機でフィルムスキャンをサポートしている機種などありません。

 フィルムスキャナーでググると、今がこういう製品がいくつか見つかります。お値段は超手頃で思わずポチりそうになりますが、口コミを色々調べて行くと、かなり不安な感じ。この手の製品はスキャナーと言うよりデジカメが仕込まれてるだけのようです。それでも良いからもう少し真面目に作られた製品はないものだろうか?と思ってしまいます。

EPSON A4フラットベッドスキャナー GT-X830 6,400dpi CCDセンサー A4対応

EPSON A4フラットベッドスキャナー GT-X830 6,400dpi CCDセンサー A4対応

 ということで、ある程度の質を求めるとやはりこういうスキャナーが必要になるのかも。これだと中判もサポートしていて、フィルムをかなり本気で楽しめそうです。ただ、フラットヘッドスキャナーは置き場が必要なことが一番の問題です。そして実際そんなスペースはありません。

 やはりお店でこういうサービスを利用するのが一番良いのかも知れません。ただ、これもそれなりの質を求めるとかなりのコストがかかってしまいます。1000万画素相当のスキャンだと1コマ500円もするなんて! 相当に選び抜いた渾身の一枚にしか使えません。うん、でも本来プリントの引き延ばしだってそうなんだから、それで良いのかも?

 ということで、Zeissを手に入れたことに始まって、なぜかLXも手に入れることになってしまい、そのあげくにもっと日常的にフィルムを楽しむためには、どうしたら良いのかな?とあれこれ悩みはじめる結果となってしまいました。これもまた「沼」なのかな?と思っています。

 いえ、考えるだけでフィルムスキャナーは買いません。そしてフィルムにも深くのめり込むことはなくて、使うのは今まで通りごくたまに息抜きとして、というスタンスに落ち着くと思います。多分...。