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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

快晴の厚木基地でF/A-18E/F スーパーホーネットを撮る

 空気が澄んできて晴れた日の青空が綺麗になってきた初冬は、飛行機を撮るには絶好の季節です。1ヶ月くらい前から、久しぶりに飛行機の写真でも撮りたいな、とずっと思っていて、しばらく行ってない羽田空港にでもしようかと考えていたところだったのですが、ちょうどそんな時に飛行機好きの写真仲間から厚木基地へ行こうと誘われました。厚木基地は今年の5月に初めて行って以来で2回目です。こうして誘われでもしないとなかなか軍用機を撮りに行くことがないので、これは渡りに船!ということで喜んで話に乗りました。

 前回厚木基地を訪れた時はどん曇で午後からは雨が降ってきてしまいましたが、今回は前日の予報からして文句ない晴れ。首都高速3号線から東名高速へ向かう間にも、西の方には朝日に照らされた美しい富士山が見えていました。これは飛行機写真日和になりそうです。いや、何を撮るにも今日は絶好の一日になりそう!

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 今春にPENTAX K-1を手に入れて以来、K-1には向かない場面でも敢えて全てK-1で撮ってきたのですが、今回は久しぶりにAPS-CのPENTAX K-3IIを使ってみることにしました。望遠域が必要で連写したくなる被写体にはK-1よりもK-3IIの方が快適なはずです。せっかく両方持ってるのだから、ちゃんと適材適所で使い分けて行かなくては勿体ない!

 

午前:ふれあいの森 上草柳広場

 早朝に車を走らせて東京都心を横断し、まず最初に向かったのは厚木基地北側の上草柳広場です。この時期は北風運用されてることが多いので、まずは滑走路の北側に位置するここから朝一の離陸を狙います。

 上草柳広場のすぐ近く、相鉄線の線路脇まで行くと厚木基地の滑走路が見通せます(2段くらいの脚立が必須です)。米軍や自衛隊の飛行情報は公開されないので、その日に何がいつ飛ぶかは確定情報はないのですが、平日はだいたい午前と午後に1回ずつ訓練飛行するはず。

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 果たして滑走路方面を見ていたら、ハンガー前にいたF/A-18がぞろぞろと動き始めて滑走路に向かい始めました。どうやら10機近くが立て続けに離陸するようです。艦載機ですし離陸性能が高いのか、遙か遠くで離陸してあっという間に高度を稼いで行ってしまいます。

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 タンクを一つだけ抱え、ミサイルはなぜか左翼端のみ。その他のハードポイントは全て空です。

 このポイントはちょうど滑走路の延長線上の真下で、離着陸機は頭上を通過していくのですが、午前中ですからなるべく順光側に回り込もうと、東の端っこスレスレに陣取りました。

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 続いてやってきたこの機体は、タンクを両翼に4つも積んでいます。真ん中のもタンクかな? それに後部から煙を吐いてますが、これは何でしょうか?

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 さすがに軍用機ですから、離陸直後とは言え非常に速度が速く、ファインダーで追いかけるのも大変です。あっという間に頭上を過ぎ去って行ってしまいます。

 こういう場合はやはり連写が速いカメラは助かります。相手は動きが速いとは言えピント移動は大きくはないので、コンティニュアスAFでピント優先に設定してあっても、ほぼスペック上限値通りの秒間8コマ近くは出ていたと思います。あとで選別作業が大変になりますが、OKカットが得られる確率が上がります。それに、連写が速いと撮影のリズムが良くて撮っていて気分が良いというのも大きなポイントかも。K-1ばかり使っていた間に忘れていた感覚です。やっぱりK-3 IIを手放さないで良かった!

 さて、一通り離陸が完了したところで、次のポイントへ移動しましょう。こんどは今離陸していった機体が帰ってくるところを狙うため、滑走路の南へ回り込みます。

お昼前:綾瀬スポーツ公園

 一度離陸したF/A-18は2~3時間くらいは戻ってこない事が多いので、ゆっくりとコンビニに寄りながら移動しました。


 午前中の冬の公園は基本的に閑散としていましたが、基地寄りの広場には大砲を持った人達が既に沢山いました。やはりここは定番の撮影ポイントです。

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 お昼前までは待ち時間だと思っていたら、10時頃に早くも戻ってきました。朝はあまり遠くまで行かなかったのでしょうか。滑走路へアプローチする前に一度基地の上空を通過して、ぐるっと左回りに一周してからアプローチしてきます。乾燥した時期ですが、翼端からヴェイパーが出ていました。

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 タンクをやたらに搭載したやつもすぐに戻ってきました。燃料満タンで遠くへ出かけたわけではないようです。

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 すぐ頭上を通過する際はコクピットもよく見えます。ズームはテレ端ではなくExifによれば220mmとなっています。フルサイズ換算330mm程度でこのサイズに撮れるわけですから、いかに機体まで近いかが分かりると思います。

 ちなみにF/A-18スーパーホーネットには単座型と複座型があって、復座がF/A-18Fで単座はF/A-18E。見ての通りこの写真は複座のF/A-18Fです。厚木基地で見る限り、F/A-18EとF/A-18Fは半々くらいの割合のように思いました。準国産のF-2もそうですが、単座機と複座機はどういう使い分けしてるんですかね。単なる訓練用途というわけではないと思うのですが。

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 さて、着陸直前のF/A-18がものすごい轟音を轟かせつつ、あっという間に頭上を通過して行きます。スピードもかなりあるので、カメラを振りつつフレームに収めておくだけでも大変です。離陸と違って距離が近いので、ピント移動もそれなりにありますが、そこはAFに頼り切るしかありません。

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 艦載機だからと言うことではないでしょうが、着陸時はかなりの降下スピードで、民間機ほどフレアせずにそのままタッチダウンします。

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 滑走路の誘導灯は綾瀬スポーツ公園内に設置されています。その真下で待っていれば真正面から着陸機がやってくるはずで...

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 ...こんな感じになります。飛行機写真としては、真下から機体のおなかしか見えない写真は嫌われがちですが、個人的には迫力あって良いと思うんですけどね。

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 朝飛んでいったF/A-18がどんどんと戻ってきました。これは滑走路上空をハイパスしていくところ。こうして2〜3機の編隊で戻ってきて、ぐるっと回り込む際に前後距離を調節しつつ立て続けに着陸します。

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 そう言えばこの日は地平付近の見通しもよく、西の方には富士山がとても綺麗に見えました。ちょうど旋回中のF/A-18を無理矢理フレームに入れてみたり(^^;

午後:綾瀬スポーツ公園

 一度戻ってきたF/A-18は、恐らく午後早い時間に再び飛行すると思われますが、再びふれあい広場側へ移動することはせずに、綾瀬スポーツ公園でこのまままったり待つことにしました。

 なお、ここからはカメラをK-1に取り替えてみました。どっちがどれだけ使いやすいか、結果に違いはあるかを同じ条件で比べてみようと思います。

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 この日は全体的に訓練スケジュールが巻き気味で、早くも正午頃に2回目の飛行が始まりました。朝と同じく北向きに離陸していくわけで、南側に位置するここからは後ろ姿が見られます。なのでこうしてアフターバーナーの様子を撮ることができます。とは言え、こうして熱炎でメラメラになってしまいます。

 アフターバーナー狙いでたくさんシャッターを切ったのですが、これ以降は前に離陸していった機が残した陽炎が滑走路上に漂ったままで、まともな写真は撮れませんでした。この位置からは最初に離陸する一機目だけがチャンスとなるようです。

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 その後しばらく現地に住んでいるらしいおじさんに「そのレンズ何ミリ?」とか声をかけられてしばし歓談。今飛んでいったやつが戻ってくるのは2時半頃だろうとのこと。ならばコンビニでも行こうかな?と思ったその矢先に、上空に機影発見!もう戻ってきた? やはり今日の飛行はかなり短縮版のようです。

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 厚木基地の滑走路はほぼ南北に沿っているので、順光側から撮るために午前とは反対側に回り込みました。機体まで十分に近いので、K-1に変えて同じレンズでも画角が1.5倍広くなることはそれほど気になりません。午前中と似たような写真を撮ってみたのですが、AFはともかくやはり連写の遅さは撮影のリズムが狂います。こうしてほぼ同時に使い比べてみるとなおさらそれを感じます。

 晴天の日中なら高感度性能も関係ないし、今回は流し撮りをしたわけではありませんが、こうやってカメラを振り回す場合はやはり手ぶれ補正はオフにした方が歩留まりが良いような気がします。となると、こういう用途で敢えてK-1を使う理由はないな、という当たり前のことを今更ながら再確認しました。

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 午後になるとうっすらと雲が流れてきて良い感じになったので、フルサイズの画角の広さを逆手にとって、敢えて引き気味で撮ってみたりしました。

 ちなみに仕上がりを見ているとやはりK-1の画像の方がずっと滑らかで繊細で粘りがあるというか、単色の微妙なグラデーションとか雲の感じとか、そういうのが綺麗に出ることを実感します。ISO200程度の低感度域でも、青空のノイズの出方が明らかに違いますし、今回は晴れていたこともあってJPEGで済ませてしまいましたが、K-3IIはちょっとコントラスト等を調整するだけで、色々つじつまが合わなくなってきますが、K-1はかなり調整代が残っています。なのでK-3IIは低感度でもRAW撮り必須かな?と思いました。

その他の機体

 厚木基地は米海軍だけでなく海上自衛隊も共同使用しているので、海上自衛隊機もたくさん飛んでいます。さらにヘリコプターもやたらに飛び回っていました。

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 対潜哨戒機のP-3Cはターボプロップの古い機体。黒煙を吹きながら飛んでいます。飛んでいるP-3Cを見るのは陸上自衛隊の総火演の後段演習以来です。

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P-3Cの後継機で今後配備が進められていく国産の対潜哨戒機P-1もたくさん飛んでいました。これは初めて飛んでるところを見ました。

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 海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60K。色んな装備がゴテゴテと付いていて格好いいですね。特に尾部の黄色いミサイルみたいなやつが気になりますが、これは磁気探知装置というもので、使用時はワイヤーを伸ばして曳航するそうです。

 ちなみにヘリの撮影はローターの回転感を出すために、低速シャッターを切らないといけないのでブレとの戦いです。歩留まりも含めてほとんど流し撮り感覚です。

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 こちらは米軍のMH-60R。背後は恐らく羽田を出発して遙か上空を飛んでいった民間機が作った飛行機雲。午後はこうした雲の表情との絡みが色々面白かったです。

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 米海軍の攻撃ヘリコプター部隊HSM-77の隊長機。ど派手なカラーリングのMH-60Rです。今回密かに期待していたF/A-18の色付き隊長機がまったく飛ばなかったので、ヘリコプターでも色付きが見られて良かったです。

夕暮れ

 結局その後はF/A-18は動きがなく、3回目の飛行はありませんでした。合間にE-2Cが飛んだらしいのですが、コンビニに行ったり車で休憩してたりしている間に撮り逃してしまいました。でも、まったりと一日、快晴の下で写真を撮りながら遊べて楽しかったです。

 この日は厚木基地の騒音訴訟に関する判決が出た日で、そんなニュースも暇つぶしに眺めていたスマホに流れてきたりして、色々考えさせられます。現地に暮らし毎日この轟音を聞いてる人達にしてみれば、写真を撮りに来て暢気な話をしてるのも申し訳ない気にもなります。が、それは個人的に思うところもあり、また別に考えるべき問題です。

 さて、最後に2枚貼っておきます。
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 ほぼ日没前後に西の空に見えた風景です。写っている機体は海上自衛隊のP-1。厚木基地上空をグルグル回りながらタッチアンドゴーを繰り返していました。夕方になればなるほど、雲の表情が冴えてきて、マジックアワーは一瞬でしたがとても良い感じでした。

 Flickrでは最初の青い方が人気があるようなのですが、個人的にはオレンジ色の夕焼け雲のほうが気に入っています。自信がないので両方貼り付けてしまいました(^^;

K-3IIを見直す

 久々にK-3IIを使ってみた感想と、K-1との比較については、既に本文で書いた通りです。

 やはりこういう超望遠域がものを言い、カメラを振り回し、数を撃たなくてはいけないような撮影では、K-3IIの軽快さとスピードがものを言います。光学ファインダーの倍率の低さは気にならないどころか、画角の狭い望遠とは相性がむしろ良いのかもしれません。それに手ぶれ補正が当てにならない場合には、その部分の差も感じませんし。K-1のほうが良いと思った点と言えば、既に書いた画質面と、背面液晶の明るさくらいです。撮影画像を確認していると、K-3IIの液晶はK-1と比べて暗くて見にくい、と感じてしまいました。もちろん、その辺は調整範囲内かも知れません。

 ということで、いずれにしても今後はK-1とK-3IIを適材適所で使い分けていこうと思います。来年は鈴鹿にK-1を持ち出すような無茶はしない... はず。いや、それよりもK-3 IIIあたりを期待したいところですね。