酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

K-3 IIを買ったのでまずはリアル・レゾリューション・システムを試してみる

 えーっと、買ってしまいました。先日保有機材の整理を行ったのはこれの前振りであります、はい。フルサイズのことは年末に出たら考えるとして、まずは目先の問題(?)を片付けることにしました。状況的に今年は「待ち」ではあるのですが、出てきたこの製品仕様を見ると、どう考えても私的には「買い」なのです。

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 K-3 IIのどの辺が「買い」かと言えば、私個人的には手ぶれ補正とAFの強化改善につきます。それ以外はおまけだと思っていますが、一般的にK-3 IIの一番の関心の的は「リアル・レゾリューション・システム」ではないかと思いますので、いきなりですが試してみることにしました。

まずは開封

 その前に、箱を開けて中身を見てみましょう。と言っても、名前が示すとおりK-3のマイナーチェンジ機ですし、基本的にはあまり目新しいところはありません。

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 箱はリコーブランド化されて以降の標準的デザイン。ちなみに私が買ったのはボディのみです。レンズはたっぷりありますから。そしてもはやシルバーボディは諦めました。久々のブラックボディはかえって新鮮です。

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 箱から取り出してHD DA16-85mmを取り付けてみました。この組み合わせのキットはまだ発売になってません。

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 K-3との外観上の違いはペンタ部に集中しています。まずはその形。フラッシュの代わりにGPSと電子コンパスが収められているペンタ部は、形状が鋭くなり高さが2.5mmほど増えました。"PENTAX"のネーム部との段差がイマイチです。ただし、チャージ用のコンデンサが省略できたせいか、重量は15gほど軽くなっています。

 フラッシュのポップアップボタンはGPSのON/OFFボタンになりました。苦肉の策かと思えば、これが非常に使いやすいです。GPSは電池も食いますし、常に記録したいわけでもないので、ON/OFFをその都度コントロールしたいのですが、MENUの奥の方にその切り替えがあったりすると、それだけで面倒で使わなくなります。そう考えるとGPS専用ボタンがあるというのはすばらしく便利です。

 GPSをONすると液晶表示にもその旨アイコンが出るのですが、ペンタ部横にオレンジ色のLEDも光ります。結構目立つのですが、切り忘れがなくてこれも秀逸な仕様です。

 さらにモードダイヤルが微妙に変更されています。従来のものは電子コンパスに干渉するとかで、モード表示文字の処理が変更されています。見た目にちょっと安っぽくなりました。

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 なお、フラッシュがなくなってペンタ部はポップアップしなくなったのですが、ボディ外装の金型を流用しているようで、ペンタ部カバーとボディ上部外装の切れ目ラインは従来と変わっていません。アイピース側にはポップアップ機構のヒンジ部分の名残まであって、ねじの頭がそのまま見えています。このあたり、ペンタ部のデザイン処理と仕上げが全体的にやっつけ気味すぎるようです。

 このペンタ部カバーはプラスチック製とのことですが、その下のマグネシウム合金部とほとんど見分けが付かないくらい綺麗に仕上がっています。

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 機能の変更や追加により、メニュー構成などは一部変わっていますが、基本的な操作UIは全く変わっていません。外観上の変更はこの背面にもう一つあって、それは液晶が面下にあった"RICOH"ロゴが消えて無銘となったこと。まぁ。実際のところここにブランド名、あるいはメーカー名を入れる必要は全くないです。余計な文字類がなく、すっきりしてこっちの方が良いですね。

 あと、内蔵フラッシュがなくなっても十字キーの下キーはフラッシュメニューに割り当てられています。なんか勿体ないですが、仕方ないところでしょうか。

期待するところ

 さて、K-3に対するK-3 IIの変更点について再度おさらいです。公式ページのFAQに以下のように書かれています。

K-3との機能の違いは以下の通りです。
・SR機構を応用した新機能、リアル・レゾリューション・システムを搭載
・SR機構の性能向上で手ぶれ補正段数を4.5段にアップ
・GPSユニットと電子コンパスを内蔵。カメラ単体でGPSログの記録やアストロトレーサー機能が使用できます。
・アルゴリズム最適化による位相差AF高速化。
・レンズ補正に「回折補正」を追加
・内蔵フラッシュ非搭載

 私が特に重視したのが、冒頭にも書いたとおり手ぶれ補正とAFに関する改善です。手ぶれ補正は補正効果が3.5段から4.5段に向上した上に、流し撮り検知機能がサポートされました。これ超重要です。しかも切り替え不要の自動で、流す方向は水平に限らずあらゆる方向に対応するという徹底ぶりです。

 オートフォーカスに関しては、動体追従能力が向上しているそうです。K-3で新しいセンサーに新しいプロセッサを搭載し、かなり機能向上しましたが、IIになって熟成されてきたようです。これにもかなり期待しています。

 GPS内蔵は地味にうれしいところで、上に書いたとおりON/OFFがしやすく実用性満点。あとは電池消費にどこくらい影響があるか?が問題でしょう。

 アストロトレーサーやリアル・レゾリューション・システムについては、実際のところあまり実用上には影響しない「飛び道具」かな?と思っています。出来たら出来たでもちろんうれしい機能ですけど。

 その他、K-S2で新たに採用された明瞭強調とか、インターバル撮影周りの機能改善は含まれていませんでした。またFAQにも記載のある「回折補正」については、K-3からさらに性能向上したのかと思っていましたが、どうやらK-3相当のようです。K-3は出荷状態で回折補正をサポートしておらず、後に自力でファームアップデートすることで使えるようになるわけで、K-3 IIはそれが出荷状態でサポート済み、ということのようです。なので、事実上ここは差分ではありません。

 さて、手ぶれ補正やAFの機能向上は追々確認していくとして、まずは注目度の高い「リアル・レゾリューション・システム」をさっそく試してみることにしました。

リアル・レゾリューション・システム

 最初にざっくりおさらいをしておきましょう。K-3 IIが初搭載した「リアル・レゾリューション・システム」(長いので以下「RRS」)とは、センサーシフト式の手ぶれ補正機構を流用して、ベイヤーセンサーの弱点である色補完を無くそうというもの。

 この公式動画が直感的に分かりやすいわけですが、1画素ずつずらしながら4枚の画像を撮影し、それを合成することで色補完を廃するという考え方のようです。オリンパスの超解像とは違って、最終的に得られる画像ファイルの画素数は約24Mピクセルで変わりません。ただしサイズはかなり大きくなるようです。

 理屈が何となく分かったところで、とにかく撮ってみましょう。ブレが大敵と言うことで三脚必須です。私は小型の4段伸縮式三脚しか持ってないのですが、ダメ元でとにかく試してみました。

 ミラーショックを防ぐのとピントを正確に合わせるためにライブビューで撮影。シャッターボタンを押したときの振動を防ぐために、セルフタイマー(2秒ではなく10秒)を使用しました。

遠景-1

 まずは遠景です。レンズは16-85mmで約43mm付近を使用、絞りはF8、シャッタースピードは1/250secで、ISO100で撮影しました。RAWではなくJPEG撮って出しです。

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 上がRRSオフ、下がRRSオン。写真をクリックするとオリジナルサイズで表示します。
 この2枚の中心部を等倍で切り抜いてみました。

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 上がRRSオフ、下がRRSオン。解像感は明確に向上します。マンションの手すりの桟がオフではつぶれているのに、オンではきっちり解像しています。しかし木の葉っぱはやはり解像感が上がってるようではありますが、ちょっと妙なパターンが浮いてきてるようにも感じられます。

 RRSはカメラ側のブレが大敵である一方、被写体ブレにも弱いのですが、風に揺れる木々というのは一番苦手な被写体かもしれません。この例でも左上に少し入ってしまった近景の木の枝はドットあるいは筋状の模様が見られます。

遠景-2

 上と同じ場所ですが少しズームで引いて、31mm付近に設定。あとは上と同じです。

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 上がRRSオフ、下がRRSオン。写真をクリックするとオリジナルサイズで表示します。

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 解像感が向上するのは[遠景-1]の場合と同じですが、スカイツリーの右側にある川沿いのビルに注目してください。RRSオフ(上)では壁面のパターンが微妙に細かすぎて、激しいモアレが生じています。RRSオン(上)にすると完全に消えることはありませんが、モアレがかなり低減されています。RRSの原理からすれば当然得られるべき結果です。

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 あと、風に揺れた左上の葉っぱがおかしなことになってるのは相変わらずです。このあたりの処理がもう少し洗練されると良いのですが。

中距離

 つぎに少し近景で背景に大きなボケを入れた場合です。レンズはDA★55mmでF4まで絞りました。感度はISO200でシャッタースピードは1/125secです。これもJPEG撮影です。

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 上がRRSオフ、下がRRSオン。写真をクリックするとオリジナルサイズで表示します。
 この2枚の中心部を等倍で切り抜いてみました。

K3II0835-Edit.jpg
K3II0836-Edit.jpg
 上がRRSオフで下がRSSオンです。

 ピントが合ってる木の幹はやはり大幅な解像度向上が見られます。そして当然ですが背景のボケの表現には差は見られません。なお、手前の草は風で揺れて二重になっていたり、背景には人が歩いていたりするのですが、この場合はRRSオンでもドット模様になるなどの破綻は見られません。

近距離静物

 最後に静物です。K-3をK-3 IIで撮ってみました。光源は普通に部屋の蛍光灯で、F11まで絞り、感度をISO3200まで上げましたが、シャッタースピードは1/8秒です。

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 上がRRSオフ、下がRRSオン。写真をクリックするとオリジナルサイズで表示します。

 この2枚の中心部を等倍で切り抜いてみました。

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K3II0944-Edit.jpg
 上がRRSオフで下がRSSオンです。

 RRSは4枚合成するので結果的にNR効果が得られます。もともとISO3200なので解像感の回復はそれほどでもないですが、ノイズの低減効果は確かにあるようです。ただ、それを確認するにはNRをオフするべきでした。今回はNRオートのままなので、RRSオフの状態でもかなりNRが効いています。

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 ちなみにこれはRRSオンでISO200までお落として撮ったもの。シャッタースピードは2秒となりました。x4なので撮影終了までかなり時間がかかります。クリックすると等倍の画像が開きます。質感が嘘っぽいくらいに写っています。

感想

 ということで、リアル・レゾリューション・システムですが、あくまでも飛び道具であり、実用性はあまりないのではないかと思っていましたが、やってみると意外に簡単で面白いです。三脚据え付けてじっくり撮るような場面では、威力を発揮する場面がありそう。画面の中で動くものがどのように写り込むかはやってみないと分からない部分がありますので、とにかく撮ってみるというのが重要かと思います。今度は折を見てRAWで撮ってじっくり現像する、と言うのも挑戦してみたいです。

 さて、RRSはさておき、普通にAPS-C一眼レフとしてどうなのか? 特に期待した手ぶれ補正とAFについてどうなのか?は、追々色々撮っていって確かめたいと思います。

関連エントリー

 実は以下の二つのエントリーで使った写真は、K-3 IIで撮ったものでした。