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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

HD DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WRの本領発揮なるか?

カメラ HD DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WR

 昨年秋に購入した HD PENTAX DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WR は理想的なズームレンジを持つ標準ズームの決定版と期待して、しばらく集中的に使っていたのですが、その中でどうにも納得いかないことがありました。それはワイド端開放時の周辺画質。と言いますか、そもそも過大な期待をしているつもりはないのですが、左側だけやけにモヤモヤとボケるのが気になったのです。

K3PS5340.jpg
 ということで、年末年始を挟んでリコーイメージングに里帰りさせて調整してもらいました。

左側片ボケ症状

 この症状に気づいたのは購入直後で、以下の「買ったよ!」エントリーを書いた時点です。

 ここで撮ってみた以下のカットがどうも変だな?と気づきました。
K3PS0127.jpg
 近くの公園でテストとして撮った一枚。どんよりした曇りでそもそもスッキリしない写真ですが、これが一番分かりやすいです。左側の木や遠くの高層マンションなんかはボケボケです。一番酷いのは左下。もしかして被写界深度から外れてる?と思ったのですが、右下と比べると明らかにボケすぎです。

K3PS0133.jpg
 しかしこれがF8まで絞るとウソみたいにクッキリします。被写界深度とかそういう問題なんでしたっけ?それとも収差?

 とりあえずしばらく色々撮ってみて様子を見ようということで、以下のエントリーはすべて調整前のこのレンズを使って撮ったものですが、特に普通に撮っていて実害はないんですよね。ズームしたり、絞ったり、あるいは高感度を使ったり、日の丸構図だったり... あまりワイド端開放で隅っこまで使い切るような写真ってなかなか撮りません。




 敢えてワイド端の開放で撮ったカットを2枚だけ上げてみます。

K3PS0586.jpg
 グリップを上に構えているので、画面の下側にあるドームがホヤけています。肝心のスカイツリーはクッキリしているのに。ただこのシーンだったら別にこれはこれで気になりません。ちなみにレンズ補正すべてONになっています。

IMGP9644.jpg
 このカットはK-30で撮りました。やはりレンズ補正はすべてON。するとなぜかそんなに悪くないんですよね。センサーの解像度の問題でしょうか? あるいはカメラとの相性? もしくはたまたま? それでも左下の看板は怪しいですけど、私的にはこのくらいは別に良いでしょ、という範囲です。

 しかし、ふとしたときに開放にするのをためらってしまったりして、やはり何となくモヤモヤして精神衛生上良くないので、一度メーカーに見てもらうことにしました。

調整1ヶ月

 リコーイメージングフォーラムで症状を確認してもらった結果、やはり左側、特に左下が基準よりも悪いと言うことで、預かりで調整してもらうことになりました。年末年始を挟んだので約1ヶ月かかってしまいましたが、先日ようやく私の手元に戻ってきました。

K3PS5342.jpg
 戻ってきたレンズに添付されていた作業伝票にはこのように書かれていました。交換部品はなく調整したとのこと。

 ところで、こう言うのってやはり分解してから再度組み立て直すのでしょうか? 最近のレンズもそういう調整余地が残されているものなのか、ちょっと不思議に思います。

 そんなことはさておき、戻ってきたレンズがどの程度改善したのか早速見てみましょう。

調整前後の比較


 最初の「買ったよ!」エントリーでテストのために撮った写真と同じところで同じように撮り直し、画像を比較してみます。以下ワイド端16mmでF3.5 開放に設定して撮ったものです。レンズ補正はすべてOFFし、手ぶれ補正も切りました。カメラはK-3です。

K3PS0127.jpg
 まずはこれが調整前。紅葉が終わりかけてる季節。天気があまり良くないです。

K3PS5088.jpg
 そしてこれが調整後。同じ場所で同じ設定ですが、真冬の快晴で木々の葉は落ちてしまっています。同じ場所ですが全く違う写真になってしまいましたが仕方ありません。

 以下等倍拡大比較です。左が調整前、右が調整後。ほぼ同じところを切り抜きました。

K3PS0127-Edit-4.jpg
 まずは中心部。東京スカイツリーが写っています。調整後のほうがボヤッとしてるのは、ピントが甘かったのか、手ぶれのせいか?

K3PS0127-Edit-5.jpg
 問題の画面左側です。調整前は酷いですね。葉っぱがなくなってしまって今ひとつ分かりづらいですが、それでも調整後はやや改善しているようです。

K3PS0127-Edit-6.jpg
 念のため右側も見てみましょう。こちらはあまり変わらないですかね。少なくとも調整した結果今度は右が悪くなる、ということはないようです。

 というか、撮影条件が違いすぎて、見れば見るほどよく分からなくなってきます。なので、ここで調整前との比較はもはや忘れて、調整後の状態だけをもう少し追求してみることにしました。普段は新しいレンズ買ってもこんなことしないのですが、ここは乗りかかった船ということで、気が済むまでやってみます。

調整後の再テスト撮影


 東京スカイツリーが見える場所は画面周辺を見るには向いていなさそうなので、別の場所に移動します。

K3PS5093.jpg
 新しいテスト場所はこんな感じのところ。最も悪かった左下隅の様子がもう少し分かりやすいのではないかと思います。

 以下等倍切り出しです。
K3PS5093-Edit-2.jpg
 まずは中央部。これは文句なし。

K3PS5093-Edit.jpg
 左下隅。まぁまぁですかね。

K3PS5093-Edit-3.jpg
 右下隅。これもまぁまぁかと? あまり左側との差もあまり感じられません。

 うん、このくらいなら悪くないんじゃないでしょうか。むしろ十分だと思います。このレンズは周辺部に色収差がわりと顕著に見られますが、それはカメラ内で補正できますし、その結果解像感にも影響を与えるかもしれません。。

 次にワイド端のまま絞りを変えて見ました。以下等倍切り出しは省略します。

絞り ワイド端16mm
F3.5 K3PS5093.jpg
F4.5 K3PS5097.jpg
F5.6 K3PS5098.jpg
F8 K3PS5099.jpg

 調整前もそうだったのですが、F5.6〜8あたりまで絞ると、画面の隅々までクッキリして、K-3の高解像度を存分に生かし切れるだけのキレを見せます。

 さらに今度は開放のままズームしてみましょう。

焦点距離 絞り開放
16mm K3PS5093.jpg
35mm K3PS5094.jpg
50mm K3PS5095.jpg
85mm K3PS5096.jpg

 こちらも調整前と変わらず、ワイド端以外は周辺まで均一です。

 ということで、慣れないことをここまでやってもうおなかいっぱい。満足しました。

結論

 実は「うーん、調整してもこの程度か」というのが、調整後のレンズを受け取ってテスト撮影してみたときの正直な感想でした。基本的にワイド側で少し無理をしているレンズなのでしょう。

 でも、実際のところそんなにネガティブに感じているとか、仕方なく割り切っているというつもりはなくて、むしろこのレンズはかなり気に入っています。何より焦点距離レンジが絶妙ですし、今回問題にしたような描写性能についても、DA18-135mmと同じく、レンズ補正をONにすることを前提にして使えば、実使用上では気になることはないでしょう。

 それよりもHDコーティングの抜けの良さと、絞ったときのキレ具合は流石最新のレンズだなと感じます。発色の自然さとPENTAXらしさがあってとても良いレンズだと思います。ワイド端の周辺は「惜しい!」と言ったところでしょうか。

IMGP9575.jpg
 AFも速くて防滴仕様ですからK-3と組み合わせるにはぴったり。HD DA20-40mmが雰囲気を楽しむための標準ズームだとすれば、このHD DA16-85mmはまさに実用のための標準ズームです。

 ということで、またこれからしばらくはこのレンズで色々撮ってみたいと思います。