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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

夕暮れの伊丹空港でEOS 7D Mark IIの高感度&暗所AF性能を体験する

 先日ちょっと大阪に行くことがあったので、これはチャンスとばかりにEOS 7D Mark IIを持って行きました。野暮用(仕事^^;)を超特急で済ませて、日没の伊丹空港(大阪国際空港)へ。今回は最初から千里川土手へ繰り出しました。

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 旅客機相手とは言え、非常に滑走路に近いためAFの動体追従性能はある程度要求されます。また日没後は当然ながら高感度に設定せざるをなくなり、ノイズ特性とともにAFの暗所性能も必要となる、とても厳しい環境です。

 最新鋭のEOS 7D Mark IIはどの程度の力を見せてくれるでしょうか?



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機材と設定

 撮影結果を並べる前に、まずは機材と設定です。ボディはお借りしているEOS 7D Mark IIです。今回も比較用のカメラは持って行かず、潔くこれ一台きりで撮りました。

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 先日WTCCを撮りに行った時はEF100-400mm F4.5-5.6L IS USM+EXTENDER EF1.4× IIIを使いましたが、今回はEF 70-200mmF4L IS USM+EXTENDER EF1.4×IIIにしました。このレンズもキヤノンユーザーの友人からの借り物です。伊丹は滑走路まで非常に近いので、これで画角は十分だろうということと、少しでも明るく、軽くしたかったため。EOS 7D Mark IIのボディに組み合わせると、細身ですっきりした小さな望遠ズームに見えます。実際そうなのですが、そこはさすがLレンズ、手ぶれ補正、AFスピード、そして描写性能は折り紙付きです。テレコンとの相性もきっと良いことでしょう。

 AF設定はAIサーボモードは良いとして、AF設定エリアは以下のようにしてみました。

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 15点ゾーンAFか、もしくは...

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 25点ラージゾーンAFです。

 旅客機の場合はそれほどシビアにピンポイントに合わせる必要はありませんので、どこかで引っかけてくれれば、という意図です。こういう場合、あとは自動ゾーン選択のアルゴリズムがちゃんとしていれば問題ないはず。

 ということで、以下撮影結果です。

日没前


 まずは日没前。空は晴れ渡り、西の空に夕日が沈んでいく様子がくっきりと見えました。空気も澄んでいて、夕日に機体が映えてとても綺麗でした。

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 ANAのボーイング777-300。双発機しか離発着できない現在の伊丹空港では、最大の機体です。というか、そうでなくても国内線では最大の機体ですけど。伊丹に飛んでくるのはB777-200が最大かと思っていたので、ちょっとビックリしました。

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 ミラクルムーンの数日前のお月様もあお空に浮かんでいました。上手いことA滑走路にアプローチしてくる小型の機体がすぐ近くをかすめて行きます。ピントもブレよりも問題はタイミング。秒間10コマ連写が役立ちます。

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 JALのボーイング777-200がタッチダウンした瞬間。この日は晴れていたものの横風が拭いていて、割と強めに降りる機体が多かったように思います。

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 ちなみにこれは撮影データにあるとおり、同時に持って行ったFUJIFILM X30で撮りました。ワイド端、28mm相当でこんな状態になります。いえ、この1秒後にはフレームからはみ出るくらい、すぐ頭の上を飛行機が掠めて行き、強力な風圧を身体に受けるほどです。なので、このポイントは望遠レンズではなく超広角あるいは魚眼レンズで、とても迫力ある写真が撮れたりるので、いつかはそういう写真もちゃんと撮ってみたいと思っています。

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 JALのエンブラエルERJ-170。結局はほとんどテレコン付きで撮りました。まだ十分に明るいので、ISO感度も低く設定してもシャッタースピードがある程度稼げます。描写性能もAF性能も私には全く問題は感じられません。手ぶれ補正は状況によってモード1とモード2を切り替えながら使ってみました。

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 とうとう日が沈んでいきました。これからはつるべ落としのごとく急速に暗闇がやってくるはず。

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 JALのボーイング737-800。この日が沈むすれすれの時間帯、JALの白い機体は真っ赤に染まります。が、ちょっと誇張されすぎているかも。青空を撮った時にも感じましたが、シーンによって結構色味と飽和度が大きく振れるカメラだな、と感じました。とはいえ、こういうこの時間帯は、デジタルカメラにとってはホワイトバランスの取り方が非常に難しいところではあります。何が正解なのか分かりません。

日没直後


 日が沈んだ直後、まだ空はかなり明るさを残しています。昼でも夜でもない微妙な光線状態。「マジックアワー」と呼ばれることもありますが、飛行機相手にはとても難しい時間帯です。

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 B滑走路への進入を待つのはANAのボーイング767-300。A滑走路に着陸しようとしているのはJALのエンブラエルERJ-170。地上は光を失い、ほんの上空はまだ太陽の光を受けている微妙な状態です。

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 それから数分すると上空でも日没を迎えたようです。さらにずっと上にある雲だけがまだ夕日を浴びています。綺麗なんですが、昼と夜の間で色が濁り始めます。

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 そうこうしているうちに滑走路の誘導灯が灯り始めました。そこに真っ先に降りてきたのはANAのボンバルディアDHC-8-400。小型機がB滑走路に降りてくるのは珍しいです。

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 空港のマジックアワーはほんの一瞬だけ。シャッタースピードも1/100secを維持するのにISO1600くらい必要になってきます。手ぶれ補正も良く効いてるし、ノイズ感もあまりなくてこのくらいは問題なさそう。

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 ちなみにEOS 7D Mark IIのオートフォーカスですが、距離が近いとはいえ、サーキットでレーシングカーを撮るのに比べると、旅客機の場合ピント移動はゆっくりで一定なので追従性能には問題なさそう。またこのくらいの暗さも問題ありません。iTR AF機能のおかげか、AFエリアを25点ワイドに設定していても、ちゃんとAFエリアも機体に食いついてきます。

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 ただし、キラキラ光るものには弱いようで、この時間帯になると急にこうして大幅にピントを外すことが増えてきました。連写していてもその後すぐに戻ってくるので、まぁ許せる範囲です。

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 さて、間もなく真っ暗になりそうです。このカットでISO2000まで上げました。でも悪くありません。


 気がつけば辺りは真っ暗に。離発着する機体もライトで照らされている部分以外はよく見えません。どのくらいのシャッタースピードまで我慢できるかに寄りますが、ISO3200では不十分で、ISO6400あるいはISO12800くらいが必要になってきます。ある程度ディテールが崩れてノイズ感も浮いてくるのを承知で、ブレで全滅するよりはマシと思い、敢えて高感度を使ってみました。
 明るさを出来るだけ稼ぎたいので、テレコンは外して70-200mmのみ。しかし前回も感じたことですが、ここであと一段の明るさが効いてきます。F2.8のレンズが欲しいところです。

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 B滑走路から出発しようとするJALのエンブラエルERJ-170。ほとんど黒く沈めてしまったせいか、ノイズ感はほとんど気になりません。実際肉眼で見える風景はこんな感じです。

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 ボンバルディアDHC-8-400がまたB滑走路に降りてきました。エンジンカウル部分に前照灯があるので、後ろから見るとプロペラが光っているようです。ISO12800ですがどうでしょう?さすがにこうなると、ディテールがかなり甘くなり、それがノイズのせいなのか、手ぶれなのかピントなのかよく分かりません。

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 ANAのボーイング737-500と思われる機体が降りてきました。もはや機首を見分けるのも困難な状況です。意外なくらいに機体は暗く、そのシルエットを写すのは難しいです。

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 B滑走路にアプローチしてくるANAのボーイング737-800。ライトが煌々と輝いていて、ファインダーで見ていても機体がどこでどうなっているのかよく分からない状態です。うっすら見えるエンジンカウルを目印に、闇雲に連写してみました。これだけ強力な光源があるとさすがにゴーストがたくさん出ますが、それは仕方ありません。もうちょっと明るく写したかったところですが、ISO12800ですし、これ以上明るくするとノイズが目立つかも知れません。

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 頭上を通り過ぎるJALのボーイング767-300を無理矢理追いかけてみました。失敗カット(というか成功カットはありませんでした^^;)の中でもいくらかマシだったやつ。こういうのを狙っていたんですが、こればかりはカメラの性能だけでは何ともなりません。

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 ANAのボーイング777-200が出発していきます。日中はまだそこそこ暖かいですが、夜になると急に冷えてきました。そろそろ帰ることにしましょう。

EOS 7D Mark IIの高感度性能と暗所AFについての感想

 大体本文中にも書いたのですが、高感度時のノイズ感はほぼ予想通り。K-3よりは1段くらい強いかも知れませんが、K-5あたりと比べると、あまり差がない気もします。やはりこの辺りはAPS-Cの限界でしょうか。ノイズを本当に気にしないで撮るならISO800まで、ある程度許容または後処理で何とかすることを前提ならISO3200くらいまで。ISO6400以上はノイズが浮いてくるし、そもそも解像が相当怪しくなってきます。それでも、今回のようなシーンなら悪くないでしょう。

 ISO12800はダメ元で使ってみましたが、急激に崩れることもなく、思ったよりも良かったと思います。K-3はISO6400とISO12800の間に明確な壁がありますが、この一段が使えるかどうかは、効いてくることがあるかもしれません。それに、EFマウントにはF2.8クラスの望遠ズームもありますし、そういう意味では頑張れば2段稼げるわけで、夜の空港では威力を発揮すると思います。

 AFについて、良かった部分はワイドAFエリアに設定したときに、しっかりと被写体を認識し、適切なAFポイントを選んでくれるところ、空バックなら難しくないですが、背景がそれなりにガチャガチャしたところでも、ちゃんと機体を見失わずについてきてくれました。ただし一方で、苦手な被写体があることも発見しました。周囲に比べて高輝度な物体があると相当迷い始めます。この辺りは一眼レフの位相差AFでは原理的に仕方ない部分があるのだと思いますが、最近のPENTAX機でさえほとんど気になることがなかった部分なので、懐かしく感じたほどです。

 あと、前回WTCCを撮りに行った時も感じたのですが、電池の減りが早いですね。こういう連写を多用する場合はカタログスペックよりも撮影枚数は圧倒的に伸びて、3,000カットくらいは平気で撮れるのですが、感覚的には一日持つかどうかギリギリ。今回は約2時間の撮影で2,500カットほどで電池残量は2メモリ減ってしまいました。予備電池は必須と思います。

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