連休前半部の初日、東京地方はとても気持ちよく晴れ渡りました。まさに行楽日和ということで、房総半島方面へタケノコ狩りに行ってきました。季節的にタケノコの旬というにはギリギリのタイミングです。目的地は千葉県南東部、いすみ鉄道が走り養老渓谷にほど近い大多喜町のはずれにある竹仙郷という農園です。都内から京葉道路、館山道、圏央道を走り100kmちょっと。わずか2時間で行ける秘境です。
千葉県にはタケノコ狩りができる農園はたくさんありますが、中でもここは本気の竹林がある秘境の中の秘境。車一台がやっと通れる細い道を分け入り、細いトンネルを抜けると、そこは今の時代にあって携帯電話の電波も大手3キャリアとも通じない、のどかな山里が広がっていました。
竹仙郷
房総半島の山間部は高い山がないわりに、内房から外房に抜ける道沿いは険しい山谷に囲まれており、周囲には他のどこにもない独特の田舎の風景が広がっています。ドライブしているだけでもとても気持ちの良い房総半島の田舎のなかでも、最も奥深いところに竹仙郷はありました。
高速を降り、国道を行き、いつしか県道にそれて、さらにナビと看板に従って進んでいくと、いつしかこんな道に出ていました。軽自動車同士でも離合は不可能な細い道路。かろうじて舗装はされていますが、路肩はほとんどありません。しかもその途中に現れたのがこんなトンネル。本当にギリギリ車一台分。照明もなにもなく、どう見ても手掘りしたとしか思えません。暗くなったら絶対に通りたくないような道です。
そんな難所を切り抜けると忽然と竹仙郷は現れます。基本的に予約制で一日に訪れるお客さんの人数も決まっているので、とても静かでひっそりしています。駐車場も5台も停めれば一杯になってしまいます。
中はこんな感じで炉端焼きのテーブルがあります。とても良い雰囲気。しかし食事は後回しで、まずは食材となるタケノコを穫ってこなくてはなりません。
周辺にはものすごく立派な桜の木があります。咲いていたときはさぞ壮観だったことでしょう。この桜を目当てに来るのも良いかもしれません。
でもまずはタケノコ、タケノコ。
タケノコを掘る
徒歩わずか3分ほどで竹林のある小高い山に到着。
日焼けの心配をしていましたが、高い竹が鬱蒼と茂る下は薄暗くて日の光はほぼ届きません。思ったよりも急斜面なその竹林の様子にしばし絶句。思ったよりもワイルドです。さすが秘境。
意を決して竹林の中に分け入りますが、目当てのタケノコはボコボコ生えてるかと思えば... そんなに甘くありませんでした。まずはタケノコを探すところから始めなくては。この写真の中にタケノコが写ってるのですが、どこにあるか分かるでしょうか?
最初のうちこそ中々見つからなかったのですが、ひとつ見えてくると、あとは次から次へと見つかるようになります。これは大忙し!
周囲の土をどけて行って、赤いつぶつぶの列が見えたらその下あたりに鍬を入れていきます。タケノコの頭が少し曲がってる方向から切っていくのがコツだそうです。
しかし、さすがにそこは初めての素人。そう上手くはいきません。本体を傷つけてしまったり、思うように鍬が入らず、切り口はガタガタ。でも売るわけじゃないので、ちゃんと食べられる身の部分が採れれば良いのです。
ということで、汗水垂らしながら山の斜面を這いずり回り、タケノコを掘りまくりました。しかし後で気がついたのですが、この山のすぐ脇は平地になっていて、そこにはもっとたくさんの穫りやすいタケノコがあったようです。私はわざわざ難所ばかり攻めていました...。上ったはいいけど下るときに足を滑らせて、泥だらけになったり、K-30を竹に打ち付けたり、挙げ句の果てにフードを無くしたり。
タケノコの炉端焼き
さて、疲れておなかが空いたところでお昼ご飯を頂きます。メインはタケノコの炉端焼き。今穫ってきたばかりのタケノコの中からちょうど良い大きさのものを選んで使います。
こんな感じで皮ごとそのまま炭火で丸焼き。大体1時間くらいかかるそうです。
それまでは用意してもらった別の食材を網の空きスペースで焼いて頂きました。海の幸、山の幸、お肉等々色々取り混ぜてあります。青柳は千葉産、海老は海外産、そしてソーセージは千葉産などなど。どれもとても美味しかったです。
飲み食いしている間に1時間はあっという間に過ぎ、そろそろタケノコが焼けたはず。ということで女将さんが捌いてくれました。
包丁ですっぱり二等分。中は綺麗にタケノコ色。何とも言えない香りが漂ってきます。
ということで完成です。いやいや、生のタケノコをゆでもせずにそのまま丸焼きにしたものなんて食べたことありません。間違いなくこれまでに食べたタケノコの中で最高の逸品でした。味付けは塩だけ。本当に美味いです。
〆はタケノコご飯と赤味噌のタケノコ汁。これも猛烈に美味いです。タケノコづくしでお腹いっぱいになりました。
そして残った20本あまりのタケノコは、そのまま持ち帰り可なので4人で山分けです。と言っても我が家は大量の生タケノコがあっても困ってしまうので、ほとんどは友人夫婦一家にあげてきました。料理好き、料理上手な人にうまく使ってもらわないと、勿体ないですからね。