酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

見所はチームメイト対決:F1 2014 第3戦 バーレーンGP

 中東バーレーンで行われた今年の第3戦は、なぜかナイトレースとなってしまいました。シンガポールのナイトレースは有名ですし、アブダビの日没を挟んだトワイライトレースも独特の風景で人気があります。三番煎じと言うわけではないでしょうが、今年からバーレーンのレースも時間が遅くなってしまいました。

 日本時間でレース開始はちょうど日曜日の深夜24:00から。時差の大きいヨーロッパで普通に行われるレースよりも3時間も遅く設定され、BSの放送は翌日に回されるなど、日本人F1ファンには観戦に不便なことこの上ありません。

 それはともかく、このバーレーンは冬のテストにも使用されたサーキットですが、予選までの結果を見るとメルセデスのパワーユニットを積んだチームがずらっと上位を独占する状況となりました。パワーユニットの出力差が大きくものを言うコースと言うことなのでしょう。スタート前にほとんどレースの趨勢が分かってしまったかのようで、何となく観戦するモチベーションが下がっていたのですが、実際のレースは予想を遙かに超える面白い混戦となりました。

 それもチャンピオンドライバー同士の因縁の対決とか、そういうことではなくて、マシンの性能差がそのまま現れたが故に、チームメイト同士で一つのポジションを奪い合うという、ある意味一番激しいバトルがあちこちで繰り広げられました。

ハミルトン VS ロズベルグ

 メルセデスのパワーユニットを積むチームが優勢と言われる中でも、ワークスチームはさらに頭二つくらい飛び抜けています。予選も他チームに1秒近い差をつけてフロントロウを独占。レースもスタートからピットイン、そしてチェッカーまでコース上で激しいトップ争いを見せました。
 際どいシーンも何度かあり、途中でタイヤ戦略を分けたあたりにチームの苦悩がうかがえます。ドライバーをエキサイトさせないように、無線の指示が何度も飛び交う中、セーフティーカー開けから最後の約10周に渡るバトルは大変見応えがありました。
 結果的に勝ったのはハミルトン。しかし意外なくらいにロズベルグも肉薄していて、マシンのセットアップも含めて二人とも力は思ったよりも拮抗しているのかも。とすれば、かなり気が早いですがチャンピオン争いがチームメイト同士とかなったら、後半戦はなかなか面白いかもしれません。

マッサ VS ボッタス

 最悪の数シーズンを過ごした名門ウィリアムズは、今季は調子が良くてポイント圏内常連となりつつあります。今回は特にメルセデスのパワーユニットのアドバンテージを生かして、大量得点のチャンス。しかしものすごく大きなミスもないものの、セーフティカーも不利に働くなど少しずつ何か歯車が狂い、凡庸なレースとなってしまいました。
 本来であればメルセデスの2台に続き、3位4位を押さえておきたかったところでしょう。しかし結果は7位と8位。レッドブルにも前に行かれ、メルセデス・パワーユニット勢のライバルであるフォースインディアに完敗となってしまいました。。
 途中、古いタイヤでペースの上がらないボッタスに前を押さえられたマッサがイライラしているシーンがありました。チームはボッタスに譲れという指示を出したのかどうかは分かりません。しかし前回のお返しとばかりにボッタスは道を譲りません。
 自分のしたことは我が身に返ってくる... と言う教訓をマッサが得たかどうか。何だか今後この二人の間にはまたしこりを残しそうです。

リカルド VS ベッテル

 メルセデスに対し、完成度が低く非力なルノーのパワーユニットに翼を折られてしまったレッドブル。このレースは並み居るメルセデス勢の後塵を拝し、ポイントが取れれば上出来などと言われていましたが、さすがニューウェイのデザインした空力マシンは、フォースインディア勢の間に何とか割って入りました。
 レース映像を見ていると、後半区間の高速コーナーでは明らかに他のチームと比べて異次元のスピードを見せていました。これでルノーのパワーユニットがメルセデス並みに仕上がったら、やはり誰も追いつけなくなるのではないか?というポテンシャルを伺わせます。
 レッドブルのエース、前戦では復活したかに見えたベッテルは、今回もまたチームメイトのリカルドにやられてしまいました。予選はマシントラブルだったそうですが、ベッテルとの比較を差し置いても、ルノーのパワーユニットでグリッド2列目に滑り込んだリカルドの結果は立派です。
 そして、レースでもペナルティによって13番グリッドからスタートしたリカルドが結局ベッテルの前でフィニッシュするあたり、ベッテルとレッドブルのマシンの相性にはまだまだ問題が山積していそうです。5年連続チャンピオンへの道筋は完全に闇の中です。

その他

 それ以外にも、フォースインディアのペレスとヒュルケンベルグ、そしてフェラーリのアロンソとライコネンもチームメイト同士で激しいポジション争いをしていました。マシンの性能差が如実に出るコース特性と言うことで、予選結果もそうですが、レースも進むにつれて、いつの間にかきれいにチーム毎に並び始めるところが何とも面白い光景でした。

 小林可夢偉は今シーズン始めて金曜日からすべてが順調に進んで臨んだレースでしたが、イマイチなりに何とかレース内容はまとめて、マルシアとの戦いにはほぼ勝ちを収めかけていたのですが、不運なことにすべては、終盤のセーフティカーでダメになってしまいました。マルシアに再逆転を許しこれからまた苦しい戦いが続きそうです。

 次戦は来週末、中国は上海GPです。さすがに東アジアのレースはちゃんとその日のうちに放送がされるはず。