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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

X-E2体験イベントでFUJIFILMのこだわりを聞く

カメラ みんぽす FUJIFILM

 まもなく11月9日に発売されるFUJIFILM X-E2の先行体験イベントに参加してきました。前モデルのX-E1も一度XF14mmF2.8 Rと共に使わせていただいたことがありますが、その新型となるX-E2はどんな出来なのでしょうか? Xシリーズの初号機X100の登場から約2年半、Xマウントの初号機X-Pro1の登場からは1年半とちょっと、そしてXマウントの中核機X-E1からはちょうど1年がが経過し、Xシリーズも第2世代に入りつつあるようです。

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 一見したところ、X-E1とほとんど変わりがないように見えるそのボディに込められた、FUJIFILMのカメラと写真に対する熱い思いの丈をじっくりと聞いてきました。


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 まずはセミナー編です。プレゼンテーションをしていただいたのは、フィルム時代から映像商品に携わり、現在はXシリーズの商品企画を担当する上野隆さんです。雑誌やWEB記事のインタビューなどで良く目にする方です。

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 会場は富士フイルム五反田ビル。こんなところにもオフィスがあったんですね。雨がぱらつくあいにくの空模様でしたが、室内イベントなので問題ありません。

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 会場に入ると目の前には早速X-E2の現物が。レンズはXF18-55mm F2.8-4 R LM OIS付きです。これは試作機ではなく、量産出荷品と同等とのことです。

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 さて、いよいよプレゼンテーションの始まりです。「X-E2について」というよりは「Xシリーズとは」あるいは「FUJIFILMの写真に対するこだわり」についてのお話となります。

 以下の写真は主に、会場でプロジェクターで映し出されたスクリーンをX-E2で撮影したものです。全体に緑がかっていてコントラストが低いのはプロジェクターのせいです。また、Lightroomで縦横のゆがみ補正をするなど手を加えたものです。

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 まずはXシリーズの変遷について。Xシリーズというと何となくXマウント機を思い浮かべますが、X20などレンズ固定式のカメラも多数あります。いずれも形やクラスは違ってもXシリーズとして共通したコンセプトがあります。

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 それは「本物志向」であること。レトロデザインという印象がありますが、光学ファインダやダイヤルオペレーションなどは機能的な要求から来ているものです。また、一見分野違いに思える高倍率ズーム搭載のX-S1も実は隠れた人気機種だそうです。

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 「撮る楽しさ」を得るための要素は、高画質でレスポンスが良く、正確で、操作性に優れていること、あるいは操作が楽しめること、です。うん、確かにその通りだと思います。だからこそ私は古くさいと言われる一眼レフファインダーが好きなわけですが、それは今回言わないことにしましょう(^^; ちなみにプレゼンターの上野さんも思わず「私は光学ファインダーが着いてるカメラしか使いません」(←意訳)と本音をおっしゃっていました。

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 X-E2もX100やX-Pro1譲りのダイヤルオペレーションに徹しています。露出補正ダイヤルはこのX-E2から±3EVとなりました。また、Fnボタンも健在で、再生モード時はX-M1同様にWi-Fi機能へのショートカットボタンとなっています。

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 背面の様子は少しずつ違いが見られます。まず液晶パネルが2.8インチから3インチになっています。またボタン類の配置は基本的に同じなのですが、機能割り付けがX-E1やX-Pro1と比べると大幅に変更になっています。Qボタンが押しにくくなりましたが、AFボタンは右手側に来ました。そしてQボタンを押し出したのは独立したAFロックとAEロックボタンです。

 この辺はまだ試行錯誤段階であると、非常に率直な言葉が聞けました。何が良いのか、市場の声を聞きつついろいろと改善を図り、試しているところだと。その意味ではやたらにたくさんのモデルが発売されているのも同じ考え方で、残るものは残り、淘汰されるものは淘汰される、という考え方だそうです。

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 お話の中で一番力が入っていたのはやはりX-Trans CMOSの部分。高性能なFUJINONレンズを生かすにはローパスフィルターは使いたくない、しかし高解像度であるが故に通常のベイヤーセンサーでは付けざるを得ない... という葛藤から開発されたのが、独自のカラーフィルター配列。これにより高解像度レンズでローパスフィルターを外しても、モアレや偽色を出にくくすることが出来たと。

 通常のベイヤー配列でローパスレスを実現するには、レンズの解像力を落とすか、画素ピッチを高めるしかありません。X-Trans CMOSは配列が(ある程度)不規則であるが故にモアレが出にくいとのことで、そこの理屈が今ひとつまだ感覚的に分からないのですが、この辺は実際に試してみるしかありません。とはいえ、X20やX-E1を少し試用した限りではモアレは皆無ではない、と感じています。それはレンズ解像度が高いことの証でもあり、そこも含めてXシリーズは上手く使いこなさないといけないのかもしれません。

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 いずれにしてもその解像力は「究極の測定器」レベルだとか。やや大げさな気もしますが、高いレンズ性能を要求するのは確かなようです。また、X-Trans CMOSセンサーのもう一つの特徴は、高感度性能の高さだそうです。うん、これは実際にX-Pro1やX-E1で実感しました。本当にXシリーズの高感度は綺麗です。

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 と、高感度性能の話を聞きながら、目の前にあったペットボトルを試し撮り。ISO6400です。どうですかね、これ。ISO6400はなかなか怖くて普通には使えないですが、背景のグレーのフラットな部分とか、グチャグチャにノイズ乗ってもおかしくないところが、そこそこ綺麗です。ペットボトルの水滴もきっちり表現されています。これはもしや普通に使えるんじゃない?と思えてきます。

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 レンズを外してマウントの奥を覗いてみただけでは分かりませんが、ちなみにX-E2ではX100s同様にX-Trans CMOSセンサーもEXRプロセッサーも第2世代になっています。前機種のX-E1はどちらも第一世代、そしてX-M1はEXRプロセッサーは第2世代ですが、センサーは第一世代でした。

 ところで、Xマウントには35mmフルサイズセンサーは入りそうにないですね...(A^^; いえ、Xシリーズはこのままで良いのだと思います。

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 そしてセンサーに続き熱く語られていたのが、フィルムシミュレーション。というよりも富士フイルムのリバーサルの歴史について。やはり転換点はVelviaの登場だそうです。リアリティよりも記憶色、期待色を追い求めやり過ぎなくらいに派手な演出をしたVelviaは、それまでになかった映像表現を生み出したことで、ブームを引き起こし富士フイルムの地位を高めました。
 その経験は「Velviaモードを用意した」という小さな話ではなく、そのフィルムを作ってきた技術とノウハウがデジタルカメラの絵作りにもそのまま持ち込んで生かされていると言うことです。

 そう、Xシリーズを使っていて一番触りたくなるパラメータはフィルムシミュレーションなのは確かです。RAWで撮る気にならない、とも言えます。

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 鮮やかな青空、燃えるような夕焼け、瑞々しい新緑など、RGBの各要素色はそれぞれに重要です。特に緑はスペクトルの領域が広く輝度成分を多く含むため、緑を見ればそのカメラの実力が分かる、つまり緑が綺麗に写るカメラは間違いがない、ということかと思います。

 ですが、そういった三原色よりもある意味重要なのは人間の肌色。肌色といってもいろいろあるわけでとても幅広いわけです。これはテレビやモニター、プリンターなど出力機器の側でも苦労する部分だと思います。今回のお話で、フィルムシミュレーションのProNega HiとProNega Stdの意味と使い分けについて聞けたことが大きな収穫でした。どちらも人間を撮るためのモードで、それはASTIAモードも同じ。ProNegaの両モードは正確なライティングを要求するもので、Hiはフラットなライティングでもそこそこコントラストがつくので、曇天の自然光などでもOK。Stdはより明確な意思を持ってライティングでしっかり陰影を付けた場合向けだそうです。なるほど... 屋外でスナップや風景を撮るときに、訳知り顔で選んでもダメなんですね。

 これはどんなカメラでもそうかもしれませんが、重要な要素はセンサー、画像処理エンジンが重要です。フィルムに相当するのはセンサーと思われがちですが、どちらかと言うと画像処理エンジンも含めてやっとフィルムの役割を果たすそうです。考えてみればその通りですね。センサーのRAWデータの質はすべての基本ですが、そこから綺麗な画像を引き出すのは画像処理エンジンですから。

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 最後にオートフォーカスのスピードについて。当初はいろいろ言われていましたっけ。X-E2に限らずX100やX-Pro1, X-E1などの旧機種にもファームアップでAFの高速化には対応しています。それによって新機種に買い換える人が減ったとしても、こうした趣味のカメラを供給しているメーカーの義務だ、とのこと。

 ちなみにXシリーズとってAFスピードを上げることの大きな壁となっているのは駆動レンズの重さ。画質へのこだわりから基本的に単焦点レンズはすべて全群繰り出し式を採用しています。重たい光学系を駆動し、ブレーキをかけるのはとても大変なことですが、AF駆動のアルゴリズムを一新することで改善を図ったそうです。その一例がこのグラフ。デフォーカス量が多くて、コントラストのピークが遠いと判断した領域では、思い切りサーボをかけてすっ飛ばすようになっているとのこと。

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 これが各レンズによるAFスピードの違いと改善度。黄色は恐らくX-Pro1登場時のもの。グリーンが先ほどの加減速サーチを導入した新F/Wを適用した場合。レンズの重たい35mmF1.4での効果は劇的です。さらに濃いグリーンはX-Trans CMOS IIによる像面位相差を加えた場合。これもまた劇的な高速化が達成されています。実際、X-E2を少し触らせていただいた限りにおいて、AFスピードが遅いと感じることはありませんでした。

 ということで、一部はしょりましたがプレゼンテーション内容は以上です。

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 EVFはX-E1と変わっていないようです。やはりこのクラスのカメラを手にすると、自然と覗いてしまいます。EVFっぽさはありますが(EVFなのだから当たり前ですね...)隅々まで見やすくて悪くありません。ピントをしっかり見えるし、やはり背面液晶の何倍も見やすいと思います。

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 PENTAX Q7と並べてみました。さすがに並べる相手が悪かったでしょうか。しかしX-E2も四角くて変な出っ張りなどがなくプレーンなデザインなので、大きいとは感じません。重さも含めて自然に手に収まる感じです。

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 さて、次はいよいよ実写編です!<つづく>