酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

GR

 この話題を今頃かよ!という気がしなくもないですが、やはりカメラ好きとして私も一言期待と懸念を書いておこうと思います。過去GRとは無縁ではなかったし、新生ペンタックスリコーの製品でもありますし。

gr

 発表されたのは2週間以上前ですが、発売は3週間後の5月24日となっています。来週は東京、再来週は大阪で「GR 体感&トークライブ」が開かれ、実機に触れるそうです。

 製品名は"GR Digital V"はなくてただの"GR"となっています。Digitalがとれたのは時代の流れ的に必然としても、世代を表す数字が入らなくなったのはどうしたことでしょう? 自信の表れともとれますが、今後のシリーズ展開をどうするのか?いらぬ心配をしてしまいます。

 新しいGRの一番の特徴は、センサーサイズがAPS-Cになったことです。画素数こそ16Mピクセルと控えめですが、従来のGRDシリーズで使われていた1/1.7インチ(4:3)と比べると、面積比で約9.5倍。大幅な大型化を果たしました。もはや別のクラスのカメラといっても良いほどです。

 なのにボディサイズがほとんど変わってないところが素晴らしいです。いえ、もちろん縦横高さ共に少しずつ大きくなっているのですが、APS-Cセンサーを積むカメラとしては驚異的に小さいことは確かなようです。実際は手にしてみないと何とも言えないところです。5mmの差が気にならないこともあれば、1mmで大きく印象が変わることもありますので。写真を見る限り、大きさやデザイン含めデジタル世代のGRの風情をしっかりと保っているように見えます。

 そしてレンズ。明るさこそF2.8になっていますが、フルサイズ換算で28mm相当のGRレンズで、最短撮影距離は10cm。自動開閉キャップまで内蔵した沈胴機構含め、とてもAPS-Cをカバーする高性能レンズとは思えない小ささ。しかもこれでデジタル補正をしていないというのだから二度びっくり。これは本当に素晴らしいです。

 さて、ここで思い出すのは初代GRDが発売された頃のこと。2005年の秋口だったと思います。GRというブランド名に過度な期待をしていた私は、発表されたGRDのスペックを見て生意気にも「50点」と言い放っています。恥ずかしいのでリンクは張りませんが、当時のブログ記事からの引用です。

 期待に対する完成度としては50点くらいでしょうか。危惧していた通り、GR"風"デジカメの域を出ているとは思えません。

 特に極小ピッチ高画素数CCD採用というあたりがかなり期待はずれです。いくら28mm相当の明るい単焦点レンズと言っても、ここから得られる映像はCCDサイズなりのものでしょう。単にS/Nとか階調とかだけの話ではなく、撮像面のフォーマット(サイズ)というのは、絵の基本的な素性を決定付けますので。

 また、本体に光学ファインダーがないというのは決定的に×です。GRと名乗るからにはLCDをケチってでも(ちゃんとした)光学ファインダー入れなくては。デジタルカメラだからLCDファインダーで(が?)イイというのであれば、それは大きな間違いだと思います。

 これでは、GRデジタルと言うよりは、単焦点化して高級風な化粧を施したGX8と言ってしまうとちょっと言い過ぎかな?。

 いやいや、よくも偉そうに言うもんですね。どうもブログ記事は当時のほうが自由奔放で辛口だったようです。でもこのときは本気でそう思ってました。GRDを見てがっかりしたことを良く覚えています。当時の技術では解決し得ない無い物ねだりだったのだとは思いますが。

 さて、いずれにしても約8年の月日を経て撮像素子の問題は解決したと言えそうです。残るは光学ファインダーですが、この要求はもう取り下げようと思います(またまた偉そうですが^^;)。いえ、光学ファインダーへのこだわりが消えたわけではありません。光学ファインダーを搭載した大型素子のカメラが欲しければFUJIFILM X-Pro1(あるいはX20)という代わりがあります。デザイン、大きさ含めブランドとして定着したデジタル世代のGRに、それを求めるのはもはや筋違いと言うものでしょう。

 しかし一つだけ腑に落ちないのは、なぜかローパスレス仕様なこと。画像処理で何とかなる、あるいはレンズ性能とのマッチングをとれば実害はない、などなど、色々技術的な背景もあることでしょう。しかし、弊害を黙認してまで1ピクセル単位の解像度を追い求めることがGRなの?とそのコンセプトに疑問を感じてしまいます。GRはオールラウンダーではなかったのか?と。 個人的にローパス悪玉論に疑問を感じる今日この頃。これが流行だとするとなんかやだな、と感じてしまいます。

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 ここでがらっと話は変わって、わたしのGR遍歴について。GRの原体験はこの写真にあるGR1からです。今でも稼働状態で持っています。久々に電池入れて電源入れたらちゃんと動きました。レンズも黴びておらず大丈夫そう。時々急に使いたくなるカメラです。新GRの登場に合わせて、またフィルムを通してみようかと思います。

 その後GRDIIを1年くらい使っていたことがありました。さすがGRと思える描写性能、使い心地。でしたが、何となく手になじむ前にPENTAX K-7に出会ってしまい、一眼レフに夢中になってからは使わなくなってしまいました。もったいないので手放してしまいましたが、そのままとっておけば良かったと少し後悔しています。


 で、新しいGRはどうしますかね。すごく欲しいとは思っていないのですが、ちょうどこの領域の手頃なレンズがKマウントにはないので、広角単焦点レンズのつもりで... という気がしないわけではないのかもしれないと思われます(A^^;;。