酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

富士総合火力演習 2011

 陸上自衛隊の東富士演習場で行われた総合火力演習、略して「総火演」に行ってきました。一般公開され来賓もやってくる本番は来る28日に行われるのですが、その一週間前から予行演習という名目で、報道や自衛隊関係者(隊員の家族等)向けに本番とまったく同じプログラムが数回行われます。運良く21日の関係者向けのチケットを手に入れることができたので、みんぽすさんからお借りしているSIGMAの50-500mmを持って出かけて来ました。

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90式戦車砲撃の瞬間
PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/320sec, ISO800, AWB, 200mm)

 当日は朝からあいにくの雨。道中も時折かなり激しく降ったりやんだりという状態。天気予報も前日から悪かったのでフルウェット対応装備で出かけました。雨の中の撮影も慣れてはいるつもりですが、やっぱりちょっと残念ですし気が重いです。
 しかし結果から言うと、そんなどんよりした天候への懸念も吹き飛ばす素晴らしい体験でした。自衛隊の役割とか国防のあり方とか、そういうことももちろん考えさせられますし、言葉が間違ってるかもしれませんが誤解を恐れずに言えば、純粋に"エンターテイメント"としても楽しめます。もちろん写真を撮る対象としても最高に難しくて奥が深くて楽しいです。


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 演習内容は非常に多岐に渡りましたが、あまり軍事方面に知識がないこともあって、内容の凄さを正確に説明できません。それなりに撮れたと思える写真を貼っておきます。二回に分けようかと思ったのですが、勢いで一つにまとめてしまいました。なのでいつにも増して写真多めの長文です。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F5.6Auto (1/250sec, ISO400, AWB, 200mm)

 5人の乗員を載せて走る203mm自走りゅう弾砲。陸上自衛隊最大の火砲(砲弾径=203mm)で、射程距離は20kmを越えるそうです。演習では遠距離の目標地点が霧と雨で見えないために、実際の砲撃は行われませんでした。結局その後も遠距離火力演習では全て砲撃は中止。目玉の一つだった航空自衛隊のF-2も飛んで来ませんでした。残念。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/250sec, ISO800, AWB, 500mm)

 ドロドロの地面に這いつくばり、銃を構える兵士。対戦車誘導弾の演習の一場面です。主役の横で地味に援護というか警戒をしていました。隊員は雨で大変でしょうが、見て写真撮ってる方としては雨のおかげで迫力(および風情?)を感じることができました。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/200sec, ISO800, AWB, 500mm)

 そしてタンデムローターの大型ヘリCH-47Jの登場です。着陸しないまま7,8人ほどの隊員をファストロープで地上に降ろした後、その巨体に似合わないほど急旋回しながら現場から飛び去るところ。加速するためかかなり機首下げの姿勢のまま飛び去っていきました。地上に降ろされた隊員達は敵地の橋梁を爆破するという任務を負ってるとの設定でした。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/400sec, ISO800, AWB, 500mm)

 爆破に成功すると再びCH-47Jは戻ってきて、隊員達を回収。もちろん着陸せずにロープを使います。どういう状態になってるのか分からないまま1本のロープで全員まとめてつり上げていきます。吊られた隊員達をアップにするとこんな様子。まるで人形のようです。よく見るとみんなちゃんと下に銃を向けて下からの攻撃を警戒しています。このままどこかに消え去るまであっという間でした。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/400sec, ISO800, AWB, 450mm)

 01式対戦車誘導弾が発射される瞬間。車両はちょっと大きめのRV車のようなのに、意外なほどに派手な火炎を上げてミサイルのようなものが飛び出していきました。84mmの無反動砲だそうです。発車の瞬間の初速は遅く、支えている隊員も車両もぴくりとも揺れません。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F8.0Auto (1/400sec, ISO800, AWB, 370mm)

 96式装輪装甲車です。重量14.5トンもあって10人の隊員を乗せて移動することができるそうです。後ろのドアは乗降用のハッチでしょうか。火器としては重機関銃が装備されています。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F9.0Auto (1/60sec, ISO200, AWB, 200mm)

 89式装甲戦闘車です。ちなみに車両の型式の先頭の"○○式"の数字は制式採用年を表しているそうです。89式と言えば1989年です。なお、この89式装甲戦闘車はそれほど速度が速かったわけではないのですが、わざとシャッタースピード落として流し撮りしてみました。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/125sec, ISO400, AWB, 500mm)

 いよいよヘリ火力の登場。写真はAH-64Dアパッチです。対戦車の機関砲を撃ちまくっていました。湿度が高いためか、ローターの先端付近にベイパー(ってこの場合も言うのかな?)が出ています。ブレないようにシャッター速度を稼ぎたいところですが、ヘリの場合はローターが止まってしまうと迫力がなくなるので、ギリギリまでシャッター速度落としました。
 アパッチの前にAH-1Sコブラもやってきたのですが、悪天候で標的が確認できないため対戦車ミサイルを撃たずにそのまま帰って行きました。ちなみにコブラを撮ったカットは全滅でした...orz

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F10Auto (1/320sec, ISO400, AWB, 500mm)

 AH-1やAH-64の攻撃ヘリには、必ず後ろにOH-1が着弾点観測用についてきていました。注目されませんが、縁の下の力持ちですね。なんかプラモデルみたいです。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/200sec, ISO800, AWB, 500mm)

 87式自走高射機関砲です。背の低い車両が多い中でひときわ全高が高く、特に砲塔部が大きいです。写真に写ってる2門の機関砲に加えてクルクル回転するレーダーとパラボラアンテナも搭載しています。その名の通り本当はヘリなどを狙うための火器ですが、演習では本当にヘリを打ち落とすわけにも行かず、地上の標的を狙って撃っていました。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/160sec, ISO800, AWB, 500mm)

 そしていよいよ戦車の登場。まずは74式戦車が4台連なってやってきました。カッコイイですねぇ。緑の旗を立てているのは、すぐには砲撃しないことを表しています。砲撃する準備が整うと赤い旗になります。戦車の砲撃時の音は想像を遙かに超えるもので、腹に響くどころか露出している肌が直接空気の振動を感じるかのようでした。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/640sec, ISO800, AWB, 500mm)

 そして90式戦車の登場。90式の砲撃の迫力は74式をさらに上回ります。トップに貼った写真ののように一瞬派手な火炎を噴き出します。この写真は火炎が消えた直後くらい。周囲の空気が歪んで揺らいでいるのがわかります。かなり露出アンダーですが、これはカメラの露出決定のタイミングと、実際にシャッターが開く瞬間のわずかなタイムラグの間に火炎が消えたためと思われます。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/200sec, ISO800, AWB, 450mm)

 多用途ヘリUH-1Jがやってきて着陸態勢に入りました。開け放ったドアの奥に隊員とバイクを2台積んでいます。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/250sec, ISO800, AWB, 240mm)

 着陸すると即座にバイクを下ろし、走り出すとともに、UH-1Jも離脱していきました。バイクの走るコースはモトクロスのようなジャンプ台があって、華麗に飛んでいきました。このバイク、カワサキ製だそうです。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/250sec, ISO800, AWB, 170mm)

 74式戦車の砲撃。後段演習の最後には74式も90式も合わせて戦車がたくさん出てきて右から左から、やたらに砲撃を始めました。みんな赤旗立てていて、いつどれが砲撃するのか分からずにカメラをあちこち向けながら、アワアワしつつ爆音に飛び上がりっぱなし。
 ちなみに後段演習中には90式戦車のうち1台が故障したらしく、砲撃から脱落していました。演習だから良いですけど...。

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PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/400sec, ISO800, AWB, 500mm)

 92式地雷原処理車です。びっくりするくらい派手な火炎を上げて、大きなミサイルを打ち上げたように見えるのですが、その名の通り目的は敵の敷設した地雷を処理すること。遠距離の目標を破壊するのではなく、近距離の広い範囲の地雷を一気に爆発させてしまいます。

IMGP6217.jpg
PENTAX K-5, SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM, F6.3Auto (1/3200sec, ISO800, AWB, 330mm)

 最後は並んだ90式戦車から煙幕弾を発射。火炎と白い煙の大きな幕が演習場に広がってフィナーレ!です。花火みたいで綺麗でした。

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PENTAX K-5, DA21mm F3.2AL Limited, F3.2Auto (1/200sec, ISO200, AWB)

 終了後しばらくすると、演習が行われた広場に陸上自衛隊の主な車両が並べられ、近くまで行って自由に見学することができました。1台ごとに警備兼説明のために隊員さんがついていました。あいにくの雨でドロドロの演習場も自分の足で歩き回ってきました。さっきまで行われた演習でついたと思われるキャタピラの轍があちこちに残っていました。

 車両の見学中、最後になってこの日一番の大雨が降り出したので、慌てて退却。噂には聞いていましたが本当に見応え、撮り応えのある素晴らしいイベントです。折しも今年は陸上自衛隊の活躍が広く知れ渡ったわけですし、自衛隊活動への理解というのも、私個人として深まってきました。来年も機会があれば是非行きたいと思います!

 演習中は途中少しぱらついた以外、雨は上がっていました。一応レインカバーをつけての50-500mmの手持ち撮影はそれなりに大変でした。真夏の屋外なのに薄暗く、シャッタースピードを稼ぐためにはかなり高感度にする必要がありました。K-5なので安心してISO800程度までは上げましたけど。
 それにしてもここでも光学手ぶれ補正と50-500mmの威力は素晴らしいです。今回は富士山も姿を見せなかったので、引きの写真はなくてほとんど望遠端で撮っていましたが、やはり超望遠のワイドレンジというのは非常に魅力的。光学手ぶれ補正の威力も素晴らしいです。このレンズ、本当に欲しくなってきました... (A^^;

※その他の写真も含め、すべてFlickrに写真をまとめてアップロードしてあります。
 富士総合火力演習 2011 -a set on Flickr