酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

PENTAX K-7 + DA35mmF2.8 Macro Limited

 実は1ヶ月ほど前のことなのですが、PENTAX K-7用に4本目のレンズを買いました。本当はレンズはもう十分と思っていたのですが、そうは行かないのがレンズ沼です。欲しくなったのは"近寄れるレンズ"です。最近のコンパクト機は平気でレンズ前数cmまで近寄れるのですが、一眼レフのレンズはそうもいきません。DA21mmF3.2では20cm、DA70mmF2.4は70cmまで(ただし撮像面からの距離)。撮影倍率は0.15倍前後なので、今までどおり近寄って撮ろうとすると、微妙に足りない場合が少なくありません。DA21mmはまだしも、DA70mmは近くを撮るレンズではありません。

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PENTAX K-7にDA35mmF2.8 Macroを取り付けるの図。ストラップは203のミックスレザー。

 決して撮影倍率1倍が必要と言うことではないのですが、やはり一眼レフカメラで近接撮影を重視すると言えばマクロレンズが欲しくなります。ただし、マクロに特化したレンズはわりと望遠系が多く、しかもサイズも大きいモノばかり。しかしPENTAXのDA Limitedシリーズには、35mmF2.8という通常撮影にもそのまま使える良いレンズがあります。

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フードを引き出したところ。かなり深いフードが内蔵されています。

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最短撮影距離まで繰り出すとこんな感じです。フードを伸ばした状態では被写体に当たりそうです。

 そこでこの35mm。デジタル専用単焦点のDA Limitedシリーズの中のマクロレンズです。しかしDA Limitedらしくサイズもコンパクトで明るさはF2.8とそこそこ。絞り羽根は9枚。フルサイズ換算で53.5mm相当ということで、標準レンズとして使えます。最短撮影距離は撮像面から0.139mで撮影倍率は1倍。ワーキングディスタンスを考えると、マクロ専用としてはあまり実用的ではありませんが、普通に使えて近寄れる標準レンズとして考えると、とても魅力的なレンズです。さらに、伸縮式とは思えないくらい深いフードも内蔵しています。

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1/400sec, F5.0, ISO100, AWB ハイビスカスムクゲの花。カスタムイメージの"ほのか"を使ってみました。

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1/30sec, F2.8, ISO400 AWB コロッケの衣。かなり近づいてみました。

 ということで手にしてみたものの、ちょっと衝動買いすぎてしまったかな?と、最初は若干後悔気味でした。通常使用できるとはいえ53.5mm相当という焦点距離には慣れておらず、使いづらいのではないかと思っていたから。しかし、実際にK-7に取り付けていろいろなモノにレンズを向けてシャッターを切ってみて、認識を新たにしました。このレンズは素晴らしい!と。

 マクロレンズなので近寄れるのはもちろんですが、このレンズの良さはそれだけではありません。50mm(相当の)レンズは標準の中の標準、という意味がよく分かります。ワイドレンズのように何でも入れてしまうのではなく、望遠レンズのように一部だけ引き寄せるのではなく、それらのレンズの独特のパースペクティブに頼るのでもなく、あくまでも自然な画角と自然な距離感、被写体の形も歪まず綺麗な原形をとどめます。F2.8という開放F値は標準レンズとしては、明るい方ではありませんが、想像していた以上に良くボケます。フレーミングと絞りと立ち位置をコントロールすることで、望遠的にも広角的な絵も撮れますし、面白いと同時に難しいレンズでもあります。

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1/1000sec, F5.0, ISO100, AWB お台場のガンダム。遠景を撮ると広角風になります。

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1/30sec, F2.8, ISO800, AWB ベルギービールのボトルとグラス。近景をボカして撮ると望遠風になる気がします。

 ということで、標準レンズの良さとして散々言われてきたことを、今更ながら実感してしまいました。しばらくはコレ一本で良いかもと思えるくらい。周辺までシャープですし、歪みもありません。ボケも私的には十分綺麗だと思います。

 DA Limitedシリーズの中では一番大きくて重たいレンズですが、他のレンズからみればまだ十分にコンパクト。もちろんアルミボディで、細部まで良く作り込まれています。K-7との組み合わせではサイズと重量のバランスも良好。AFも十分に速く、マクロレンズのわりに回転角の大きさが気になることはありません。フードの引き出しがやや固く、キャップの締まりがやや緩いことが欠点と言えば欠点。あと、前玉回りのデザインもちょっといかがかと思いますが。

 ということで、これでK-7用のレンズは4本。21mm、35mmマクロ、70mm、そして18-250mmズーム。高倍率ズームは実用一本槍のレンズとして、ここぞという必要なときにしか持ち出さないようにしています。その他の単焦点3本の中では、意外に70mmが気に入っています。人を撮るにも風景を撮るにも、一部を切り出すのには最適なレンズ。F値も明るくて歪みもなくとてもシャープ。そして望遠なのになぜかパンケーキサイズで小型軽量。目に付いたモノはこのレンズで切り取るという作業が楽しくなってきました。

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K-7と4本のレンズ。まだまだ増殖しそうな予感...。

 そして逆に最初に買った21mmはむしろあまりにも普通すぎて使いあぐねている感じ。広い画角は普通のスナップには最適で、コレ一本で何でもこなせる頼もしさはあるのですが、他のレンズに比べると個性を出すのが非常に難しいレンズです。むしろそれがこのレンズの特徴なのでしょうが。あと、このレンズ、他の2本に比べるとかなり描写がと甘いと感じています。

 フィルム時代からこれまで、自分はワイド派だと思っていたのは実は間違いだったのではないかと思えてきました。PENTAX仲間の友人がSIGMAの30mmF1.4とか、DA40mmF2.8 Limitedとか、フルサイズ換算で標準から微妙に中望遠域の面白いレンズを持っています。時々借りるのですが、これらも捨てがたいいい絵を描き出します。フルサイズの標準レンズ50mmF1.4なんて、APS-Cで使ったら素晴らしい中望遠 レンズになるはず。レンズ沼は底なしです。

 でも、次に欲しいと思っているのはそうではなくて実はワイドレンズなのです。10-20mmなんて良いですよねぇ。ねぇ?(A^^;;

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