酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

もうすぐ退役するサーブ340Bに乗って北海道の大地を空から眺めるホッピング旅

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 前回の続きです。北海道旅行シリーズはこれで最後です。

 さて、今回の旅には100名城スタンプ厚岸の牡蠣以外に、実はもう一つの目的がありました。それはこれまで何度も話題にしてきた「マイル修行」です。せっかく北海道まで飛行機に乗って出かけるのなら、やはり今回もわざと遠回りをして、搭乗回数を稼いでやろう!と当然思いつくわけです。

 そこで問題となるのはフライトルートです。今回の最終目的地は釧路なので、そんなに選択肢はありません。ですが、北海道にはJALグループ傘下の地域航空会社として北海道エアシステム(通称HAC)があり、釧路にも飛んでいます。ということで、HACを利用し北海道内の空を少し周遊してみることにしました。

 HACが現在運航している飛行機はサーブ340B-WTが3機のみ。3機ともすでに導入から20年以上が経ち、間もなく退役する予定だとか。

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 うん、だったらなおさらこの機会にサーブ340Bに乗っておかなくてはなりません! これが最後になるかも知れないですから。

北海道ホッピングのルート確認

 さて、最初に今回のルートを確認しておきます。いろいろ考えつつ、今回は以下のように計4フライトすることにしました。なお今回のこのルートは、過去2回やって鹿児島・沖縄方面の離島ホッピングと違い、全て自分で行程を組んでみたものです。

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 日程的には1泊2日の週末旅だったのですが、根室まで行くという予定もあるので、初日の往路は寄り道せず、羽田から釧路に直行します。

 帰路は夕方に釧路を出発し、札幌丘珠を経由して函館に飛び、函館から羽田に帰ってくると言うルートになりました。

 搭乗回数は計4回と、3月と4月に行った鹿児島・沖縄の離島ホッピングの8フライトや12フライトと比べるとずいぶん大人しい行程ですが、今回は他にも予定が一杯あったので仕方ありません。

 なおHACは丘珠空港を中心に釧路や函館だけでなく、利尻や奥尻、さらには三沢にも飛んでいるので、丸一日かける気になれば、かなりの搭乗回数をこなせると思います。が、またそれは別の機会にしましょう。

1レグ目:素直に釧路へ直行する:羽田 → 釧路(JAL541)

 まず最初は羽田発釧路行きの始発便です。始発と言っても他と比べるとちょっと時間が遅くて、羽田発は午前8時。釧路着は9時35分です。

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 羽田からの出発便はボーディングブリッジから搭乗することがほとんどですが、釧路行きの始発便は1階のバス搭乗ゲートからの出発となりました。先日の松山便に次いで2度目です。

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 バスに乗って飛行機の近くまで行き、タラップを上って搭乗するのは面倒に感じるかも知れませんが、まぁ飛行機マニア的にはむしろ嬉しいアトラクションです。使用機材は見ての通り、B737-800でした。

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 ほぼ時刻通りに出発し、一路北海道を目指して東北地方上空を北上していきます。空の上は当然ですが、この日は全国的にお天気は良さそうです。でも、釧路地方には濃霧注意報が出ていました。道東はこの時期、霧が出やすいそうですね。

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 しかし条件付き運航になることもなく、無事に、ほぼ時間通りに釧路に到着しました。気温20℃を超えていた東京に対し、釧路はわずか10℃しかない! さすが道東です。ずいぶん遠くまで来た感が盛り上がります。

 なお、釧路に着いた後のことは、以下の2つのエントリーにまとめてあります。
 根室までドライブしつつ、厚岸に立ち寄って猛烈に美味しい牡蠣を食べ、100名城スタンプ最難関を制覇し、本土最東端の納沙布岬まで行ってきました。短い旅でしたがかなり盛りだくさんで楽しみました。

2レグ目:機窓からの北海道の大地を眺める:釧路 → 丘珠(JAL2864)

 さて、マイル修行的には帰り道が本番です。釧路から真っ直ぐ羽田に戻るのではなく、北海道上空を少し回り道していきましょう。

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 まずは釧路から札幌に向かいます。札幌と言っても新千歳空港ではなく、札幌の市街地にある丘珠空港行き。釧路発午後4時5分、丘珠着は午後4時55分なので、フライト時間は50分弱となります。

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 使用機材はJALグループで最小の機体、サーブ340B-WTでレジ番はJA02HCです。HACが運航する路線ですが全てJAL便名となっています。

 HACはもともと旧JASグループの北海道ローカル航空会社として設立されましたが、JASとJALが経営統合した後、JALの経営破綻などいろいろ紆余曲折を経て、最近ようやく完全にJALグループに戻ってきたばかりなのですが、機体はすでに鶴丸マークになっています。

 また、その紆余曲折があった時代にはJALのマイレージプログラム適用外だったこともあったのですが、今は完全JAL子会社となり、JACやJTA、RAC同様にJAL便としてカウントされ、FLYONポイントもちゃんと付きます。(ただしワンワールドには加盟してないことになっているそうです)

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 機内はATR42やDHC8などと比べると一回り小さくて、シート配列は1+2の12列配置で、計36席。オーバーヘッドストレージは2列側にしかない上に、かなり容量は小さいので、いわゆるキャリーバックの類いは機内持ち込みできません。

 私はピークデザインのEverydayバックパック30Lに全ての荷物を入れて、それっきりで旅に出ているのですが、このバックならサーブ340Bのシート下にもギリギリ収まります。

【国内正規品】PeakDesign ピークデザイン エブリデイバックパック30L アッシュ BB-30-AS-1

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 さて、ここからは機窓の風景を眺めていきましょう。鹿児島や沖縄の離島ホッピングの時と同様、サーブ340Bのようなプロペラ機による短距離路線は、ジェット機と比べると飛行高度がかなり低いので、地上の様子がよく見えます。サーブ340Bの場合の飛行高度はおおよそ4,000m程度とのことでした。

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 まずは釧路を離陸直後。南に向けて離陸し、海に出る前にすぐに西に進路を変えます。小型機はこの辺の動きもキビキビしています。というか、HACのサーブ340Bは-WTという翼端延長型で、離陸性能に特に優れています。スロットルが開いてグイッと加速Gを感じたと思ったら、もう機首を上げてフワッと浮いてる感じでした。JACのサーブ340Bにも2回乗ったことがありましたが、-WT版ではなかったせいか、あるいは今回の便の搭乗率が50%程度だったせいか、ここまでの強烈な離陸性能は感じませんでした。

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 道東自動車道が貫く山間部を越え、帯広市街の北にやってきました。音更川と然別川、その周辺のパッチワークのような畑がよく見えます。

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 さらに帯広を過ぎて日高山脈を越えようとしています。遠くに見える雪が残る山々がまさに日高山脈。そして真下には、トマムのリゾートホテル(4棟のタワー)がクッキリと見えました。

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 上の写真を拡大してみました。こんな感じです。なるほど、トマムってこの辺りなのか〜。行ったことがないですが、スノーリゾートしてはどんな感じなのでしょう?

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 さらに少し進んで眼下には残雪残るかなり高い山が見えてきました。多分これは標高は1663mの夕張岳です。

 写真的にはやや見切れ気味ですが、実際には窓の真下に山の様子がよく見えました。

 何も考えずに南側の席を取ってしまいましたが、トマムから夕張岳上空を進んでいると言うことは、反対側の窓からは富良野が見えていたのでしょう。そっち側も眺めてみたかったです。

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 夕張付近の山岳地を越えると、もう札幌は目の前です。いつの間にか高度が下がり、一段と地上の様子がよく見えるようになってきました。畑のパッチワークもクッキリしてとても綺麗です。だいたい岩見沢と江別の間あたりです。

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 この一帯に点々とある真っ黄色の畑は何があるのでしょう? 菜の花でしょうか? 拡大してみたけどちょっとよく分かりません。菜の花だとしたら相当な密度で咲いてるようです。観光用ではなく作物として栽培しているのか、あるいは畑の養分調整のためなのか? 地上で間近に見てみたい気がします。

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 そして間もなく丘珠空港に着陸です。眼下の街並みは札幌市北区の篠路というあたり。丘珠空港に向けてグイッと左旋回しているところです。

 この後数分後に丘珠空港に着陸しました。

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 飛行機から降りると、そのまま歩いてターミナルビルへ向かいます、それも今まで経験した中ではかなり自由な状況でした。

 写っているサーブ340Bは私が乗ってきたものとは別の機体です。ターミナルビルの出入り口付近では搭乗客と到着客が入り乱れています。その人混みに紛れてそのままこの別の飛行機にこっそり搭乗したら、どの時点でバレるだろうか? とか、変な空想をしてしまいました。


 丘珠空港はこの辺りにあります。札幌中心部から見ると北東方向のはずれですが、紛れもなく札幌市内です。地下鉄東豊線の栄町駅からほどちかく、札幌駅からタクシーに乗っても20分ほどだそうです。

 市内へのアクセスは抜群に良い便利な場所なのですが、滑走路は1500mしかなく、周囲を市街地に囲まれていて騒音問題もあるため、運用時間や運用機材にかなり制限があります。

 旅客便の運航に関しては、ANAグループはすでに撤退してしまい、現在はHACの定期便とFDAのチャーター便のみ運航されています。あと、陸上自衛隊のヘリ部隊が駐屯しているそうです。

3レグ目:夕暮れの道西を飛ぶ:丘珠 → 函館(JAL2755)

 当然ながら札幌で遊んでいる時間はないので、そのまま丘珠空港から今度は函館に飛びます。出発予定時刻は午後5時半。乗り継ぎ時間は35分ほどです。なので、小さなターミナル内をブラブラしているうちにすぐに出発です。

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 多分そうだろうと思っていたのですが、函館行きのJAL2755便の使用機材は、今さっき私が釧路から乗ってきたJA02HCそのものでした。先日の奄美諸島ホッピングと同じような状況です。なので、釧路出発が遅れることがあっても、丘珠での乗り継ぎは失敗しないようになっていました。

 丘珠空港を南に向けて離陸すると札幌市街地上空を通るはずと思っていたのですが、騒音規制のためか、新千歳空域と交錯しないようにするためか、離陸後すぐに左旋回し、高度を上げながら丘珠空港上空を一周して南に向かいました。なので札幌中心部の街並みはよく見えませんでした。

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 その後すぐに見えてきたのがこれ。中央の富士山型の美しい山はアレですよ、アレ。毎冬眺めている羊蹄山! ちょうど日暮れ前でド逆光でしたが、かえって幻想的で美しい姿が拝めました。周囲含めてだいたい雪はなくなっているようです。位置的に見て羊蹄山の向こう側がニセコです。また冬になったら行くぞ!

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 そしてさらに進んでいくと、特徴的な姿の湖が見えてきました。いかにも典型的なカルデラのこの湖は洞爺湖です。羊蹄山のほぼ真南にあって、しかもその南はすぐに海と言う場所にあります。

 この後室蘭の上空を通過し、内浦湾を渡って函館はもうすぐ。札幌−函館間のこのフライトはわずか30分ほどです。

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 函館の南側、津軽海峡上に一度出て、右手に函館の街を見ながらぐるっと旋回し、函館空港に着陸しました。

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 ということで、釧路から札幌経由でここまで乗ってきたHACのサーブ340B-WTとはここでお別れです。あと1年ほどのうちに退役するはずなので、これが乗り納め、見納め、撮り納めかもしれません。

 古くて小さな飛行機とは言え、YS-11のような低翼の双発ターボプロップ機のシルエットは、とても安定していて美しいです。

4レグ目:消化フライト:函館 → 羽田(JAL588)

 最後は函館から羽田への純粋な帰途のフライトです。HACの2フライトが遅れもなく予定通りだったので、函館の乗り継ぎも十分すぎる余裕がありました。

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 JAL588便の機材はB767-300でした。しかも満席。クラスJへのアップグレードを狙っていたのですが叶わず。

 しかし、今回含め50席以下のプロペラ機によるホッピングなどをやってきたせいか、最近ではこのB767−300クラスでも「デカい飛行機だな!」と感じてしまいます。

 しかもそれが満席となると「人多すぎ!」と思うようになってしまいました。36席のサーブ340とか48席のATR42とかのサイズで羽田までB767と同じくらいの時間で着くのが理想なんですけどねぇ(無い物ねだり)。

JGC入会のためのマイル修行(フライト回数修行)はまだ続く

 さて、今回の4フライトで、今年の総搭乗回数は38回に達しました。目標の50回まではあと12回! ラストスパートですが... 予想通りちょっとした慢心とモチベーションの低下が始まっていて、実はここからが長いかもしれません(A^^;

 なんとかがんばります!

満身創痍で間もなく退役のサーブ340B

 ところで...

 ↑このリンクは北海道新聞ののWEBから"HAC"関連の記事を検索した結果です。この記事一覧の通り、HACの運航便はここ最近やたらに機材不具合で欠航を繰り返しています。

 私が利用した時は、直前の3日間にわたって釧路発丘珠行きのJAL2864便や丘珠発函館行きのJAL2755便は欠航していました。さらにその後5月末にかけても同様の欠航を繰り返しているようです。これらは全て天候理由ではなくて、機体不具合に伴う修理のためだそうです。

 私が乗る日も欠航になるのではないか?と恐れて、釧路から羽田に直行するAir Do便をバックアップで押さえておいたくらいです(当日キャンセル手数料として1500円くらいかかってしまいましたが、まぁ保険代と思えば...)。

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 なぜこんなに故障が頻発しているかと言えば... HACが運航している機材はサーブ340B-WT 3機のみで、運航ダイヤはこの3機がフル稼働する前提で組まれています。

 しかもこの3機のサーブ340B-WTは、1997年のHAC設立当初に導入されたもので、すでに機齢は20年を超えている上、メーカーのサーブは旅客機事業から撤退し、今では部品供給等のサポートもままならない状況なのだとか。つまり純正ディーラーが撤退しパーツが欠品している旧車を定期路線に走らせているような状況です。

 なので、わずかなことでも修理を必要とする問題が見つかって、1機が運航から外れてしまうと、代替え機がないのでそのまま欠航につながってしまうようです。さらに悪いことに、交換部品の入手に手間取り、運行離脱期間が長期化する傾向にあるようです。これでは定期航路としては信頼が出来ず、客離れを招いてしまうでしょう

 同じJALグループの日本エアコミューター(JAC)ではHACよりも古いサーブ340Bを運航していますが、一昨年からATR42/72への更新が進んでいます。JACでは一時機11機ものサーブ340Bを運航していたわけで、予備機や予備パーツの融通など出来ないものなのかな?と思います。(いえ、そんなことはすでにやった上での現状なのかもしれません)

 いずれにしても、サーブ340Bの運航をこのまま続けるのはもう限界ということで、すでにHACは後継機としてATR42-600を発注済みで、来年には更新できる予定だそうです。でも、あと1年このままサーブ340Bは耐えきれるのでしょうか?? ちょっと心配です。

 そういう状況なのでサーブ340Bを体験できるのもこれが最後かも知れない、というつもりで乗ってきました。欠航することなく予定通り搭乗することができて良かったです。

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