酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

15年以上にわたって通いつめた焼肉屋さん 新小岩「慶州苑」が閉店し途方に暮れる

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 毎月やってくる29日=肉の日に小岩のトラットリア「ビリエット」に通うようになってから2年ほど経っています。イタリアンをベースに毎月いろいろな種類のお肉をいろいろな調理法で、プロが完璧に仕上げてくれる肉料理はとても美味しくてやめられません。

 しかし私にとって「肉の日」の原点を追い求めると、それは「焼肉」なのです。生肉に下味を付けただけで料理としては未完成な状態で出くる焼肉は、最後に自力でやる仕上げも「直火で焼く」だけ。というシンプルさなのに、とてもとても奥が深い食べ物です。そして美味しくて美味しくて、やっぱりやめられません。

 幸い日本全国津々浦々、焼肉屋さんはたくさんあるので、その気になればどこに行っても食べられるのですが、しかし「焼肉好き」と自称するからには、そんな自分の"標準原器"とも言える行きつけの焼肉屋さんが必要です。私にとってはここ15年来、新小岩の「慶州苑」というお店がその役割を果たしていました。

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 ところが4月のある日、久々に「慶州苑」を訪ねてみると、なんと閉店していました。

 地元の友人に連れられてはじめて訪れたのはいつ頃のことだったのか? 今となっては良く思い出せません。多分2001年か2002年か、そのくらいだったのだろうと思います。

 以下にいくつか過去記事のリンクを張りますが、これらは慶州苑について書いた記事のごく一部ですし、そもそも記事にしていない回数の方が圧倒的に多いです。

 このブログのなかで慶州苑について書いた記事で一番古いものは2009年。この時点ですでに行きつけになっていました。それにしても写真ちっちゃ!

 この時代は本当に大宴会から小さな宴会まで、本当にいろいろな思い出があります。今とは違って、バカみたいにお酒を飲んでいた時代だったので、ほぼ毎回泥酔していましたが、不思議と気持ち悪くなったり、翌日までずっと引きずったり、なにか事件を起こしたりと言うことはありませんでした。焼肉が美味しくて、毎回楽しい良いお酒だったからちがいありません。

 その後2012年の暮れに、排煙の煙突から営業中に火災を引き起こし一時閉店に追い込まれます。このときも焼肉難民となり、途方に暮れていました。

 しかし2013年初夏になって、嬉しいニュースが飛び込んできました。場所を変えて慶州苑が復活したのです。これがその時の記事。その後この記事をきっかけに慶州苑の再開を知ったという、見知らぬ人達が何人もお店を訪れたと聞いて、ブログを書いていて良かった!と思ったものです。

 火災前よりもお店の規模はかなり小さくなりましたが、元のお店の雰囲気がそのまま残っていて、またすぐに通うようになりました。この記事は2015年頃。一番よく食べに行ってた時期ではないかと思います。

 ですが決して「飽きた」わけではではない、という自信はあるのですが、なんとなく「慣れ」からか、ここ2年くらいは3ヶ月に1回くらいしか行っていませんでした。

blog.hisway306.jp ブログに慶州苑のことを書いたのは9月のこの記事が最後ですが、iPhoneの中を調べてみると、12月にもう一度行ってます。恐らくそれが最後の慶州苑になってしまいました。。

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 そんな中久しぶりに慶州苑の焼肉が食べたくなった3月末。営業時間中のはずなのに電話が通じないのにイヤな予感がしつつ現地まで行って見ると... シャッターが閉まっていました。特に閉店を知らせる張り紙もありません。

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 その後、何気なく食べログを確認してみると「3月17日に閉店しました」というコメントが追加されていました。

 実はここ1〜2年くらいのあいだ、お店の様子のちょっとした変化には気がついていました。家族経営していたアットホームさが少しずつ薄れ、大将が厨房からフロア係までワンオペしていたり、混雑して満席の日もあれば、金曜日なのにガラガラだったり。最近になってFacebookをはじめて、SNSの口コミを気にしているそぶりもあったのですが、それは前向きな態度であるようでいて、実は集客に悩んでいたのかも?という気もします。

 一方で、大将はそれなりの年齢だったようなので、もしかしたら健康上の問題があったのかも知れませんが、その辺は気がつきませんでした。

 いろいろな理由を想像してしまいますが、真相は不明です。とてもショックで悲しいのですが「今まで美味しい焼肉をありがとうございました!」としか言えません。

新たなホーム焼肉屋を探す

 さて、慶州苑なき今、あらたなホームとなるべき焼肉屋さんを探しています。とりあえず同じ新小岩駅界隈で2カ所、かなり毛色の違う焼肉屋さんを訪れてみました。

古き良き昭和の焼肉食堂:東苑

 まず一つ目は、ルミエール商店街の南端付近の路地を入ったところに、かなり昔からあるお店です。

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 ガシッとしたゴシック体で書かれたシンプルな看板。良い感じに年季の入った暖簾に惹かれます。ちょっと入ってみましょう。

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 良い焼肉屋さんかどうかを量るひとつのバロメーターはキムチとナムルの質です。うん、これはなかなか行けます。

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 そしてタン塩が美味しいお店は間違いがありません。古き良き焼肉屋さんらしい銀色の皿も良い味出しています。なるほど、こっち系のお店なのか!

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 焼くのは四角いガスコンロです。こういうのも古い焼肉屋さんにはよくありますよね。火加減も調整しやすく便利です。

 そして肝心のタン塩は薄くて凍っていましたが、ビックリするくらい美味しかったです。味付けもそんなにきつくないのに、タンの旨味がジュワーッと口の中に広がり、思わず噛みしめたくなります。

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 その後も上ミノと上カルビとか、レバーとか普通のカルビとか、いろいろ頼んでみましたがどれも美味しいです。タレ系だっていけますよ。量もたっぷり。

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 炭火じゃなくてもこういうコンロで焼くのも風情があります。何しろ火力がたっぷりで一定でムラも少ないですから、焼き初心者向けかも。

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 そして、この辺りで満を持して白米を頂きます。このお肉はちょっと焼きすぎたけど、白米に合わせるにはこのくらいしっかり焼いた方が良いです。それにしても焼肉オンザライスに勝る幸せはなかなかありません。

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 最後はテグタンスープで〆。これもなかなか本格派でした。

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 ちなみにビールはキリンの生。ジョッキもなかなか大きめで十分飲み応えありました。


 店内はテーブル席が3つとカウンターだけという小さなお店で、大将と女将の二人で切り盛りしているようでした。まさに地元の個人経営店という感じで好感が持てます。

 が、やはりこの手のお店の常として喫煙可であり、ほとんど夕飯を食べにきてるかのような常連さんが、食事後にスパ~とやってたりするので、それだけがネックです。ただ幸い、そういうお客さんは長居せずサッといなくなるので、今回もそれほど被害は受けませんでした。

 それはともかく、味は確かなので、たまにこの古い焼肉屋さん雰囲気を味わうには良い感じではないかと思います。

ファミリーでも一人でも行ける今風の焼肉屋:けっさく

 次に訪れてみたのは新小岩駅南口から徒歩3分。一転してファミリー向けのモダンな雰囲気漂う今風な焼肉屋さんです。一応、都内に何店舗か展開してるチェーン店のようです。

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 ここはその昔超有名チェーン店、牛角があったはず。焼肉は設備がいろいろ必要なので、焼肉屋の後は焼肉屋になるわけですね。

 さて週末のある日。午後6時と言えば開店直後かと思っていたら、すでに3世代ファミリーが美味しそうに焼肉家族宴会やっていました。そういう感じのお店です。

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 さて、初めてのお店はやはりキムチ&ナムルチェック。カクテキも白菜も美味しいです。一番手前のキムチはなんだか分からなかったのですが、辛味がかなりきつくて美味しかったです。ファミリー向けかと思えばキムチはかなり本格派。ナムルはまぁまぁでした。

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 よく分からないので、最初は盛り合わせを頼みました。いくつもの盛り合わせコースがあったのですが、どれもかなり量が多いです。これでもタン塩が8枚も入ってますから! ファミリーどころか大ファミリー向けではないかと。

 我々は4人でしたが、まぁタン塩を2切れも食べられるならそれに越したことはないし、他のお肉も同様だし、これを行ってみましょう。

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 焼き場は炭火式の無煙ロースターです。と言うか、炭火の七輪をセットするタイプ。使い捨ての網が残念ですが、まぁ味には関係ありません。七輪はかなり浅めで最初はちょっと炭が近かったですが、その辺はまぁ何とでもなります。

 で、肝心のタン塩。かなり厚切りでなかなか良い感じです。ちょっと味付けが濃い気もしないではなかったのですが、とにかく旨味たっぷり。おもわず「うめぇ~」と唸ってしまう程度には美味しかったです(つまり超美味しいです)。

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 ユッケ! 懐かしいですね。でも良く見てください。お肉には焼き目がついてます。ちゃんと炙ってあるので、昔ながらのユッケではありません。でも、これはなかなか良い再現度です。

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 いまや定着してきた肉寿司。わりと大粒のものが出てきましたが、味付けはあまりされてないようです。タレを付けて食べるべきか悩んだ末、そのまま口に放り込んでみました。

 その結果、やっぱり何か味付けした方が良さそうでしたが... それだけさっぱりしていてこれはこれでお寿司っぽいかも知れません。

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 慶州苑で大好きだったのがニンニク焼き。バターと塩で味付けしたニンニクをグツグツと焼くと言うよりはフワフワになるまで煮込むと、猛烈に美味しくていくらでも食べられてしまいます。お腹が痛くなることもありません。

 このお店のニンニク焼きも慶州苑に似た雰囲気で、そこそこ美味しかったのですが、やっぱり何かが足りない気がします。いや、でも美味しかったですよ。たくさん食べてしまいました。

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 今回は白米ではなく、ビビンバとサンチュをもらって...

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 しっかり焼いたカルビに辛味噌付けてクルッとくるんで頂きましょう。これも焼肉の〆としては定番の食べ方です。

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 〆と言いながら焼き物を追加してしまいました。良い色艶したレバーです。ごま油のタレがあればこのまま食べられそうですね。

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 いやいや、ちゃんと焼きますよ。ほら。でも、レア目が最高です。

 生レバーは遠い記憶の彼方にいってしまいましたが、デモ実はレバーって焼いた方が美味しいですよね。いや負け惜しみで言ってるんじゃなくて本当にそうだと思います。

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 ということで、今度こそ本当に最後の〆として冷麺を頂きました。太麺で味付けも良い感じ。とても美味しかったです。

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 ちなみにビールは一番搾りの生がこんな保冷ジョッキで出てきます。が、一杯の量はかなり少なめですが、飲み過ぎないのでちょうど良いかも。


 ということで、接客も良いしなかなか居心地が良く、お値段もリーズナブルで味も悪くありません。量もたっぷりで種類も多く良い焼き肉屋さんです。

 常連になる楽しみはちょっと薄い感じのお店ですが、フッと焼肉食べたいな、と思いついたときにフラッと行くには良いお店だと思います。最近のトレンドを採り入れ、一人焼きコーナーもありました。

まだまだ焼肉屋を探す旅は続く

 ということで、とりあえず新小岩でに二店、開拓してみました。今回の二店舗も良いお店で、またいつかリピートすると思います。でもこの際、もうしばらくは今まで慶州苑があることで視界に入ってなかった、他の地元焼肉店にも訪れてみたいと思います。