コンセプトを守り続ける7世代目のデジタルGR:RICOH GR IIIの格好よさに魅了される

投稿者: | 2019年3月18日

 高級コンパクトカメラというジャンルはフィルム時代からあり、CONTAX TシリーズとかNikon 35TiとかミノルタTC-1とかコニカHexerとかとか、各メーカーからいろいろな名機が出ていました。しかしカメラがデジタル化されてもなお、基本的なところはほとんど変えないまま少しずつモデルチェンジが繰り返され、販売が継続されているのはリコーGRくらいではないかと思います。

 リコーGRと言えば、昔から「最強のスナップシューター」と呼ばれてきました。これが公式の宣伝文句なのか、自然と言われるようになったのかは分かりませんが、この言葉に表される「スナップシューター」という基本コンセプト自体が20年を超えた普遍性を持ち、しかも実際にそれが正しくカメラとして具現化されてるが故に、これだけ長いこと支持されているのでしょう。

 実は私自身もGRシリーズとはそれなりに縁はありました。フィルム時代に手にしたGR1は今でも持っているし、デジタルになってからもGRD2を約1年間ほど使ってみたこともあります。でも、それで熱烈なGRファンになったかと言えばそうではありません。そもそも私にとって「スナップシューター」が合うはずがないのです。そういう写真を撮ってないのだから。

 でも、なんか気になりますよね、GR。格好いいから使いこなしてみたい! 使いこなしてるオレって格好イイ! みたいな思い込みイメージがないと言えばウソになります。ただ単純にカメラとして欲しい!と、今度のGR IIIを見て思ってしまったのでした。

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 GR IIIはデジタル化されて以降のGRシリーズとしては7世代目に当たります。ただしAPS-C化されたときに製品名がGR Digital”から”GR”に変更され、世代を表す数字もリセットされたので、7世代目なのにGR ”III”となっています。

 そんなGR IIIの一番のポイントは「小さくなったこと」です。APS-Cセンサー化して一度大きくなったGRは、今回のGR IIIで1/1.7インチセンサー時代とほぼ同等のサイズに戻りました。4段分の効果を持つ3軸SRを搭載しているというのですから、こんなすごい話はないです。欲しい!

 ということで、先日2台あったPENTAX K-1 Mark IIのうち1台を売却したのは、実はこのGR IIIを買うためだったと言っても過言ではありません。

 発売直後ということもあって、なかなかいいお値段しています。私はAmazonではなくマップカメラから購入しましたが、ほぼ同じ値札がついています。

 PENTAX K-1 Mark IIの下取り額で間に合うはずだったのですが、その前に思いがけずHD FA35mmF2を買ってしまったので、少しキャッシュの持ち出しが発生しました。

 ちなみにまだ一応現行品として扱われている前モデルのGR IIは6万円弱で売られています。新モデルのGR IIIの実売価格も時間が経てば少しずつ落ち着いてくるものと思われます。

 そう言えば、GR IIが発売されたのは2015年のこと。それまでGRシリーズはほぼ2年ごとのモデルチェンジサイクルを守ってきました。しかしGR IIから2年後の2017年になっても新型は出ず、昨今のデジタルカメラ市場の様子からして、GRもとうとう終了か?と思われていたところへ、約4年ぶりに登場したのが今回のGR IIIです。

開封!

 さて、発売日の3月15日に届いた箱をさっそく開けてみましょう。

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 箱はこんな感じでした。PENTAXブランド製品のシルバーの箱とはだいぶ趣が違います。ちなみに写真だとちょっとわかりにくいかも知れませんが、箱の色は黒ではなくちょっと茶色味がかったグレーです。

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 説明書等の紙類を除くと、同梱されている中身はこんな感じです。本体と専用充電池(↑上の写真には写ってません)、ACアダプターとUSBケーブル、ハンドストラップです。青いリングキャップは初期出荷分に特別にのみ付属しているものです。

まずはブルーリングキャップを取り付ける

 せっかく限定のブルーのリングキャップがついているので、何はともあれ真っ先にこのリングを交換してしまいましょう。

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 まずは標準でついているブラック仕様のリングキャップを取り外します(左)。するとワイドコンバーターなどを取り付けた際に使用する通信用の端子が出てきます。単なるバヨネット式なので、特に工具などは必要ありませんし、ロックボタンもありません。

 そしてブルーのリングを取り付けます(右)。うん、なかなか良い感じですね。結構目立つ色ですけどこの感じが気に入りました。なので、このままブルーリングで使うことにして、標準のブラック版は箱にしまっておきます。

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 ほら!格好イイ!

 ちなみにこのリングキャップ、実は試し撮りを始めた初日のうちに一度外れて落としてしまいました。カチッとしたロック感はあるのですが、カバンからの取り出し時などに意外にあちこちに引っかけてはずれてしまうことがあるようなので要注意です。

操作系をチェック

 次に操作系などの細部を見てみましょう。リコーイメージング製品とは言え、GRは元リコー系の流れを汲む製品なので、ペンタックスとは細部が異なっています。このGR IIIでもSR機構などペンタックスの技術を取り入れている部分がある一方で、全体的にGRらしさはしっかり守られています。

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 まずは右手側上部のモードダイヤル。GR IIなどと比べるとかなりシンプルになりました。TAvがなくなったのは残念ですが、動画とかフルオートポジションもなくなり、フィルム時代のGRに戻ったかのようです。

 なおモードダイヤルはロック機構付き。ボディ上面はモードダイヤル以外に電源ボタンとシャッターボタンしかないのでとてもシンプルです。やたらにダイヤル付けたりファンクションボタン付けたりせず、本当に必要なものだけ、シンプルにまとまっていていかにもGRらしいです。

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 シャッターボタンの前、小さなグリップ部上部に垂直に設置されているのが前電子ダイヤルです。絞り優先時は絞りを、シャッター優先時はシャッター速度を、プログラムの場合はプログラムシフトをするためのダイヤルです。

 PENTAX K-1では絞りの選択は後ろダイヤルでやっているので、ちょっとこの操作系には戸惑いがありますが、ダイヤルへの機能割り付けのカスタマイズは出来ないようなので、慣れていくしかなさそうです。

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 そして背面右手側上部にあるのがデジタル化されたGRシリーズ伝統のアジャストレバー。プッシュスイッチと左右スイッチのコンビネーションになっていて、このレバーだけで色々多彩な機能コントロールが可能となっています。

 基本的操作としては左右に倒すだけで露出補正がダイレクトに出来ます。さらに一度プッシュするとさらに5つの機能メニューが呼び出され、操作したい機能を選んだ後、露出補正と同様にレバーを左右に倒すだけでそれぞれの機能に関する操作が可能です。

 デフォルトではイメージコントロール、フォーカスモード、測光、記録形式、アウトドアモニターが割り当てられていますが、カスタマイズ可能です。

 文字で書くと分かりづらくて面倒そうですが、これは非常によく考えられた操作系で、このGRIIIを快適に使う上での重要な(文字通りの)キーとなっています。

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 そして十字キーまわり。ファンクションボタンはもちろんカスタマイズ可能なのですが、デフォルトではAF+AEロックに割り当てられています。さらに十字キーの左右もカスタマイズ可能で、事実上のファンクションボタンとなっています。

 そして十字キー周囲にコントロールダイヤルがあるのですが、この手のダイヤルの常としてあまり操作感は良くありません。基本的にはISO感度の変更と再生時のコマ送りにしか使用しますが、それ以外の重要な操作は前ダイヤルとADJレバーだけで操作できるようになっているので、幸いあまりこの後ろダイヤルは重要ではありません。

 なお、この十字キーが左に少し傾いてるという話がいくつか報告されているようですが、私の元にやってきた個体はほぼ問題なさそうな気がします。ただそう思って良く見てると、傾いてるような気もしてくるし、さらにはOKボタンやMENUボタンも少し傾いてるように見えてきました。実際の操作に支障はないので特に気にしないことにします。

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 本体左手側側面にもう一つ小さなボタンが配置されています。デフォルトでは動画モードへの切り替えが割り当てられているのですが、これも実際にはファンクションキーとしてカスタマイズが可能です。私はこのカメラで動画を撮ることはないので、間違って押したときにイラッとしないように、とりあえずこのキーは無効に設定しておきました。

 なお長押しするとWi-Fi機能が起動し、スマートホンと接続が可能になるのですが…

 なんと、発売日時点でアプリの方がリリースされておらず、試してみることが出来ません。それも1〜2週間のズレならまだわからなくもないですが、なんと現時点レリリース予定は4月下旬だそうです。過去の実績から考えると、それすらも本当かどうか怪しいところです。

伝統の28mm相当のGRレンズ

 GRシリーズと言えばフィルム時代のGR21を除いて、全ての世代で28mm(相当の)単焦点レンズが搭載されてきました。GR IIIではこのレンズ設計も一新され、GR IIでは5群7枚だったレンズ構成が、GR IIIでは4群6枚と減らされて、今時のレンズ交換式カメラのレンズと比べると、とてもシンプルな構成のレンズになっています。ガラス面が少ないと言うことは、透過率が高く抜けの良さが期待できます。

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 APS-Cセンサーなので実焦点距離は18.3mm。明るさは欲張らずに開放F2.8。前玉もかなり小さいし、沈胴式のレンズ鏡胴は電源ONしても思ったほど飛び出てきません。ピント合わせによって前玉は前後に動くのですが鏡胴の伸縮は発生しません。この小さくて薄いレンズで本当にAPS-Cセンサーに対するイメージサークルがあるというのが不思議に思えてくるほどです。

 ちなみにGR IIIのひとつの特徴として起動が速くなったことがあげられています。「スナップシューター」としては瞬間的にすぐ撮れる、というのは重要だと思いますが、従来のGRシリーズはわりと動作がのんびりしていました。

 しかしGR IIIは公称の起動時間は0.8秒。実際触ってみるとかなり速いと感じます。またコンパクトカメラらしく、レンズバリアも内蔵されているのでキャップレスで使えるのも、大型センサーを搭載した高級コンパクトカメラとしてはポイント高いです。

 さらに、GR IIIではペンタックス譲りのSRを搭載し、3軸4段相当のセンサーシフト式手ぶれ補正が内蔵されている上、レンズ交換式ではないのに、センサー面に超音波振動式のゴミ取り機能まで入ってます。そもそもゴミがつかないようにしろよ、と言うのは正論ですが、そのために大きく重くなってしまうよりは、こうした現実的な対策はユーザーにとってもメリットが大きいと思います。

GR III 最大の弱点は電源まわり

 次に電池や充電関係を見ていきましょう。すでに見出しに書いてしまいましたが、ここがGR III最大の欠点です

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 専用電池はDB-110という型番の新型で、従来製品との互換性はありません。GRシリーズをずっと使ってきた人には要注意点ですが、私にとっては特に問題となる部分ではありません。それにしても1セル(3.6V)で1350mAhという容量は、APS-Cセンサーと磁気浮上式のSRを動かすにはちょっと心許ない感じです。

 実際のところGR IIIスペック上の最大の弱点は電池寿命で、CIPA基準で約200枚しか撮れないことになっています。使い方にもよりますが、基本的には予備電池は必須と言って良いレベルかと思います。

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 電源ポートはUSB Type-Cになっており本体で充電が可能です。またモバイルバッテリーからの充電もできます。ちなみにこのUSB端子カバーは非常に開けづらいです。

 なお本体パッケージに充電器は含まれていないので、本体充電することが基本となっています。また、このUSB Type-Cポートは給電にも対応しているので、外部電池や外部電源でカメラを駆動することも出来ます。ただし給電と同時に充電することは出来ないそうです(未検証)。

 なので今時の使い方としては、もしかしたら充電済みの予備電池を持ち歩くよりはよりは、大きめのモバイルバッテリーとUSB Type-Cケーブルをスマホなどと共用する方が良いのかも知れません。

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 電池室はボディ底面にあってSDカードスロットと並んでいる当あたりはごく標準的な構造です。電池室のフタのロックはわりと固いのでこれも勝手に空いてしまうことはないでしょう。

 カードはUHS-Iにしか対応していないけど、連写機ではないので問題ありません。さらに本体内に2GBのストレージを持っているので、最悪SDカードを入れ忘れて出かけてしまっても、RAWで約30コマ、JPEGなら140コマは撮れるという点もいざというときには頼りになりそうです。

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 ということで、とりあえず予備の電池パックと充電器は同時購入しておきました。BJ-11という型番の別売り充電器は非常にコンパクトで、これもまたUSB Type Cポートになっているので、ケーブルとACアダプタは他の機器と共用可能です。

RICOH 充電式リチウムイオンバッテリー DB-110 リコー 37835

RICOH 充電式リチウムイオンバッテリー DB-110 リコー 37835

RICOH バッテリー充電器 BJ-11 リコー 37861

RICOH バッテリー充電器 BJ-11 リコー 37861

とにかく小さくて格好イイ!

 で、GR IIIの一番良いところは何かと言えば、何度かこの言葉を使っていますが「格好イイ」ことに尽きるのではないかと思います。

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 もちろんそう感じるのは、こんな小さなボディに実は手ぶれ補正付きの24MピクセルAPS-Cセンサーが入っていて、高性能な28mm相当の単焦点レンズがついてる、というベースがあってこその格好良さだと思います。

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 GRロゴがボディ正面右下に彫り込まれているのもほぼ伝統って言って良さそう。2世代前にAPS-C化されてから”DIGITAL”という文字も取れてよりシンプルになりました。IIとかIIIとか世代を表す文字は入ってないので、ぱっと見でどのモデルかを見分けられるのは、かなりのGRマニアだけかと思います。

 メーカーのRICOHロゴも背面左上にひっそりあるだけで、これも奥ゆかしいですね。

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 フィルムのGR1と並べてみました。一般的にカメラはデジタル化して巨大になる一方でしたが、このGRはむしろフィルム時代より少し小さくなっていると思います。もちろんGR1には光学ファインダーもフラッシュも内蔵してるし、フォーマットは135判なわけで、その辺を妥協した結果ではあります。

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 PENTAX Q-S1と並べてみるとこんな感じ。横幅はGR IIIのほうがちょっとありますが、ほぼ同じサイズ感。Q-S1はレンズ交換式ですが、センサーのサイズが圧倒的に違います。でもQ並の大きさでAPS-Cの絵が撮れるんだから、やっぱりすごいことです、これは。

Peak Designの限定品ブルーのアンカーを取り付ける

 さて、初回限定のブルーリングキャップに合わせて、ピークデザインの限定品ブルーアンカーを取り付けてみました。

 ↑このとき2箱買っておいたアンカーがまだ残っていました。

【国内正規品】Peakdesign ピークデザイン アンカーリンクス ブルー AL-4-G

【国内正規品】Peakdesign ピークデザイン アンカーリンクス ブルー AL-4-G

 なお、まだAmazonではこのブルーのアンカーは販売されているようです。

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 質感は全く違いますが、ビックリするくらい色味が合っていて、これ以上の組み合わせはありません。格好イイ!

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 なお、第4世代のアンカーはワイヤーが太いので、GR IIIのストラップホールに通すにはコツが要ります。テグスなどをワイヤー通してから引っ張って無理矢理通すしかありません。馴染んでないうちはちょっと辺な感じですが、プラプラしなくてむしろ良いかも。

 リコールされた第3世代のアンカーなら、ワイヤーがずっと細いのでもっと簡単に通せると思います。もし手元に余っているなら、そっちを自己責任で使うのも良いかもしれません。

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 手持ちの旧型のCUFFを取り付けて使うことにしました。LEASHとか長いストラップを付けるつもりはないので、アンカーも右肩にひとつだけにしておきます。

 ちなみに… 新型のCUFFのアッシュ版は、ステッチがブルーなんですね…。ヤバい!これ欲しい。そのうち手に入れようと思います。

慣れない28mm単焦点に戸惑いながらもとりあえず撮ってみる

 さて、格好イイとか言って物欲を満足させるだけではなく、ちゃんと写真を撮ってみましょう。冒頭にも書いた通りスナップは今後の課題とするとして、とりあえず適当にその辺を散歩して撮ってきました。

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 なんでGRっていうとこうやって薄暗いローキー調で彩度低くして重苦しい感じにしたくなるのか?

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 それどころか、モノクロにしてしまうのは完全にカタログとかGRで撮られた多くの写真に洗脳されてる気がします。まー、ステレオタイプだなと思いつつ、ただ単に誰かの人まねをするのも面白いです。

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 もちろん普通に明るくてカラフルなものを撮れば鮮やかに写るわけで。ちょっとした旅行には良いだろうなー、と思います。

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 休憩中の鳩に何気なく近づいてサッとスナップ! 逃げる気配がなかったので、そろそろとかなり近くまで寄ってみました。

 AFが遅くて使い物にならないみたいな評価もちらほら見かけましたが、一人のペンタキシアン的には全然そんなことないと思います。電源入れてサッと構えてちゃちゃっと撮れば、せわしなくクビを動かす鳩にもちゃんとピントは来てました。

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 28mm相当ですが、それなりに明るいレンズですからグイッと近づいて切り取るのもアリ。最短撮影距離も通常モードのままでレンズ前10cmまで近寄れるし、それと35mm相当または50mm相当のクロップ機能を合わせると、広角らしいパース感を消すことも出来ます。それも24Mピクセルという十分な画素数があるおかげでしょう。

 と、なんか想像していたとおりまったく平凡でつまらない写真しか今のところ撮れてないのですが、さすがにこの小ささなので、通勤カバンに常備していつでもどこでも思ったときにサッと撮れるようにして、もっと使い込んでみたいと思っています。

2日しか使っていないけど暫定インプレッション

 最後にまだ週末の2日を通して300カットくらいしか撮ってないのですが、インプレッションをまとめておきます。カメラへの感想だけじゃなくて、いろんな気持ちがごちゃ混ぜになってます。

  • とにかく小さくて軽い。なのに24MピクセルAPS-Cセンサーから出てくる絵は素晴らしい。ハイライトからシャドーまでよく粘るし、ディテールも豊富。
  • とにかく格好良い。
  • リングキャップは撮影現場では外れやすいので要注意。
  • 背面液晶の表示は色味とかコントラスト感がとてもリアル。その分メリハリがなくて被写体を見づらいと感じる場合がある。アウトドアモニターで+1すると良い感じだが、電池の減りがより早くなるのが心配。
  • リコーイメージング製品初となるタッチパネル操作はよくできてると思う。オートエリアAF時でもタッチすればセレクトエリアAFに切り替わるのが特に便利。
  • AFには個人的に不満はない。迷うこともあまりないし、速度も十分速いと感じるし、精度も正確。暗所は未確認。
  • マクロモードはピント合わせできる範囲が6〜12cmと極端に狭すぎるので、被写体をそのレンジに入れるのが難しくて使いづらい。というか多分使わない。光源と影の問題もあるので標準の10cmまでで、通常のテーブルフォトなどにも十分だと思う。
  • ADJボタンは本当に使いやすい。その反面、知らないうちに露出補正が動いてしまう場合がある。
  • 電池の減りはほぼカタログ値通りか? 満充電した電池で150枚撮って、電池残量表示の目盛りがひとつ分減少した。それ以上は未確認。
  • 電源入れっぱなしにしてるとグリップまわりが熱を持つ。夏場が心配。
  • スローシャッター時の手ぶれ補正の効きや、高感度性能については未確認。
  • RAWは14bitのDNG。現時点でLrのカメラプロファイルがサポートされていない。開放付近で周辺光量低下はそれなりに感じるが、歪曲はRAWでもあまり感じない。光学補正済みなのか電子補正がRAWにもかかっているのかは不明。
  • JPEGの味付けはPENTAXとかなり違う。かなりあっさり目でリコーのカメラってこんな感じだったな、と懐かしい気分になった。いかに自分がPENTAX目線で景色を見ているか?ということに気付く。
  • ファンクションボタンだけでなく、カスタマイズ項目がかなり細かいので少しずつ覚えて自分好みに仕上げるまで時間がかかりそう。
  • RAW+で使ってもカードの書き込み時間が気になるようなことはまずない(SunDisk Extreme Pro 64GB 使用)。
  • アクセサリーシューに取り付ける光学ファインダーが欲しい。

 今のところはこんな感じです。

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 今でこそリコーイメージングという同じ会社から発売されているPENTAX K-1 Mark IIとRICOH GR IIIですが、そもそもの出自と成り立ちは全く違います。しかしお互いにお互いの技術を少しずつ取り入れたりしてるところが面白いです。

 方やフルサイズのレンズ交換式一眼レフ、もう片方はAPS-Cの超小型スナップシューター、カメラとしては実際のところ交わるところがほとんどない、両極端な2台だと思います。

 この2台はサブとかメインとか言う関係性ではなく、K-1では出来ないこと撮れないもの、今まで見ていなかったものをGR IIIで発見していけたら良いなと思っています。