酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

晴海埠頭に寄港した英海軍の揚陸艦「HMSアルビオン」と海上自衛隊の掃海母艦「うらが」を見学する

 先週末、東京の晴海埠頭に珍しい艦船がやってきたというニュースをTwitterで見つけました。それは英海軍の揚陸艦「HMSアルビオン」という軍艦で、土日は内部が一般公開されるとのこと。この船は北東アジア(当然日本を含む)との連携強化や北朝鮮情勢などと関係した任務を負って、今年春あたりから日本周辺海域にやって来ており、5月に佐世保、6月末には横須賀に入港していたそうです。それが今回は東京湾の一番奥、晴海までやってきました。

 私は民間機、軍用機問わず飛行機はわりと好きでよく撮りに行きますが、船舶についてはド素人で、わざわざ撮りに行ったこともないし、今回やってきた「HMSアルビオン」がどういう船なのかも詳しくは分かっていないのですが、とにかく日本にはあまり馴染みのない珍しい船だと言うこと、先週末は暇だったこと、そして晴海埠頭がわりと自宅から近くて気軽に行けるということもあって、酷暑の中でしたが出かけてみる気になりました。

 なお、かの有名なアニメ、ガンダムシリーズにも「アルビオン」という名の船は登場するらしく、そっち方面の話題も一部で盛り上がっているようでしたが、残念ながら私はその辺の事情も疎くよく分かっていません。

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 暑くて混雑して大変でしたが、見るもの全てが珍しくて期待通りとても楽しめました。写真的にはただ目の前に見えたものをただ撮ってきただけですが、被写体の力が強いし、むしろ知識がなさ過ぎて語ることもないので、以下とにかく「こんなもの見てきたよー」的に写真多めに貼っていきます。

ますは海上自衛隊の掃海母艦「うらが」を先に見学する

 今回晴海に寄港した英海軍の「HMSアルビオン」のホストシップとして、海上自衛隊の掃海母艦「うらが」も接岸していました。そしてこちらも内部が公開されています。

 ホストシップというのは要するに案内および接待係と言うことですかね。とすると、今回のアルビオンの東京入港は親善目的なのでしょう。

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 晴海客船ターミナルに一番近いH-Lバースに停泊している「うらが」です。背後にはレインボーブリッジが見えています。下に見切れている人の塊は「HMSアルビオン」見学の行列。奥には「うらが」への搭乗口が見えていますが、誰も並んでいません。

 もしかして順路が決まっていて「HMSアルビオン」を先に見ないといけないのかな?と思ったのですが、案内係をしている自衛隊員さんに聞いてみると、どっちを先に見ても良いですよ、とのことでしたので、空いてるうちに「うらが」を先に見ることにしました。待ち時間ゼロですぐに中へ入れました

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 といことで、細くて揺れる階段を上ったら艦橋の真下、船首付近に出ました。船首の日の丸の向こうにはレインボーブリッジと左手にお台場、右手には東京都心部。良い眺めです。

 青いマットは常設ではなくてこういうイベント時に記念写真用に敷くものなのでしょう。"MST"は"Mine Sweeper Tender"の略号。そう、おなじみのマインスイーパーですよ!(いや違う?) 463は艦番号、JMSDFは"Japan Maritime Self-Defense Force"の略号です。

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 後ろを振り向けば艦橋です。カッコイイ!

 ちなみに「うらが」の概要を書いておくと、全長141m 全幅22mで基準排水量は5,600トン、最大速度は22ノット、乗員は170名で1997年に就役した掃海母艦です。日立造船の舞鶴造船所で製造されたとのこと。

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 さて順路に従ってずんずん奥へ進んでいきましょう。左舷側から後の方へと向かいます。右の写真にある丸いやつは機雷を処分するための掃海電線を巻いておくボビンみたいなものだそうです。掃海艦艇という別の船が実際にはこの掃海電線を使うそうですが、母艦にはその予備を搭載しているのだとか。

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 途中にあるこういうディテールがいちいち格好良くてシャッターを切ってしまいます。

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 そして最後部は広いヘリパッドになっています。MH-53Eという比較的大型のヘリが発着できるそうです。

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 さてここでは機雷のダミーが展示されていました。左はMANTAというイタリア製の機雷。ステルス性を持っていて発見しにくいのだとか。右はK-13という係維式機雷だそうです。赤い部分に船が触れると爆発するそうです。

 ちなみにこの船を中心とした掃海部隊は、機雷を除去する(掃海)だけではなく、いざとなったら機雷を敷設するという役割も担っているそうです。なるほど...。

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 さて、今度は右舷側から前へと戻っていき、艦橋部の真裏にやってきました。なんと上に上がれるようです。緑のネットがしてあるところが階段なのですが、すごい急でかなり怖いです。

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 で、いよいよブリッジへ。あまり人がいないと思っていたけど、ここには沢山いました。やはりみんなこの中枢部に興味津々のようです。

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 よく分からないけど色んなものがあります。触ってはいけない機器にはちゃんとカバーがしてあったりしますが、それにしてもカジュアルに何でも見せてくれることに感心してしまいます。

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 艦橋の外には立派な据え付けの双眼鏡がありました。この手のものはニコン製か?と思ったのですが、興和製でした。

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 帰りは船内を通り抜けていきます。やっぱり階段はかなり急で、上りより下りの方がより気を使います。

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 ということで、外に出たら見学順路は終了。案内係(兼警備)の自衛隊員さんは要所要所に沢山いて、しかもとても愛想が良くて親切な方ばかりでした。こうした艦船の一般公開はよくやってるみたいですし、慣れてるんでしょうね。

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 「HMSアルビオン」の前座的になってしまいましたが、とても面白かったです。なにより混んでなかったのが最高でした。それは別に「うらが」の人気がなかったわけではなく、やはり「アルビオン」を見てから、という順番をたどるひとが人が多くて、時間とともに「うらが」もかなり混んでいたようです。

いよいよ「HMSアルビオン」へ!

 さて私は逆順を選んだので、「うらが」を見終わったらいよいよ本命の「HMSアルビオン」の行列に並びます。かなり列は長く伸びていて時間がかかりそうですが、仕方ありません。

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 仕方ないとは言ってみたものの、実際には思った以上に待たされて大変でした。2時間半くらい待ったと思います。最初は炎天下に行列が出来ていたのですが、途中から列の一部は日陰になっている屋根の下に移されました。また、小学生以下の子ども連れの場合は列に並ぶ必要はなく、優先搭乗できるようになっていました。

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 船の前に置かれていたこの小さな2連結の車両は、BvS10バイキング装甲車というものだそうです。後で判明しますが、この揚陸艦「HMSアルビオン」にはたくさん搭載されています。

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 やっと乗船口までやってきましたが、この先がなかなか進みません。これでは待ち行列がなかなか進まないわけです。船の中はそんなに混んでるのか?と不思議でしたが、船内に入って間もなくその謎は解けます。

 と言うのは、入り口から少し先に記念撮影コーナー(銃を持って帽子を被って隊員さんと一緒に撮れる的な感じ)があったのですが、そこに並んでいる人の列の影響が乗船口まで達していたのです。記念撮影は不要という人のためのショートカットコースもあるのですが、律儀な日本人達は船内に入ってもきっちり一列に並んでいて、なぜかショートカットコースへ逸れて行く人が誰もいないし、特に誘導もしていませんでした。

 うーん、本当にみんなここまで並んででも写真撮る気なんですかね? と、いぶかしく思いつつ私はその記念撮影はパスして行列を外れ、順路を急ぐことにしました。

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 内部はこんな感じでまるでフェリーのようです。そこに何やら車両が大量に置かれています。外に出ていた装甲車もここに載っていたのでしょう。

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 そしてその車両搭載スペースから後ろへ行くと、揚陸艇や車両などを発進させるウェルドックがあります。装甲車やボートらしきもの、重機などが並んでいます。正面奥はちょうど船尾部分で、パカッと開くのでしょうか。

 ちなみに「HMSアルビオン」は先ほどの「うらが」よりは一回り大きい船で、全長178m 全幅28.9m、基準排水量は14,600トンあり、最大速度は18ノット、動力はディーゼルエンジンで発電し、モーターを駆動するシリーズハイブリッドです。もちろん英国製で2003年に就役した船だそうです。

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 そしてスロープを上がって甲板に出てみます。このスロープが見た目より結構きつかったです。

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 そこには再びBvS10バイキング装甲車が置いてありました。今度は内部も公開されています。

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 ちょっと覗いてみただけですが、中はこんな感じ。なかなか窮屈そうです。

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 その他、色々な装備や機材などが展示されていたり、機関銃的なものを始め、色々な銃火器は触れて試せるようになっていたので、それもまた行列が出来て大人気でした。もちろん弾は撃てません。照準を覗いて引き金を引くところまでは触れるようになっていたようです。一つ一つ説明員が付いて指導と解説(英語)をしてくれます。

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 あと、海上では食事も重要なポイントになります。海上自衛隊ではカレーが有名ですが、英海軍ではパイが名物なのでしょうか。なんか凝った装飾のパイが飾ってありました。美味しそうでしたが試食コーナーではなかったようで、眺めるだけでした。残念。

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 その甲板上にもこうして車両が大量に並んでいます。一体どれくらいの装甲車を搭載しているのでしょうか。

 この広い甲板にはテントが立てられ、所狭しと展示品が並び見学者でごった返していたのですが、この甲板はCH-47の離発着も可能な広さがあるそうです。やはり「うらが」より一回り大きい船だと言うことが分かります。

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 その後ぐるっと船の中心部周囲を一回りしてみました。残念ながらこちらはブリッジには入れません。

 左舷にはかなりたくさんの人が乗れそうな船やら速そうなゴムボートなどがありました。もちろん救命ボートではなく、揚陸作戦に使うものと思われます。だって、それらの船にはいちいちこうして武器が付いているわけです。そしてそれらも自由に触らせてくれるという太っ腹さ。

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 まぁ、こういうのが当たり前な感じで無造作にそこかしこにあるわけです。艦船の役割の違いもあるのでしょうが、この辺りの武器の充実度は先ほどみた「うらが」とは大きく違います。

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 そしてやはりなんでもないこうした扉まわりとか、やっぱりいちいち格好良いので気になります。

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 ぐるっと一周したあと、先ほどの長いスロープを下って車両搭載甲板に下りてきました。乗船してきたときにも見たとおり、車両がみちみちに搭載されています。あと、天井の蛍光灯がなぜか白と緑が交互になっているのは何か理由があるのですかね?

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 それにしてもこの装甲車は良く見ると寸詰まりでかわいいですね。そして車両の上に何やら荷物がみっしり入ってるらしい迷彩柄のザックが山ほど吊り下げられているのが気になります。いざというときに必要なものがあらかじめ全て用意されているんでしょうかね。

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 ということでようやく出口です。入り口よりも大きくて、車両の出入りはこの扉からするのだろうと思われます。上にはクレーンらしきものも付いていますし。

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 ”L14”というのはアルビオンの艦船番号でしょうか。ちなみに"HMS"というのは英海軍の艦船に必ず付く接頭辞だそうで、”Her(His) Majesty's Ship”の略だそうです。つまり現在で言えば「女王陛下の船」と。さすが英国ですね。

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 ということで、乗船までにかなり待たされたし暑かったですが、その甲斐はありました。超楽しかったです。


夜景を撮る


 さて艦内の見学記は以上なのですが、写真クラスタ的にはこんな珍しい船が入港した晴海埠頭の夜景を撮ってみたくなりました。見学した当日の夜は疲れてしまい、翌日の夜に再び晴海埠頭を訪れてみました。雨が降りそうなどんよりした天気でしたが、何とか天気は持ちこたえてくれました。翌日には台風を避けるために予定よりも早く出航してしまったそうで、ギリギリ最後のチャンスを抑えられて良かったです。

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 まずは「HMSアルビオン」を晴海客船ターミナルの展望デッキから。見学した時と同じように前後のハッチが開き、装甲車も外に出たまま。

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 周囲の景色も入れてみようと思い、超広角ズームに付け替えてみましたが、晴海周辺は東京オリンピックに向けた工事が行われているところで、まだ街灯りとしてはちょっと寂しい状態です。真ん中辺りの空がボヤッと光っているのは、豊洲辺りの街灯りが低い雲に反射しているものと思われます。

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 敢えて地上に降りて見上げて見るのもなかなか良い感じです。

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 そしてこちらが「うらが」です。デッキ上ではなにやらパーティが行われていました。どうやら英海軍との親睦会みたいなものだったようです。

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 レインボーブリッジと上手く絡められないか、寄ったり引いたり色々やってみたのですがちょっと難しそう。H-Lバースはターミナルから近すぎるんですよね。

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 ならば敢えて離れてみようと言うことで、晴海埠頭の対岸にある豊洲ぐるり公園へ移動してみました。豊洲市場のすぐそばです。いまはまだ人が少ないですが、そのうちここも観光名所になるのかも。

 この海沿いの遊歩道からは、晴海埠頭と都心方面の夜景が綺麗に見られますから。左側が「うらが」で右が「HMSアルビオン」です。アルビオンは海側に照明が付けられていないので、闇に沈み気味です。

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 ここは客船が接岸するともっと綺麗な夜景になるかもしれません。いや自衛隊艦もいいですけど、こんど客船の入港情報を見て、改めて撮りに来てみたいと思います。

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 アルビオンのほうは、晴海周辺のタワーマンションがバックになって、これはこれで良い感じです。こっちも客船だとより一層映えるかも。あと、建設中の選手村が完成するとどんな景色になるのでしょうか? ちなみに真ん中当たりにある一番高い塔は、中央清掃工場の煙突です。荒れ果てた晴海見本市会場跡に建てられたのですが、いつの間にかこんな街中になってしまって、今後どうするのでしょうか?


使ったカメラ

 今回撮影に使ったカメラはPENTAX K-1 Mark IIで、レンズはDFA15-30mm F2.8とDFA24-70mm F2.8を使いました。特に船内見学はほぼ15-30mmのみ使っています。引きがないところで広い範囲を移すのは便利だし、こういう場合はむしろ実際に目で見た感じに近い臨場感が出ると思います。夜景の方は24-70mmも使っています。むしろ中望遠域があると良い感じだったので、28-105mmのほうが良かったかな?と思っています。

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280