高速大容量外付けHDD WD Mybook Duo 8TBを導入する

投稿者: | 2015年10月12日

 デジタルカメラによる撮影では、これまで基本的にJPEG撮りしかしていなかったのですが、ちょっと思うところあって最近はRAW撮りメインに切り替えています。RAWで撮りためていくと問題になるのがHDDの容量です。過去に撮った写真を調べてみると、2013年に撮った写真のファイル容量は約200GB、昨年は約400GB、今年は9月が終わった時点で既に450GBとなっています。年々撮影枚数が増えている上に、RAWとなると年1TBという時代も近いかもしれません。

 選別後のOKカットはFlickrにあげているので、本来はそれだけ取っておけば良いのかもしれませんが、量が増えると整理する時間も足りなく、明らかな失敗カットは捨てているものの、どちらとも判断の付かないほとんどのカットは、使い道がないと分かっていても捨ててしまうのもなんだか忍びなく、とりあえずそのまま保存してる状態です。

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 そんな写真ファイルの倉庫用に、これまでは外付けの3TBのディスク2台(1台はバックアップ用)を使っていたのですが、これが残り容量が1TBを切り、あと1年持つかどうか怪しくなってきたので、先を見越してさらに大容量のHDDを導入することにしました。

My Book Duo 8TB

 自作PCから足を洗って以来、最近のHDDベアドライブ事情に疎いのですが、3.5インチで8TBくらいが最大で、ボリュームゾーンは依然として3TBあたりにあるようです。外付けHDDもその辺がお手頃ですが、今回はとにかく容量が欲しいと言うことでいろいろ調べたところ、Western DigitalのMy book Duoシリーズが4〜12TBまでラインナップしているのを見つけました。お値段等々のバランスを考えて8TB版を使ってみることにしました。

 My Book Duoでは、シングルドライブでこの大容量を実現しているわけではなく、HDDを2台内蔵しRAID 0を組んでいます。なので8TBなら4TBのドライブを2台内蔵していることになります。

 RAID 0では容量と速度を稼ぐことができる反面、どちらかのドライブが故障すればデータが全て失われるわけで、信頼性が落ちます。My Book DuoシリーズでもRAID 0ではなくRAID 1に組み替えることも可能です。この場合容量も速度もシングルドライブと同じ、つまり8TB版なら総容量4TBのドライブとして使用でき、何もしなくても常にバックアップが作成されてる状態になります。

 データ保存用のドライブとしてはあまりRAID 0は使用したくないところですが、ここは容量と速度を取り、信頼性については自力で他のHDDにバックアップを取ることで対応することにしました。

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 同梱品はUSB 3.0ケーブルとACアダプタのみ。ユーティリティ類はHDDの中か、もしくはWEBからダウンロードします。ちなみに出荷状態ではNTFSでフォーマットされていました。Macでしか使わないのでHFS+Jでフォーマットし直しました。

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 RAIDはMy Book Duo側のハードウェアで実現しているので、ディスクユーティリティももちろん使えますが、今回はWestern Digital製のユーティリティソフトをWEBからダウンロードして使用しました。このユーティリティではディスクの診断、やRAIDの組み替えができます。出荷状態ではRAID 0になっているので、もしRAID 1にしたければここで変更できます。

 ちなみに省電力機能の変更もできます。一定時間後にHDDをスリープさせるものですが、HDDの頻繁なON/OFFはむしろ信頼性的に心配ですし、やりたければOS X側で設定できますのでOFFにしておきました。

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 実はMy book Duoにはもう一つ重要な特徴があります。それは内部のベアドライブに直接アクセス出来ること。RAID対応機器としては当たり前なのでしょう。特にRAID 1で片方のドライブにトラブルが生じたとき、正常な方のドライブからデータを救出するとともに、壊れたディスクを交換するなどの対応を念頭に置いてるものと思われます。

 あるいは当然将来的なアップグレードパスとして使えるのかも。より大容量のベアドライブを買ってきて入れ替えれば12TBや16TBにできるかもしれません。ただし公式にサポートされてはいませんので、本当にできるかどうかは不明です。

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 内蔵のドライブを一つ引っ張り出してみました。使用されているのはREDシリーズのWD40EFRXです。NAS向けで24時間365日の運用を前提にした高信頼性を謳うシリーズです。RAID 0でも信用する気になったのは、このドライブが使われているから。

 Western Digitalのドライブは自作PC時代から気に入ってよく使っていました。信頼性という点ではあまり一般的に人気がないのですが、少なくとも私が使った範囲では、SeagateやHGSTのドライブよりも圧倒的に高信頼性だった記憶があります。また回転数を抑えていることもあって、振動も騒音も発熱が少ないのも良い点です。

 My Book DuoもHDDが2台動作している割には、通常使用状態でほぼ無音です。ファンもありませんので静かな部屋で動かしっぱなしでも気になりません。iMacも通常状態では非常に静音なパソコンですので、相性も抜群です。

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 ということで、さっそくデータを全て入れてみました。4TB x2台のRAID 0で、システムからは8TBのドライブとして認識しています。現時点で空き容量は5TB以上あり、これでRAW撮りしてもしばらくは安心。

 これまで使っていた2台の3TB外付けHDDはバックアップ用にしました。満タンになってくると足りなくなりますが、そのときはまた考えることにしましょう。

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 ちなみにベンチマークを取ってみるとこんな感じです。データを書き込んでから取ったベンチマークなので、最大速度ではないかもしれません。さすがRAID 0とあってシングルドライブのほぼ倍の速度が出ています。外付けHDDはやはりI/Fよりもディスク側の速度がボトルネックであることが分かります。

 もちろん500MB/secを遙かに超えるようなSSDには敵いませんが、倉庫として使うだけでなく、データ置き場としてこのままLightroomなどから参照しても全く問題のない速度です。

おまけ:RAWファイルの大きさ

 ここでちょっと話は変わりまして、PENTAX K-3 IIで撮影した場合、JPEGとRAWでどれだけファイルサイズが変わるのか、今更ながら確認してみました。

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 一番上がJPEG(LargeサイズのFine)、2番目のPEFがPENTAXオリジナルのRAWファイル、最後がAdobeが提唱しているRAWファイル形式DNGで記録した場合です。カメラは三脚に据え付けて同じシーンをそれぞれ記録形式を変えながら撮ったものです。

 JPEGは非可逆圧縮でシーン(絵柄)によってそのサイズが大きく変わるわけで、これは一例でしかありません。が、だいたいRAWの数分の一のサイズに圧縮されていることが分かります。

 以前、PEFは可逆圧縮、DNGは非圧縮のため、RAWでもPEFとDNGでは大きくサイズが変わると言われていたのですが、少なくともK-3 IIの場合はどちらも約30MBとなりました。PEFが非圧縮になったのか、DNGが可逆圧縮になったのかよく分かりません。

 ということで、RAWはJPEGのおよそ3倍程度のサイズになります。8TBというサイズに安心せず、心して丁寧に撮っていきたいと思いますし、今後はなるべくOKカットだけでなくNGカットは削除していくようにしたいと思います。