UE900でイヤフォンスパイラルに陥ってしまうのか?

投稿者: | 2013年11月16日

 新しいイヤフォンを買いました。Ultimate Earsのコンシューマ向けラインナップ最上位機UE900です。このクラスでは定番中の定番だったTripleFi 10 Proの後継機として今年の春に発売になったばかりの製品です。なんと片耳にBAユニットを4基搭載した4wayイヤフォンです。

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 イヤフォンは懲り始めるとああでもない、こうでもないと色々と手を出して彷徨いがちですが、評価も高い定番の高級品にしておけば間違いないかと思えば、実はここが入り口でイヤーチップがどうのとか、ケーブルがどうのとか、アンプを使ってみようとかなんとか、底なしのスパイラルが待ち受けている可能性があります。

 まずは私のイヤフォン遍歴を簡単にまとめておきますと、iPod touchに標準添付されていたイヤフォンを捨てて初めて買ったのが、はETYMOTIC RESEARCHのER6i-BKでした。その次にいきなりUltimate EarsのTripleFi 10 Proに手を出します。こいつを初めて聴いたときの衝撃は忘れられません、iPodで再生する圧縮音源からこんな音がするのかと驚きました。ただ、こいつは筐体が大きくて装着感が悪く長時間してられなくなり、小型で装着感の言いイヤフォンとして、おなじUltimate EarsのUE700に乗り換えます。デュアルBAとは思えないコンパクトさで、高音がややきつかったですが、気に入ってしばらく使っていました。

 その後すっかりイヤフォンに対するこだわりは冷めていて、最近iPhone5sに機種変更したのを機に適当に5,000円くらいの国内ブランドのダイナミック型を買ってみたのですが、これがやはり大失敗でした。こんなの聴いてられるか!と即座に投げ捨て、そう言えばと大切にとってあったTripleFi 10 Proを久しぶりに引っ張り出して来てみたところ、再び大きな衝撃を受けてしまったのです。

 ということで、ネットを調べてみれば後継機のUE900が出ており、しかもこれは3BAのTripleFi 10 Proに対し、4BAに進化している上、小型化されて装着感がかなり改善されているとのこと。そのままお買い上げしてしまった、という流れです(A^^;;

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 とても立派なパッケージに入って届きました。

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 本体部分。ひしゃげたおむすび形状です。小さくはないですが、うまく耳にフィットするような形になっています。内蔵されるBAユニットは、高音用1基、中音用1基、そして低音用に2基です。BAの苦手な低音を何とか改善しようと言うことのようです。私はTripleFi 10 Proで低音が足りないと感じたことはありませんが。

 ケーブルは交換可能ですが、コネクタ形状はTripleFi 10 Proから変更になり、SHUREでも使えるMMCXコネクタになっています。

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 右側のケーブル中間にはiPhone用のマルチファンクションボタンおよびマイク付き。ケーブルは鮮やかなブルーの縒り線です。

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 iPhone用マルチファンクションボタンのない通常のケーブルも付属しています。こちらはブラック。私はiPhoneで使うので、ブルーのほうを使うことにしました。余計なものがぶら下がってると邪魔かな?と思ったのですが、本体を触らなくても音量はじめ基本操作が出来るのは思ったよりも便利です。

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 その他の付属品。キャリングバッグとハードケースがあります。ハードケースの方はなかなか凝った造りですが、これに入れて持ち運ぶのはやや大げさ。イヤーチップはシリコン製の各サイズに加え、コンプライも大中小がそれぞれ付属しています。イヤーチップの選択は装着感と音質に大きな影響を与えるので重要です。まず最初にいろいろ試してみて、中サイズのコンプライをしばらく使ってみることにしました。

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 左がTripleFi 10 Pro、右がUE900。特に長さ方向のサイズがかなり違います。TripleFi 10 Proはその音質に定評があり、今でもファンが多いですが、やはりこの大きさが欠点でした。耳から突き出たかのような外観はもちろん、イヤーチップ部で支えることになるので、耳への負担も大きかったのです。私もこれに負けてしまいました。対してUE900はこうして比べるとかなり小型になりました。

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 装着してみるとこんな感じ。ケーブルは耳の上から後を通すいわゆる”SHURE掛け”が推奨です。そのためこの部分には形状保持のための針金が入っています。この辺はTripleFi 10 Proと同じ。眼鏡していても問題ありません。イヤーチップだけでなく、その周辺全体で支える感じでとても収まりが良いです。

 さて、肝心の音質はどうでしょうか? といっても私が使うのは上にも書いたようにiPhone5sです。音源はもちろんCDから取り込んだ256kbps程度のMP3あるいはAACか、iTunes Storeから購入したやはり256kbps程度のAACファイルです。はっきり言ってこのクラスのイヤフォンにとっては役不足でしょう。しかしイヤフォンの特性の差というのはそれなりにちゃんと感じられるはずです。

 まだエージングが完了していないですが、とりあえず第一印象はTripleFi 10 Proに比べるとフラットで柔らかくなった、と感じました。最初に標準のシリコンの中型イヤーピースで聴いたときは、低音が不足してるように思いましたが、コンプライに付け替えて耳穴がぴったりふさがるようになってからは、とてもキレのあって透明感ある低音が聞こえるようになったと思います。
 全ての帯域でキリッとした粒立ちが感じられ、まるでそこでギターの弦が振動し、ボーカルの吐き出す息づかいが吹きかかってくるかのような生々しさが感じられます。やすいヘッドフォンではゴチャッとひとかたまりで鳴っていたようなうるさい音源でも、綺麗に分解してこんな音だったんだ!と改めて発見しました。

 TripleFi 10 Proと聞き比べてみると、TripleFi 10 Proはすこし味付けというか演出されているような感じがします。そのおかげで印象が強くて少し聴いただけでその良さが分かるのですが、UE900は逆に演出をかなり押さえてあっさりとしており、いかにも”モニターイヤフォン”らしいです。聴けば聴くほどじわじわと味が出てきます。

 さて、このブログでは音楽ネタは非常に珍しいので、私のお勧めを少し紹介します。UE900で聴いてるのは以下のような音楽です。


 まずはJamie Cullum。このDon’t Stop The Musicは神曲だと思います。Rihannaのオリジナルを完全に超越しています。ベースとドラムとピアノのシンプルな演奏。たたきつけるようなJamieのピアノは超格好良くてUE900で聴くと鳥肌が立ちます。


 友人に教えてもらって最近じわじわはまり始めてるのがJason Mraz。このI’m yoursは代表曲です。ほとんどボーカルだけで出来上がってるかのようでいて、実はたくさんの楽器とコーラスが次々に混ざってきますが、聴いてると凄く静かでシンプル。とても声が良いです。


 ”J”で始まるアーチストばかり続きますが、お次はJohn Mayerです。最近はカントリー風の音楽にはまっているようですが、この動画は今年の最新アルバムのツアーの模様。演奏しているのは往年の名曲、Gravityです。ちゃんと古い曲もやってるんですね。登場当時はアイドル路線に行くのかと思わせた瞬間がありましたが、この人の真骨頂はギターです。ライブとCDの落差が凄いんですよね。この動画はまさにそれが表れていて、CDに収録されているGravityとは似ても似つきません。これが本来のJohn Mayerなのでしょう。そういう意味では最近はやりたいようにやってるということかも。


 次は邦楽、秦基博です。この人、ホントに声が良くて歌が上手くて填まっています。どうしてこんなに高音で歌い上げられるんだろう?と思ってしまいます。でも無理してないから聞きやすいんですよね。曲もとても良いですし。正統派J-Popだと思います。


 懐かしい曲をYou Tubeで見つけました(これ公式かどうか今ひとつ自信ないのですが)。このドラマ好きだったんですよね。1998年だからもう15年も前なんですね。Vonda Shepardの歌う挿入歌も良くて、サウンドトラックとか買いまくりましたっけ。


 邦楽の女性ボーカルで好きなのが土岐麻子さんです。You tubeで公式動画探していて知ったのですが、この人avexなんですね。意外です。しかもこういったPops歌ってるのも初めて知りました。Jazzシンガーだとずっと思っていました。で、私が好きなのはJazzのカバーですが、公式動画は見つかりませんでした。でもこの曲良いですね。

 色々紹介してみましたが、本当のところ最近一番のヘビーローテションは「あまちゃん」のサウンドトラックだったりします(さすがに公式ビデオクリップはありません^^;)

 他にもいろいろありますが、またの機会に!