FUJIFILM X-E2体験イベントで実写してみる

投稿者: | 2013年11月6日

 セミナー編からの続きです。FUJIFILMのXシリーズとX-E2にかける熱い思いをたっぷり聞いた後は、いよいよ手元の実機でいろいろ写真を撮ってみます。発売前ですので持ち帰って自由に… とはなりませんが、静物と人物の撮影コーナーを用意していただきました。レンズも標準ズームのXF18-55mmF2.8-4の他に、XF60mmF2.4 Macroや、XF35mmF1.4、そして発売されたばかりのXF23mmF1.4も貸していただきました。短い時間ですが、高解像度と高感度、フィルムシミュレーションを一通り試し、あとは自分なりの使い方でどんな感じになるか、試してみます。

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FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4 R, 1/220sec, F1.4, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA

 なお、お借りしたカメラは一応量産品相当と言うことで、撮影したファイルはそのまま持ち帰ることが出来ました。なのでここに貼ってあるX-E2で撮影した画像は、すべてオリジナルのままアップロードしてあります(Lightroomのアップローダも使わず直接Flickrに上げました)。

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静物

 まずは静物コーナーへ。いろいろな色温度を持つ蛍光灯がセットされた風変わりな部屋に、いくつかの静物が置かれていました。

 派手派手な花瓶があったので、早速フィルムシミュレーション・ブラケティングにセットし、主要3モード(PROVIA, Velvia, ASTIA)を取り比べてみます。
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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/105sec, F4, ISO400, AWB, STD(PROVIA)

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/105sec, F4, ISO400, AWB, ASTIA

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/105sec, F4, ISO400, AWB, Velvia

 どうでしょうか?本当はPROVIA/Velvia/ASTIAの順に記録されるのですが、見比べやすいように順序を入れ替えて貼ってみました。なお、フィルムシミュレーション・ブラケットでは1回のシャッターから画像処理を3回繰り返すことで、3つのJPEGファイルが生成されます。

 Velviaモードの鮮やかさは一目で誰が見ても分かります。これが分からないならそのモニターを何とかしたほうが良いかもしれません(A^^; すべての色の飽和度が上がりますが、赤みたいに難しい色もベッタリした塗り絵にはならず、ちゃんと花びらの質感が残ります。一見見分けが難しいのは標準のPROVIAモードと人物向きで柔らかいASTIAモードです。しかし左下の菊の花やユリの雌しべ雄しべあたりの、淡い黄緑色あたりは大きく変わり、ASTIAのほうが淡く明るくなるようです。人肌に近い色で大きな変化があるってことでしょうか。もちろん、カラーバランスだけでなくキーやコントラストも変わっていることでしょう。私にはそれを解説するだけの眼力がありませんが。

 鮮やかで印象が強いので、こうして撮り比べると何でもかんでもVelviaにしてしまいがちです。そしてそれではいけない、と自制すると結局他を選べなくてPROVIAに戻してしまったり。フィルムシミュレーションは本当に奥が深そうです。モノクロモードにはまったりしたらそれこそ相当に楽しめそうです。

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 次にXF60mm F2.4 R Macroにレンズ交換してみました。0.5倍までのマクロ撮影もこなすほか、中望遠レンズとしても楽しめる1本です。でも、ここでは主にマクロをつかってがぶり寄りしてみました。

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FUJIFILM X-E2, XF60mm F2.4 R Macro, 1/220sec, F2.8, ISO400, AWB, Velvia
 ユリの雌しべ。これもフィルムシミュレーション・ブラケットしたのですが、やはり鮮やかなVelviaを思わず選んでしまいます。

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FUJIFILM X-E2, XF60mm F2.4 R Macro, 1/800sec, F2.4, ISO400, AWB, STD(PROVIA)
 サンタさんの人形。ボケすぎましたが背景もサンタさん。それなりに早いシャッター切れたので手ぶれではないと思うのですが、なんか今ひとつなのはピント合わせが甘いのかも。マクロ域になるとピントが合ってからシャッター押すまでにちょっと動くだけで、ピントずれてしまいますから。

 X-Pro1登場に初期F/Wで使ったことがあるレンズですが、それと比べるとAFの高速化と安定性は素晴らしく良くなったと思います。また、AFポイント選択ボタンが右手側に来たおかげで、AF位置を変更しやすくなり、AFロックしてフレーミングし直すことがなくなります。

 次に照明は明るいものの一応室内と言うことで高感度を少し試してみました。セミナー編でもペットボトルを撮ってみたりしましたが、もう少し見栄えのするものを撮ってみた方が分かることがあるはずです。とはいえ、全ては試せなかったので、常用できたら嬉しい範囲ということでISO1600とISO3200を取り比べてみました。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/180sec, F8, ISO1600, AWB, ASTIA
 
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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/300sec, F8, ISO3200, AWB, ASTIA

 上がISO1600で下がISO3200です。いやー凄いです。詳細に見比べればもちろんISO3200の方はNRの跡が伺えますが、ISO800だと言われれば信じるかも。エッジの甘さは出てきますが、コントラストの低下や色の濁りや色転びなんて全く気配もありません。ISO1600はどんなときでも安心して使えそうです。実際、FUJIFILMの方も自信満々に「感度はどんどん上げてください。ISO1600くらい何でもありません」と仰っていました。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/420sec, F5.0, ISO3200, -1EV, AWB, ASTIA
 もう一枚ISO3200の例。マイナス補正していますが、ISO3200でもシャドー部の階調もガラスや金属の質感もきっちり綺麗に出ます。

 ちなみにフィルムシミュレーションがASTIAになっているのは特に意味はありません。(なぜそうなってしまったのか実はよく分かりません…)
 

モデルさん撮影

 次は場所を変えてモデルさんの撮影です。富士フイルムの五反田ビルの中には、自然光を思い切り取り入れたガラス張りのスタジオみたいなスペースがありました。モデルになっていただいたのは廣瀬永さんです。

 まずはフィルムシミュレーション・ブラケットです。標準のPROVIAに加えて人物向きというASTIAとPRO Neg.Hiを試してみました。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/60sec, F4, ISO200, AWB, STD(PROVIA)

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/60sec, F4, ISO200, AWB, ASTIA

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/60sec, F4, ISO200, AWB, Pro Neg.Hi
 何も考えずにいきなり撮ったので、あまり適切な写真じゃなくてスミマセン。顔もちょっと暗いですね。照明は特になくて窓から入る自然光のみで、お天気は曇天でした。

 それにしてもこうしてモデルさんを撮ると、ASTIAの威力発揮で肌色の出方は明らかに変わり黄色みが増して滑らかに感じます。人物向きと言われる所以がよく分かります。さらにスタジオポートレート向きというPro Neg.Hiはさらに特徴的。ASTIAとは方向性が変わってかなりあっさりと落ち着いたトーンになります。肌色も演出が少なくあっさりとした感じ。ライティングでいろとコントラストを付けていくためのモードという説明が、何となく分かるような気がします。とはいえ、私みたいな素人には具体的にどうしたら良いのか全く想像つきませんが。これはなかなか一般アマチュアには使いこなしが難しいところではないかと思います。

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 さて、ここで貸し出しように用意されていたのはXF35mm F1.4 Rです。フルサイズ換算で50mm強。やや短めですが明るいですし人物写真にはもってこいです。

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FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4 R, 1/100sec, F2.2, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA
 周囲の人々が露出補正ダイヤルを回してプラス補正しているのを盗み見して、そうか、壁は白いし窓際は逆光気味だし、人物だし、プラス補正したほうがいいんだな、と今更気付きこっそりと真似てみました。

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FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4 R, 1/100sec, F2, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA
 ASTIAで+1EVが気に入りました。このレンズには手ぶれ補正が入ってないので気をつけなくてはいけません。徐々に絞りを明けていきます。AFポイントも面倒がらずにいちいち調整しました。

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FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4 R, 1/250sec, F1.4, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA
 ほとんど床にカメラを置くくらいで縦位置。傾いてる…

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/18sec, F4, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA
 モデルさんを撮影するモデルさんという珍しい光景も見られました。皆さん真剣です。気が弱いとあっという間に環の後にはじき出されてしまいます(A^^;

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/12sec, F4, ISO200, +1EV, AWB, ASTIA
 次第に距離が縮まっていって最後はがぶり寄り。こういう場合、ライブビューは威圧感を軽減できるので良いですよね。

 ところで、標準ズームに戻したらシャッタースピードが激しく遅くなっていたのに気がつきませんでした。このレンズの手ぶれ補正はかなり強力に効きます。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/15sec, F4, ISO400, +1EV, AWB, ASTIA
 カメラで写真撮ってるみたいにして、というリクエストに一生懸命こたえるモデルさん。慣れてない感じもまた良し。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/20sec, F4, ISO400, +1EV, AWB, ASTIA
 どれどれ、仕上がりはどうかしら…? こちらの方がサマになっています。実際に写真を見ていたのかな?

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 ちなみにXF23mm F1.4 Rも使ってみたのですが、まともなカットがありませんでした。広角系で人物写真というのはハードルが高いですね。

まとめ

 ということで、実写編は以上です。

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 いつもこうしたイベントの実写体験では慌ててしまって、なかなかちゃんと写真が撮れないのですが(慣れているはずのPENTAXの一眼レフでさえ!)、X-E2はとても自然にじっくりと使うことが出来た気がします。X-Pro1,X-E1そしてX-M1と触らせていただいた経験があるというだけの理由ではなく、もともと理にかなった操作系を持っている上に、X-E2は旧機種の弱点を丁寧につぶして本当に完成度が上がっているためだと思います。AFのレスポンスも然り、AFボタンの位置の変更も然り。ダイヤル操作とQボタンやFnボタンなど、Xシリーズの勘所を押さえたらとても手になじみます。

 また、今回フィルムシミュレーションの各モードについて説明いただき、それぞれ適したシーンで試してみることが出来たのも大きな収穫です。Velviaだけではないフィルムシミュレーションの奥の深さがよく分かりました。

 カメラと写真に対するFUJIFILMの姿勢やこだわりを熱く語っていただき、実際にこれだけ高画質で使いやすいカメラを試してみることができて、なんだか買わないといけないんじゃないか、という気になってきました。いつもいつも気になっているXシリーズですし。しかし、やはりEVFを覗いているとこれじゃない… と言う気になってしまいます。X-E2よりもさらに進化し、いっそうブラッシュアップされたハイブリッド・ファインダーを積んだ、X-Pro2を待ちたいと思います。

FUJIFILM X-E2体験イベントで実写してみる」への2件のフィードバック

  1. アマネ

    初めまして。
    K-30のレビューなどを集めておりましたら流れ着きまして、軽妙な筆についつい関係ないエントリーまで楽しく読ませて戴きました。
    今回のエントリーとは何ら関係ないコメントで恐縮ですが、貴方様のレビューもあり今回K-30を購入致しました。つきましてはその感謝を述べたくコメントさせていただく次第であります。
    これならもブログの更新楽しみにしております。

  2. hisway306

    アマネさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
    客観的ではないと思いますが、私のK-30への愛情が伝わったなら嬉しい限りです。
    あとは同じように気に入っていただけると良いのですが。そのためにもお互いK-30でどんどん写真を撮っていきましょう!

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