PENTAX Qユーザーの多くが待ち望んでいた純正マウントアダプターがとうとう発売になりました。KマウントのレンズをQマウントのカメラに取り付けるためのものです。初期の試作品が昨年のPENTAX Q登場とほぼ同時期に大阪のイベントで展示され、その後今年2月のCP+ではほぼ製品版に近い形に進化したものが展示されていたわけですが、そこからさらに8ヶ月。ちょうどQマウントの2号機、PENTAX Q10とともに登場となりました。
KマウントとQマウントの両方を持っている私のようなユーザーにとっては、必須のアイテム。いえ、必要かどうかは考えずにとにかく予約を入れてしまったものです。さて、K+Qの世界はどんなものでしょうか? まずは発売日に届いた箱を開けてみました。
正式な品名は「Kマウントレンズ用アダプターQ」あるいは「PENTAX ADAPTER Q FOR K MOUNT LENS」と呼ぶようですが、ここでは独断によりK-Qマウントアダプターと呼ぶことにします。
箱はこんな感じで一応化粧箱ですが、「アクセサリー」としか書かれていない実に素っ気ない箱です。中身は本体と説明書、保証書のみ。なのでさっそく本体を取り出します。
まずはKマウント側。写真の右上に見えるレバーがレンズ取り外しボタン。赤い位置合わせ指標付近のマウントの内側にある出っ張りは絞り駆動のレバーと思われます。そして奥に見える絞り羽根のようなものがシャッター。このK-Qマウントアダプターの最大の特徴は、この機械式シャッターがついていること。通電していないときはこうして微妙に開いた状態です。
次にひっくり返してQマウント側。Kマウントと比べるとずいぶん小さいです。Qマウントは最新の設計なので、機械連動機構はなくて電子接点のみ。シャッター羽根は5枚ですが、このシャッターは絞りを兼ねているわけではないので、形状は写りに関係ないはず。
立ててみました。0から8までの数字が振られた(実際には8の次に”L”があります)リングは絞りリング。クリックはない無段階調節可能なダイヤルで、DAレンズなど絞りリングがないレンズで絞りを調節するためのもの。絞りの動作はシャッターに連動しないので、ダイヤルを回せば即座に絞りが動きます。つまりこの場合開放測光ではなく絞り込み測光になります。もちろんそのままライブビューでピントの深度も見られます。
下面はこんな感じで少し平に削られています。なんだかCEマークがやたら大きくて浮いて見えますが。それはともかく、QやQ10のボディは小さいので、このK-Qマウントアダプターはボディより上下方向に大きく出っ張ってしまうるわけですが、下面がこうして削られているおかげで、取り付けた状態でもコロッと転がらないようになっています。
そしてさらにその両側にある窪みは、三脚座を取り付けるためのもの。三脚を使用する場合、取り付けるKマウントのレンズによっては、Qボディの三脚穴ではバランスが取れなくなるわけで、その場合はこのマウントアダプターに三脚座を取り付けることで、バランスを保てるようになります。ただし三脚座は同梱されておらず、別売りとなっています。
説明書によると、適合する三脚座はDA★300mm用のものとなっており、同時にオプション販売が開始されています。K-Qマウントアダプターを使うなら是非あった方が良いと思うのですが(そう言う意味では同梱しておいて欲しかったかも)、そこでふと私が持っているDA★60-250mmにも似たような取り付け方法の三脚座がついていたことに気付きました。試しに付けてみたところビンゴ! 全く問題なくぴったり着きました。ただし別売オプションとして販売されているDA★300mm用とはL字部分の形状というか大きさがやや異なっているようで、こちらは背が高くなるようです。見た目が大げさですが使いやすさはこちらの方が良いかも。
ということで、私が持っているPENTAX Q Limited SilverにマウントアダプターQを取り付けてみました。大きさのバランス的にはこんな感じです。これだけでも冗談みたいな姿になります。これにレンズを付けたらどんなことになってしまうのでしょうか。
しかしレンズを付けて使ってみる前にもう一つやっておかねばならないことがあります。
ファームウェアアップデート
K-Qマウントアダプターを使う前に、PENTAX Qはファームウェアをアップデートする必要があります。これまではV1.01が最新でしたが、このK-Qマウントアダプターの発売に合わせて、V1.10がリリースされました。
アップデートは簡単です。WEBからダウンロードした新しいファームウェアのパッケージを解凍し、.BINファイルをSDHCカードのルートにコピーしてPENTAX Qに差し込んだら、メニューからアップデート実行するだけ。K-5などのファームアップデートよりもずいぶん早く完了します。アップデートが完了すると、すべて設定が初期化されてしまい、言語や日付と時刻からすべて再設定となります。
V1.10にすると、Qマウントのレンズを付けていない状態(純正K-Qマウントアダプターやサードパーティのマウントアダプターを含む)で起動すると、レンズの焦点距離入力画面になります。この情報はEXIFに記録されるとともに手ぶれ補正に利用されるようです。秀逸なのは、過去の履歴を8個まで覚えていること。リストにあれば電子ダイヤルで素早く選ぶことが出来ます。
新機能の一つとしてピントが来ている部分のピーキング表示がサポートされました。これ、MF時には非常に役立つ機能です。これまでPENTAX Qにはなかったものですが、マウントアダプターQ対応とともに追加されました。ただし、AF時にもピーキング表示されてしまうのが残念な気がします。これ、MF時だけで良かったのに。
その他V1.10には細かい修正や改善も入っているそうです。マウントアダプターQを持っていなくてもアップデートしておいた方が良いと思います。AFも早くなったという情報が一部にありますが、真偽のほどは分かりません。
ということで、KマントレンズをQで使う準備が整いました。Qマウントレンズは3本しか持っていませんが、Kマウントレンズは10本あります。よりどりみどりです。ま、どれを付けても望遠レンズになってしまうわけですが。その辺は次回のエントリーで(^^;