百里基地といえば一番のお目当てはF-4 ファントムIIです。しかしタイトルに反してトップ画像がもうF-4ではないわけで、百里基地の現在の主力はF-15 イーグルですし、T-4なども沢山います。
いずれにしろ私にとってはほとんど初めて生で見るものばかりで、旅客機ともF-1とも違うその撮影の難しさを初心に返って楽しんできました。
百里基地は茨城県にあり都内から車で1時間半ほど。数年前には同じ滑走路を共有する茨城空港が開港し、自衛隊と民間の共用空港となっています。なお航空自衛隊の訓練飛行は平日にしか行われません。なので、今回は仕事を休んで行ってきました(^^;
カメラはもちろんPENTAX K-3 IIにDFA150-450mmです。それに念のために18-135mmの標準ズームも持っていきました。サブで60-250mmも持って行くかどうか悩んだのですが、荷物を減らすために断念。しかし結論から言うとあればあったほうが良かったです。次回の教訓としたいと思います。
午前中:自販機前
百里基地周辺の撮影ポイントについてはネット上に先人達の有用な情報が沢山あります。私たちもそれを参考にしました。この日は北風が吹いていてランウェイ03(北向き)で運用されていたので、まずは滑走路の北側真下あたり(通称自販機前)に行ってみました。午前中は順光となります。
到着した午前11時前には、すでに飛行は始まっており、訓練中と思われる自衛隊機が上空を飛んでいるのがよく見えます。これはF-15J イーグル。生で見るのは初めてで、いきなりテンションが上がりました。言わずと知れた航空自衛隊の主力戦闘機です。
滑走路に向けて進入してきましたが、着陸せずにそのまま上空を通過していきます。かなり近いです。と言っても旅客機と比べるとずっと小さな機体なので、それなりに長いレンズは役に立ちます。私たち以外にも沢山のひとが写真を撮っていましたが、周囲を見回しても軒並み400〜600mmクラスのレンズを構えていました。
T-4がやってきました。ブルーインパルスでも使われている純国産の練習機。なので復座になっています… が、この機には一人しか乗ってないように見えますね。F-15と比べるとさらに小さな機体です。これも間近で見るのは初めて(東京上空を飛んだブルーインパルスは見たことがあります)。イルカを思わせるかわいい機体に萌えます。
F-15も今度は着陸するようです。特徴的な背中のエアブレーキを全開にしてます。
天気予報では晴だったのですが、朝方は千葉や神奈川で少し雨が降るなど、関東地方では午前中は少し雲が出ている場所が多かったようです。百里基地周辺も南の空には厚い雲がいましたが、次第に晴れていきました。このカットはちょっと大げさに「どんより」感を演出してみました。
うーん、ここまでのところF-4が飛んできません。どこに行ったのでしょうか?
昼:アラートハンガー前
さて、お昼前にぱったり動きがなくなったので、その隙に移動することにしました。向かったのはアラートハンガー前。本当にここに入って行って良いのか?というような細い砂利道を進んだ先にあります。フェンスを挟んだ向こう側はもう空港(というか基地)。滑走路はすぐ目の前です。フェンスの上から撮るには脚立が必要です。午後は順光になりますし、お天気も回復して抜けるような青空がいつの間にか広がっていました。
F-4 EJファントム II来た! 自衛隊機の中ではこの老兵が大好きなんですよね。F-4は退役がジワジワと進んでおり、今ではここ百里と新田原にしか配備されていません。午前中には撮ることができなかったのでヤキモキしていました。
というのも子供の頃に読んだ「ファントム無頼」という漫画の影響です。たしかここ百里基地が舞台だったはず。あまり漫画を読まない私ですが久々に読み直してみたいかも。
偵察機のRF-4Eも離陸していきます。滑走路上に3機並んで順番に離陸していきました、迷彩柄が良いですね。百里基地にはこのほかにブルーの海洋迷彩を纏ったRF-4Eがいるそうですが、この日は姿を見せませんでした。
エアブレーキがないF-4は着陸するとおしりからパラシュートが飛び出してきて開きます。百里の滑走路は十分長さがあるのでこんなの使わなくても止まれそうな気がしますが、どうなんでしょう? 素人考えでいちいち仕舞うのが大変そう、と思ってしまいます。
F-15の真正面も良いですね。アラートハンガー前はこの手の写真を撮るには絶好のポイントです。
アフターバーナーを炊いてあっという間に離陸していくF-15J イーグル。排気の熱気流もすごいです。これがしばらく滑走路上に残るためか、寒い初冬の季節とは言え、滑走路上はメラメラの陽炎に包まれるていることが多かったです。
離着陸だけでなく、百里基地の上空で訓練している様子も見ることができます。これは見学者へのサービスではないかと思えるような4機編隊飛行でやってきたと思ったら、いきなり1機が急旋回して編隊から離脱していきました。ひねった瞬間に翼端からベイパーが出ます。ファインダーを覗きながら「おぉ!」と声を出してしまいました。このあと1機ずつ順番に離脱していきました。
そして着陸。結構ゆっくり降りてきます。F-15はタッチ&ゴーをすることも多かったです。
途中でYS-11がやってきました。民間航空会社を始め、海上保安庁も海上自衛隊からも退役し、いまや航空自衛隊でしか使われていない国産機です。この機体はエンジンを換装するなどかなり改造を受けた機体のようです。F-15などの戦闘機と比べると亀のようにゆっくりと飛んできます。
民間機もやってきます。というか、私たちがいた間に離着陸したのは4便だけ。これは唯一の国際線に就航する春秋航空のA320。戦闘機と比べると巨体です。
夕方:やはりアラートハンガー前
行くまでは飛行が行われない暇な時間が結構あるだろうと予想して、お弁当やコーヒーやお菓子を持って行っていたのですが、そんなもの食べる暇もなく次から次に離陸し、また着陸してきます。まるで羽田空港のような過密ぶり。午後には北門へ移動しようと思っていたのですが、そんな暇もなくこの日はアラートハンガー前に居座ることにしました。
やっぱりファントムが一番カッコイイ! 尾白鷲のマークが映えます。
RF-4Jもまたやってきました。機種下のカメラが特徴的です。しかしこれもF-15への置き換えが計画されてるそうですね。
なんと2基揃って同じ滑走路から動じ離陸。こんなのアリなんだ…
着陸すると見せかけて滑走路に向けて進入してきて、そのままローパスしていくこともあります。夕日を浴びた姿が綺麗です。
F-15のエアブレーキの裏側ってこんな風になってるんですね。と思ったら、のっぺりした一枚板のやつもありました。製造時期によって部品が異なるんでしょうか。
T-4も上空を通過してひねっていきます。が、ベイパーは出ませんでした。T-4も頻繁に飛んでいるのですが、F-15とF-4に押されてなんだかありがたみが薄れてきてしまいました。この頃になると「なんだT-4か…」という扱いに。朝はT-4にも興奮していたのに(^^;
百里基地というか茨城空港には平行して滑走路が2本あります。自衛隊は主に東側の滑走路を使っていたのですが、このT-4は何かコースが変だぞ… と思っていたら私たちから見て手前側の西側の滑走路に降りてきました。あまりに近くて慌ててしまい鼻先のピトー管が切れてしまった!
日没前後:アフターバーナー&流し撮り
さて、そろそろ日没を迎えようかという時間帯。冬至直前なので午後5時には暗くなってしまいます。写真を撮るには厳しい時間帯なのですが、ここで狙うはF-15のアフターバーナーです。
しかし問題はF-15は必ずアフターバーナーを炊いて離陸していくとは限らないこと。この日私が見ていた範囲では半々くらいな感じでした。
なんとか撮れた一枚がこれ。ちょっと中途半端な明るさでしたが、これ以上暗くなると撮れる自信がありません。ですが真っ暗になるまでしばらく名残惜しんでいたのですが、これ以降はアフターバーナーは炊いてくれませんでした。
T-4はアフターバーナーを搭載していません。1/60secで流し撮りに挑戦。でももう周囲の明るさ的にこの辺が限界です。
最後、帰り際にやってきたスカイマークのB737-800。民間機はホントに少なくて、自衛隊のやりたい放題の時間がほとんどでした。
午後5時を過ぎるともうこの暗さ。ISO12800まで上げても1/10secが切れません。もうこれ以上は絶対無理です。
ということで、初めての自衛隊機の撮影はこんな感じで終了です。思った以上に楽しめました。というか、ちょっとこれは填まりそうな気がしています。平日限定というのが問題ですが、百里基地には他にも定番の撮影ポイントがあるそうなので行ってみたいです。また、入間とか他の基地も良いかも!
流石というか、Hiさんの絵は安心して見れますね。
軍用機、機械的に美しいのは認めますが、どうも苦手です(輸送機除く)。
でも、小松のF-15は見に行ってもいいかなぁ…と。
管理人さんこんにちは。以前何度かコメントさせていただいたBIGMA+K-5使いのペン太です。私も飛行機が大好きなので、管理人さんの旅客機写真を拝見して楽しませていただいているのですが、総火演とブルーインパルスはあるものの自衛隊機が出てこないので、アンチミリタリー派なのかと思っておりましたら、ついに百里基地の登場で感激しました。いい加減見飽きた百里の光景も管理人さんの手にかかるとまた違った風情になりますね。
ちなみに百里のF-15は来年度中に宮崎県の新田原基地に引っ越ししてしまうので、撮りまくるならここ1年間のうちです。また、東京から近いといえば米海軍の艦載機がいる厚木もあります。百里と同様、土日は飛びませんが、日本の祝日はアチラさんには関係ないのでガンガン飛びます。ただこちらも再来年には山口県の岩国に移動してしまうので、撮りにいくならここ1~2年のうちです。
また素敵なお写真を楽しみにしております。
○黄金な人さん、
軍用機が苦手、というのは(私の誤解でなければ)分かるような気がします。そもそも戦争のための道具ですからね。
ずっと本来の目的では使用されず、機械的な美しさを楽しむ対象でいてほしいものです。小松とか、今注目の小牧とか、何かのついでに見物に行くというのはいかがでしょうか?
○ペン太さん、
コメントありがとうございます。すごく積極的に好きというわけではないですが、決してアンチではありません(^^; 初めての分野に挑戦するには腰が重いのですが、今回は強力な誘いを受けたと言うのが大きいです。そういうきっかけを待ってるみたいな部分もありますし。
「見慣れた」と言うことは百里基地にはずいぶん通われてるのでしょうか。今回行けなかったポイントに再度挑戦したいと思っているところです。次はいつ休めるかな?と。
F-15が百里からいなくなるとは驚きです。今の時代の背景からしてそうなるものなんでしょうかね。そういえば横田もありましたね。そちらも通ってる知人がいるのでこんど便乗させてもらおうかと思っています。
こんにちは。いつも楽しみにしております。百里行かれたのですね。いいですね。私は行ったことがなく、車もないのでハードルが高いです。このレンズは戦闘機撮りにも十分使えそうですね。お聞きしたいのですが、このレンズのAFは当然シグマより速いと思うのですが、テレ端でも全然速い感じでしょうか。またお持ちの60-250や60-250+テレコンでのAFに比較するとAFの速さは全然違うものでしょうか。幸い望遠の買い替えができそうなんで、150-450か、60-250+テレコンかで悩んでいますが、AFがシグマの150-500並みだときついかなと考えております。お聞きししてばかりで申し訳ありません。
飛行機大好き さん、
AFの速度に関してはテレ端でもワイド端でもあまり差は感じません。差が出るとしたら手ぶれによりAFポイントが安定しないことによるものかと思います。150-450がこれまでのレンズと特に違うのは立ち上がりの速さだと感じています。AFの駆動スピード自体はもしかしたらそれほど違いはないかもしれませんが、シャッターボタンを半押ししてからレンズが回り始めるまでのラグが感じられません。ただ、これはK-3 IIとの組み合わせで発揮されるものかも。飛行機撮影などで超望遠域を必須とするなら、60-250+テレコンよりは150-450のほうが描写性能の点でもお勧めです。