K-1を手にしてから二日目、連休初日の金曜日は気持ちよく晴れ渡り、しかし強風が吹き荒れる天候です。暑さもそれほどではありません。今日はどこに行こうか?と考えたのですが、車で行くようなところはどこも渋滞&大混雑だろうと思い、自転車に乗って近所を巡ってみることにしました。見慣れた撮り慣れた東京下町の風景なら、よりK-1の使い心地と写りが良く実感できるかもしれません。
持ち出したレンズはDFA15-30mmF2.8と、FA Limitedシリーズの3本、そしてFA50mmF1.4も使ってみました。
亀戸天神
藤まつりも最盛期を迎えており、境内は多くの人でごった返していました。が、肝心の藤はもうほとんど終わっていました。最盛期だと太鼓橋脇の棚は紫に染まっているのですが、もうほとんど花は残っていません。やはり藤も例年より開花が早かったようです。
一般的な紫色の藤よりも季節が遅い黄色い藤がちょうど咲き始めたところです。ただ、亀戸天神には黄色い藤はほとんどありません。
青空と新緑と亀の池と藤の取り合わせだったら最高だったんですけどね。いえ、それでも十分綺麗です。
藤まつりと同時に行われているのが学業講祭。どういうお祭りなのかよく分かりません。神楽殿では琴の演奏中。高校生でしょうかね。男子も混ざっています。
亀戸天神からは東京スカイツリーもよく見えます。そうだ、次はスカイツリーへ行ってみよう!
天祖神社
参道には巨大な鯉のぼりがかかっていました。そうか、もうすぐこどもの日ですね。強い風に煽られて空をまさに泳いでいるかのようでした。
超広角レンズ威力発揮です。イメージしたようなダイナミックな絵にはなりませんでしたけど(^^;
ここで人なつっこい猫さんに出会いました。首輪していたので野良ではなく飼い猫なのでしょうか。一瞬考えたのですが、ちょうど良い距離感が出るFA43mmに慌てて付け替えて、逃げられないようにそっと撮ったら…
逃げるどころか近寄ってきました。飼い猫だから人慣れしてるんですね。すり寄ってきて背中を掻けと言ってるような気がしたので、掻き回してきました。時折指を舐めてくれたりしてお礼のしるしでしょうか。
境内は広くありません。しかし巨木が立ち並んでいて都会のオアシスのようです。春よりは秋のほうが綺麗かも。紅葉の季節でもないのに赤い木がありました。ここはFA77mmの出番です。
東京スカイツリー
よく知られていることではありますが、とうきょうスカイツリー駅と押上駅のごく狭いエリアは開発されましたが、北十間川周辺のこの地域は元来コテコテの下町です。こんな廃屋もあったりして東京スカイツリーとのコントラストが激しい地域です。
足下までやってきました。超広角のパワー炸裂です。ここではFA Limitedの出番はなさそうです。思い切りカメラを煽って見上げれば、すぐ両脇のビルも一緒にフレームに入ってきます。面白いですね、こういうの。
ソラマチの入り口。さらにスカイツリーの足下へ。今まではここでは魚眼しか使ったことがありません。太陽がフレームに思い切り入ってしまいましたが、ゴーストもわずかでフレアは全くなく抜けが良いです。さすがHDコーティング(タムロン製ですけど)!
木場公園
GWに入り本格的な新緑の季節です。ここではこれまで(と言ってもたったの1日半ですけど)使いあぐねていたFA31mmを集中的に使ってみることにしました。じゃじゃ馬と思っているレンズですが、フルサイズで本来の画角で使うとどうでしょうか? ハイライト付近のエッジにはやはりフリンジが出ますが、大人しいです。このカットは敢えてフリンジは消していません。
空を撮ると急に絵の具で塗ったかのように真っ青になるカメラもありますが、PENTAXの一眼レフではそういうことはなく、鮮やかながらも自然な青空。開放ではフワッと滲むこのレンズも、絞るとまるでフィルム時代の古い設計とは思えない先鋭さ。今までAPS-Cでは使っていなかった周辺部はそれなりに落ちますが、その辺がデジタル時代との差でしょうか。
木場公園大橋の向こうにはさっきまでいた東京スカイツリー。このレンズは広角レンズだったんだなぁ、と言うことを改めて実感します。
なんか、今までは大口径だからと、こういう「近寄ってぼかす」的な使い方ばかりしてたような気がしますが、大口径である前に絶妙な画角の広角レンズだと思って見直すと、また違う使い方が出来そうな気がしてきました。いえ、もちろんボケも綺麗だし色のりも自然で良く、最短撮影距離も短いので、こういう使い方もこなしてくれます。AF精度がネックでしたがK-1は周辺の測距点を使ってもバシッと合います。
さて、おまけの一枚。噴水で水浴びしていたカルガモ。一心不乱に身繕いしていて人が近寄ってもお構いなし。31mmでは少し遠かったのでFA50mmF1.4に付け替えてみました。
FA Limitedシリーズよりもさらに古い時代のレンズ。これまでの印象では描写性能的に「古い味わい」を楽しむためのレンズで、高画素デジタルではまともには使えない、と思い込んでいましたが、これはどうしたことでしょう。カリカリのキレキレではないですが、普通に撮れます。というか、中々これ良いじゃん!と思ってしまいました。これもK-1のフルサイズマジックでしょうか?
K-1インプレッション2
K-1とFA単焦点レンズの組みあわせはとても相性が良いです。K-1はそれなりに重量がありますが、FA Limitedなどのフィルム時代の軽量コンパクトな単焦点レンズを組み合わせると、全体としてとても軽快に扱えるカメラになります。標準ズームをどうするか未だに悩んでいますが、当面はこのままで良いんじゃない?と思えてきました。
AF測距点は選択モードにしていちいちピントを合わせるポイントを選んで使っています。これは大口径レンズではフォーカスロックを多用するより、経験的にこの方が精度が得られると思っています。端のほうの測距点では精度が出ないということもなく、少なくとも中央25点なら大体信用できそうです。もちろん中央縦3点はF2.8対応なので、大口径レンズを使用した場合はやはり中央のほうが精度は良いのでしょう。端っこの8点はまだ使ったことがありません。
ちなみに最後のカルガモのカットでは、思いついて測距点選択はオートで撮りました。ちゃんと被写体認識してるらしく、カルガモさんの身体の形に合わせて測距点が選択される様子が分かります。これはK-3やK-3 IIにはなかったこと。もしかしたらこれは使えるかもしれません。
AFポイントの配置はフルサイズで使う限りは概ね良好ですが、やはり欲を言うならピッチは今のままでもっと周辺までAFポイントが欲しいところ。AFポイント選択ボタンはK-3/K-3 IIでは十字キーの右下にあったものが、右上に移りました。確かにこちらの方が押しやすいです。が、ボタンが控えめなのは誤操作を心配してのことでしょうか? 撮影中はわりと頻繁に押すボタンなので、もう少し大きく、出っ張っていても良いのにと思います。
ライブビューはほとんど使っていません。なのでバリアングル機構の使い勝手も今のところあまり実感はありません。それよりも、アウトドアモニター機能が秀逸です。この時期の日中、直射日光が射す中でもハッキリと液晶が見えます。ファンクションボタンからすぐにアクセス出来る操作性の秀逸さも含めて、これはアイディアの勝利だと思います。もちろん、もともと液晶(のバックライトの)の性能が高いから出来ることなのでしょう。
スマートファンクションと合わせて、こういう痒いところに手が届く細かい機能の積み重ねが、K-1の使い心地を決定的に高めていると思います。
ですから、別に古いレンズはレンズで
遜色なく撮れると思いますよ。
昔のAレンズでも。
ここの写真、色はペンタックスですけど
解像度がやはり一段と上がってる印象を受けました。
Y2さん、
おっしゃる通りですね。PRETAX歴の長い方々が、FやFA、FA☆などはもちろん、AとかMとか古いレンズを大切にしていて、K-1に期待されていたのが分かる気がしてきます。
私の腕でも手持ちでこれだけ撮れてしまうのですから、K-1のセンサーと手ぶれ補正と画像処理は本当に良く出来ています。