さて、標準系のレンズは一通り使ってみたところで今度は手持ちDFAレンズの大物、超望遠ズームの150-450mmを使ってみなくてはなりません。全国に向けて「K-1で使うのが楽しみです」と宣言してしまいましたので(A^^;
このレンズで何を撮るか?と言えばやはり飛行機でしょう。ということで、まずは撮り慣れた羽田空港と、さらには成田空港脇のさくらの山公園へ行ってみることにしました。
もちろん望遠系はAPS-Cが得意とする領域。クロップしたら一緒とは言え重さや連写速度など考えるとK-3 IIのほうが優位な点があります。でもAFとか手ぶれ補正とか、そもそもの画質とか、K-1とDFA15-450mmで動体を撮るとどんな感じになるのか、一度試してみなくてはなりません。それによってはK-3 IIとの使い分けのポイントも明確に分かってくるはずです。
まずはK-1に150-450mmを付けてみました。これで重量は3kg越え…。フルサイズの450mmはAPS-Cで言うと300mm相当ですから、開放F値諸々考えるとAPS-Cならもっとコンパクトなシステムが組めます。敢えてK-1でこれをやる意味はあるのか?と、冷静に考えると疑問がわいてきます。でもとりあえず行ってみましょう!
羽田空港第二ターミナル
JALのボーイング787-8がC滑走路から南へ向けて離陸していきます。この時期ですから南風運用中です。滑走路上は陽炎で厳しいのですが、少し上がれば何とかなります。
こっちはANAのボーイング787-9。胴体がかなり長いです。
エアドゥのボーイング737-700。小型機なので離陸が早いです。羽田空港第二ターミナルからは、背後に東京湾の青い海と、そこを行き交う船と、天気が良ければさらに向こうの千葉県沿岸部が見通せて、景色としても綺麗です。このカットで右奥に見えているビル街は海浜幕張と思われます。
滑走開始地点のほうを見ると、スカイツリーなど東京の街並みが見えます。色々障害物が多いのですが、なんとか隙間から撮れるところを探しました。
スポットを出てまさに出発しようとしているANAのボーイング787。パイロットの顔も見えますね。超望遠はこうやって一部を切り取るのも楽しいです。
ということで上に貼った写真は若干のトリミングもしていますが、ほぼフルサイズで撮ったもの。第二ターミナルの展望デッキからC滑走路を撮るなら、フルサイズ+150-450mmでも十分に撮れます。敢えてクロップしたくなることはありません。
羽田空港第一ターミナル
少しシャッター速度を落として流してみました。と言っても1/250secですから流し撮りと言うほどでもないのですが。
それにここからだと、ちょうど離陸機の背後に川崎市沿岸の工場地帯が写ります。これもまた良いんですよね。
日がだいぶ傾いてきました。国際線ターミナルの奥の方は夕日でキラキラ光っています。少しアンダー気味でホワイトバランスを高めにすれば、目で見た雰囲気に近くなります。陽炎でメラメラですけど。
目の前のターミナルから出発するJAL機も夕日に輝きます。やっぱり私的には第一ターミナルのほうが好きかも。障害物が多くて写真は撮りにくいんですけどね。
C滑走路のほうを見通せる場所があるのですが、そこから政府専用機が駐機しているのが見えました。翌日、首相を乗せてヨーロッパに出発していったようです。
再び流し撮り。1/250secでも結構流れますね。今度もっと暗くなってから来てみようと思います。
第一ターミナルからA滑走路を離陸する機体も、450mmもあれば十分に狙えます。トリミング耐性がずっと高くなったと思えば、やや引き気味にとってつじつま合わせるなんていう横着なことも出来ますし。
なお、手ぶれ補正は良く効くので手持ちでもたいていの場合何とかなりました。流し撮り検出はそれなりに働いているようです。振り始めの初速が遅いところではダメですが、真横に振り抜くところではちゃんと作動していることが確かめられました。
さくらの山公園
新緑の季節、成田空港の周辺は鬱蒼とした森が沢山あります。さくらの山公園もそんな中にあります。空ばかり見上げているうちに、ふと足下を見るとわりと大きな蛇がのそのそ横切っていったりして、都会っ子には刺激が強いです。
やってきたのはカナディアンエアのボーイング787-8。
ウィングレット付きのボーイング767も羽田ではなかなか見られません。
NCAのボーイング747-8Fが動いてるところは初めて見ました。この日は基本天気は良いはずだったのですが、薄曇りでどうもスッキリしません。しかもやはり滑走路上は陽炎がひどいです。
それから、絶滅危惧種の3発機、FedexのMD-11も久々に見ました。JALで飛んでいた頃は良く乗ったものです。結構好きな機体でした。
787はどこから見ても美しいですね。さくらの山は滑走路に近く、着陸機はすぐ目の前を掠めて行きます。と言っても、伊丹の千里川や羽田の城南島ほど真下でもなく、ほどよい距離感。フルサイズで450mmもあったらこのくらいドアップに出来てしまいます。
むしろもう少し短い領域のズームが欲しいと思えるくらい。ここではAPS-Cでワイド端150mmはちょっと長すぎると感じます。あまり遠景になると今度は陽炎でまともに撮れず… と、なかなか難しいところ。
K-1 + 150-450mmのインプレッション
使い始めると重さはあまり気になりません。普通に手持ちでK-3 IIと同じように振り回せます。何よりファインダーが見やすくて集中できるのが良いです。
旅客機は比較的AFには優しい方ですので、当然のように今回はピントの問題はほとんどありませんでした。AF.Cで9点あるいは25点セレクトエリア拡大にしましたが、ピントが抜けることもなく快適に使えます。
ちなみにAF関係の設定はK-3/K-3 IIではカスタムファンクションの中に紛れていましたが、K-1では「位相差AF」という独立したメニューが撮影設定の中にあり、そこにまとめられています。AF.C時の動体追従に関する設定はデフォルトで、1コマ目がオート、2コマ目以降もオート、そしてホールド特性が弱になっていましたが、まずはK-3/K-3 IIと同様にそれぞれピント優先およびホールドオフに変更して使いました。
上にも少し書いたように手ぶれ補正も確実に効いています。それに、高感度耐性がかなり良くなってるので、TAvでもう少し速いシャッター速度に固定し、ISO感度で露出調整するのもありかと思います。
連写は初めて使いましたが、4.4コマ/秒なら指先の感覚だけで1コマ切りも簡単にできるかと甘く見ていたのですが、どうしても不意に1枚余計に切れてしまうことが頻発しました。思ったより速い…(^^;。が、周囲で秒8コマくらいでシャッターを切りまくっている人たちの中にいると、そののんびりした連写スピードがやや恥ずかしく思えてくるのも事実。とにかく数撃ってOKカットを得るという作戦はなかなか難しく、1カットごとに歩留まりを上げていくように丁寧に撮らざるを得ません。
連写が遅いことで結果的に撮影カット数が大幅に減ります。なので撮影後の選別作業が楽になるというおまけはあります。HDDの容量も圧迫しないですし。と、前向きに考えることにしましょう。ちなみにAPS-Cクロップは今回は使っていないので、秒間6.5コマになったときのAFとの相性などがどうなるかは、また別途確認が必要かと思います。
今回は約一段絞ってF8でほとんど撮りましたが、DFA150-450mmは周辺までクリアで周辺減光もほとんど無くとても安定しています。これは本当に良いレンズだと思います。長さの不足は今回はあまり感じませんでしたが、トリミング耐性もありますし、必要ならクロップすればいいや、と割り切れそうです。
PENTAX デジタル一眼レフ K-1 ボディ 5軸5段手ぶれ補正 ローパスセレクター フルサイズフォーマット 19570
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (10件) を見る
RICOH PENTAX 望遠ズームレンズ HD PENTAX-D FA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW 21340
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2015/04/17
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る