PENTAX K-1はこれまでと同じKAF2マウントを搭載しているので、当然ながらAPS-C用に作られたDAシリーズのレンズを使うことが出来ます。基本的にはクロップすることになるのですが、K-1はここで敢えてクロップするかどうかをマニュアルで設定することが出来るようになっています。つまり、DAレンズでありながらフルサイズの画角で撮影することが出来るのです。
どのレンズがフルサイズでどの程度使えるとか、使えないとか、発売前からいろいろな情報が飛び交っていましたし、概ねその答えは出ているのですが、手持ちのレンズについてはちゃんと自分で確認してみることにしました。
現在所有するDAレンズはズームが4本で単焦点が1本。ズームはどうせ無理だろうと諦めている一方、単焦点レンズは何とかなるんじゃないかと期待しています。さて、結果は如何に!
クロップ設定
その前にK-1のクロップに関する設定を見てみましょう。
撮影メニューの中にこうして「クロップ」という項目が設けられています。選択肢はこの通り、オート、FF、APSーCの3つです。デフォルトはオートになっており、DAレンズが装着されると自動的にクロップされるようになります。が、ここは当然ながら常にフルサイズで撮るよう、FFに設定変更してみます。
ちなみにクロップ設定はボディ上面のスマートファンクションダイヤルからも設定可能。実際の撮影時に切り替える場合は、メニューを呼び出すよりダイヤル操作した方が確実で分かりやすいです。
DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED[IF]
まずはフィッシュアイズームから。以下、焦点距離を適当に変えて3枚撮ってみました。ちなみにマウスオーバーするとAPS-Cの枠がオーバーレイされます。実際のイメージサークルが性能保証されているAPS-Cよりどのくらい広いかがおおよそ分かると思います。
まずはワイド端の10mmのとき。フードなのかレンズ内部にある何かなのなのか、画面の周囲は大きくけられておりフルサイズではまったく使えません。ほぼ完全にAPS-C専用です。
次に中間の14mm。一気にイメージサークルは広がり、とりあえずフルサイズの画角の隅っこまで絵が写るようになりました。やや、もしかするとこれでフルサイズに対し対角線魚眼くらいになってるのではないでしょうか? もともと解像感を語るようなレンズではないですし、これは使えるかも!
さらにテレ端の17mmです。APS-Cで使うと歪曲もあまり気にならなくなる画角ですが、こうしてみると依然として魚眼です。そして隅のほうまでちゃんと結像しています。
結論としては魚眼ズームは14mm以降で結構使える!と言えるかと思います。
ちなみに17mmで撮ったカットをさらにuonomeで歪曲補正してみるとこんな感じになりました。なるほど!
魚眼補正ソフト「uonome」については↑こちらをどうぞ。
HD DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR
次はK-3/K-3 IIで常用レンズとして愛用していた標準ズームです。K-1に取り付けてもなかなかサマになっています。このくらいの標準ズームがやっぱり欲しいです。
ワイド端の16mm。まぁ期待はしていなかったのでこんなものでしょう。ちなみにフードはちゃんと外してあります。
35mm付近でも依然としてこんな感じ。ややイメージサークルは広がったでしょうか?
そしてテレ端の85mm。結局隅々まで結像することはなく、かえって周辺減光が見られるようになってきました。
分かっていたことですがこのレンズはAPS-Cクロップ専用となります。少し広めにトリミング… という気にもなれません。
DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
もう一本持っているDAの標準ズーム。7倍近いズーム倍率が便利で使用頻度は低いのですがなかなか手放せません。これもK-1に組み合わせると見た目はとてもバランス良いです。
ワイド端の18mm。16-85mmと同じ感じです。
ズーム中間はざっと飛ばしてテレ端の135mmでもほぼ変わらず。
これまた期待していないレンズですが、見事にAPS-Cに合わせてギリギリで作られていることが分かりました。
DA★55mmF1.4 SDM
お次は一転して期待の一本。単焦点レンズのDA★55mmF1.4です。これは事前情報でも絞りによってはフルサイズで使えるとされていた一本です。
開放のF1.4。シャッター速度が追い付いていなくてややオーバー気味ですが、そこそこ周辺減光はあります。でも青空とか撮るのでなければこのままでも使えそうです。あるいはこの減光を逆手に取るとか。
一段絞ってF2.0。周辺減光はかなり改善します。また周辺部はAPS-Cの枠を越えると急に滲んでいます。が、これも分かった上であれば十分使えるでしょう。
さらにF2.8。周辺の光量的にはもう問題はなさそう。それにしても中心部はカリカリです。
もうちょっと絞ってF4.0。ごく四隅を除けば描写性能もほぼ問題ないと思います。
F5.6まで絞ればもう何も文句はないのではないかと思います。
ということで、これは期待通り。開放で隅々までビシッとした描写を求めるなんてことも無いでしょうから、私基準なら開放から十分使えると思います。
ちなみにこれは開放F1.4で撮ったRAWファイルに、Lightroomでレンズプロファイルを当てて現像したもの。周辺の流れと滲みはどうにもなりませんが、ビネットは十分に補正可能です。
DA★60-250mmF4ED[IF] SDM
もう一本の★レンズは望遠ズームです。私の手持ちレンズの中では一番古い一本。かなり長いつきあいです。出来ればK-1でも今後使っていきたい… けどどの程度使えるでしょうか?
まずはワイド端60mmで絞りは開放です。思いの外悪くありません。
次に中間の128mm付近。絞りはやはり開放です。ちょっと光量落ちが激しくなりました。フルサイズとは行かなくてもAPS-Hくらいならいけそうです。
テレ端の250mmです。やはり絞りは開放。周辺光量落ちと言うよりは明確にけられてると言えそうです。が、APS-Cにクロップしてしまうのは勿体なくて、APS-Hくらいのクロップで使えそうな感じです。
ちなみにテレ端でF8まで絞り込んでみました。ケラレはかなり改善しますがあと一歩足りない感じ。
惜しいところでしたが、フルサイズで使うには色々と制約が出てきそうです。でも望遠レンズですし、APS-Cクロップはせずにフルサイズのまま撮影し、あとから適宜トリミングするというのが良いかもしれません。
まとめ
以下に結果をまとめておきます。
レンズ | フルサイズ対応度 |
---|---|
FISH-EYE Zoom 10-17mm | 14mm以上で使える |
16-85mm | 全域NG |
18-135mm | 全域NG |
★55mmF1.4 | 開放付近で周辺に光量落ちと滲み流れあり。F4あたりでほぼ解消 |
★60-250mm | ワイド端は使えそう。120mm以上でケラレ。絞ればやや改善 |
DAの標準ズーム2本は最初から期待していなかったのでそれはどうでも良いのですが、DA★55mmは期待通りの結果。開放付近の光量落ちは補正も可能な範囲内ですが、問題は周辺画質の方かも。いずれにしても周囲はボカしてしまうような大口径らしい使い方なら問題ないでしょう。これはフルサイズで使えると言ってしまって良さそうです。
面白い結果となったのが魚眼ズーム。無理だと思っていたのにズーム中間域から使えるという結果に。しかも14mm付近でほぼ対角線180度になってるようです。もともと遊びで使うレンズですので、これは引き続き遊びで使えそう。DFA15-30mmが巨大なのに対し、このレンズはものすごくコンパクトですから、カバンの隙間に入れておけると思います。
微妙な結果となったのがDA★60-250mm。DA標準ズームよりは遙かに広いイメージサークルを持っていますが、自信を持ってフルサイズで使える!とはい言いがたいです。でも上に書いたように、それを考慮した上で、APS-Cよりも余裕を持って使うことは出来るでしょう。そういう用途があるかどうかはさておき… ですけど。結局のところ、この領域はやはりDFA70-200mm F2.8が欲しくなってきます(A^^;
DAレンズはもっと沢山持ってると思っていたのですが、昨年かなり処分をしたことでこの5本だけでした。DA Limitedあたりの単焦点は概ね問題は無いんでしょうね。マウントキャップ代わりにパンケーキの40mmとか取っておけば良かったかも。
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いつも興味深く拝見させていただいております。くだらない質問で恐縮なのですが・・K-1のシャッター音ってK-5のようなカシャー!カシャーっていう軽快なリズム音なのでしょうか・・それともK-SⅡ(売る予定)のようなパシャン!パシャンという(しかも音が大きい)メカ音なのでしょうか・・私感でかまいませんので教えてください、宜しくお願いいたします。
musashi634(K-5ユーザー) さん、
コメントありがとうございます。シャッター音とフィールは、K-5の流れを汲んだ方で、Kー50やK-S2系のそれとは異なります。K-5系のほうがお好きなのであれば、安心してK-1は使えると思います。
ありがとうございます!益々K-1が欲しくなってきましたヽ(*^^*)ノ。1年後には買えるようお金貯めます(^_^;)。