酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

太平洋に面した岩礁の神秘スポット!大洗磯前神社の「神磯の鳥居」で月の出を撮る

 どうもPENTAX K-1 Mark IIを手に入れてから夜景ばかり撮りに行ってる気がします。しかもホワイトバランスを寒色系にずらした青白い写真ばかりで、自分でもこういう色合いが好みなのかー、と今さら他人事のように感心してるところです。でも、実際のところ、なんだか先の連休中は頭に浮かんだイメージがそんな感じの風景ばかりでした。

 今回もまた「行きたい場所リスト」にずっと前から書き込んだままになっていた未訪の絶景スポットの中から、茨城県の海岸線にある大洗磯前神社に行ってきました。北海道へのフェリーが出ている大洗港のすぐ近く(いつかマイカーごと乗って北海道行きたい...)、ネモフィラで有名な「国営ひたち海浜公園」にもほど近い海岸線にあります。神社自体はちゃんと陸上に立派な社殿も鳥居もあるのですが、その境内のすぐ近くの海岸の岩礁に、同神社によるもう一つの小さな鳥居が建っています。ここが太平洋の荒波に洗われる鳥居として有名な写真撮影スポットになっています。

 この辺りの海岸線はちょうどほぼ真東を向いていることもあって、日の出や月の出と絡めて撮影されることが多いのですが、今回私が訪れたのは連休終盤の土曜日の夜、日没後のことでした。月齢はかなり進みこの日の月の出は午後11時過ぎとのことだったので、それまでは星景写真を撮りつつ、月が現れるのを待つことにしました。

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 もしかして波をザブザブ被るような、岩場にかじりついてないと撮れないワイルドな場所かと心配しましたが、そんなことはなく、道路脇の岸壁から撮ることができました。

 波も比較的穏やかな日だったので、カメラや自分はもちろん鳥居が波を被るようなこともありませんでした。写真的にはもう少し荒れていてくれた方が面白かったのですが(^^;

激しいUターンラッシュの合間を突く

 連休終盤の土曜日は、帰省や観光から戻ってくる車で東京へ向かう上りの高速道路はどこも大渋滞していました。茨城県と東京をつなぐ常磐道ももちろん例外ではありません。なのでこの日は出かける予定はなかったのですが... またもや午後になって思いついてしまいました。

 この日、大洗周辺の月の出は午後11時過ぎ。下り線が空いてる夕方に出発して日没後に現地に着けば、月が出るまでは星空が撮れるし、夜半前に月の出と海と鳥居を撮って、そのまま渋滞が解消した常磐道をひとっ走りで返ってこられるじゃん!と。


 そんなにわか仕立ての計画を実行に移すことにしました。東京を出発したのは午後6時頃。途中のSAで夕食を取りつつゆっくり向かい、現地に着いたら完全に真っ暗になっていました。海岸線沿いおよび神社横の道路沿いには「大洗公園駐車場」という、無料で24時間空いてる公共の駐車場もあるので、そこに車を停めたら鳥居の正面までは、海岸線を歩いて5分もかかりません。

 同じことを考えて三脚を立ててる人は数人程度いるだけで、撮影場所は選び放題でとても空いていました。

まずは星空撮影


 月が出るまでの間はまずは星空を撮ってみましょう。いや、あくまでもメインは鳥居と海なのですが... (^^;

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 小さなサムネイルではほとんど消えてしまっているかも知れませんが、実際のところそこそこ星は写っています。しかしやはり大洗周辺はそれなりの街が続いているので、海を向いてるとは言え思ったほど空は暗くありません。ISO3200/F2.8で30secも露光すると真っ白になってしまうくらいです。うーん、仕方ないですね...。

 また、季節的時間的に天の川がまだ出てないんですよね。この日だと天の川は月と一緒に昇ってくるような感じす。なので星はこのくらいで仕方ありません。ちなみに南東の空に滲むくらいに明るく写っている星は木星です。肉眼で見ていてもほかの星とは違って圧倒的に明るいことが分かります。決してピンボケしてるわけではないのですが、撮り方によっては大きく滲んで、点と言うよりは丸(または楕円)になってしまいます。

 なお、鳥居はライトアップされているわけではなく、地上の街灯りがうっすらと照らしているだけで、肉眼ではおぼろげにしか見えませんでした。従ってAFは位相差もコントラストも一切動作せず。ライブビューで拡大表示し、木星を使ってMFしました。今回は注意して丁寧にピント合わせしたおかげで、明確なピンボケ失敗はありませんでした。

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 つい星空を重視してカメラを上に煽ってしまいがちですが、目の前の岩礁に打ち寄せる波の様子も写真映えします。なのでカメラを完全に水平に戻してみました。長時間露光すれば水面はフワフワと溶けていきます。

 基本的に波は穏やかだったと書きましたが、時折思い出したように大きな波がザブンッ!と押し寄せて白波が立つのですが、もちろんその瞬間が撮れるかどうかは運任せ。一度カメラをセットしたら何度も何度も同じ写真を撮っていました。

 月はまだ出ておらず、基本的には陸上の灯りにほんのり照らされているだけ。30secとかシャッターを開ければこれだけ明るく写りますが、実際は鳥居がわずかに見えるかどうかというくらいに暗いです。

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 レンズはほぼDFA15-30mm F2.8のワイド端ばかり使っていました。風景的にも星景的にもやはりこのレンズが一番ぴったりきますから。そして15mmで30秒程度の露出時間ですから、アストロトレーサーを使っても使わなくても、だいたい同じような感じに撮れます。いえ、等倍に拡大すれば星か鳥居か確実にどちらかが動いているのが分かるのですが、どっちにしても許容範囲かな?ということで、あまり気にして使い分けはしていません。

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 試しに思い切りレンズを空に向けて星だけ撮ってみるとこんな感じです。これはもちろんアストロトレーサーをONしています。満天の星!というにはちょっと寂しい感じですが、ここではこれが精一杯かも。天の川も出てくればそれなりにちゃんと写りそうな感じではあります。それはまた折を見て挑戦してみたいと思います。

インターバル合成もやる


 さて、星を撮るとなればアストロトレーサーだけではなくインターバル合成による軌跡撮影ももちろんやりました。今回も高ボッチ高原へ行った時と同様に、K-1 Mark IIとK-1の2台体勢だったので、1台でインターバル合成しつつ、もう一台で別のことがいろいろ出来てとても便利でした。

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 これが最初に撮ったインターバル合成お試しの一枚。合成回数は200回に抑えてあります。鳥居のすぐ上、水平線上に伸びる一本の明るい輝線は比較的近くの海上をゆく船の灯りです。うむ、海の感じも面白いし鳥居の感じもイイですよね。

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 そして本番は500枚のインターバル合成です。方角を少し変えて2枚撮ってみました。飛行機の軌跡が写ってる方が南東、もう一枚は北東です。当たり前ですが星の軌跡のカーブが違います。

 ノイズは平均化され消えていくので、思い切ってISO3200に設定し、絞りは開放F2.8でシャッター速度は2秒程度です。撮影間隔は「最短」に設定し、途中経過記録はせず、最後に全500枚の合成結果を一枚だけSDカードに記録するように設定しました。

 撮影間隔は結果的にだいたい1秒強になるので、1枚撮影するのにかかる時間を3.5秒とすると、500回でおおよそ30分となります。現地での感覚的にはもう少しかかっていたように思いましたが。撮影中は、カメラに触ったり三脚を蹴ってしまったりしたら全てが水の泡なので、足下が暗いことだしあまりウロウロしないようにじっとしていなくてはなりません。なかなか神経を使う撮影です。

インターバル合成をするときのTIPSを発見

 実はインターバル合成は大好きでK-3時代から今まで何度も挑戦してきました。その過程で一点気になっていたことがあるのですが、その解決策を今回ようやく発見することが出来ました。それについてはすでにTwitterでつぶやいたので、そのツイートを以下に貼っておきます。


 つまり↑こういうことなのです。

 インターバル合成時はなるべく広角のほうが迫力出るのでDFA15-30mmF2.8のワイド端を使うことが多いのですが、そうすると中心付近の軌跡がどうもマゼンダ被りをしたようになってしまい、等倍に拡大してみると最初のツイート(大山千枚田で撮影)にあるように偽色のようにまだら模様になっていることが多々ありました。

 その色の付き方や、超広角レンズで中心部付近で細い一本線を記録すると起きるという状況からして、これはK-1/K-1 IIの撮像センサーがローパスレスであるが故のデモザイクエラー(=偽色あるいはモアレ)ではないかと予想していました。

 ならばPENTAX機だけの特徴的機能であるローパスセレクターを使って撮影すれば改善するだろうと予想を立てて、今回TYPE1に設定して撮ってみたところ、大幅に改善が見られたということです。K-1とK-1 Mark IIの両方で試したので多分間違っていないと思います。わずかな可能性として今回だけは2回ともピント合わせに失敗していない限りは。

 上に貼ったツイートにもわりとペンタキシアン界隈からそこそこの反響を頂きました。やっぱり私だけじゃなくてみんな困っていたんだ!ということが分かって良かったです。かつ、インターバル合成やる方は、皆さんもそれぞれ追試してもらえると嬉しいです。

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 最後にもう一枚撮ってみました。南の方の空は雲がかかってきたのかぼんやりして星が映らなくなっていました。しかも月の出が近かったので、500枚完了を待たず途中で止めてしまいました。

 インターバル合成中は電源スイッチをOFFすることで途中キャンセルが出来ます。その場合最後の合成結果もちゃんと記録された上で電源が落ちるので、途中経過保存をONしていなくてもキャンセルした時点までの合成結果はちゃんとSDカードに残ります。

スターストリーム4K動画記録も初めて試してみる

 インターバル合成と同じような機能ですが、結果を静止画ではなく動画で記録するという機能もペンタックス機(K-S2以降)には搭載されています。単純なタイムラプスでもなく、星の軌跡記録専用の機能なのですが、どうなるかは結果を見て貰うのが一番早いでしょう。

 はい、こうなります。星の軌跡だけが彗星のように尾を引く感じの動画になります。これもインターバル合成と同様に時間がかかる撮影なので、今回はお試しと言うことで200回程度しかシャッターを切っていません。撮影回数はもちろん動画の長さに影響が出るはずです。もちろん長ければ良いってものではありませんが。

 なおスターストリーム動画はK-1 / K-1 Mark IIの場合4K/24pで記録されます。Macの動画編集ソフトを通してからYoutubeにアップロードしてありますが、開くブラウザによって4Kで再生できるかどうかは決まるようです。私のパソコンで試してみたところ、Chromeだと4Kの選択肢が出てきますが、FirefoxやSafariでは1080p止まりでした。

 なおBGMはYoutube上でフリー素材を適当に付け足しただけで、カメラ内記録時には音声トラックは無音のまま生成されます。

日付が変わる頃にようやく月が顔を出す


 さて、この日の月齢は19。満月からだいぶ欠けてきて下弦の半月一歩手前といったところです。月の出は午後11時6分頃なはずでした。しかし気がついたら水平線上にはモヤモヤと薄い雲が出てきていて、海上に月が顔を出す... みたいな瞬間は見ることができませんでした。

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 月が出ないなぁーと思いつつ待つこと30分。23時30分を過ぎた頃、ほんのり鳥居の上あたりの空が明るくなっていることに気がつきました。これも肉眼ではほとんど分からないものの、写真に撮ると明らかに見えるという感じでした。

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 うむ、これは絶対昇ってきましたね。ちょっと思ってたのと違うけど、自然相手ですから仕方がありません。いつの間にか出てきていた雲の表情がむしろ面白いです。

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 そして、とうとう月が雲の上に出て肉眼でもはっきりとその明るさを見ることができるようになりました。こうして鳥居越しに海上にその光を反射した帯が現れます。そうそう、こう言うの想像してた!

 そして見ての通り、月と鳥居の位置関係は結構微妙でど真ん中に来るポイントは極狭い範囲になります。しかも月は時々刻々と動いていきます。

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 私がいた場所でほぼど真ん中になった瞬間。月光の帯だけでなく、月明かりで鳥居の影も手前の海面に映っています。

 このとき、岸壁に三脚を立てていた同業者は私を入れて4人くらい。それまでは3mくらいの間隔を開けて並んでいたのですが、月が昇ってくると、だんだん一カ所に集まってきて、「すみません...」ってお互いに言いながら三脚の足をうまく交差させるくらいになり、なんとも言えない団結が生まれました。この時点では私もK-1のほうは片付け三脚は一台にしておきました。

 写真のベストポイントは譲り合い、協力し合いですからね。場所取りで怒号が飛び交い殺伐とするなんて... ダメです。

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 ということで日付も変わってしまいましたし、一応最終目的である月光+神磯の鳥居も撮れたし、キリがないのでこの辺りで引き上げることにしました。目論見通り、深夜の常磐道上りはすっかりUターンラッシュも終わり、1時間そこそこで帰ってくることができました。

 天候に左右されるばかりで、カメラを設置できるポイントは限られ、工夫する余地が少ないので飽きてしまいがちですが、また折を見て訪れてみたいと思います。なんとか、天の川と鳥居と荒波という組み合わせが撮ってみたいです。

 

使ったカメラとレンズ

 カメラはK-1 Mark IIとK-1です。レンズはDFA15-30mm F2.8がメインで、DFA24-70mm F2.8も少し使いました。70-200mmも持って行ったのですが、使うことはありませんでした。

 K-1 Mark IIについてはいろいろな評価が出始めていますが、ぶっちゃけあまりRAWで丁寧に現像することを前提とすれば、K-1とK-1 IIでは撮れる絵にもほとんど差はなく、単純に2台体制というのは便利だなという感想を持っています。

 ただ、両機で出てくる絵がどの程度同じでどの程度違うのかは、一度ちゃんと比較してみなくてはと思っています。

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280

Pentax D FA 24???70?mm f2.8ed SDM WRレンズ(ブラック)

Pentax D FA 24???70?mm f2.8ed SDM WRレンズ(ブラック)