さらに老眼が進行したので「遠近両用」を諦めて「中近両用」眼鏡を新調する

投稿者: | 2018年4月27日

 眼鏡を新調しました。私は30代後半からはっきりと老眼を自覚するようになり、初めて遠近両用眼鏡を作ったのが6年前。それからもジワジワと老眼は進行し再び見えづらくなってきたので、新しく遠近両用眼鏡を作り替えたのが2年前のこと。この眼鏡も4年くらいは使えると思っていたのですが、残念ながらその目論見は外れてしまいました。

 今年に入ってから、眼鏡をかけているとあらゆる場面で見づらさを強く感じるようになり、ほぼ遠近両用眼鏡としては役に立っていないような状況。日中のほとんどの時間、パソコンのディスプレイ(ノート型だけでなく据え置き型も)を眺めてることになるのですが、それらが良く見えないストレスに苛立ち、さらには久々に慢性的な頭痛を引き起こすようになっていました。

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 これはたまらんと言うことで、視力を測り直してみると、近視と乱視はほぼ変わっていないものの、やはり老眼は一段と進んでいるとの結果が出ました。そしてパソコン仕事が多いなら「遠近」ではなく「中近」にしたらどうですか?という提案を受けて、試してみることにしました。

「遠近両用レンズ」と「中近両用レンズ」の違い

 そもそも「遠近両用」と「中近両用」は何か?と言うことですが、そこから簡単におさらいしておきましょう。まず下の図は眼鏡屋さんで見せてもらった図を記憶をもとに再現したものです。

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左:遠近両用 右:中近両用

 向かって左が「遠近両用レンズ」で右側は「中近両用レンズ」のあくまでも「イメージ図」です。

 遠近両用は普通の眼鏡同様にあくまでも遠方をクリアに見ることに主眼があって、近距離を見るために度が弱めてあるエリアはレンズ下側に少しだけ作られています。その間は累進焦点を構成しており中距離がよく見えるエリアも僅かにありますが、おまけ程度です。

 それに対し中近両用レンズは、レンズの中央部で中距離がよく見えるように度が調整されています。そしてレンズ下部中央は近距離用となっており、その視界は遠近両用よりもずっと広くなっています。レンズの上端には僅かながら遠方を見るのに適した度のエリアが残っているので、遠くがまったく見えないわけではありません。

 いずれも外観から見分けることは不可能ですから、外見で「あ、あの人老眼なんだな」と言うことがバレることはありません。いえ、それなりの年齢なのでバレても一向に差し支えないのですが。

 さて、遠近両用と中近両用でどんな違いが出るかというと… 主にパソコンを使うときの快適さに差が出ます。

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パソコンで作業する人の例(いらすとやより)

 例えばこんな感じですかね。会社ではノートパソコンに外部ディスプレイをつないで左の女性のイラストのような状態で仕事をしていますし、家ではiMac 27インチをドンと目の前に置いてあるので、右のイラストのような状況です。

 この状態で遠近両用の眼鏡をかけていると、手元のノートパソコンはかろうじて見えますが、目の前に置かれた液晶ディスプレイはもはやよく見えなくて、気がついたら顎を上げて首をせわしなく動かし、レンズ下部の僅かな「近」用レンズを通じてすべてのものを見ようと格闘している自分に気がつくことがあります。

 そんなことしていたらそれは頭が痛くなるに決まってます…。

 それが中近両用なら、何もせず視線を動かすだけで手元のノートPCやキーボードも正面のディスプレイも見えるようになるわけです。これは素晴らしい! その代わり中近両用では6m~無限遠がよく見えなくなります。と言っても裸眼よりはずっとマシなのですが。

フレームはまたもや999.9で作る

 さて、今回の新しい眼鏡も今まで通り999.9(フォーナインズ)で作りました。眼鏡屋さんの選択肢は今やたくさんあって、コスパの良いお店もありますが、なんとなく新しいところに挑戦する気力が無いというか何というか。それだけ999.9が気に入ってると言うことでもあります。

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 そしてまたもやセルフレームです。しかも流行に何年乗り遅れたのかよく分かりませんが、今更ながら太い黒縁フレームを選んでしまいました。いえ、流行っていた頃から欲しい欲しい… と思っていたんですが、なんか自分には似合わない気がして、結局避けていたんですよね。

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 しかし今回こそは絶対に黒縁にするつもりでお店に行きました。やはり最近はあまり人気が無いのか、フレームからテンプルの部分までガッツリ太枠の黒フレームはありませんでした。というか、999.9自体がそっち方面のデザインテイストではないような気もします。

 でもそんなことお構いなしに店員さんに恥ずかしげも無く「なるべく存在感のある黒縁が欲しい。濃い色なら必ずしも真っ黒である必要は無い」的な希望を伝えると、いくつか候補を選んでくれた上に、店頭にはディスプレイされていないモデルを奥から探して持ってきてくれました。

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 それがこのNP-16の黒。銀座本店には在庫がなくて渋谷に一本だけあるとのこと。他のモデルも含めて計5本くらいサンプルを出してもらって比べていたのですが、やはりこれが一番イメージしていたのに近いな、ということで決断しました。

 ちなみにレンズはニコン製です。いくつかオプションが選べたのですが、近視の度がそれほど強くないので圧縮度は一番弱い1.60のままで、コーティングは最強オプションを選びました。やはりコーティングは重要ですからね。そしてブルーライトカットも選べたのですが、視界が黄色カブリするのは写真クラスタとしては許せないので「なし」にしておきました。

 なお、中近両用レンズの場合は、遠近両用よりもレンズの高さ方向の幅が必要と言われていますが、特別それに縛られて使えるフレームが制限されることは(少なくとも999.9の中では)ないとのことで、この程度の形状で十分対応可能だそうです。

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 999.9の眼鏡であることを示すアイコンのひとつがこの逆Rヒンジです。ツルのテンションをコントロールすることで、かけ心地も良いし、付け外しもしやすいし、強度面でもメリットがあるのだろうと思います。以前は999.9だけの特徴でしたが、今は似たようなデザインの眼鏡は他からも出ているようです。

 以前も書きましたが999.9の眼鏡はヒンジ部のネジがほとんど緩むことがありません。これまで使っていた眼鏡も作ってから2年間、自分でネジを締め増したことは一度もありません。そもそもネジとヒンジの造りが良いだけかもしれませんが、きっとこの辺にもこの逆R構造が関係しているのだろうと思っています。

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 セルフレームの眼鏡の場合、鼻あての部分はフレームと一体化した固定式のものが多いですが、このモデルはこのような金属のアームで支持されているタイプです。そしてなにげにここには七宝紋マークがプリントされているのが、999.9製品のもう一つの証拠です。

 ちなみに2015年以前のモデルだとこのマークは七宝紋ではなく亀になってるはずです。

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 右のテンプル内側にはモデル名の「NP-16」に続いて「56□15 138」というサイズ表記があります。数字の意味は国際規格で決まっていて、左から「レンズ幅」「ブリッジ幅」「テンプル長」だそうです。そして少し離れて最後に書かれた「90」という数字は、カラーコードと思われます。

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 左のテンプル内側は999.9のロゴのみ。金属製の細いテンプルだとこれらの数字やロゴもあまり目立ちませんが、黒いセルフレームだとやはり目立ちます。と言っても、かけていて気になるとかそういうことではないので別に構いません。

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 スッキリした形状ながらそこそこボリューム感があるので(そういうのを希望したわけで…)標準サイズのケースでは収まりが悪かろうということで、一回り大きめのケースをつけてくれました。これなら余裕で収まります。

 そのケースの色は黒、グレー、紺、オレンジと選択肢があったのですが、いい歳したおじさんが黒い眼鏡を入れるケースにオレンジを選んだら、ちょっと笑われてしまいました。良いじゃないですか、カバンの中で目立ちやすい色の方が何かと便利なわけで…。

中近両用は本来セカンド眼鏡のはずなのだが…

 さて、すでにこの眼鏡が完成してから約2週間ほど経過しています。日中はほぼこの眼鏡をかけっぱなしで過ごしています。仕事中はもちろん、家のパソコンで遊んでいるときもそうですし、そもそも狭い自宅にいる限り遠方が見える必要はありません。

 そして通勤中も本読んだり、スマホ見てることがほとんどな訳で、結局一日中この中近両用眼鏡だけで事足りると言うことが分かりました。いえ、もっと言えばむしろ何をしていてもこの眼鏡のほうがずっと快適です。私の生活パターンでは遠くを見るということってほとんど無いんだな、と気がつきました。

 ただし車の運転だけは遠方がよく見える必要があるので、それだけはこの眼鏡ではダメで、今まで使っていた遠近両用に必ず掛け替える必要があります。

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 ということで、6年前に初めて作って以降、手元には既に3本の老眼対策眼鏡があるという状態になりました。ちなみに全て999.9製です。

 茶色いのは6年前に作った最初の遠近両用。「近」の度が今となっては合っていませんが、何もしてないよりはずっとマシですから、今でもまだ予備としてとってあります。このフレームも結構気に入っているので、むしろレンズだけ入れ替えようかな?とも考えています。

 そして真ん中の青いヤツがつい最近まで使っていた眼鏡で2年前に作ったもの。これも「近」の度がイマイチなのですが、とりあえず使えます。この時点で「近」を重視したくて少し縦に長いフレームにしたのですが、結局今ひとつこのフレームがあまり気に入ってなかった、という問題があったことも白状しておきます。テンプルも細身セルとメタルのハイブリッドは今風でカッコイイんですけどね。ちょっと私には洗練されすぎてる感じで、もう少し野暮ったい方がいいな、と(A^^;

 ということで、日常生活では基本的に今回作った中近の眼鏡をメインに使用しつつ、一応カバンの中には今まで使っていた青い遠近の眼鏡を忍ばせておいて、運転などなどどうしても遠くを見たいときに掛け替えれば良いかな?と思っています。そして一番古い茶色い遠近んぼ眼鏡は、今まで通り予備ということにしておけば完璧です。

 あ、ちなみにカメラのファインダーも中近でOKです。一眼レフにしろEVFにしろ、像面の視距離はだいたい1m前後ですから、老眼が進んだ私のような人には、むしろ「遠」よりは「中」のほうが見やすいくらいです。

 ということで、遠近両用眼鏡をご検討の老眼の皆さん、中近両用も検討することを是非お勧めしておきます。

おまけ:遠近両用コンタクトは今はもう使っていない

 なおこの6年の間、一時は遠近両用の使い捨てコンタクトを日中は使い、眼鏡はオフの時だけしてたこともあるのですが、ある時点からまったくコンタクトでは対応できなくなってしまい、今はもうコンタクトレンズはスキー専用としてしか使っていません。

 使い捨てコンタクトは進化著しい分野なので、最新のレンズはまた良くなってるかもしれないので、今ある在庫が切れたら一応またコンタクトも、もっと良い遠近両用はないのか?相談しに行こうと思っています。

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