酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

東コースを一望できるEスタンド最上部から午後の光に輝くF1マシンを眺める贅沢:F1 2017 日本GP 観戦記(その4)

 予選編からの続きです。長々と続けてきた2017年のF1日本GP観戦記シリーズは一応今回で終了です。ようやく天候が回復してきた土曜日から一夜明けて日曜日になると、文字通り雲一つない快晴の青空が鈴鹿上空には広がっていました。

 金曜日は気温が15℃程度で冷たい雨が降りとても寒かったのですが、日曜日は晴れて日差しがある上に気温も30℃近くなると言う予報。晴れるのは大歓迎なのですが、暑いのは困りものです。でも、10月とはいえ日本GP観戦と言えば毎年暑さとの戦いでしたから、寒いよりは慣れています。

 さて決勝は撮影に軸足を置くのは半分くらいにして、残りの半分は観戦してレースを楽しみたいところです。昨年は珍しく1コーナー側のBスタンドから観戦しましたが、今年は逆バンク出口にあるEスタンド上部に陣取ることにしました。ここは一昨年まで毎年決勝日の撮影&観戦ポイントとしているおなじみの場所です。

 ここからは1コーナ辺りから東コースが大体見通せるし、ホームストレートもちょっとだけ見えます。大画面スクリーンもあってレース状況を把握するには良い場所です。

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 一方で、写真撮影という点ではアングルが高くてコースを見下ろす形になるのですが、午後は綺麗に順光になるため、晴れているとF1マシンが美しく輝く姿が撮れる場所です。

ドライバーズ・パレード


 決勝レースのスタートは午後2時からなのですが、お昼12時頃になると、コース上では色々とレーススタートに向けた準備やイベントが始まり、目が離せなくなってきます。その筆頭はドライバーズパレード。ドライブ中は小さなコクピットに収まり、ヘルメットを被って表情を見ることが出来ないF1ドライバー達の生の姿を見ることが出来ます。

 木曜日のコースウォークでは何人かのドライバー達を間近に見ることが出来ましたが、ドライバーズ・パレードには必ず全員が出てくるので、滅多に姿を見ることがないレアキャラ・ドライバーにも会うことが出来ます。

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 例えばルイス・ハミルトン。今年のチャンピオン筆頭候補です。パレード前にグリッドで行われたインタビューでは、何やら不機嫌そうでしたが緊張しているのでしょうか? 快晴なのに(快晴であるが故)傘を差してきました。トップドライバーは自由ですね。

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 ハミルトンを追いかける立場のセバスチャン・ベッテル。彼はレアキャラではありません。トップドライバーなのに気軽にコースウォークに出てきてくれます。

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 レアキャラと言えばキミ・ライコネン。もしコースウォークに出てきたら、秩序を守る日本人といえども、大変な騒ぎになると思われるほど、熱狂的ファンが多いドライバーです。いつもクールすぎますが、ちゃんと手を振ってくれます。

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 若手の中では、上の3人に匹敵するほどのトップドライバーになるのは間違いないと言われている、マックス・フェルスタッペン。まさかと思いましたが、鈴鹿にもオレンジ色を身に纏ったオランダ人ファンが山ほど来ていました。そういう私も木曜日にフェルスタッペンTシャツを買ってしまい、この日着て行ったのでオレンジ色の一人でしたけど。

 今シーズン参戦中のF1ドライバーは総勢20人います。全部貼ると写真が多すぎるので毎年割愛しているのですが、今年は小さく縮小して全員貼ってしまいます。以下残りの16人です!

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左:バルテリ・ボッタス 右:ダニエル・リカルド
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左:フェリペ・マッサ 右:ランス・ストロール
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左:フェルナンド・アロンソ 右:ストフェル・バンドーン
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左:エスティバン・オコン 右:セルジオ・ペレス
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左:ロマン:グロージャン 右:ケビン・マグヌッセン
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左:カルロス・サインツJr 右:ピエール・ガスリー
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左:ニコ・ヒュルケンベルグ 右:ジョリオン・パーマー
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左:マーカス・エリクソン 右:パスカル・ウェーレイン
 ということで、鈴鹿のドライバーズパレードではこのようにクラシック・カーに一人ずつ乗ってコースを一周するのが名物となっています。これらのクラシック・カーは個人の所有物で、ドライバーは基本的にその車のオーナーさんです。

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 さて、ドライバースパレードが終わったらあとはレコノサンス(グリッドに並ぶための周回)を待つのみ。遠くに見えるBスタンドもお客さんで埋まっています。その先には伊勢湾が見え、遠くに対岸の知多半島まで見通せます。予報通り気温は高いですが、Eスタンドの上部は風が吹き抜けて気持ちいいくらい。絶好のレース日よりになりました。

午後2時 決勝スタート、53周の勝負が行われる


 そして午後2時になってフォーメーションラップが動き出し、その後に2017年のF1日本GPがいよいよスタートしました。

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 上はハースのロマン・グロージャン、下はザウバーのパスカル・ウェーレインです。

 スタート直後はF1マシンが集団でやってきますが、ツーリングカーなどと違ってフォーミュラカーは本当の意味でホイールtoホイールにはならないし、どう撮っていいのかまったく分からないので、シャッターは切らずしばらく観戦に徹しました。ある程度隊列が落ち着いてきたところで撮り始めましたが、このポイントからはこうしてサイドの流し撮りするのが定番です。

 かなり高い位置から見下ろす形になりますが、逆バンクからダンロップコーナーに向かう僅かな直線区間の真横に位置しているので、基本的な流し撮りにはうってつけです。そして10月の午後2時過ぎの太陽は綺麗に順光になり、マシンが輝いて見えるのも特徴。

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 でも真横の流し撮りだけでは飽きてしまうので、逆バンク方面も狙ってみます。遠いので画面一杯にF1マシンを捕らえるのは無理なので、むしろ観客席とか縁石とか背景を多めに入れてみたり。鈴鹿らしさが少し出てきます。

 ちなみに上はルノーのジョリオン・パーマー、下はマクラーレンのフェルナンド・アロンソです。

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 あとは、トップに貼ったのもそうですが、ダンロップコーナーに消えていくところはEスタンドで観戦しているお客さんに被ります。邪魔なものが入った失敗写真という見方もあるかもしれませんが、私は結構この撮り方が好きで、このポイントで観戦するときはフェンスに被ろうが人に被ろうが、マシンが見えなくなるまでシャッターを押しきるようにしています。

 ちょっとこれは被りすぎでマシンがほとんど見えないですが、それでも上はトロロッソのガスリー、下はフェラーリのキミ・ライコネンと言うことはすぐに判別できます。

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 さて、肝心のレース内容をざっくり振り返ると、ポールから飛び出したルイス・ハミルトンがそのまま逃げ切りました。やはりというか、さすがというか。しかし思ったほどの独走にはならず、終盤は追いつかれてあわやという状態で本人やチームはヒヤヒヤしたことでしょう。ドライコンディションの中で意外なくらいに接戦になって白熱したレースだったと思います。きっとテレビで見てたら、かなり手に汗握ったのではないかと思います。

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 惜しいところまでハミルトンを追い詰めたのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンでした。スタートで飛び出し、チームメイトのリカルドを抑え、トラブルを抱えたベッテルをパスし、早々と2位のポジションを固めます。ハミルトンにクルーズを許さず、最後は1.2秒差まで追い詰めました。終盤のスピードの差は明らかで、最後のバーチャル・セーフティーカーがなければもしかしたら... もっとすごいドラマが見られたかも。

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 この二人の後ろではダニエル・リカルド(下)とバルテリ・ボッタス(上)も終盤になるにつれて激しい争いをしていました。

 が、これだけでは役者が足りない... そう、フェラーリはどうしたのかというと、先ほども少し触れましたが、2番グリッドからスタートしたベッテルは、スタート直後からパワー不足を訴え、どんどんとストレートで抜かれていく状態で、スタートから僅か4周したところでリタイアしてしまいました。なので決勝でベッテルを撮った写真がほとんどありません。数字の上ではまだ決着はついていませんが、ベッテルチャンピオンの目はほぼなくなったと言えそうです。

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 一方、もう一人のフェラーリドライバー、キミ・ライコネンは、ペナルティもあって10位からスタートしたものの、オープニングラップでコースアウトしたことなどもあり、一時は14番手へ落ちてしまいます。しかしその後は立て直して、オーバーテイクショーを演じ、どんどんと追い上げてきます。これはまさか2005年の再演か...? とはならず、結局5位でチェッカーを受けます。

 スピードはあっただけに、グリッド順とオープニングラップのドタバタが悔やまれるところです。

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 レースは全般的に荒れ気味で、セーフティカーが1回、バーチャル・セーフティカーが2回出ました。クラシックコースでエスケープゾーンが狭い鈴鹿では、デグナーを筆頭にコースアウトすると即クラッシュしてしまうポイントがいくつかあります。

 この写真はオープニング直後、逆バンクを飛び出したトロロッソのカルロス・サインツです。グラベルにはまりつつも、彼はこの後自力で脱出しコースに戻りましたが、結局マシンがどこか壊れていたのか、すぐにリタイアしてしまいました。

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 さて、ホームレースとなったマクラーレン・ホンダはどうだったかというと、現地で見ていた限りは下位をただ走ってるだけで、どうにもならない感じに見えたのですが、少なくともアロンソは10位をかけてポイント争いをしていたようです。確かに終盤はウィリアムズのフェリペ・マッサの真後ろにぴったりとつけていました。しかしオーバーテイクには至らず、結局11位のノーポイントで終えてしまいました。マクラーレン・ホンダとして(とりあえず当面は)最後の日本GPだったので残念です。

 しかし最下位からスタートしたこともそうですし、鈴鹿でポイント獲得なんてまったく無理な状態だった昨年や一昨年と比べたら、ここまでレースが出来たという点で、実は今年のマシンとパワーユニットはそれなりに進化しているのかも?と思わせます。だとしてももう後の祭りですけど。

 ストフェル・バンドーンは、彼自身がレース後に「忘れたいレース」と言ってるように、散々な内容でした。ほとんどのドライバーが1回ストップだったところをなぜか2回ストップしたのが大きいと思いますが、結局完走した中ではほぼ最下位の14位に終わってしまいました。

流し撮り低速シャッタースピードに挑戦


 さて、先ほども書いたように、このEスタンドからは流し撮りが比較的しやすいポイントなので、この際練習がてらシャッター速度をどこまで下げられるか挑戦してみました。通常は1/125secを基本に1/80sec程度までは使うことがあるのですが、今回はそれ以下を狙ってみます。

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 ハミルトンのショットなど、上に貼った中にも何枚かあるのですが、これで1/60secです。私にとってはかなり難度が高いですが、そこそこOKカットがありました。がんばればもう少し歩留まり上げられるかも。

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 そしてこれが1/40sec。ズーム位置は310mmです。斜め方向ですし難度はかなり上がりましたが、引き気味でそれほどカメラを速く振らなくて済むためか、これも何とかなりそうな範囲です。

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 最後にこれが今回の流し撮りで一番当たった一枚。同じく1/40secですがガチの再度流し撮りです。等倍で見るとやはりブレているのですが、私的にはOKレベルとしました。サーキット撮影の作例などでは、当たり前に1/30sec以下で撮られた写真を見るのですが、そういうのは本当にすごいと思います。機材で何とかなる(部分も少しはあるかもしれませんが)ものではないですし、その腕は尊敬に値します。

 なお今回のような天気の良い日に低速シャッターを切るにはかなり絞り込む必要があります。ISO100でF22は当たり前に越えることもしばしば。調整範囲内なら良いのですが、最近の高画素機の場合、回折ぼけが気になってきます。

 それを回避するにはNDフィルターが必須。ということで遅ればせながら今回は初めてNDフィルターを使ってみました。とりあえずDFA150-450mm用にND4を用意しました。そのおかげで撮影データにある通り、1/60secまで落としても絞りはF11程度で済んでいます。

 しかし... どうも気に入りません。仕上がりを見ているとハイライトの滲みが気になります。このレンズはこんなに曖昧な描写をするレンズじゃないのにな、という感じが全てのカットから感じられます。やっぱりデジタルカメラで撮るのに平面ガラスを光学系に入れるのは良くないんじゃないか...と。これだったら小絞りボケの方がマシだと思いました。

 ただそれは、適当に買ったNDフィルターがいけなかった可能性が高く、コーティングとかカラーバランスとか、もうちょっと最新のデジタルカメラに合わせて作られたNDフィルターを使えば違うのかも。ただ86mm径はあまり選択肢がないのが厳しいところです。

 ちょっと今後に向けては再検討が必要な部分かと思います。

また来年!

 ということで、今年のF1日本GP観戦記は終了です。現地にいるとあまり気がつかなかったのですが、今年の入場者は昨年よりもさらに減って、交点だったにもかかわらず決勝日は8万人を割り込んでしまったようです。無料のTV放送もなく、日本人ドライバーもおらず、ホンダも今の状態では仕方ないことだと思います。

 殺人的な混雑ではないというのは、現地観戦する上では良いことなのですが、F1人気が衰退していくのはやはり心配。鈴鹿の開催権は今のところ来年で切れるし、ホンダもブランドを毀損してまで今まで通りF1に大金を投じ続けるとも思えません。

 来年出来ることと言えばホンダがトロロッソで活躍し、2019年にレッドブルとの契約を勝ち取ること以外になさそうです。そうしている間にF1のスーパーライセンスが取れる日本人ドライバーが育ってくれば、F1人気は必ずや回復するものと信じています。
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 とりあえず、また来年を今から楽しみにしています!

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使用したカメラとレンズ

RICOH PENTAX 望遠ズームレンズ HD PENTAX-D FA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW 21340

RICOH PENTAX 望遠ズームレンズ HD PENTAX-D FA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW 21340