酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

毎夏恒例の早朝散歩:上野不忍池の蓮を撮りに行く

 桜は言うに及ばず、ネモフィラや大藤など、毎年欠かさず撮りに行く季節の花がありますが、私にとって夏の恒例と言えば蓮です。都内の蓮の名所と言えば上野の不忍池があります。ここは規模も大きく、池の中には弁天堂もあって周辺の雰囲気も良く、そして写真の撮りやすさも抜群。

 過去ブログを見返してみると、毎年大体7月の3連休に撮りに行ってることが多いのですが、今年は色々あってグズグズしていました。7月も下旬になり天気も今ひとつで今年はパスしようかな... と思い始めた最終の土曜日、やはり行っておかないと気が済まないということで、重い腰を上げ早起きして出かけてきました。

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 不忍池に到着したのは午前6時半頃。すでに多くのカメラマン達が群がっていました。そうだよね、こんな良いところだもの、みんな撮りに来るよね。

 時期的にもう終わってるのではないかと心配しましたが、蓮はシーズンが結構長くて7月上旬から8月中旬くらいまでは楽しめることが多いようです。昨年は最盛期に訪れましたが、今年は終盤戦にさしかかっているような感じでした。でもそれはそれで、咲きかけから散り際まで、今まで撮ったことないような様々な蓮の姿が見られて面白かったです。

苦手な花托を克服する


 過去の蓮エントリーにも何度か書いてきたと思うのですが、私は個人的にいろいろな理由があって、蓮の花托部分がちょっと苦手です。花を咲かせている蓮の黄色い花托は綺麗なのですが、なんというかゾワゾワする感じがするので、これまでは敢えて花托が写らないように花弁(花びら)ばかり撮ってきた記憶があります。

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 だいたいこんな感じですかね。横から見た蓮の花は綺麗ですよね。こんなに堂々とした大きさなのに、花弁の模様はとても繊細で、直接日が当たっていなくても自己発光してるかのように輝いていて神々しいです。

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 でも最初の書いた通り、今年はもう散りかけの花もたくさんあって、大きく開ききってる花もたくさんあります。そうして思い切り開いて花托を見せている花には多くの人が群がり、写真を撮っています。やはりそういう方が人気あるのね...。

 だから今回は意を決して花托を怖がらずに、頑張って花托を含めた蓮の美しさを追求することにしました。こんな感じでどうでしょうか(^^;

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 シャワーヘッドがハスクチと呼ばれる由縁がよく分かります。薄いピンクの花弁と真っ黄色の花托のコントラストは強烈で、最新のデジカメを持ってしても、撮って出しではなかなか難しい被写体だと思います。

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 これはまだ若い咲きかけの花。開ききってない花の中を覗いてみました。うむ、やっぱりゾワッとしませんか? 私はします(^^; でも思い切って真上から覗いてみると、小宇宙な感じです。

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 いやいや、やっぱり遠慮気味にこのくらいの距離感が良いかも。そして、蓮と言えば花の大きさにも増して葉っぱが巨大で立派なことも見応えのある理由の一つだと思います。

 おや、蜂が飛んでいますね。

蓮と蜂


 蓮はこれだけ巨大な花ですから、蜜の集め甲斐があるのでしょう。蓮池の上では多くの蜜蜂がせっせと働いています。蓮と蜂という取り合わせも定番で、気がついたら蓮を撮ってるのか蜂を撮っているのか分からなくなる場合があります。いつの間にかコンティニュアスAFに設定し、ほとんど連写してたりして。

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 前後をぼかすために絞りを開け気味で撮っているので、蜂にピントをもってくるのは結構難しいんですよね。

 このカット、およそAFスピードとかそういう面には苦手なはずの100mmマクロですが、蜂を追いかけていても意外にピントの歩留まりは良かったです。

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 立派な花托に対して雄しべは短いので、風などによる自己受粉は出来ず、蜂などの昆虫たちが頼りだそうです。蜜蜂はせっせと雄しべの根元のほうに潜り込んでは飛び出し、またダイブして... というのを繰り返していました。

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 蜜を集めまくりの蜂たちは、ことごとく脚に蜜玉をつけています。さぞかしご満悦なことでしょう。ちなみに一つの花に複数の蜜蜂がやってくると縄張り争いをするように喧嘩する姿も見られました。

クローズアップしてみる


 さて、今回はこれまでの経験から望遠しか使わないだろうと言うことで、DFA★70-200mmF2.8をメインに使いました。ですが、不忍池は一部に遊歩道があって蓮の花に触れるくらいまで近寄れます。なのでマクロも役立つだろうと言うことで、DFA100mmF2.8マクロも持って行きました。

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 こんな風に思い切り近寄れます。というか、マクロ撮影としてはこれでもまだ遠慮気味な方。あまり近づきすぎると何が何だか分からなくなってしまいます。近づいてみると蓮の花弁は血管のような筋が幾重にも通り、表面も不思議な質感になっているのが分かります。

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 大きく開き気味の花はもう寿命が近いのでしょうか。花弁も先っちょがやや傷んできているようです。色も薄くて抜けて艶が出てきた感じですが、それもまた良いです。

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 こちらはまだ若くて十分に開ききってない花。花托のまわりにあるのは雄しべですが、これまたちょっとゾワッと来ますね。これ以上近づけませんでした (A^^;

逆に引いてみる


 マクロをやってみて思ったのですが、蓮はあまり近づきすぎるより遠くから全体を撮った方がやっぱりしっくり来ます。なので今度は敢えて引き気味に撮ってみましょう。 

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 葉の上に高く顔を出した力強い花だけでなく、大きな葉の下に隠れてひっそり咲いてるやつがまた健気で良い感じです。そんな奥ゆかしい花を葉っぱの隙間を覗き込んで一生懸命探してしまいます。

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 ほら、そこにもいた!

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 さっきも書きましたが、日陰に隠れているのに輝いてるかのよう。葉っぱの濃い緑とのコントラストが本当に綺麗ですね。

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 あれもそうかな?と思ったら、これは散った花弁が葉っぱの上に乗っかっているのでした。散って行く姿も神秘的で見応えがあります。

その他


 それ以外にも色々撮ってきました。蓮は本当にどう撮っても綺麗に写ります。

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 不忍池ならではの風景と言えば、広大な蓮池の向こうに弁天堂が見えるという、この定番の絵は外せません。でもいつもうっかり絞り開けすぎてしまうんですよね。もう少し絞ッ他方が良いのかも。

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 密度が高いので前ボケ後ボケやり放題です。

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 そしてこうして花が開きすぎて花弁を落とし、散っていく花がこの時期は目立ってきます。色が薄くなったとは言えまだこんなに綺麗なのに!

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 その一方でまだこうした蕾もたくさんありました。最盛期は過ぎたと思いますが、不忍池の蓮はまだもう少し楽しめそうです。

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 都会のど真ん中とは思えないオアシスですから、動物たちの営みの痕跡はあちこちにあります。

 ということで、今年もしっかりと蓮を撮る早朝散歩を楽しんできました。午前8時頃には暑くなってきたのでそろそろ退散しましょう。蓮の花も間もなく閉じてくる時間帯です。また来年!

地図


 蓮は弁天堂から南側の一帯で見物できます。特に南端には池の上まで張り出した遊歩道があって、まさに蓮に囲まれた中で写真が撮り放題でお勧めです。

過去の蓮