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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

フジクロームVelvia 50で亀戸天神の藤まつりを撮ってみる

 ちょっと季節外れになってしまいましたが、ゴールデンウィーク中には地元の藤の名所、亀戸天神に行ってきました。先日はフィルムスキャナーを導入し、フィルムもたくさん買い込んでやる気満々になっていたこともあって、いつものPENTAX K-1ではなくてPENTAX LXにリバーサルフィルムを詰めて持ち出してみました。

 幸いお天気の良い日でしたので、スッキリした青空が広がっています。そして藤の微妙な紫色はリバーサルフィルムではどのように写るのでしょうか?

 実は亀戸天神に訪れたのは5月2日のこと。その日のうちにフィルム1本撮りきって、そのまま錦糸町のヨドバシカメラへ現像に出したのですが、リバーサルフィルムを現像するラボは既に連休に入っているらしく、仕上がったのは1週間以上経った5月10日のことでした。ネガだったらどうだったのかは分かりません。

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 その結果こうして完全に旬を外した記事を書くことになるわけですが、まぁそういうノンビリした感じも、今となってはフィルムの楽しみの一つだなぁと前向きに受け取っています。

今回のレンズとフィルム

 さて、亀戸天神に行くにあたりレンズをどうしようか悩んだのですが、今回はツアイスではなく以下の純正2本にしました。

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 FA Limitedの中から2本、FA31mmとFA77mmです。なおこの写真にある通り、念のためにと言うことでK-1も持って行ってしまいましたが、気持ちの上でもあくまでもこの日のメインカメラはLXです。

 ちなみに、この写真を見て間違い *1 を見つけられる人も多いかもしれませんが... はい、写真撮影用に適当にレンズ付けただけです。うっかりしてました。見逃してください。

 さて、肝心のフィルムについては既にタイトルに書いてしまいましたが、前回大人買いしたPROVIA 100Fがまだ残っているものの、実は今回はちょっと浮気して別にフィルムを新たに買ってしまいました。

 それがこれ。フジクロームのVelvia 50です。Velviaといえば超鮮やか系の発色で有名なフィルムです。ISO100バージョンが後に出てきましたが、デビュー当時はISO50のみでした。そして今でもISO100版だけでなくISO50版も残っていると言うことを最近知って、使ってみたくなりました。

 でもこれが高いのです。もともと高いフィルムの中でも恐らく一番高価な部類ではないかと思います。なので今回は5本パックの大人買いはせず、とりあえず1本だけ買ってみました。

 青空と藤の花をVelviaのギトギトなまでの超鮮やかで撮ってやるぜ!

LX + FA Limite + Velvia 50

 ということで、以下まずはそのVelvia 50をLXに詰めてFA Limitedで撮った写真です。スリーブ仕上げされたフィルムをスキャナーでデジタル化しました。とりあえずTIFFに落としたあと、Lightroomで調整しています。撮影データはありません。

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 まずはFA77mmF1.8 Limitedです。このレンズは一度LXでも使ってみましたが、フィルムカメラともなかなか相性の良い一本です。というか、フィルム時代のレンズですからね。絞りリングをカチカチと回す感触がこんなに良いものだとは再発見しました。

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 写りの方も美しいボケ味はフィルムだと一層際立つように思います。逆にピントの薄さはあまり気になりません。

 Velvia 50はその名の通りISO5なわけですが、この低感度は最近のデジタルカメラではなかなかお目にかかりません。PENTAXではK-5がISO80設定を持っていましたが、それ以外はISO100が最低。他社を見回してもニコンのD5が拡張モードでISO50に設定可能なくらいではないかと思います。

 手ぶれが心配するよりは、LXはシャッター速度が1/2000secまでと言うこともあって、明るいところで明るいレンズを有効に使うためには、このくらいが実は一番適してるかも?と思います。

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 うーむ、それにしても露出が難しいです。藤は意外にコントラストが高くて、デジタルカメラでも白飛びしてしまうことがあります。花を撮るには曇りの日の方が良いという話は、この辺りのことを言ってるんでしょうね。もちろん、LX時代のシンプルな中央重点測光やフィルムの特性も分かってないといけないわけですが。

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 下から見上げてみたり。最短撮影距離が70cm暗いあるのでちょっと中腰になる必要があります。デジタルだとすぐにライブビューをオンにするところですが、LXですからそんなズルは出来ません。

 それはともかく、逆光だと思ってちょっとプラス補正したのですが過剰補正だったでしょうか。これはこれで良いですけどね。

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 ちなみに5月2日の時点で亀戸天神の藤は最盛期を過ぎているようでした。でも昨年は4月末でほとんど終わってたくらいなので、今年はやはり平年通りに戻ったという感じです。

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 次にFA31mmF1.8AL Limitedです。フルサイズで31mmというとわりと広角なのですが、慣れない画角なのでわりと戸惑います。ちなみにこの31mmというのはiPhoneのインカメラとほぼ同じ画角という噂ですが、iPhoneでインカメラを使うことは(私は)基本的にないので、ピンときません。

 28mmほど広くはなく、35mmよりは広いという微妙なところ。43mや77mm含め、この変な焦点距離がFA Limitedの一つの特徴でもあります。

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 でもこういう感じでざくっと広い範囲を撮るには向いています。画角も明るさもZEISS T* 2/35mm ZKと近いレンズですが、使い心地は大きく異なります。写りも... どうでしょうか?

 それを説明できるだけの目も経験も語彙も私にはないのですが、このレンズはとても気に入っています。大げさではなくこの31mm含むFA LimitedのためにKマウントを使ってみる価値はあると思います。

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 遠景だけじゃなくてぐいっと近寄ってみるのもアリです。広角系のレンズとは言え、やっぱり絞りを開けてしまうんですよね。

 そもそも中望遠計のレンズとはボケ量の違いも大きいので仕方ないのですが、さすがにFA77mmのようなトロトロにはなりません。

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 亀戸天神は手水舎脇に立っているこの巨木が大好きです。それにしても良い天気。

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 東京スカイツリーを眺めるにも亀戸天神は良い場所です。先っぽだけだったりしてなかなかフレームの中にまとめるのが難しいですけど。

K-1でも撮ってみた


 さて念のために持っていたK-1でも撮っておきましたので、何枚か貼っておきます。

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 うむ、色味も階調もまったく異なりますし、情報量としてはやはりデジタルカメラで撮った方が全然豊富なのでしょう。あと、先鋭感は圧倒的に違います。RAWで撮って現像でじっくり手を加えれば、いろんな仕上げが出来るという点では、フィルム時代にはない楽しみ方が出来るのは事実です。

 ただデジタルとフィルムで「画質」を比較するのは野暮だし意味がないことなのでしょう。フィルムの良さというか味はそうではないところにあるはずです。

同じシーンで比較してみる

 上で「比較しても意味はない」と書いたくせに、それでも違いを比較してみたくなりました。同じシーンでどう撮れるのか、LX+Velvia 50とK-1で比べてみました。

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 まずはLX + FA31mm + Velvia 50です。いろいろ濃いです。コントラストも高めで、先鋭感はないのにクッキリ感じます。

 これがスキャンしてJPEG化した画像だと言うことを割り引いてみても、Velviaで撮る青空は本当に鮮やかです。しかも少し色味がマゼンダがかっているような気がします。

 そう言えばFUJIFILMのXシリーズのカメラでフィルムシミュレーションをVelviaモードにしたとき、実際のところ青空がこんな風に写るよな、と言うことを思い出しました。それだけ見てると「なんか変な色だな」と思っていたのですが、こうして本物のVelviaを使ってみるとXシリーズのフィルムシミュレーションがいかに正確にこのフィルムの色を再現していたのか、今更になって理解しました。

 さて、Xシリーズのカメラはともかく、PENTAX K-1で同じシーンを撮るとどれだけ違う写真に仕上がるのか見てみましょう。

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 ほぼ同じ場所からK-1 + FA31mmの撮って出し。というか、RAWから鮮やか相当のカメラプロファイルとレンズプロファイルを当てただけのストレート現像出力です。

 これだけ見せられたら普通に「きれいだね」と思うかも知れませんが、どうなんでしょうか? 本物のVelviaを見た後だとなんか物足りないですね。逆に緑被りしてる?と思えてくるから、人間の視覚と印象なんていい加減なものです。

KONE5381.jpg
 上のRAWファイルからなるべくVelvia 50と同じになるように(見た目の感覚)いろいろ弄って現像してみました。言うなれば手動Velviaシミュレーションです。少し露出を落とし、コントラストを上げ、色被り補正をマゼンタ方向にずらし、青の色相も弄りました。周辺減光も残すために収差補正はオフ... といった感じです。

 PENTAXのカメラには「リバーサル」というプリセットがあるのですが、それでもここまで濃くはならないです。XシリーズのVelviaモードもここまではならないでしょう。フィルムで撮った実際のサンプルがないまま、自分で現像していたら絶対にこういう風に仕上げることはありません。でお、なるほどこういうのもアリなのかと勉強になります。

やっぱりフィルムは面白い

 ということで、Velvia 50はいろいろな面で刺激的でフィルムを使う楽しさが倍増します。カラーリバーサルで遊ぶならこのくらいデジタルで撮る写真からはかけ離れている方が楽しめそう。PROVIAを使い切ったら、大人買いするかどうかひとしきり悩んでみたいと思います。

 ...と思ったらAmazonにはVelvia 50の5本パックは、プレミアの付いた逆輸入品しかありませんでした。ヨドバシカメラならそこそこ現実的な値段で売ってます。

 あるいはISO100版も一度試してみたいな、と思います。

PENTAX LXにマイナートラブル

 ところで、今回の撮影中にLXにちょっとしたトラブルが発生してしまいました。

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 というのはこれです。巻き戻しレバーの根元に着いている露出補正の目盛りが書かれたプレートが気がつかないうちに剥がれてしまいました。剥がれたプレートが残っていれば付け直すことも出来るのですが、残念ながらどこかで落としたらしく気がついたらこの状態です。

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 ちなみに元の姿はこんな感じ。

 ダイヤルは機能するので撮影することに問題はないのですが、この状態では露出補正がどの程度に設定されてるのかが非常に分かりにくくなりました。というかほとんど分かりません。露出補正がされているとファインダー内に赤い警告表示が出るので、±0EVの位置だけは分かります。今回の撮影でも勘で露出補正はかなり多用したのですが、今後はやりにくくなってしまいました。

 不動のジャンクでもあればそれを買ってきて移植できるのですが... 先日新宿の中古屋を回った限りではそんなものは見つからないし、そもそもLXは中古品の玉数が私が買った今年頭と比べても非常に少ない... いや、コレクターズアイテムのチタンバージョン以外には1台も見つかりませんでした。

 まぁ、仕方がありません。そのうちどうするかは考えましょう。

関連エントリー

 PROVIA 100Fで撮ってみた桜です。
 先月導入したフィルムスキャナーです。
 藤は亀戸天神だけでなくあしかがフラワーパークにも撮りに行きました(ただしデジタルのみ)

*1:LXにつけたFA31mmの絞りリングの位置がLXでは無意味なAポジションになっている。一方で基本的にはAポジションで使うべきK-1のFA77mmのほうはAポジションから外れている