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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

ライトアップされた大しだれ桜は圧巻の姿! 六義園へ夜桜を撮りに行く

 東京都心では先週末フライング気味にソメイヨシノの満開宣言が出されたものの、実態としては都内各地の桜も今週になってからようやく開花が進んできたところです。そこで、今年はどこに花見に行こうか悩んだのですが、この週末はどうやらお天気が良くなさそう。ならばと言うことで、よく晴れた平日のうちに夜桜を楽しむことにしました。

 千鳥ヶ淵もいいし、行ったことはない目黒川もいいかも? そう言えば上野公園はすでに満開らしいし... などなどと色々考えてみたのですが、昨年初めて見た見事な大しだれ桜の美しさが忘れられず、今年も六義園に行ってみることにしました。

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 六義園の夜間のライトアップイベントは3月16日に始まり、当初は4月2日までの予定でしたが、桜の開花が遅れたために4月6日まで延長されていました。私が見に行ったのは火曜日の4月4日。満開を迎える直前でちょうど見頃。お天気も穏やかで良く晴れた夜桜花見日よりでした。

 また、去年は見逃していたのですが、六義園には正門近くの大しだれ桜の他に、第二の大しだれ桜という木があるそうです。今年は順路を巡ってもう一本のしだれ桜もちゃんと見てきました。

染井門混雑時は正門へ回るとスムーズに入場できる

 桜や紅葉などの時期はJR駒込駅に近い染井門が開放されますが、こちらは駅から近いこともあってチケットを買うのに長蛇の列になります。入場自体はスムーズに出来るので、年間パスポートなどを持ってる場合は問題ありません。


 私はいつも通り染井門はスルーして裏側(南東側)の正門に回りました。こちらは待ち行列もなくスムーズに入れます。しかも目当ての大しだれ桜は正門を入ったらすぐの場所にあります。

夕陽としだれ桜


 六義園に到着したのは午後5時半ごろ。日没は午後6時過ぎなのでまだ日が出ていました。

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 六義園の周辺には高い建物がなく、大しだれ桜には直接夕日が当たるようになっています。思わず逆光サイドに回り込んで思い切り太陽入れてしまいましたが、桜が黒く潰れることなく階調は十分に出てくる程度に光は柔らかいです。

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 ちゃんと順光側も撮っておきましょう。「枝垂れ」の名前の通り、真っ直ぐ上から枝が下がってきて、その先端には桜の花玉。こうしてみるとほぼ満開と言っても良い状況ですが、ごく一部にまだ蕾が見られました。公式にはこの日は「七分咲き」とされていました。

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 と言うのは、木の下の方に付いた花はほぼ満開なのですが、木の上部はまだ開花が進んでいません。なので全体としては七分咲きと言うことのようです。ただし、その木の上のほうには今年はあまり蕾がついていないようです。今年の桜はどうも元気がないような印象があるのですが、それはもしかしたらこの木に限らず全体的な傾向なのかも。

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 そこら中に桜の玉がぶら下がっていて、アップにしても引いても綺麗。しかも背景も一面ピンク。しかも主な光源が夕日となると、ホワイトバランスが良く分からなくなります。RAWで撮影しておいたので後で何とかなるものの、一応初期値としてはCTEに設定しておきました。夕日らしさを残すために色温度は低めです。

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 前ボケなんてやり放題。ソメイヨシノと違ってしだれ桜は上を仰ぐ必要もなく、どこを向いても絵になります。

 桜の季節になるたびに思うことは「花」ではなく「木」を撮りたいということ。雄大な自然の中に咲く桜はそれ自体が風景になりますが、ごみごみした街中ではなかなかそうはいかず、ドアップにしてしまいがちです。そこは逆手にとって「ごみごみした街中の桜」を撮れば良いのでしょうが、凡人にはなかなか難しいところです。なので、この六義園のしだれ桜は、何も考えなくても「木」が撮れるのがとても楽しいです。誰が撮っても同じではあっても、自分にとっては珍しい風景ですから。

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 さて日も沈んでマジックアワーの時間帯。その後、夜の闇にライトアップされたしだれ桜の姿が浮かび上がってくるまでもうすぐ。

マジックアワーのしだれ桜


 時刻は午後6時半を過ぎました。日没から20分ほど経過して急激に空は光を失いつつあります。肉眼ではそうは見えなくても、デジタルカメラで撮ると空はまだ青さを残しています。いや、もしかしてこれはペンタックスのカメラにしか写らない? ...はずはないか(^^)

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 ライトアップの照明は日没前から点灯していました。辺りが暗くなってきてその光がいよいよ生きてきます。そして空はこんな美しい濃紺に。まさに桜のマジックアワーです。超きれい!

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 見上げると空には半分より少し太ったくらいの月が出ていました。夜桜と月見なんて風流です。とは言え、周囲はたくさんの人で混雑していて、実際は風流という雰囲気ではありませんが。

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 何とか一番内側まで入って枝の下から見上げるとそこは本当に美しい桜のドーム、ピンク色の天井が広がっています。15mmで撮ってもこうですから、むしろ魚眼でも良いくらいかも。それっぽいレンズ持ってる人を何人か見かけました。

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 でもやっぱり月が気になって仕方ありません。下から桜越しに眺める月はまた格別に贅沢です。空の青さもうそ臭いくらいですが、本当です。格別特殊な現像はしていません。

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 これは月ではなく地上の照明。光と影のコントラストが高くなってきました。漆黒の闇に浮かぶ桜も風情がありそう。

 こういうシーンは-3EVとかそのくらいの補正が必要になってきますが、前ダイヤルに補正を割り当ててあるのでファインダー覗いたまま変えられてとても楽ちん。OVFですから補正量は経験と勘ですけどね。

いよいよ夜桜の本番


 午後7時になるともはや空は漆黒の闇になります。これからがいよいよ夜桜の本番。このしだれ桜のライトアップは午後9時までやっていますので、この時間からも続々と見物客がやってきます。とは言え、ギュウギュウで身動き取れないと言うほどではなく、最盛期の千鳥ヶ淵よりマシかな?と思います。

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 少し離れて全体像を見てみましょう。高さは15mで幅は20m以上あるそうです。スマートフォンのカメラでは一部しか入らないでしょう。もちろん全部入れる必要はありません。

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 近寄って見上げて見れば、まさに降ってくるかのような桜の花! ソメイヨシノより古くからあって寿命も長いしだれ桜の方が、やっぱり見応えがあって好きです。

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 ということで、なるべく「花」に寄らず「木」を撮るように心がけてみました。でも、やっぱりこういうのも大好きです。人工光源の玉ボケが入ると、賑やかになってきれいです。こうして見ると、やっぱりまだまだ蕾があるのが分かります。

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 冒頭にも書いた通り、私が見に行ったのは4月4日です。今年は大しだれが満開を迎えたのは4月6日とのことで、奇しくもその日はライトアップの最終日でした。しだれ桜は例年ソメイヨシノより1週間くらい開花が早く、昨年は3月30日の時点で既に散り始めていました。本来なら会期終盤には桜吹雪が舞う夜桜ライトアップなども楽しめるはずだったのですが、今年は開花が遅すぎて再延期も叶わずそれはまた来年以降へお預けとなってしまいました。なお、もちろん日中はまだまだ散りきるまで見物することが出来ます。

第二のしだれ桜(鶴姫のしだれ桜)も見に行く


 さて、大しだれ桜はいつまででも見ていたい、撮り続けていたいのですが、キリがないので適当に切り上げて、昨年は見逃した第二のしだれ桜を見に行きましょう。大しだれ桜とは池を挟んだ反対側の奥の方にあります。

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 思わず「おぉ!」と声を出してしまいました。こちらのしだれ桜はかなり背が高く感じられます。高さは13mとされていますが、見た感じは大しだれ桜よりもずっと高いように思えました。佇まいからそう感じるのかも。

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 近寄って見上げて見ます。画面の端っこでちょっとひしゃげていますが、空で輝いているのは先ほど来ちょくちょく登場している月です。

 見ての通り照明にちょっと色が付けてあって、ただ綺麗というよりは艶容な感じ。周囲の声を聴いているとあまりこの色つき証明は評判は良くないようですが。大しだれ桜と雰囲気が違っていて良いのではないでしょうか。

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 後ろに回り込んでみると、正面から見るとのとは違った姿になります。それなりに横方向にも枝が広がっているんですね。この木は4月4日時点でほぼ満開でした。

 この場所にはその昔、五代将軍徳川綱吉の長女、鶴姫がお花見を楽しんだという「吟花亭」が建っていたそうです。それにちなんで「鶴姫のしだれ桜とも呼ばれているそうですが、鶴姫が見ていたしだれ桜、と言うわけではありません。

 紅葉の季節にもここは通っていますが、こんな立派なしだれ桜があるとは知りませんでした。

六義園は春も秋も楽しめる


 というころでしだれ桜の写真は以上です。六義園内にはこの日本のしだれ桜以外にもソメイヨシノなども咲いています。特にライトアップはされていないようなので、昼間に行くともっとお花見を楽しめるようです。

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 秋と同様に大名庭園のライトアップも行われていました。こうして見ると意外に常緑樹が多いようで、この季節でもしっかりとした庭園の景色をも見せてくれます。

 大名庭園を起源とする都営の庭園は都内にいくつかありますが、私的には六義園が一番好きです。柳沢吉保が最初に造営したと言う歴史も惹かれるものがあります。都営と言うこともあって入場料はわずか300円。年間パスポートは1,200円。年間パスポートがちょっと欲しくなりました。

六義園関連エントリー

 昨秋に紅葉を撮りに行った時と、昨年に初めてこの大しだれ桜のライトアップを撮りに行った時のエントリーです。

使ったカメラとレンズ

 撮影データにある通り、今回もカメラはPENTAX K-1です。昨年の4月末に発売されたK-1にとって、初めて迎える桜の季節。期待通りの素晴らしい結果が得られます。高感度性能が要求される夜桜は特に得意な分野かも。今回は比較的照明がしっかりしているので上限ISO3200で十分でした。被写体ブレが防げる程度のシャッター速度を稼ぎ、なおかつ手ぶれ補正もしっかりと効いてくれるので、ブレによる失敗はほとんどありません。

 RAWで撮影したのでノイズリダクションはLightroomで少しかけていますが、無理にシャドウを持ち上げたりしなければ、ノイズリダクションをかけなくても問題ない程度に十分な低ノイズ。それでいて暗闇に沈んだシャドウから、照明が当たった桜の花まで、しっかりと階調が残っており、小さな雄しべや雌しべのエッジがしっかり解像する程度のシャープネスを保っているのだから、本当に良い時代になったなと実感します。

 レンズは超広角15-30mmと標準24-70mmのF2.8コンビを使いました。この2本はこのしだれ桜には完璧にはまっています。超広角1本でも良いかと思ったくらいですが、ちょっとそこまで割り切る勇気はありませんでした。しかし、撮影データ見てると両レンズとも結局両端ばかり使ってるというのが反省点です。もう少し丁寧に最適な画角を探るようにしたいところです。