酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

「孤独のグルメ」で一躍有名になった川崎の「つるや」で焼肉ジンギスカンを食べる

 3月29日は2月9日以来久しぶりのニクの日です。この日を祝うために、珍しく多摩川を渡り神奈川県は川崎市までやってきました。川崎市と言えば、その昔は通勤していたこともあるのですが、もう10年くらいすっかりご無沙汰しています。

 慣れない京浜急行を乗り継いで降り立ったのは八丁畷駅です。特に繁華街でもなく、どちらかと言うとひっそりとした住宅地。そんな中にキラキラと輝くネオンが見えました。

 かなりイイ感じにヤレた店構えは年季を感じさせます。確かにこれは「孤独のグルメ」にはぴったりなB級の雰囲気。いえ、見たことも読んだこともないので良くわかってませんが。

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 ちなみに上の写真はすでに新規の入店を締め切った後に撮ったので、中はまだ盛大に焼いてるのですが、看板の灯は落とされ「終了」の看板が出ています。

 さて3月29日は水曜日。人気店なのでどの程度混んでいるのか分からなかったのですが、2週間ほど前に電話したら予約できました。

 なお、予約の電話は2日以上前の21:30以降に受け付けています。かつ、注文する品はその時点で決めておく必要があるので、十分に準備と下調べをしておく必要があります。

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 午後7時、われわれと同じ予約客らしい集団がぼちぼち到着しています。4人のテーブルが二つ、さらに奥に座敷があるようです。それ以外はカウンターのみ。カウンターは当日客を入れているようで、すでにお店の前に数人並んでいた人たちが通されていました。

 開店直後はちょっと店員さんたちがてんてこ舞い状態で、いろいろ追いついていないようでしたが、急ぐわけでもないので気長に待つことにします。

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 通されたテーブルの上には、小さな焼肉コンロが置かれています。鉄板はこのとおり油でテラテラに輝いていました。

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 ということとで、まずは乾杯! 焼肉の日バンザイ!

 まだ水曜日だしお酒は飲まないつもりでいたのですが、まだ何一つ食べていない段階から、お店の雰囲気に飲まれて、まぁいいか!とビール飲んじゃいました。

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 これがお通しのキャベツサラダ。これが意外に名物だそうです。中盛り(なぜか「大盛り」ではない)にするとこの3倍くらいの山盛りで出てきます。

 見たところただの生キャベツで、焼いた焼肉を置いておく取り皿を兼ねてるかと思えば、そうではありません。こう見えてちゃんと特製のドレッシングが掛かっていました。それが意外にちゃんとしてるんですよね。つまり美味しいのです。これなら中盛にしておけば良かったかも。

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 おつまみで頼んだキムチ。焼肉店でキムチは定番ですが、このキムチはかなり辛いほうです。美味い! というか、このお店は全体的に辛口が特徴のようです。

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 そして出てきた漬けタレがすごい姿です。普通のタレの上に唐辛子ベースと思われる真っ赤な粉がかかっていて、真ん中のこんもりした部分にはにんにくおろしの塊があります。テーブルの上にはタレも唐辛子もにんにくも置いてあるので、あとから自分でバランスを調整することも可能です。

 そうか、だからあの「まるで人間火力発電所だ!」っていう有名な台詞が出てくるわけですね。いや、見てないので良く知らないのですが。全然違っていたらスミマセン。

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 で、最初に運ばれてきたのがいきなり野菜。このほかにキャベツとたまねぎがありましたが、コンロの上には載りません。これ何の野菜かと言えば、一応ジンギスカン用の野菜だそうです。が、肝心のラムはまだ来ません。

 先に野菜やいて食べちゃって、と言われたのでそのとおりにします。そう、野菜はキャベツサラダ同様におまけみたいなもの。今日の主役はもちろん肉です。

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 あらかじめ注文済みなのでひたすら待っていたのですが、一気にお肉が出てきました。どこか懐かしいアルミのお皿で出てきます。

 タン塩なども同時に出てきたのですが、まずはすじ肉から焼くようにとお店の指示(というかお勧め)。普段はルーティンを守る我々も今回はおとなしく指示に従います。ちなみにこのベースの味付けをしてあるタレも特製でこの店オリジナル。ここにもニンニクと唐辛子が使われているそうで、辛さを調整することが出来るのですが、初めてなので普通にしておきました。

 で、このすじ肉がかなり歯ごたえがあるかと思えば、そんなことはありません。十分柔らかくて簡単に噛み切れます。赤身の旨みもしっかり染み出してきてこれは美味い!

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 次に焼いたのはタン塩。いいですね、こういう昔ながらの丸くて薄いタン。塩胡椒でしっかり

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 極上ブランド肉じゃなくても、炭火じゃなくても、タンはタン。旨いです。

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 そしてお店の看板にも書かれているジンギスカン。これまた丸いお肉がやってきました。そうか、ラム肉でこんなのだったっけ? そして秘伝のタレによる味付けは他の牛肉を同じに見えますが、もしかしたら微妙に調整してるのかも。

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 焼いてみるとこんな感じ。うむ、この色艶は確かにラム。牛ではありません。辛味&ニンニクのタレにつけて食べてみると、とってもあっさりした上品な味わい。いや、ジンギスカンってこんなだったっけ? イメージの中にあるジンギスカンと言うのは北海道式のもので、味付けから違うのかも? と思いはじめました。

 これは牛肉と混ぜて食べても何の違和感もありません。というか、言われないとこれどこの部位?とか平気で効いてしまいそうなくらい溶け込んでいます。それでいて、牛とは違う脂と旨み。うん、これも美味い!

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 箸休めのチャンジャ。もはや辛さの感覚は麻痺しています。口直しにバクバク食べてしまいます。

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 飲み物もマッコリへスイッチ。ビールいっぱいだけにしておこうと思ったのに、これはもう止まりません。この焼肉にはマッコリは絶対必要。

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 ボトルはなんてことはない普通のマッコリのようでしたが、ドライ系でかなりの泡立ち。ボトルを振って口をあけるにはコツがいると言うことで、お店のおじさんがすべてやってくれました。おかげで吹きこぼすこともなくいただけます。

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 お次はカルビとハラミ。いいですね、こういうトラディショナルなお肉。これももちろん例の秘伝のタレでじっくり味付けしてあります。もう見ただけで美味しそう!

 下準備に手間がかかるのか、当日にお肉を追加しようと思うと、出てくるまでに相当待つことになるそうです。一応聞いてみたのですが、かなり念入りに「時間がかかりますよ」と言われたので、止めておきました。

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 炎よりも煙が美しいです。すべてのテーブル、座敷、カウンターから立ち上る煙で、店内は真っ白。おかげで着ているものへ焼肉の香りこびりつきました。

 天井付近の壁には3連および2連の換気扇がついていて、あれカッコいいね、と話していたのですが、やはりその換気扇もお店の名物だったようです。写真撮ってくれば良かった!

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 さて次に焼くのはこれ。見るからに今までの肉とは違うサシ入り。これは高級そうです。その名も極上霜降りロース。

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 開いて綺麗に並べて焼いていきます。うーん、美味しそう...。

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 はい、焼けました! 量もたっぷりでこれは食べ応えがありそうです。サシがあんなにあったのに、綺麗な肉色です。

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 この極上霜降りロースを美味しく食べるために、あるものを追加発注したのですが、こんな入れ物で出てきました。ハングルが彫り込まれています。

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 蓋を取ると中から出てきたのは白米です。ごはんは事前発注しておく必要はありません。飲み物同様に当日発注でもすぐに出てきます。

 「孤独のグルメ」では大盛りを食べていたそうですが、大盛りだと別の器になって蓋はついてきません。ちなみに並盛りのこれでも、お弁当のように結構ギュウギュウにごはんが詰まっていて、見た目より量がたっぷりあります。

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 で、こうしてしまうわけです。ああ、何という幸せでしょう。これが美味しくないわけがありません。ニンニク入りの旨辛タレも良く合いますし、何ならそのタレだけでごはんが食べられてしまいそうです。

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 ラストスパートはホルモンミックス。というか、一員ずつちゃんと発注しておいたもの。コプチャン、シビレ、ギアラ、ホルモンです。

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 意味もなく寄ってみたくなります。ちなみにギアラだけは旨辛タレではなく、別途ごま油が出てきてそれで食べるようにとのこと。えーっと、ギアラはどれだっけ?

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 確かこれがギアラのはず。うむ、ごま油に良く合う! ホルモンなのにさっぱりしてます。ごま油は今は亡き生レバーにしか合わないものだと思い込んでいました。ギアラに限らず他のホルモン系でも行けるかも。

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 ということで、これで今回食べたお肉は全てです。

 あまりにいい感じで美味しいので、当日追加発注しようかと途中で思ったこともありましたが、結果的に4人でこれだけ食べてちょうど良い量でした。

 ↓こうして公式WEBページもあります。けっこうちゃんとした内容で「孤独のグルメ」押しです。

 ちなみに毎日かどうか分かりませんが、この日は各テーブル1回転のみで、お客さんが帰った後のテーブルを片付けて次の客を入れる、と言うことはせず、席が埋まったらそれで終了として、遅くにやってきたお客さんは断っていました。

 テレビドラマで取り上げられた人気店とあって、もう少し敷居の高い雰囲気のお店かと思っていたのですが、むしろその逆でとても腰の低い丁寧な接客でした。肉質にこだわった本格的炭火焼き肉はもちろん良いですが、こういう庶民的な焼肉店も良いですね。というか、私個人的にはこういうお店の雰囲気と、タレで勝負みたいなお肉も大好きです。お酒にも良く合うし、何しろ居心地が良いです。

 かなり煙に巻かれましたが、その煙も焦げ臭いとか煙いというのではなく、どこか本の良い香り。タレが利いてるのかも。着ていたものはもちろん、アウターにもかなり強烈に染みこんでしまいました。その点は覚悟して着ていくものを選んだ方が良いと思います。


 ↓場所はここ。川崎駅からも歩けると思いますが、やはり八丁畷が便利です。JR南武線は本数が少ないので京急のほうが良いでしょう。