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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

オホーツク海沿岸を走る釧網本線で撮り鉄をしてみる

 流氷編からの続きです。今回の「JAL どこかにマイル」によるオホーツク海への旅を計画しているときに、気になったのが網走から斜里にむけてずっと海岸線沿いを走っている釧網本線です。この路線はその名の通り釧路と網走を結ぶ鉄道。道東の主要都市を結んでいるとは言え、電化もされておらず単線で、時刻表を調べてみれば1日に7往復しか運転されておらず、しかも1~2両編成で運転されている、絵に描いたようなローカル線です。

 旅の移動手段としては使いづらいですし、実際に私はレンタカーを使っています。それでも、車窓から冬のオホーツク海を眺めるみたいな優雅なことも考えましたが、スケジュール的にそれもなかなか難しそう。だったらやはり写真撮影を楽しもう!ということで、俄に撮り鉄の真似事をやってみる気になりました。

釧網本線北浜駅_1
 経営的に厳しく存続問題が取りざたされる地方のローカル鉄道も、一方で「鉄道のある風景」としてはそれなりに人気があって、特に北海道は季節を問わず素晴らしい写真がたくさん撮られているのを見かけます。ネットで作例や撮影ポイント情報を集め、装備も経験もない素人でも何とかなりそうな場所を探して行ってみることにしました。

流氷に最も近い駅、北浜駅

 網走から斜里方面に向かう国道244号線は、海岸線沿いを走る気持ちの良い道路ですが、その横を釧網本線の線路が並行しています。最初のうちは山側に線路があるのですが、途中でいつの間にか位置が入れ替わり、線路は海側へ。そして網走から10kmも行かない濤沸湖の少し手前に北浜駅という小さな無人駅があります。

 改札も何もない単線の無人駅で、目の前はすぐにオホーツク海。海が荒れると潮を被りそうな距離です。ここは「流氷に最も近い駅」として、人気の観光スポットになっていると言うことで訪れてみました。

釧網本線北浜駅_2
 駅舎はこんな感じ。北海道にはもっと小さなプレハブに毛が生えたような駅舎しかないところもあるそうで、これは比較的立派な方かも知れません。駅舎の半分くらい、恐らく昔は駅の事務室があったと思われるスーペースを使って、小さなレストランというか喫茶店が営業しています。

 このお店自体はちょっと入りづらくてスルーしてしまったのですが、後から考えたら観光客相手のお店な訳で、立ち寄ってコーヒーの一杯でも飲んでくれば良かったと後悔しています。

釧網本線北浜駅_3
 残り半分の駅舎の方は待合室になっていて誰でも入れます。中はこんな感じで名刺とかカードとか、様々なメッセージが書かれたカードが新旧入り乱れてびっしりと貼ってありました。

釧網本線北浜駅_4
 ホームに出てみると、西の方にはこうして知床連山が見えます。2月中ならすぐそこに見えている海は流氷でびっしり埋まり、一層すごい光景になっていることでしょう。

釧網本線北浜駅_5
 駅舎の脇には2階建てくらいの高さの木製の櫓が組んであって、展望台になっています。こうして知床連山の景観を説明したプレートがあったり。ここに上るとかなり見通しが良くなります。流氷と列車を一緒に撮る撮影ポイントの一つだそうです。

釧網本線北浜駅_6
 展望台の上から逆の西方向、網走市街がある方はこんな景色です。海の見通しはこっちの方が良いかも。

 というか、どうやら列車が向こうからやってきましたよ!

運行されている列車は1日7往復のみ


 ...と言うのはもちろん偶然ではなくて、ちゃんと時間を調べておいたからです(^^; と言うのも、この北浜駅を通る釧網本線の列車は一日に7往復しか運転されていません。しかもお昼前後はほとんど無くて、午前と夕方に集中しています。

釧網本線北浜駅_7
 と言うことで、この列車は午後3時28分に北浜駅に停車する、網走発釧路行きの普通列車です。さすがに日本の鉄道、ちゃんと時間通りにやってきました。

釧網本線北浜駅_8
 車両は見ての通り、一両編成のディーゼル車。運転手が車掌さんを兼ねるワンマン運転中です。

釧網本線北浜駅_9
 駅に到着したら展望台の下に下りてみます。駅員もいないので、乗り降りする乗客の改札も全て運転手さんがやっています。列車に乗る乗客と間違われたりして運行を妨げないようにしなくては。

 ちなみに外から見た感じでは、お客さんはボチボチ乗っているようでした。半分くらいは観光客だったようです。乗り降りする人はなく、一人だけホームに一瞬下りてきて写真を撮っただけで、またすぐ列車に乗り込みました。ちなみに列車を見送っているのは私一人だけ。

 初めての撮影ポイントでいろいろアワアワしてしまい、思ったように撮ることができず、ややフラストレーションが溜まりましたが仕方ありません。次の列車は1時間以上後になりますが、この日はこれで北浜駅を後にして次の撮影ポイントに向かいます。

浜小清水駅ー止別駅間の絶景ポイントを探す


 国道244号線をさらに斜里方面へ走り、浜小清水駅の少し先、止別駅の手前に有名な撮影ポイントがあると言うことで行ってみました。どんなところかと言えば↓このページの後半で紹介されてるような写真が撮れるという場所です。

 Googleマップでいうと↓この辺りです。

 線路沿い山側に道路が走っていますが、撮影ポイントは海側の小高い丘の上のようです。このGoogleマップで車を停められそうな場所と、撮影ポイントまで歩いて行く経路などもシミュレーションしておきました。

浜小清水-止別 踏切_1
 ですが、結局その場所には到達できませんでした。線路の向こう側に渡るための踏切はこうして冬期使用中止になっているし、もう一つアクセス出来そうだった鉄橋の下をくぐる川沿いの小道も、深い雪で埋まっています。ここは有名ではあるけれども一見の素人お断りのポイントなのでしょう。残念ながら目当ての場所へ行くのは諦めることにしました。

 しかし撮影自体を諦めるのも癪なので、代わりに上の写真にあるクローズされてる踏切の脇で撮ることにしました。

浜小清水-止別 踏切_2
 時刻は午後4時45分過ぎ。まずは釧路から網走方面への普通列車がやってきます。夕日が射す中、やや雪煙を上げてカーブを曲がってきました。

浜小清水-止別 踏切_3
 知床連山は見えませんが、初めて撮るにはここだってなかなか良い場所じゃないですか。レンズはもう少し長い方が良かったかも知れませんが、200mmでもK-1の高解像度があればトリミング前提で何とかなります。

浜小清水-止別 踏切_4
 次は約10分後に逆方向から釧路方面行きの列車が来ます。おぉこっちは二両編成だ! こちらは夕日がギリギリ見えていたので、標準ズームのワイド側で無理矢理同じフレームに入れてしまいました。

 微妙なお天気ですし、期待した場所には行けなかったですが、それでもけっこう楽しめました。この日に撮れた列車は3本だけ。これだけチャンスが少ないとなると、鉄ちゃんバーなるものの存在意義が良く理解できましたし、いろいろ諦めもついて清々しい気持ちになります(A^^;

 

翌日再び北浜駅に挑戦


 予定では撮り鉄体験はこれだけのつもりだったのですが、翌日再び国道244号線を走っていると、午前の最後の列車が北浜駅に停車するころに、ちょうど近くを通りかかることに気づきました。どうせ予定は未定で気ままな旅ですから、再び北浜駅に立ち寄って再挑戦してみることにしました。幸いお天気も良さそうです。

釧網本線北浜駅_10
 東のほうからやってっきたのは11時38分北浜発の快速「しれとこ」です。快速ですが北浜にもちゃんと停車します。

 前日は展望台の上から撮ったのですが、今回はホーム上から狙ってみました。昨日とはファインダーに見える風景はちょっと違って見えます。

釧網本線北浜駅_11
 バックに見える知床半島の海別岳もとても綺麗! 列車に掲げられた「しれとこ」号のマークに描かれているのは、昨日海上で見たオジロワシに、今まさに見えている知床連山です。ってことは、これで上空にオジロワシが飛んでいたら完璧だったのに! 合成... いや、しません(A^^;

 恐らく朝早くに釧路を出てきたらしいこの列車には、結構多くの人が乗っていて、しかもこの北浜駅で降りる人もいました。自転車を抱えた旅人だったようです。こんな季節でも自転車で旅する人もいるんですね。雪が溶けたころにはもっと増えるのかも。

釧網本線北浜駅_12
 停車中に逆側のホームの端っこに移動して、出発を見送りました。「しれとこ」マークは前面だけで後ろ側にはありませんでした。

釧網本線北浜駅_13
 終点の網走駅まではもうすぐです。

 この列車が行ってしまった後は、午後3時過ぎまで次の列車はありません。今度こそ本当に今回の旅の撮り鉄体験はおしまいです。

 北浜駅はアクセスも楽ですし、有名な観光ポイントでもあるので、駅自体を見に来た人はちらほらいましたが、意外にも列車の撮影を目当てにしていた人はほとんどおらず、私だけの独占状態でした。鉄道写真の撮影ポイントとしてはイマイチ、と言えばそうなんでしょうけど。

 鉄道写真家の長根さんお勧めのポイント(浜小清水-止別間)に行けなかったのは残念ですが、またいつか機会があれば釧網本線に限らず、北海道の鉄道写真にチャレンジしてみたいと思います。

 と言いつつ、そう遠くないうちにこの路線はなくなってもおかしくないのかも?とは思っています。写真を撮っただけの私は、結局1円もこの鉄道にお金を落としてないですし...。

北浜駅で白鳥の群れに出会う


 北浜駅の展望台で列車を待っていたときに、偶然海沿いを飛んできた鳥の群れに出会いましたので、ついでに白鳥の写真も貼っておきます。

北浜駅白鳥_1
 こんな感じで網走方面から海岸線沿いを群れで飛んできました。この時にはK-1には標準ズームの24-70mmを付けており、レンズ交換する時間はとてもなかったので、仕方なくそのまま撮りましたが、かえって望遠側にズームしすぎることがなくて良かったのかも。

 さきほどの「しれとこ」号のマークではありませんが、やはり白鳥とともに列車が一緒に走ってきていたら... って思ってしまいますよね。そうなっても、どうフレーミングしたらいいのかますます分からなくなってしまいそうですが。

北浜駅白鳥_2
北浜駅白鳥_3
 西側は青空が見えていてまるで天気が違っていますが、最初の一枚と連続で撮ったものです。鳴き声を上げながら北浜駅を通過中。

 白鳥が飛んでいるのを見たのはこの1回限りでした。チャンスが一度しかなく、やたらに連写してその結果連続写真みたいになってしまうあたりも、まるで釧網本線の列車を撮るのと同じ感覚です。

濤沸湖白鳥公園_1
 ちなみに北浜駅から車で5分くらいの濤沸湖岸に「白鳥公園」と言うものがあります。北浜駅で列車を撮った後に立ち寄ってみると、凍結した濤沸湖の上でこうして白鳥たちが羽を休めいる姿がすぐ見つかりました。背後の綺麗や雪山は、船の上からも北浜駅からも見えていた海別岳です。

濤沸湖白鳥公園_2
 先ほど北浜駅上空を通過していった白鳥たちかどうかは分かりません。何か動きはないかと30分くらい粘っていたのですが、飛び去る様子も、他の鳥たちがやってくる気配もないので、諦めてしまいました。背後に雲を被っているのは、先ほどの海別岳よりも内陸にある斜里岳です。この一帯はどこへカメラを向けても綺麗な山の姿が遠くに見える、とても風景の美しい場所です。

 なお、この濤沸湖の白鳥公園についても id:OKP さんの記事を参考にしました。というか、こういう場所があることをこの記事で知り、寄り道リストに入れておきました。

 場所は↓ここです。北浜駅からは500mくらいでしょうか。車があれば問題ないし、バスでやってくることも出来るし、何なら列車に乗ってきて北浜駅から歩いて行くことも出来ます。

 さて、流氷と鉄道を撮ってかなり満足してきましたが、冬のオホーツク海の旅はまだまだ旅は続きます。

使ったカメラ

 鉄道や白鳥を撮るとなると、やはり望遠レンズだろうと言うことでDFA★70-200mmF2.8を主に使いました。もちろんもっと望遠端があった方がいろいろ出来ますが、北海道ではやはり周囲の風景も外せないので、車両をドアップにするわけでもなく、200mm程度でも何とかなります。70-300mmがあればそれがベストかも知れません。残念ながらKマウントには、そんな当たり前のレンズが今はないのですが...。


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