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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

斎場御嶽 〜 知念岬 〜 玉城城跡 〜 奥武島 〜 具志川城跡 〜 喜屋武岬:沖縄の世界遺産を巡る旅 2017(4日目)

 沖縄の旅 3日目からの続きです。この日で今回の旅は最終日ですが、帰りの飛行機は午後6時過ぎの出発なので、日中は丸々時間があり十分に観光できます。既に3日間で8カ所の世界遺産を巡ってきたわけで、残るは沖縄本島南部にある斎場御嶽(せいふぁーうたき)のみ。これで今回の旅の目的は全て果たし、沖縄の世界遺産9カ所を全制覇出来ます。特にスタンプラリーがあるわけでもなく、ただの自己満足ですけど。

 と言うことで、朝9時頃にはホテルをチェックアウトし、那覇を出発して車を南へ走らせます。最初に斎場御嶽を訪れ、その勢いで南端の海岸線をぐるっと一周ドライブすることにしました。

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 沖縄には世界遺産でも百名城でも国の重要文化財でも何でもない、小さな城跡がたくさんありますが、地図を眺めていると特に南部には多いような気がします。特に観光地として整備されていない、うち捨てられたような城跡は、ちょっと怖いくらいの風情があって興味を掻き立てられます。そんな小さな城跡も探してみることにしましょう。

4日目の移動経路

 まずはじめに、移動経路を確認しておきましょう。

 那覇市内のホテル(A)を出発し、斎場御嶽がある(Bの地点)南東部の知念半島を目指します。そこから主に国道311号線沿いに南端をドライブし、本当最南端に近い喜屋武岬などを巡りつつ、那覇へ戻ってきました。

世界遺産(その9):斎場御嶽

 沖縄の世界遺産巡りの最終地点、9つめは斎場御嶽です。沖縄の人々が祈りを捧げた御嶽(うたき)と呼ばれる聖域は、各城跡内や首里の周辺などあちこちにありましたが、ここはその中でも最大規模の御嶽で、15〜16世紀ごろ尚真王時代の遺跡です。

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 敷地は鬱蒼とした森の中にあり、細い参道が延びています。その昔はここに立ち入ることが出来る人はごく限られており、基本的に男子禁制だったそうで、国王は女装してお参りに来たとか。

 大きな神域は3カ所ほどあるのですが、その一つがこの「大庫裏(ウフグーイ)」です。石畳の参道の先は平らなスペースが石積みで作られており、香炉が置かれています。遺跡とはいえ現在でも聖域として扱われ、お参りに来る人がいるので基本的に見物客は近くによって香炉に触れたりしてはならない、とされています。

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 2つめの神域がここ、寄満(ユインチ)です。大きく張り出した岩の庇に、尖った石柱が特徴的です。沖縄の人々は基本的にこうした岩に神様を見いだしていたんでしょうか。自然信仰は宗教の根源的な姿だと思います。

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 天気の良い日中だというのに御嶽の中は亜熱帯の植物たちに覆われて薄暗いです。

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 そして一番奥の神域、三庫理(サングーイ)にの入り口にやってきました。

 先ほどより一段と大きな岩が張り出し、写真では分かりづらいですが2本の石柱がつきだしています。この日は乾燥していましたが、雨の季節になると石柱から水がしたたり落ち、それを地面に置かれた甕で受けています。その水も信仰と祈りの対象なので、甕や水に触れるのはもちろん、お賽銭を投げ込んだりしないようにとの注意書きがありました。

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 そしてこの自然石で出来た三角のトンネルを抜けた先が三庫理(サングーイ)です。24mmのレンズでは何となく全体が写るだけですが、現場ではこの大きさに圧倒されますし、トンネルに入ると自然と言葉が出てこなくなります。

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 トンネルを抜けた先の三庫理は非常に狭い場所で、特にすごい奇石があるわけではありません。ボケッとしていると蹴ってしまいそうなくらい普通にこうした香炉が置かれていたりします。

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 深い森の奥に分け入ってきたと思っていたら、三庫理からはこうして海が見えるようになっています。海の中に見えるのは久高島という離島で、これもまた聖域として扱われている島だそうです。現在は人が住んでいますし、船で渡ることも出来ますが、あまり観光開発はされていないとか。Wikipediaを調べると芸術家の岡本太郎と久高島に関わる逸話が引っかかります。どう受け取ったら良いものやら...。

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 なお、本島南部は沖縄戦の激戦地だったので甚大被害を受けている場所が多いのですが、斎場御嶽は奇跡的にそれほど大きな影響を受けずに済んだそうです。ただ米軍艦から艦砲射撃弾が着弾したクレーターが、今でも沼になって残っています。

 ということで、斎場御嶽は2回目でしたが、これもまた首里城と並んで何度来ても良い場所だと思います。宗教心を持っていなくても、いや持っていないからこそからかも知れませんが、ありふれた言い方をすれば「心が洗われるよう」な気持ちになります。

青い海に心を洗われる:知念岬公園

 さて、荘厳な斎場御嶽を見た後は、美しい青い海を見て心を洗われたような気持ちになってみましょう。斎場御嶽の駐車場から300mほど移動したところになぜか体育館が建っており、その奥に知念岬公園があります。

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 素晴らしい天気で、空も海も真っ青。陸地にいると穏やかでしたが海に出ると風が吹き抜けていて、日差しはきついですがとても涼しいです。

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 崖の下を覗き込むとこんな景色が広がっています。ちょっとした砂浜があって、その先は珊瑚礁でしょうか。少し沖には砂地だけが露出した小さな島も見えています。あそこに行ってみたい...。

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 公園は綺麗に整備されていてとても居心地が良いです。

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 それはネコさんも同様。日陰を見つけて気持ちよさそうに寝ていました。そっと近寄ってシャッターを切ってもまったく気にする様子はありません。

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 公園の広場には変なモニュメントが建っているんですよね。ピカピカなので自分撮りしました。実は前回もここには訪れており、同じように自分撮りした記憶があります。これです...(^^;

なにもかもが不明な朽ち果てた城跡:玉城城跡

 知念岬からわざと海沿いの国道ではなく、山に登る県道に入りニライカナイ橋をドライブしてみました。その先で見つけた城跡がちょっと気になったので立ち寄ってみました。それがこの玉城城跡です。

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 自然の岩山の上に積まれた石垣は、いかにも沖縄の城跡らしい風情を見せています。しかし、世界遺産や百名城に登録されているような、他の城跡と違って、うち捨てられたような雰囲気がとても気になります。

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 そうは言っても歩道が整備され、木製の階段が作られていました。それを上っていくと目の前に現れたのがこんな城門。石積みで造られたものとは違い、岩をくりぬいて作られたようです。これは格好良い!

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 城門をくぐって主郭に入ってみましたが、とても狭い空間でした。それなりに調査や整備はされているのでしょうが、過剰に人の手が入ってない感じがまた素晴らしい遺跡感を醸し出しています。

 この玉城城は、築城から廃城の経緯もよく分かっていないそうですが、規模的にも城と言うよりは御嶽に近かったのではないか、といわれているそうです。

 残念なことに、主郭以外の周辺のほとんど遺構は、戦後に米軍施設建設用の資材として転用されたりして、ほとんど破壊されてしまったそうです。

天ぷらの島は大混雑!代わりにもずく尽くしの沖縄そばを頂く:奥武島

 さて、そろそろお昼の時間ということで、この日の目当ては天ぷらです。ちょうど南城市の南岸に突き出た小さな島、奥武島は天ぷらで有名で、幾つものお店が軒を連ねていると聞きつけ、やってきました。

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 玉城城から海を眺めると、眼下にちょうど奥武島が見えました。小さな江ノ島のような感じで、わずか100mの橋を渡って陸路で行くことが出来ます。島の周囲はぐるっと回っても2kmにならないとか。

 で、Googleマップを拡大してみても、いくつかの天ぷら屋さんの名前が載っていたして、なぜかこの島は天ぷらで有名になっています。日曜日ですが斎場御嶽も知念岬も混んではいなかったし、道路もガラガラ。

 だから安心して島に渡ってみれば... なぜかそこは観光客の路上駐車で溢れており、どの店も行列が出来ていました。うむ、ダメだこりゃ...。この人達はいつどこからやってきたのか? 不思議に思いつつ、結局車を停められそうな場所も見つからないまま、島を一周して天ぷらは諦めることにします。

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 次善の策として、奥武島に渡る橋の本島側たもとにある、もずく屋さんに入ってみることにしました。お店の名前は「くんなとぅ」です。ここも人気店ですが幸いそれほど混んでいませんでした。

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 店内席もありましたが、風が気持ちいいのでオープンテラスの席にします。青い海のすぐ向こうに見えるのが奥武島。オリオンビールで乾杯したいところですが、ここは我慢。

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 そしてやってきたのがこんな豪華なお膳です。中ソバはモツがたっぷり入っています。そして生もずく、酢もずく、もずく天ぷら、もすくゼリー、さらに沖縄風炊き込み御飯の「じゅーしぃ」までついてきます。生もずくはお代わり自由! なにげに「じゅーしぃ」が食べられたのが嬉しいです。

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 生もずくはこうしてソバに入れて食べるようにとの指示でしたので、素直に従ってみました。なおソバの麺にももずくが練り込んであるようです。まさにもずく尽くし!

 そんなにもずく好きという訳ではないのですが、どれもこれもとても美味しかったです! 天ぷらはやや心残りでしたが、これはこれで大満足でした。奥武島にはまた次回挑戦してみましょう。

海に突き出た沖縄本島最南端の城跡:具志川城跡 〜 喜屋武岬

 さてその後ドライブを続け、いくつか立ち寄りつつ、最後にやってきたのは本当南西部に突き出た喜屋武岬です。最初は岬を目指していたのですが、そこに至る道がとても分かりづらく、気がついたら具志川城跡へたどり着いてしまいました。これまた予定していなかったのですが、せっかくだから見ていきましょう。

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 と思ったら、思わず声を上げてしまうほどの素晴らしい光景。古い石積みの向こうはすぐに海です。具志川城は喜屋武岬の突端に作られた海上の城だったようです。

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 これまでに見てきた城跡は、内陸の高台に作られ、遠くに海を望むことは出来ましたが、この城は城壁の向こうがすぐに海なのです。

 これは海上防衛というよりは防御を陸地側の一点に集中させるための立地だと思われます。しかもこの城跡には井戸のような穴が空いており、それを通り抜けると海に繋がっているそうです。もちろん今は入ることは出来ません。

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 これは海からでは攻めようのない城だったことでしょう。それにしても綺麗な景色です。

 具志川城は長年廃墟と化して、植物に覆われて近寄ることが出来ない状態だったそうですが、15年ほど前から草を刈ったりしつつ見学できるように整備し、発掘調査なども進められているそうです。玉城城もそうですが、こういう渋い小さな城跡がたくさんあって、沖縄の城跡巡りは興味が尽きることがありません。ちゃんと歴史を知ったならさらに楽しめることでしょう。

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 さて、当初目指していた喜屋武岬にもちゃんと寄ってきました。小さな灯台が建っていて展望台もあります。喜屋武岬は沖縄戦の激戦地で、多くの人が命を落とした場所だそうで、慰霊のための碑も建っていました。

4日間振り返り

 ということで、だらだらと続けてきた沖縄旅行記は終了です。


 全行程を振り返ってみるとこうなりました。世界遺産は9カ所全て巡ることが出来たし、百名城も3カ所ともスタンプをゲット。海で泳いだり潜ったりこそしませんでしたが、青い海の景色も存分に楽しめたし、食べ物もとても美味しかったです。
 
 主要なめぼしい観光地は回りましたが、まだ本島北部には行ってないし、沖縄は離島もたくさんあります。まだまだ見たいもの、行きたいところ、やりたいことはたくさんありますので、次回いつの日か再び沖縄を訪れたいと思います。

カメラとレンズ

 ちなみに1日目の記事にも書きましたが、今回の旅の写真は全てPENTAX K-1とDFA24-70mmF2.8で撮りました。超広角が欲しい!と思ったことは何度かありましたが、望遠が欲しくなったことはありません。少しでも軽くするためにDFA28-105mmを付けていくか悩んだのですが、結果的にやはり24mmというワイド端は大きな意味があったと思いますし、F2.8という明るさにも助けられました。

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

 写真撮影がメインではない旅行にフルサイズ一眼レフというのは、かなり大げさなのですが、やはりただの観光地記念写真でも、絞りを考え光学ファインダーを覗き、しっとりとしつつキレのあるシャッターを切るという作業は十分に楽しめます。ただし、今回はさすがにRAW撮りはせず、全てJPEGで撮りましたが、余裕のある大きなセンサーに写る画像はやはり素晴らしいし、どんな場面にでも対応できる信頼感は代え難いものがあります。

 こういう移動しまくる旅行などには小さくて軽いPENTAX KPとか小さなカメラが適任なのは分かりますが、やはり私はKPがあってもきっとK-1を使うんだろうな、と確信しました。

 ぶっちゃけ、大きさ重さでも、画質でもありません。使っていて楽しいかどうか、です(A^^;

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