咲き始めた浜離宮恩賜庭園のコスモスをFA Limitedで撮る

投稿者: | 2016年9月13日

 台風がやたらにやってきた8月が過ぎても、東京地方では残暑が厳しい日々が続いています。秋はまだまだ遠いようですが季節は確実に進んでいるはず。街角にはオレンジ色のキバナコスモスが咲いているのをよく見るようになったところですが、そう言えば浜離宮のコスモス畑はそろそろ咲き始めているだろうか?と急に思い立ち、まだ早いとは思いつつもダメ元でちょっと見に行ってみることにしました。例年9月下旬頃が見頃なはずですが、今年は全体的に季節が早く進んでいるような気がしているので、もしかしたら咲いてるかも?と淡い期待を持って。

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 普通のピンク色のコスモスはまだ見頃という状態ではありませんが、早くも咲き始めていました。ということで、ちょっと気が早いですがコスモスの写真を貼っていきたいと思います。

K-1 + FA Limited

 最近は何かとズームレンズばかり使っていたような気がします。でもK-1に似合うのは単焦点レンズだよなぁ、ということで、久しぶりにFA Limitedを使ってみることにしました。

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 K-5とかK-3のシルバーボディを使っていた時に手に入れたFA31mmとFA77mmはシルバー仕様。一番最後に手に入れたFA43mmはブラック。K-1は当然ブラックしかありませんから、全部ブラックに統一したいなぁ… なんてことは思っていません。いや、本当に。ブラックボディにシルバーのレンズは似合いますよ。いや、本当の本当に。

 ちなみにこの中で一番気に入っているのはFA77mmです。最近超広角に目覚めたとは言っても、やはり私は基本的に望遠系のレンズが好きです。でも標準レンズ的に常用可能と言えばFA31mmなんですよね、画角的に。しかも填まったときに素晴らしい絵を叩き出してくれるのですが、ダメなときはとことんダメで、とても気難しいレンズだと思います。FA43mmはその間を取って良いとこ取りとなるか、中途半端となるか、まだ判断が付いていません。このレンズはパンケーキ風味で超小型なところも良いところです。

 さて、この3本で咲き始めのコスモスを撮ってみましょう。

FA77mmF1.8 Limited

 FA Limitedの中では一番好きな1本と宣言した通り、今回もこのレンズを使う時間が一番長かったです。

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 この色のコスモスが一番好きです。綺麗な見頃の一輪を選んで切り取ってしまうのもFA77mmならお手のもの。

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 こういう濃い紫のコスモスも咲いていました。これは写真に撮るのが難しそう… と思いましたが見た通りに写ってます。やたらに鮮やかに仕上げてしまうと色飽和起こしそうな色ですが、RAW現像ならどうとでもなります。

 コスモスは可憐で良いですよね。それを良いことに、とにかく絞りを開けて背景をボカして溶かしまくり。望遠ならではの遠近感が圧縮された映像が浮かび上がるファインダーを覗いてるだけで、傑作が撮れるような気になってきます。完全にカメラとレンズに撮らされています。

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 花が咲くところはどこでもそうですが、蜂や蝶なんかも寄ってきます。普通のピンク色で一重のコスモスと比べると、どうもキバナコスモスは大振りで大ざっぱな感じがして、いまいち写欲が沸かないのですが、蝶や蜂はキバナコスモスの方が好きなようです。

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 コスモスを撮るというと、定番中の定番が青空バックの煽りアングル。飽きずに何枚でも撮ってしまいます。

 FA77mmは最短撮影距離が70cmあるので、カメラをかなり低く構える必要があってなかなか大変です。ライブビューを使いたいところですが、どうもK-1のコントラストAFと相性が悪いのか、なかなかピントが合わないので、がんばってOVFで撮りました。

FA43mmF1.9 Limited

 次に真の標準レンズと言われるFA43mmにスイッチ。このレンズ、APS-Cではなかなか使いやすいかも!と思ってましたが、フルサイズで使うと超難しいです。

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 もちろん大口径だけあって至近距離で開放付近を使うと背景はよくボケます。でも、当たり前ですがFA77mmと比べると画角が広いので、色んなものがフレームの中に入ってくるわけで、望遠的に一部を切り取ろうと考えてもうまくいきません。そうやって使うレンズではないようですが、だからといってどうしたら良いのかは分かりません。

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 奥の方に一本だけやたらに背の高い花がありました。背後は汐留のビル街。浜離宮庭園ならではの景色です。こういう感じで、ある程度距離があるものを対象にして、いかにも切り取った感を出さずに、自然に、しかし背景がやんわりボケて何が背後にあるかは判別が付く… っていう写真が上手く撮れるようになりたいです。大型センサーの特権ですから。

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 そしてやっぱり困ったときにはローアングルで空バック。おー、これはちょうど良いかも。というか、こうやって撮る分にはあまりレンズ関係ないかも。

 ちなみにシャッター速度が1/8000secとなっていますが、このときは露出が連動範囲外の警告が出ていました。つまりこのままだと露出オーバーだよと(強制的に適正露出に調整する、という設定もカスタムメニューから可能です)。その場合でもK-1はシャッターを構わず切れるわけですが、1枚撮ってみてポストビューを確認したらむしろちょうど良い感じだったので、敢えて絞りは変えませんでした。

PENTAX standard lens FA43mm F1.9 Limited FA43F1.9 [並行輸入品]

PENTAX standard lens FA43mm F1.9 Limited FA43F1.9 [並行輸入品]

FA31mmF1.8AL Limited

 最後はFA31mmです。APS-Cではこれぞほぼ標準レンズ、という画角でしたが、フルサイズでは当然ながら広角となります。

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 ちなみに浜離宮のコスモス畑は大体こんな感じになっています。ここは一番入り口に近いキバナコスモスばかりが咲いてるエリア。

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 振り返って奥の方を見るとこんな状態でした。手前右側はまさにこれから見頃を迎えるだろうコスモス畑。まだ小さな蕾が出てきてるだけで花は一切咲いてません。さらにその奥の方にまだコスモス畑は続いています。

 遠景の広い範囲を撮るのはFA31mmが得意とするところ。絞りも絞ってしまえば10年以上前のレンズとは思えない先鋭感です。

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 蜜蜂が一心不乱に頭を花弁に突っ込んで働いていました。このレンズ、広角ですがその分近寄れます。「寄ってボカす」は同じでも、このくらいの焦点距離になるとFA77mmとはやや趣が異なってくるように思います。蜜蜂はあまり人間を気にしないようで、近寄っても逃げていきません。なのでFA31mmでも撮れてしまいます。

 このレンズは特にK-3IIまではとにかくピントが合わないレンズでしたが、K-1になって生まれ変わりました。これもちゃんと使いこなしたいレンズです。

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 そしてこれまた定番の煽り青空。たまたまだと思いますが、今回の撮影で一番上手く撮れたと思ってる一枚。トップに貼ったのと同じカットですが、現像をやや変えてあります。トップの方はほぼストレート。FA43mmのところで書いたのと同じ理由で、もともとオーバー目に撮れたもの。こちらは、さらにふんわり感を出すようにColor Efex Pro 4で弄っています。もうレンズがどうとか、フルサイズがどうこう言うレベルではないですね(^^;

見頃は多分シルバーウィーク中?

 まだ咲いていなかった真ん中付近の畑がいつ頃見頃を迎えるのか分かりませんが、恐らく例年通り9月中旬から下旬あたりに浜離宮のコスモスは見頃を迎えるのではないかと思います。今回見た範囲でも、既に痛んでる花も多い一方で蕾が多く見られました。キバナコスモスは特に長い期間楽しめる花ですが、今回見た範囲ではすでに元気がないように見えたのがちょっと心配です。

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 それよりもなんだかこの夏は天候がイマイチですね。9月になってもスッキリ晴れ渡る日がなかなか続きません。今回も晴れの予報だったのに、今ひとつ雲が多くてちょっと残念な感じでした。と思っていたら、もう秋雨前線がやってきてるとか。雨はともかく早く涼しくなって欲しいです。

 シルバーウィーク中にチャンスがあったらまた行ってみたいと思います。