MacBookとiPad/iPhoneで充電器を共用する方法を考える

投稿者: | 2016年3月19日

 Macbook 12inch RetinaはUSB Type-Cコネクタを1ポート搭載しており、これは充電ポートも兼ねています。このUSB Type-Cが1ポートしかないことはMacbookの欠点のひとつですが、同時に付属の充電器やケーブルがiPhoneやiPadと互換性がないことのほうが、私個人的には気になっていました。
 もちろん他のMacBookシリーズのACアダプタは専用品なので、MacBook 12inch Retinaだけの欠点ではないのですが、せっかくここまで思い切ったのだから、あと一歩がんばればとても便利になるのに… という意味です。

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 これを何とか一つにまとめられないかな?と思って色々調べた結果、AnkerのPowerPort2というACアダプタと、USB-AからUSB-Cへの変換ケーブルをまずは導入してみることにしました。

 結論から言うと、これで完璧というわけではないのですが、とりあえず目的はある程度達することができました。その辺の顛末を以下にまとめておきます。

純正品はUSB Power Delivery対応

 Macbook 12インチ RetinaのUSB Type-CポートはUSB Power Deliveryという新しい規格に対応しており、従来のUSBポート経由の充電よりも、高電圧で高速な充電が可能です。

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 これはMacBook 12inch Retinaに付属している純正ACアダプタ。薄い字で基本仕様がプリントされています。そこに「Output: 14.5V – 2.0A (USB PD)」と書かれています。これがUSB Power Deliveryに対応しているよ、という意味で、このスペックこそが14.5V × 2.0A =29Wという総容量値の根拠となっています。

 ただし同時に「5.2V – 2.4A」という数字も書かれているように、従来の12Wモードもサポートしており、USB Type−CとLightningの変換ケーブルを使ってiPadなどを充電することも可能です。

 【参考リンク】

Anker PowerPort 5

 そこで、先日いつものようにネットをうろうろしていると、こんな製品を見つけました。

 USB Type-Aが4ポートに加え、USB Type-Cも1ポート備えたアダプタで、全てのポートを合わせて40Wの給電能力があります。これがあれば、それぞれケーブルを取り替えるだけでiPadやiPhone、GoProなどのUSB充電対応機器に加え、MacBook もこの一つのACアダプタで充電できる!と思わずポチりそうになったのですが… 冷静によく仕様を調べてみると、どうやらこのPowrPort 5 のUSB Type-Cは、コネクタ形状がType-Cになっているだけで、USB Power Deliveryには対応していないようです。

 それでもまったく役に立たないことはないのですが、そうだとするとなにも5ポートも要らないな、ということでこの製品は没となりました。

 その後も色々探したり調べたりしたのですが、結局サードパーティ品ではこのUSB Power DeliveryをサポートしたACアダプタはほとんど見かけません。

USB Power Deliveryを諦める?

 同時充電を考えなければ、MacBookに付属のACアダプタに合わせてLightningの変換ケーブルを用意すれば良いような気がします。しかし、なぜかApple純正でこのUSB-CとLightningの変換ケーブルが用意されていないのはなぜなのでしょう?

 それがやや気になりつつもサードパーティ品を探してみます。

 例えばこんなのとか。これを使えばMacBook付属の29WアダプタでiPadやiPhone、その他USB充電対応機器を充電したりすることが出来そう(実際に試していないので、本当に出来るかどうかは不明です!)。

 またこの場合の利点は、このケーブルを使ってMacBookとiPhone等を接続する用途にも使えること。例えばMacBookにiTunesのライブラリを入れている場合には、iPhoneと同期したりバックアップしたりすることが出来ますし、その際同時にMacBookからiPhoenを充電することも出来ます。ただし、私はMacBookをiTunesの母艦としては使っていないので、そうする必要はありません。

 ということで、ここは敢えて複数ポートの便利さを追求して、「USB Power Deliveryを諦める」という作戦をとってみることにしました。

Anker PowerPort 2

 そこで再度色々探してみると、2ポートのこの製品がサイズ的にはちょうど私の目的には良さそうです。

 USB-Type-Aが2ポート付いており、それぞれ1ポート当たり5V × 2.4A =12Wまでの給電能力があります。つまりこれ一個でiPad用12W版ACアダプタ2つ分の能力を持っていることになります。

 iPadとiPhoneなどを同時充電するにはとても便利な製品。ですがこれにMacBook 12inch Retinaをつなげて充電することは出来るのでしょうか? それを試すにはまずUSB Type-AからUSB Type-Cに変換するケーブルが必要です。

 そのためにこのケーブルを買ってみました。持ち運びのことも考えて長さはあまり必要ありません。USBからの充電能力にはケーブルも関わっているようなので、単に形状が合えば良いというだけではなさそうです。一応この製品は5V/3Aまでの充電に対応していると書かれています。

試してみる!

 実物が届いたのでさっそく試してみましょう。

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 まずは箱です。結構ちゃんとしたパッケージになっています。

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 中身はこんな感じ。PowerPort 2のプラグ部分はAppleの純正品と同様に折りたたむことが出来ます。

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 ケーブルはこんな感じ。片側がおなじみのUSB Type-A、もう片方が新型のUSB Type−Cです。作りも見た感じはそんなに悪くありません。ケーブル部分は結構太くて固いです。Apple純正のUSB Type-Cケーブルの1.5倍、Lightningケーブルの2倍くらいの太さがありそう。

 なお、このケーブルがあればモバイルバッテリーからMacBook 12inch Retinaに充電するという使い方も出来ます。私が持ってるモバイルバッテリーはiPhone用の小さいやつだけなので、今のところそのような使い方をする予定はありませんが。試しにそのiPhone用の小型モバイルバッテリーを繋いでみたら、MacBookは電源が繋がれたことは認識するのですが充電は出来ませんでした。やはり給電能力が足りないようです。

 この辺のモバイルバッテリーがあるとMacBookへの充電用途にも使えそうですね。

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 さて、次はPowerPort2のほうをよく見てみましょう。純正アダプタと同じように仕様がプリントされています。この通り出力は5Vで最大4.8A、但し片側2.4Aずつとなっています。12W×2と言ったところでしょう。

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 PowerPort2はコンセントに差し込むとLEDが灯ります(写真にはうまく写っていません。スミマセン)。このLEDはコンセントに刺さっているけれども何も機器が接続されていないときは青、何か接続されているときには緑に光ります。相手が満充電であっても接続されていれば緑になりますので、満充電かどうかが分かるわけではありません。

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 ちなみに大きさを比べてみるとこんな感じです。左がPowerPort 2、真ん中がMacBook 12inch Retinaに付属のApple純正29W品、右はiPad Airに付属の12W品。大きさ的にはAppleの29W品とほぼ同じです。

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 PowerPort 2にMacBook 12inch RetinaとiPad Airを同時に繋いでみました。期待した通り、ちゃんと両方とも充電が開始されます。これはPowerPort 2にとってかなり負荷が重たい状態なので、それなりに本体が発熱しますが、想定の範囲内です。

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 PowerPort 2で充電しているときのMacBookの充電インジケーター部はこんな感じ。YoutubeでFull HDの動画を再生したりもしてみましたが、Safariを使っているくらいの負荷ならばちゃんと充電されていきます。

 ちなみにMacBookとiPadの両方とも電池残量が約50%弱の状態から、同時にPowerPortに接続し充電したところ、iPadは放置した状態で約2時間ほどで満充電になりましたが、MacBookは使いながらだと満充電になるまでに3時間以上かかります(上のスクリーンショットでは9時間40分と表示されてますがそこまではかかりません)また、MacBookをスリープで放置しておけば当然ですがもっと短い時間で満充電になります。

 ということで、充電時間が純正アダプタよりもかなりかかることが欠点と言えば欠点ですが、私の使用用途ではこれでとりあえず十分じゃないかと思います。出先へ持ち出す場合はもちろん荷物が減らせますし、家で使うときもACアダプタがこれ一個で済むとスッキリして便利です。USB Power Deliveryへの対応機器がもっと増えてくるまで、しばらくこれで使ってみたいと思います。

【追記】2016年3月にUSB-C-Lightningケーブル純正品↓が発売になりました

Apple Lightning - USBケーブル (1.0m) MD818ZM/A

Apple Lightning – USBケーブル (1.0m) MD818ZM/A

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カテゴリー: Mac

MacBookとiPad/iPhoneで充電器を共用する方法を考える」への4件のフィードバック

  1. USB-Aを二股にするだけで用は足りたのでは?(笑)

  2. hisway306

    ふさん、
    二股? USB-A側が二股に分かれたケーブル使って2ポートとも使うってこと? 確かに外付けHDD用に昔そういうケーブルあったけど… 電源のOR接続はなんか気持ち悪い。

  3. コバヤシ

    すごく参考になる記事ありがとうございます。
    MacBookはUsb-cの1ポートしかないので、
    どうしようと思っていましたが、
    同じケーブルと充電器を購入して、
    スタバなどでドヤろうと思います。
    ありがとうございました。

  4. hisway306

    コバヤシさん、
    お役に立てたなら何よりです。やっぱりMacbook 12インチは一つしかないUSB-Cポートの使い方が肝になりますよね。
    新しいMacbook ProはUSB-C形状のTB3がついてるんでしたっけ? ますますややこしくなりそうです…。

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