酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

志賀高原の広大なゲレンデをファットスキーで滑る

 そろそろ空気にも春が感じられるようになってきたところですが、先週末に志賀高原へ行ってきました。志賀高原で滑るのは久しぶりのことで、恐らく10年ぶりくらいではないかと思われます。スキー場としては非常に有名で、規模も大きく歴史もあり、それだけに人気も高いのですが、私個人的な経験の中ではあまりいい印象がないスキー場でもあります。しかし、10年も経てば色々状況も変わってるかもしれないと思い、改めて行ってみることにしました。

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 土曜日早朝に東京を出発し、1泊2日のスキー旅行です。今シーズン4回目にして滑走日数はこれで13日となりました。近年では良く滑っているシーズンだと思います。

往路

 交通手段はクルマです。今回も我が家のプジョー207SWで行ってきました。上信越道の信州中野ICからオリンピック道路を通り、志賀高原への山登りはわりと急な坂道ではありますが。かなりしっかり整備されている道路であり、それほど難所という認識はありませんでした。

 土曜日は未明から良く晴れていて、それは長野県北部も同じ。しかし上信越道を降りて山へ向かうに従って、路面の積雪は徐々に増えていきます。これは昨晩はもちろんそれ以前にも相当降っているようです。

 そして志賀高原への上り坂が始まるすぐ手前、チェーン着脱所がある場所におじさんが検問のように立っていました。車を停めて話しを聞けば「スタッドレスでもチェーンを持っているならした方が良いよ」とのアドバイス。しかも「ほらすぐそこで早速一台立ち往生してるし」とのこと。たしかに坂を上り始めて100mもしないところで一台スタックしていました。

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※写真は以前のものです
 ということで、図らずも1月の水上に続き、オートソックを利用しました。前回使用した中古品がまだ使えそうだったので、それをとりあえず装着。その他にもう一組新品を持っています。慣れないチェーン装着に手間取っている人々のすぐ横で、わずか30秒で装着して再出発。坂道でスタックしたクルマは2台に増えていましたが、オートソックをはいた我が207SWは、その横を何事もないように力強く登って行くことができました。本当にこのオートソックは優れものです。

 その後の山道も何事もなく順調に登り切り、無事に志賀高原に到着です。

初日は穏やかな快晴

 今回の宿は広大な志賀高原のゲレンデの中で、最も入り口に近いサンバレーの麓にありました。午前中でしたが既に部屋は開いてると言うことで、チェックインを済ませたら着替えて準備をして、早速ゲレンデへ。

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 宿泊先の「志賀の湯ホテル」です。リフトまで0分という宿のうたい文句は嘘ではありませんでした。この写真はリフト乗り場から撮っています。文字通りゲレンデ直結です。

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 リフト券は志賀高原のすべてのゲレンデをカバーする全山共通券を買いました。志賀高原は19のスキー場の集合体でもあり、とにかく巨大です。出発前にゲレンデマップを見て、とりあえず寺子屋スキー場を目標地として目指してみることにします。

 最も麓に位置する丸池、蓮池エリアは短い緩斜面が多く、滑り応えはありませんがとにかく雪景色が綺麗で、流しているととても気持ちいいコンディションでした。

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 ノートラックの斜面。残念ながらコースではありません。積雪は申し分なく、比較的新しい雪でしたが、水分が多いのか柔らかくはありません。

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 蓮池からジャイアントへの連絡路には、懐かしいロープトゥがありました。ニセコの花園とヒラフの連絡路にあったやつは廃止されて久しいです。出だしは結構ドキドキします。

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 志賀高原の名物コースの一つ、ジャイアントです。この週末も検定が行われていました。長くてフラットな一枚バーンは結構斜度があります。一度雨が降ったのか、コロコロとした氷玉が転がっていて、その下はカリカリに削られたバーン。いくらテールのエッジがそれなりに効くNORWALKと言えども、パウダー用のファットスキーでどうにかなる斜面ではありませんでした。いや、これはこれで面白いですけどね。

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 ブナ平を経由して東館山へ。ここに架かるゴンドラは非常に古くてキャビンはかなり小さいです。そもそも4人しか乗れません。ファットスキーは太い上にテールもロッカーしているので、外のラックには入らない場合がほとんどです。かといって、このサイズでは中に積むことも出来ません。これは無理か... と思っていると...

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 難なく乗れてしまいました。係のおじさんは慣れているようで、顔色一つ変えずに私の手からスキーを奪うと、卵のように割れるキャビンの間に挟んでしまいました。ちなみにスノーボードもこの方法で乗せます。この場合本来4人乗りのキャビンは2人までしか乗れません。

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 ともかく無事にゴンドラに乗り東館山の山頂へ。ここで標高は約2,000mです。空が幾分近く感じられます。

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 そしてとりあえずの目的地寺子屋山頂へ。標高はさらに高くなって約2,070mだそうです。ニセコのアンヌプリなどと比べるとずっと高いですが、そもそもベースの気候が違うので、アンヌプリの方がより環境としては厳しいです。ここはまだこの高さでも木が生えていますし。

 それはさておき、ここまで来ると長野の平野を挟んで遠くの山々まで見渡せて、景色は最高です。雪もずっと良くなりました。

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 寺子屋に着いた時点でまだまだ時間があったので、そのまま移動を続け、一ノ瀬を経由して焼額山まで移動しました。ここはプリンスホテルのゲレンデと言ってもいいでしょう。東館山よりも現代的なゴンドラが2本も架かっています。

 あともうちょっとがんばって奥志賀まで行こうかと思ったのですが、戻る時間を考えてこの辺で引き返すことにしました。

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 途中、寺子屋からブナ平に抜ける東館林間コースは、いままで滑ったことがないような、狭くて急なヘアピンカーブの連続で、なかなか楽しめました。林間コースというと初心者のための迂回コースという意味合いが強そうですが、もし私が初心者時代にこんなところに遭遇したら泣いてしまうと思います。

 さらに最後は長野オリンピックのアルペン大回転が行われたコースをちょっとだけ滑りました。いやはや、手強い斜面の連続です。グリップが効かず板が暴れて流れはじめると、怖いと言うよりも先に思わず笑ってしまいます。

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 途中休憩を挟みながら何とかリフトの営業時間中に、サンバレーまで戻ってきました。

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 この日は本当に終日穏やかな晴天で気持ちのいい一日でした。

2日目は一転して荒天

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 翌朝は前日とは一転してどんよりと曇っており、風もかなり吹いています。東京地方は雨の予報でしたが、志賀高原ではとりあえず午前中は雨も雪も降っていません。

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 特にあてもないまま前日同様に焼額山方面を目指してみたのですが、東館山の小さなゴンドラは強風により運休とのこと。今後天候は下り坂と言うこともあって、この日は遠くへ移動するのを諦め、ブナ平で少し遊んだ後に早々に蓮池へ戻ってきました。

 ちなみにブナ平の広大な緩斜面はスピードもそれなりに出るし、流しているととても気持ちいいです。こういう場合は固くて締まった雪も悪くありません。普通のカービングスキーならなお楽しめることでしょう。いや、ファットスキーもこういうバーンは悪くありません。

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 これはジャイアント名物の一つ、道路を渡るリフトからの眺めです。全国的にも珍しいですよね、こういうの。

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 風は強まり視界も悪化してきました。そして最後には雪が舞い始めます。スキー場ですから雪が降るのは悪くないことですが、固いバーンをファットスキーで滑るのも疲れてきて、今回はもうこのあたりでいいかな?と、急にやる気をなくしたので、予定よりも早く上がることに。

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 ということで、サンバレーのホテル前まで戻ってきました。クローラー仕様の軽トラ格好いい! と思っていたら... !!! なんか毛むくじゃらのがいる!

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 志賀と言えば地獄谷の野苑公園も近いわけですが、ゲレンデにも猿が現れました。そういえばホテルの部屋には「猿が入ってくるので窓は絶対に開けるな」的な警告文がありましたっけ。部屋に侵入すると相当な悪さをするそうです。人が近づいても逃げるどころか威嚇してきます。憎たらしいけどかわいいですね(^^;

志賀高原のまとめ

ゲレンデは思ったよりも楽しい

 志賀高原を久しぶりに滑ってみると、以外にバラエティに富んだコースがあって面白いゲレンデだな、と感じました。10年前にネガティブに感じたのはなんだったんだろうと、反省しています。

 しかしかといってここはファットスキーで来るところではありませんでした。まぁそれは最初から薄々感じていたのですが。タイミング的なものもあるとは思いますが、たっぷり降雪があったとしてもニセコのようなパウダーが楽しめそうなエリアはほとんど見当たりませんでした。客層がわりと古くからのスキーヤーが多いせいもあるでしょうか、圧倒的に基礎スキーヤーが多く、ファットスキーなんか履いていると浮きまくります。

 ジャイアントコースでは検定が行われていましたし、私たちがヒィヒィ言いながらズリズリと急斜面を下ってる横を、細くてグリップの強い基礎スキーを履いた人々が、ズバッと気持ちよさそうに滑っていくのを見て、あぁ、昔はいてたスキーがあれば... とちょっとだけ思い出したりもしました。

外人率ゼロ

 ニセコは今では日本人が少数派になっていますし、野沢温泉はそこまでではないにしても外国人客を多く見るようになっています。今年は行ってませんが安比高原あたりも然り。しかしここ志賀高原は日本のスキー場としてこれだけ有名でありながら、少なくとも今回私が見た限りでは外国人客はほとんどいませんでした。99%は日本人です。この点においても、久しく私が忘れていたタイプのスキー場だな、と思います。

 いい悪いではなくて、どうしてなのかな?と、ちょっと不思議に思いました。意図している、していないに関わらず、単に外国人客への誘致がされておらず、従って口コミもないのか、あるいは基礎スキー天国な特性があまり人気がないのか? まぁ、実際のところは前者で、まだ未発見なのだろうと思います。5年後はどうなっているかわかりません。

合宿所的ホテル

 今回宿泊した「志賀の湯ホテル」は、部屋も広々で清潔ですし、なかなか居心地の宿でした。見た目の印象以上にキャパがあるらしく、夕食や朝食の会場で見る人の多さにはちょっと圧倒されます。どことなく学生時代の合宿を思わせる雰囲気があり(いえ、経験があるわけではなくあくまでもイメージの上で、です)、実際そういう使い方がされる場合もあるのでしょう。

 ある意味、古き良きスキーブームの面影が残っています。ニセコとも安比とも野沢温泉とも磐梯エリアとも違う、志賀高原独特のスキーリゾート文化というものがあるような気がします。

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 ちなみに食事も大変美味しかったです。この写真は日曜日のお昼に食べたカツ煮定食のカツ。生卵がニ個付いてきて鍋への投入は自分でやります。卵二個というのは相当な分量で、鍋は真っ黄色に。相当ジャンクなゲレ食ですが、カツもなかなか美味しいです。スキーはおなかが空くので、いつも以上にがっつりと食べてしまうんですよね。

 ということで、思ったよりも長文になってしまいましたが、それだけ志賀高原は正統派すぎてかえって新鮮なところでした。久々に基礎板に乗ってみたくなりました。