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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

OVFを捨てEVFを搭載したXシリーズ2桁機の3代目 FUJIFILM X30

 FUJIFILM Xシリーズの二桁機はこれまで歴史的に(と言ってもX10とX20の2代だけですが)2/3インチのCMOSセンサーに明るいズームレンズと、光学ビューファインダー(OVF)を搭載してきました。X20ではそのOVFに液晶表示をオーバーレイするなど、かなり手が込んだ造りで、富士フイルムのOVFに対するこだわりを感じさせるカメラでしたが、その3代目となるX30は、なんとOVFを廃し、EVFを搭載してきました
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 一方で1200万画素の2/3インチX-Trans CMOS IIやEXR Processor II、電源スイッチと一体になった手動のズームリング、ダイヤル操作系など、Xシリーズのローエンドを支える中核機として、その基本コンセプトはしっかりと継承されています。そんなX30をみんぽすさんからお借りすることが出来ました。EVF化されたXシリーズ2桁機はどんな使い心地でしょうか?


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

まずは開封

 開封の儀(最近はUnboxという言葉が使われるそうです^^;)は流行らないらしいのですが、いつも通り簡単に開封レポートです。

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 箱です。ただし、お借りしたパッケージは日本国内向けではなく海外用のものだそうですので、国内で購入すると箱のデザインやサイズがもしかしたら違うのかも知れません。送られてきた箱は主要な部分は9カ国語で書かれていますが、基本的には中国、香港あるいは台湾仕向けの箱のようです。

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 中身です。これに説明書等の冊子類がついています。もちろんその説明書とACアダプタは日本向けに差し替えられていました。恐らく内容物は国内向けの正規パッケージもこんな感じでしょう。ストラップを取り付ける三角環があらかじめボディについていないところはXシリーズの常です。

 内容物を見て最初に気づいたのは、電池が変更されていること。今までのX10やX20はNP-50というかなり小型の電池が使われていたのですが、X30ではNP-95という1700mAhの電池になり、カタログスペック上で470枚の撮影が可能となっており、旧機種よりだいぶ改善しています。

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 ただし充電は本体で行うようになっています。最近この手のカメラが多いですね。カメラのコネクタはマイクロUSBになっていますし、一応メーカーも公式に「USB充電が可能」と謳っていますので、ACアダプタ側は他のもので流用できると思われます。旅に出る際には荷物が減らせるので便利ですよね。

 ちなみに写真に写っているその他のコネクタは、HDMI出力と、マイク/リモート端子です。蓋はXQ1のようにゴム製ではなくちゃんとヒンジがついています。

本体を眺めてみる

 次に早速本体を取り出してみましょう。

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 X30はボディカラーがブラックとシルバーの2種類ありますが、お借りした(送られてきた)のはブラックボディでした。X20などよりも全体的に角が目立つ気がします。精悍でなかなか良いデザインです。

 ちなみにレンズはOFFポジションでは沈胴しますが、ONの状態でこんな感じ。実は上の写真のように35mm相当にズームした時が最も鏡胴の出っ張りが小さくなり、ワイド端ではもう少し出っ張ります。

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 テレ端にズームするとこのくらい。28mm〜112mm相当の4倍ズームで明るさはワイド端でF2.0、テレ端でF2.8です。このレンズスペックはX10からほとんど変わっていません。X10の時代は唯一無二でしたが、最近は全域で明るいレンズを積むプレミアムコンパクトが増えてきて、他と比べてもやや平凡になってきました。ズームレンジがやや違いますがPowerShot G7 Xなどとほぼ同等といったところです。

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 モードダイヤル、露出補正ダイヤルにコマンドダイヤルが装備されている辺りもXシリーズとしては目新しくなく従来通り。ただしXQ1のようにレンズの周囲にコントロールリングが搭載されたのはX二桁シリーズでは初めてです。ズームリングと同軸になりますが、操作感や位置がかなり違うので間違えることはありません。機能割り当てはもちろんカスタマイズ可能です。

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 背面はこんな感じなのですが、ボタンの機能割り付けが従来とは大幅に変更されました。その時々で最良と思われる操作系を採用している、というのはひとつの考え方ですが、Xシリーズとしてあまりにも統一感に欠けるところが気になります。まぁ、覚えてしまえば操作性は悪くはありません。

 あと、X30のひとつの特徴が背面液晶パネルがチルト式になったこと。自分撮りには対応しませんが、上向きは水平まで、下向きも40度くらいまで傾けることが出来ます。

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 ただ... この液晶パネル枠の出っ張り具合は何とかならんのかと、チルト式あるいはバリアングル式の液晶をもつこの手のカメラを見るといつも思います。X30の場合、上側に並ぶVIEWとかDRIVEとかのボタンまわりも妙な段差つけてデザイン的にガタガタですし、右手側の十字キーまわりなどは液晶枠が出っ張りすぎていて押しにくくて仕方ありません。コマンドダイヤルを回すのにも干渉します。

 まぁ、背面液晶でライブビューする場合は、少し低めに構えるようにして常時少しチルトさせておけば良いのかも知れません。でも、せっかくのEVF使う時はどうしてくれるの?と思います。

EVFのファーストインプレッション

 そしてX30の一番の特徴であり、一番気になるEVFを覗いてみました。

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 接眼窓はボディの左側。出っ張りはX20やX10のOVFほどではないようです。ユーザーが覗いているかどうかを検知するセンサーが接眼窓の右側にあります。また視度補正もちゃんと出来るようになっています。

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 覗いてみるとこんな感じ... というのは写真に撮っただけではなかなか伝わらないかと思いますが、パネルは236万画素の有機ELパネルで、X-T1やX-E2などのXマウント機と同様に、ディレイが5msecに抑えられているそうです。倍率はフルサイズ換算で0.65倍。眼鏡をしていてもなんとか隅々まで見ることができます。

 倍率がそこそこなためか、精細感は文句なく、コントラストも有機ELのわりにとても自然ですし、フレームレートも十分でカメラを振った時の像のがたつきなども思ったほど気になりません。

 そうそう、分かるんです。いくら丁寧に作ったとしても、2/3インチというフォーマットに対応するOVFは、X100シリーズやXーPro1とは違って、小さなのぞき窓に過ぎず、その結果実用性は著しく良くない... ということは分かります。それと比べたらこのX30のEVFは遙かに実用性が高いです。そもそもパララックスがないですし、マクロでも使えるわけで、もう圧倒的にX30のEVFはX20のOVFと比べると優れています。

 でも、X30がX20やX10と比べて普通になってしまったな、という一抹の寂しさがあることも事実。その辺は使いながらじっくり考えてみたいところ。味わいをとるのか、実を取るのか...。

大きさを比べてみる

 X30でちょっと気になるのがボディサイズ。もともとコンパクトさを売りにしているカメラではありませんが、どのくらいのサイズ感なのか、手元にあった他の比較対象となりそうなカメラと比べてみました。

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 まずはX10と並べてみました。こうしてみるとX30は正常進化した後継機であることが一目瞭然。グリップ、AFモードダイヤル等々、ディテールは異なっていますが、基本的にはそっくりです。こうしてみると大きさもほとんど同じに見えます。

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 ですが、撮影者視点からこうしてみてみるとどうでしょう? X30のほうがだいぶボディが分厚くなったように感じます。特に液晶パネルの出っ張り部分が効いているように感じます。数字で比べるとX10が117x69.6x56.8mmに対し、X30は118.7x71.6x60.3mmとわずかですが3サイズとも大きくなっています。

 ただし、この程度なら携帯性などには全く影響はありません。

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 次にPowerShot G7 Xと並べてみました。G7 Xは1インチセンサー、X30は2/3インチセンサー。こうしてみるとG7 Xはかなり小さく感じますし、レンズも含め良く出来てるなぁと改めて感心します。

 ただし、X30は非常に高機能なEVFを積んでいますし、そのボディデザインに関してはコンセプトがG7 Xとはだいぶ違いますので、大きさに関しては仕方ありません。また、全体的にボディの質感はX30は飛び抜けています。高級感という点では圧倒的です。

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 一般的にはこの2機種を比較することはないでしょうが、私的にはやはり並べてみたくなります。Q7は1/1.7インチと小さなセンサーを積んでいますがレンズ交換式。EVFも搭載していません。レンズの出っ張りはさておき、これだけサイズが違うとかなり手にした感じも、カバンに入れた感じも異なってきます。

 ということで、もともとX2桁シリーズはそうでしたが、コンパクトカメラとしては大柄です。マニュアルズームとか複数のダイヤルを搭載した、アナログなオペレーションとか、このサイズじゃないといけないという面もあると思います。ただ、今の時代、これだったら1インチくらいのセンサーを搭載したいところかと思います。

ちょっとだけ撮ってみた

 早速ですが、少しだけ撮影してみました。
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 金曜日に東京の空を覆った見事な夕焼け。ビルの隙間からちょっとだけ見えました。

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 美味しいケバブ。マクロはやはりワイド側限定ですが、かなり近寄れます。

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 草むらの中のパンダ。フィルムシミュレーションに新たに追加されたクラシッククロームです。緑の寂れた感じとか、鮮やかなVelviaの対極にあるようです。

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 神社の鬼瓦。レンズは相変わらず素晴らしく、キリッとシャープで質感とか良く出ます。

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 そろそろコスモスの季節も終わりでしょうか。逆光もものともしないコントラスト感。

 ということで、これからしばらくX30を使ってみたいと思います。

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 今回は気になったことばかりを書き連ねてしまった気がしますが、それもベースに愛があるが故なのです(^^; 特にボディデザインはX10やX20よりも格好いいと思います。さらにこう言っては何ですが、どんなにスペックが優れていても、やはり使い慣れないメーカーのカメラより、FUJIFILMのXシリーズはとても良く手に馴染み、出てくる絵にも感覚があってるようです。

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