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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

キヤノンのもう一つのフラッグシップ PowerShot G7 X

カメラ 写真 Canon みんぽす

 キヤノンがフォトキナに合わせて発表した製品はEOS 7D Mark IIだけではありません。その影に隠れてしまった感があるのですが、コンパクトカメラの新しいフラッグシップ、PowerShot G7 Xというカメラも同時に発表されました。東京ではもう終わってしまいましたが「CANON GRAND PRESENTATION 2014」では、このカメラも展示されており、体験できるようになっていました。

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 またみんぽすさん主催の開発者セミナーにおいては、このPowerShot G7Xについてもプレゼンテーションをしていただきました。このエントリーではその内容を中心にレポートしたいと思います。


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

実機を触ってみる

 まずは実機を見てみましょう。

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 外観はコンパクト機としては非常にオーソドックスです。しかしその中身は気合いが入っています。一番のポイントはなんと言ってもセンサー。キヤノンでは初となる1インチ2020万画素のCMOSセンサーを搭載しています。さらに凄いのがレンズ。24〜100mm相当の4.2倍ズームは良いとして、その明るさはワイド端でF1.8、テレ端でもF2.8を確保しています。

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 その光学系はこんなにたくさんのパーツで組み立てられています。このセンサーとレンズの二つの要素が、ほぼこのカメラの正確を決定づけていると言えます。

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 ボディの背面側はこんな感じ。いくつかのボタンと十字キー、その周囲に配置されたダイヤルなども、よく考えられてはいますが、格別目新しくはありません。

 液晶パネルはなんと140万画素という高画素。静電容量式のタッチパネルとなっています。しかし何とも妙なのはチルト機構です。上端にヒンジを配し、上側にのみ180°まで回転(チルト)します。ローアングルには便利ですが、液晶面を下向きにすることは出来ないので、ハイアングル撮影時は固定液晶と変わりません。というより、これは液晶チルト機構と言うよりは自分撮りのための機構と言えそうです。海外ではやたらに流行ってるんですよね、自分撮り。このあたりはもはや必須の機能なのでしょう。

 日本人のおっさんの一人として正直な感想を言えば、これだったら液晶は固定しておいて欲しいです。

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 操作系で特徴的なのは右手側のダイヤル。モードダイヤルと露出補正ダイヤルが同軸で二段重ねになっています。これが操作性はもとより、なかなか手触りの良いダイヤルに仕上がっています。シャッターボタンも含め、うっすらと赤いラインが入っているのもポイント。ごく普通の箱形ボディデザインに対し、良いアクセントになってると思います。

 電源は専用プッシュボタン式で、これはコンパクト機としてはオーソドックスのは方式です。シャッターボタン周囲はズームレバーとなっています。この良く手に触れるパーツ類は、金属部品が丁寧に加工されているようで、組み立て精度も含め非常にかっちりした手触りで、見た目以上にとても良く馴染むと思います。

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 さて、大型センサーを積んでいると言うことで気になるのはボディの大きさ。ですが結論を言ってしまえば十分にコンパクトです。PENTAX Q7と比べると、恐らく細かい数字では少しずつ大きいのだろうと思いますが、手にした時のボリューム感としてはほとんど同じ。レンズ一体型で沈胴する分、トータルではずっとコンパクトに感じると思います。重量は電池込みで約300gとややずっしり。しかしこの重さは手にした時のかっちり感に寄与しており、悪くありません。

 あ、あと上で書き忘れましたが、レンズの周囲はコントロールリングになっています。これももはや外せない機能でしょう。かなり幅広でボディ前面からのある程度の高さがあるので、手にかかりやすく操作しやすいです。ただ、私の好みからするとあまりにもクリック感が強すぎると思います。またカチカチッという節操のない音も、その他の操作系が良く出来ているだけに、一歩詰めが甘いように感じました。

開発者セミナー

 続いて開発者の方から、このPowerShot G7Xに込められた思いと商品の概要を説明いただきました。

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 PowerShot Gシリーズと言えば長い歴史を持っています。そして登場当時から常にキヤノンのコンパクトカメラのフラッグシップでした。ですが、このG7 Xはその歴史あるシリーズの直系というわけでなく、正統な後継機としては2012年に登場したG1 Xがあります。ちなみにG7というカメラもそう遠くない過去に存在していますので、型番的にはやや紛らわしいですね。

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 しかしながら、低価格コンパクトカメラ市場が縮小する中にあって、プレミアム機(=高級コンパクト機)は逆に伸びていく流れがあるということで、キヤノンとしてはフラッグシップのGシリーズを重点的に機種展開していく方針とのこと。

 G1 Xは1.5インチのセンサーを搭載し、お値段も大きさも重さもまさにフラッグシップですが、G7 Xはもう少しカジュアルだけれどもGシリーズとしての品位を保ったカメラとして、あえて言うなら従来のS120と被る位置づけにあると思われます。そういう意味ではこちらの方がボリュームゾーンで、今後のGシリーズの中心に位置する、重量な戦略商品です。

 ちなみに来年には高倍率ズームを積んだモデルもGシリーズとして登場する予定だそうです。要するにソニーのRX10とかパナソニックのFZ1000あたりのライバル機となるのでしょう。高倍率ズーム機も世界的に見ると、非常に根強い人気があるという話は良く聞きます。実際、この分野は激戦区でやはり市場は伸びているそうです。

 ちなみに今回キヤノンはPowerShot SH60という65倍ズーム機も発表しています。これはGシリーズより下のクラスに位置しします。

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 G7 Xの売りのひとつであるレンズ。ライバル機よりもレンジが広く明るさは同等だよ!とのこと。スライドの一番下は「商品B」のTypoでしょうか。他社ってのは1インチセンサーを搭載したコンパクト機で先行したメーカーのことです。というか、要するにソニーのRX100シリーズを相当に意識しているようです。ただし、私にとってはRX100シリーズは全く守備範囲外ですので、比較してどっちがどうとか言うことについては全く分かりません・

 G7 Xに搭載されたレンズはコーティングにもEFレンズ並にこだわり、レンズ構成も従来の4群ズームのリアフォーカシング方式から、5群ズームのインナーフォーカス方式に変更したとか。大型センサーを搭載していると言うことで、CMOSセンサーからの反射光にも注意しないといけないし、また近接能力を確保するための工夫だそうです。

 その甲斐あってか、ワイド端の最短撮影距離はレンズ前5cmとなっています。ただし、テレ端の最短撮影距離は40cm。実機を触った感じでは、ズーム中間領域ではほぼリニアに近接撮影距離は遠ざかっていきます。このズーミングにより極端に最短撮影距離が大きく変化してしまう問題はコンパクトカメラ一般にあるものだと思うのですが、何とかならないんでしょうかね。

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 次はセンサー。良くあるサイズ比較の図です。キヤノンとしては「プレミアム」と呼べるのは1/1.7インチ以上の機種と定義しているそうです。従来このG7 Xのクラスを担っていたのはPowerShot S120だと思うのですが、それがまさに1/1.7インチでした。それに対しG7 Xの1インチセンサーは面積比で2.7倍です。これだけ差があると撮れる映像の雰囲気は相当に変わるはず。その割にボディサイズはそれほど大型化することなく、良くまとめてあります。

 私個人的には、1インチセンサーはその大きさもさることながら、アスペクト比が3:2であることが一番大きなポイントであると思っています。レンズもセンサーも隅々まで使えるのは良いですよね。それだけでこのカメラが欲しくなってきます。デジタル黎明期から脈々と続く4:3のアスペクト比には未だに慣れません。

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 センサーが大きいことは良いことだ!という説明の図。そうですよね、光学的にはセンサーが大きくなることによるデメリットはありません(よね?)。さらに、ここには書かれていませんが、同じ画角と明るさのレンズを使うなら、ボケの表現範囲が広がることも大型センサーのメリットです。

 一方で、光学的な性能以外においては、センサーの大型化は筐体の大型化にそのまま結びつく、というデメリットがあります。しかし、1インチセンサーはプレミアム・コンパクトカメラとカテゴリにおいては、画質と筐体サイズ、重さのベストバランスにあると思います。

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 ボディデザインも、全体的には普通の箱形ながら、細部にはこだわりが込められています。なるほど!と思うことがほとんどですが、コントロールリングだけは「あともう一歩!」なところです。

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 その他、カメラとしての機能も充実しています。連写なんてEOS 7D Mark IIには及びませんが、下手な一眼レフよりはよほど速いです。ミラー駆動の必要がないのだから、このあたりはやる気になれば意外に簡単に出来るのかも。

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 今、カメラを一番買っているのは、40代の男性だそうです。そして使用目的の第一位は「旅行」。そして「趣味は映画を見ること」と答える人が非常に多いそうです。そういったあたりをくみ取って、PowerShot G7 Xの発売記念キャンペーンでは「映画を巡る旅」と銘打って展開しています。

 ということで、イベントおよびセミナーについては以上です。 

早速撮ってみる


 なんとPowerShot G7 Xについては、実機をそのまま貸していただくことが出来ました。発売は今週の金曜日、10月3日なのに。発売前に素人の一般人に貸していただけるなんて太っ腹です!

 以下、早速この週末に散歩(というか、Ingressのポータルを巡る旅)に持ち出して撮ってみた写真を何枚か貼っておきます。

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 キヤノンSタワー、ショールームの入り口。ワイド端開放です。

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 品川港南口のあお空。

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 下町から見上げる東京スカイツリー。

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 近所の神社の狛犬さん、吽形のほうです。ズーム位置は真ん中あたりでF2.8。撮影距離の関係からしてもボケ量はこんなものでしょうか。コントラスト感やクリアさなどは小型の裏面照射CMOSとはだいぶ違うように思います。

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 逆光だってへっちゃら... ではない場合もあるとは思いますが、なかなかクリアであお空が綺麗。

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 公園の森の中で休んでいた鳩をローアングルで撮ってみました。目線頂きました(^^;

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 近所の家の玄関先にいた猫。夕方、日没後なのでISO感度が少し上がっていますが、全くそんなこと感じさせません。毛並みも綺麗でうっすら背景がボケてふわっとした感じで良いですよね。上の鳩もそうですが、このくらいのカメラは動物たちにも「???」とは思わせるものの、それ以上の警戒心を与えず撮りやすい気がします。

 で、最初の方で「こんなの要らない」と書いた上側だけのチルト機構は、やはり便利です(A^^;

 このG7 X、しばらく貸していただけるとのことなので、いつものように持ち歩いて色々撮ってみたいと思います。