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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

富岡八幡宮例祭各町神輿連合渡御を水を浴びながら撮る

 夏休みまっただ中の先週、富岡八幡宮の例祭が行われました。数ある行事の中でも一番のクライマックスは氏子町会による53基の各町神輿連合渡御です。早朝に富岡八幡宮を出発し、氏子地域をぐるっと回って再び富岡八幡宮まで、丸一日かけて全ての御神輿が練り歩きます。

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 私の住む町も氏子地域なので御神輿を出しています。各町神輿連合渡御の日は日が昇る前から町内が大騒ぎになるので「興味ないし昼まで寝ていたい」と思っていても、そうはいきません。だったらむしろ見物客として参加しなくては!ということでカメラを持って御神輿を追いかけてきました。
 興奮してたくさん写真を撮ってきてしまい選び切れていません。なので以下、いつも以上に長編です。

大門通り−旧区役所通り

 まずは我が町内を突っ切る大門通りです。通過ルートの前半部に当たるため、午前8時頃から御神輿が通過し始めます。このあたりの見物人はほとんど現地住民ばかりですが、狭い片側一車線の道路に周囲はただの住宅や町工場が雑然と並ぶ下町を御神輿が連なっていく、昔ながらのお祭りの風景が見られます。

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 今年の御神輿は全部で53基、時代小説ブームなどもあって、最近は見物客がどんどん増えているこのお祭りですが、一方で氏子各町の御神輿の数は少しずつ減っています(町会が合併して合同神輿になる)。宮大工も減り、修理や作り替えに費用や期間がかかることや、さらには担ぎ手の高齢化など、いろいろな問題があるであろうことは想像がつきます。

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 この富岡八幡宮のお祭りについて語るときいつも触れていることですが、このお祭りに出てくる53基もの御神輿は、すべて「堅気の素人」が担いでいます。世話役から担ぎ手、裏方まで、それぞれの町内住民のみで構成されています。所謂「その筋」や「同好会」の方々はいません。

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 一時期はプロな人々が入ってきたこともあったのですが、富岡八幡宮と氏子連が努力して「地域のお祭り」の原点を取り戻そうと活動した結果です。それもあって、御神輿の担ぎ方、もみ方、かけ声、袢纏や衣装に至るまで、伝統に則って細かい取り決めがされているそうです。
 富岡八幡宮の御神輿では「わっしょい!」以外のかけ声をする人はいないし、入れ墨や褌姿の人も、変な仮葬をしたり、諸肌脱いで身体を見せびらかす人もいません。

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 この運営の方針は本当に素晴らしいと思いますし、そのために御神輿が減ってる、という面もあるのかもしれませんが、それでも、この独特の活気がありつつも、ほのぼのとした雰囲気のお祭りが実現できるのなら、得るものの方が多いと思います。

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 江戸初期から数百年にわたり続けられてきた伝統のお祭りであり、警察の協力もあってこの日は永代通りを中心に、江東区から中央区にかけての幹線道路が、ほとんど終日通行止めになるという一大イベント。当日は非常に盛り上がりを見せます。

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 水の都深川ということもあってか、この御神輿連合渡御の一番の見所は盛大なる水掛けです。沿道からは御神輿と担ぎ手に向かってやり過ぎと思えるほどの水がかけられ、担ぎ手も御神輿も沿道見物客もみんなずぶ濡れになりながら楽しみます。

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 大門通りと旧区役所通りの角には扇橋一丁目町会が出した櫓でお囃子の生演奏。これもこの地域の氏子の人びとだと思われます。その前を御神輿は威勢良く通り抜けていきます。

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 水掛けはバケツはもちろんのこと、子供用のプールや、果ては何処にそんなもの隠しておいたんだ?というような、巨大な水槽まで登場したり。

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 そして圧巻なのは消防団による放水です。消火栓から消防用ホースで盛大に水まきします。こんなことが許されるのもこのお祭りならでは。

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 この日は各地で大きな被害を出すほどの大雨が降っていましたが、東京はなぜか穏やかな天候でした。朝のうちはどんより曇っていましたが、お昼にかけて青空が覗いてくるほど。気温も朝のうちは25度以下の肌寒さで、これで一日中水を浴びていたら風邪引くんじゃないかなぁ、と心配しましたが、お昼にかけてぐんぐんと気温が上がり、平均的な夏日になりました。

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 53基の御神輿は無事に大門通りから旧区役所通りへと入っていきました。大横川を渡るまでの一方通行の狭い道路には御神輿と担ぎ手と観客と沿道住民で溢れかえります。

永代橋−八幡様前

 お昼を食べてから午後は八幡様のある門前仲町へ繰り出してみました。清洲橋を渡って隅田川を越えた御神輿達が、永代橋を渡って八幡様へと帰ってきます。

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 沿道は本当にすごい人出でした。確実に前回よりも増えていると思います。地下鉄の駅から八幡様の前当たりはびっしりと見物客で埋め尽くされています。うっかり北側に出てしまったこともあって、永代通りを歩くのは難しいので、裏道を通って永代橋を目指しました。少しずつ人の波がまばらになってきます。といっても、こんな状態なのですが。

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 永代橋が見えるところまでやってきました。隅田川を挟んでこちら側が深川。しかし富岡八幡宮の氏子地域は橋の向こう、新川や箱崎まで含んでいます。なので御神輿は川越えをします。ここまでやってきたのは実は初めてですが、橋に向かって坂になっており、ここが御神輿見物の一番のポイントではないかと思いました。それにしても水煙に御神輿がかすみます。それは...

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 地元消防団がこんなことしているから。大門通りでもやっていましたが、永代通りは広いだけにより思い切り放水しています。日頃から訓練している人びとなので、観客に思い切り水をかけるようなへまはしませんが、それでも水しぶきを浴びずにすむと言うことはありません。観客も水を適度に被って涼みます。

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 人力でもこの通りの水しぶき。特設のプールから人海戦術で水を御神輿にかけまくります。やはりこの人力の水掛けの方が大いに盛り上がります。

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 御神輿の行列は誰にでも水をかけて良いわけではありません。担ぎ手以外の先導などに水をかけると怒られます。でもこの地域で水かけしている人はみんな心得ています。

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 各町会の御神酒所や敬老観覧席、それから盛大な水掛場の前などで御神輿は立ち止まって揉んだり刺したり回したりします。思い切り御神輿を下げたり上げたり、左右に揺らしたりするのが「揉み」。

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 で、次は思い切り高く御神輿を持ち上げるのが「刺し」。軽い御神輿の場合は、投げ上げて空中に浮かせたりする町会もあります。高く掲げたまま回転するのが「回し」。どれも担ぎ手の息が合ってないと出来ません。御神輿の周囲には指揮監督するする人が常に取り囲んでいます。「わっしょい!わっしょい!」とかけ声とともに進んでいく姿も良いですが、やはり刺したり揉んだりしているところが格好いいです。

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 永代橋の上まで行ってみたのですが、意外にここが空いていました。川の上で綺麗に晴れ渡っていれば景色も深川らしく、写真を撮るには良い場所です。川風も涼しいです。

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 永代橋の上でUターンし、八幡様の方へ引き返しました。鳥居の前は二重三重の人垣。こんな大きなお祭りをやるのに境内は御神輿が入れるほど広くありません。深川を練り歩いた御神輿達はここで宮入りしてひとまずのゴールです。

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 午後の光を浴びて水煙というか、水しぶきの中を舞う御神輿は超格好いいです。ここから各御神輿はそれぞれの町へと帰っていきます。

再び大門通り

 ということで、私も自分の住む町へ帰ってきました。するとちょうど我が町の御神輿が戻ってきていました。ここでお祭りが終わってしまうのを名残惜しむように、最後の御神輿担ぎが行われています。

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 どんどん天気は良くなり、青空とスカイツリーが覗き、御神輿には太陽が当たるようになってきました。暑くてもお祭りはやはり快晴の下が良いですね。そんな中、地元に戻り一基だけになった御神輿ですが、威勢は衰えていません。

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 御神輿を御仮屋に戻そうと、位置を合図している... ふりをしているだけ。引き寄せては押し戻し、また引き寄せては押し戻し... こうしてぐずぐずとしながら、なかなか御神輿は下ろされません。

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 消防団も戻ってきて放水を続けます。

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 足下はこんな状態。そりゃ虹も出ます。

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 交通規制は解除されているのでこうして時々バスが真横を通ります。

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 例年よりも長くグズった末に、ようやく拍子木が打たれて御神輿は下ろされました。三本締めで終了です。

 ということで、今回も富岡八幡宮例祭の各町神輿連合渡御を楽しむことが出来ました。このお祭りは毎年ではなく三年に一度しか開催されないのですが、前回は実は二年前の2012年でした。それは本来はその前の年、2011年に開催されるはずだったものが、東日本大震災の影響で延期されたためです。次の例祭は2011年から数えて三年後の今年にやるのか、あるいは実際に行われた2012年から三年後の2015年になるのかよく分かりませんでした(私は後者だと思い込んでいました)。

 このお祭り、各町内会がそれぞれ御神輿の準備をするために、人手や費用などいろいろな面で三年に一度というペースが限界だったと聞いています。そこをわずか二年のインターバルで今年開催にこぎ着けたわけです。そして次は2017年。さらにその次は2020年となります。いったいどうなることやら、今から楽しみです。

写真について

 このお祭りはいつもそうですが、沿道から見物したり写真を撮っていたりすると担ぎ手達ほどではないにしても、ずぶ濡れになってしまうことがあります。なのでカメラは防滴性能があるに越したことはありません。その点PENTAXの一眼レフは折り紙付きで安心。今回はK-3とK-30の2台を持ち出しました。

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 しかし問題なのはレンズ。K-30には簡易防滴の高倍率ズーム、DA18-135mmをつけていきました。とりあえずこのレンジがあれば何でも撮れて安心。K-3には悩んだのですがFA77mmをつけました。望遠系のレンズで切り取るのが好きですし、御神輿は近づけないこともあるのでこのくらいの長さがあると便利です。いや、実際はもう少し短くて50mmくらいがベストかもしれません。

 ただしこのレンズは簡易防滴でも何でもないので、水濡れには注意が必要です。実際何度か水を被りましたが、すぐにタオルで拭き取るなどしていれば、壊れるようなことはないはず。

 あと、試用中のSIGMA18-35mmF1.8も使ってみましたが、それは次回、別エントリーをたてます。というわけで、しつこいようですが御神輿ネタは続きます。


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