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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

そろそろ勢力図が動き始める頃:F1 2014 第5戦 スペインGP

F1

 長い休みから開けて久々のF1です。ヨーロッパラウンドの開幕戦は今年もスペインGPから。言わずと知れたアロンソのホームレースですが、今シーズンは過去数年の中でも最悪の状態にあるフェラーリでいったいどんなレースを見せるのか、諦めの中にもわずかな期待をもって地元ファンは見ていたのではないかと思います。。
 そのわずかな期待は、長い休みの間、各チーム開発は続けられていたわけで、ひょっとしたら勢力図が一気に変化している、なんてことがあるのではないか?という可能性から来ています。
 それはフェラーリに限らず、他のチームでも同じこと。ディフェンディングチャンピオンのレッドブル、もはやメルセデスPUを積んでることすら忘れ去られそうなマクラーレン、そして最下位争いを繰り広げているケータハムも、復活のきっかけを探し、それを期待していたはずです。

 過去、開幕後一つのチームが独走したことは多々ありましたが、このヨーロッパラウンドに入ると運、不運の巡り合わせもあって、少しずつシーズンの勢力図が動き始めるところです。スペインGPの一番の見所はそこだったはずなのですが...。

「あと1周あればオーバーテイクを試すことができただろう」 ニコ・ロズベルグ/メルセデス

 結局のところメルセデスの優位は全く変わらず、今回のレースもロズベルグとハミルトンの一騎打ちになりました。となればこの二人の対決を楽しむしかありません。ハミルトンがリタイアした開幕戦以来、直接対決では負け続けているロズベルグは、今回負けるととうとうポイントリーダーの座から陥落します。
 やはりトップを行くドライバーが有利なわけで、レースはポールからスタートしたハミルトンが完全にコントロールします。そんな中、ロズベルグに出来ることは、前回レースと同様に作戦を変えてみることだけ。前回は不発に終わりましたが、今回は狙い通り最終スティントで、DRS圏内までハミルトンを追い詰めることに成功しました。
 焦るハミルトンの様子は国際映像に流れるチーム無線からもうかがえます。しかし結局ロズベルグは仕留めるどころか仕掛けることも出来ませんでした。そして上に引用したコメント。英語でどういう言葉を使ったのか分かりませんがやけに控えめに感じます。
 ここで「あと1周あればオーバーテイクできただろう」と言わない(言えない?)ところがロズベルグの物足りなさでもあり、彼らしいところでもあると思います。

「新しいマシンを用意できるわけではない」 フェルナンド・アロンソ/フェラーリ

 このコメントをうがった解釈をすればアロンソは新しいマシンが必要と思っている、あるいは心の底では願っていると言うことなのでしょう。
 3週間の休みの間にフェラーリのマシンはほとんど改善が見られませんでした。今やレースのライバルはウィリアムズやフォースインディア、と言ったところです。慰めはマクラーレンほど悪くはない、と言うことくらいかも。
 一応トップ10圏内からスタートし、ライコネンとピット作戦を分けたにもかかわらず、どちらも機能せず、チーム内でポジションを争っただけ。そしてダメ押しは、ハンドリングと信頼性に苦しみ、下位グリッドからスタートしたベッテルに易々と前に行かれてしまったことではないかと思います。カタロニアのサーキットは比較的古い、ティルケ以前のパーマネントサーキットであり、ヨーロッパの伝統あるコースの代表格です。マシンとの相性の問題では片付けにくいところではないかと思います。
 今の時代、ドライバーのマシン開発能力がどの程度必要なのか全く分かりませんが、ここまでマシンに恵まれない姿を見ていると、色々と疑いたくなってきてしまいます。

「モナコでは表彰台最後の位置は僕とセブが争うことになるかもしれない」 ダニエル・リカルド/レッドブル

 オーストラリアGPの表彰台は幻と消え去りましたが、すぐにまたこの位置に立てるであろうことは、開幕から一貫して見せている速さと、タイヤの使い方の上手さ、そして今年のマシンへの適応の早さを見ていれば明らかでした。
 一時は3回ストップ作戦をとるボッタスと同じ作戦で表彰台争いをしているかのように見えましたが、実際のところリカルドは2回ストップ作戦をとり、ボッタスの遙か前を走り孤独な「3位独走」を繰り広げていたわけです。
 メルセデスには届かず、フェラーリはじめその他直接のライバルは不在。リカルドのレースが孤独なのはひとえに、先輩のベッテルが不調だからに過ぎません。そのベッテルも今回は結果だけを見れば、リカルドに近づいてきました。
 モナコではレースをしたいと言ってるのか、あるいはもはやベッテルは敵ではなく、上から目線で嫌みを言っているのか?
 ベッテルのマシンに信頼性が戻ってくれば、メルセデス2台の優勝争いに続き、彼のコメント通りレッドブル2台の世代間闘争(?)も見られるかもしれません。


 次のレースはモナコGP。何もかもが特別なグランプリです。今年のマシンはトンネル内でどんな音を響かせるのか楽しみです。