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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWを使ってみる

 CP+ 2014の少し前に発表されたKマウントのAFテレコンバーター、HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWが早くも先日発売になりました。発表から発売まで4ヶ月かかったO-FC1とは違って... と言いたいところですが、このAFテレコンバーターはそもそも発表まで5年以上も待たされたものです。特にDA★望遠レンズユーザーにとってはずっと待ち望んでいた製品でもあり、私も発表とほぼ同時に発注していました。

IMGP7972.jpg
CP+ 2014で少し触らせてもらいましたが、実写画像が何よりも心配ということで、早速届いたHD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWをじっくり眺めつつ、試し撮りしてみました。

外観を眺めてみる

 まずは届いた箱を開けてみます。恒例の箱の写真は割愛します。

IMGP7945.jpg
 内容物は、説明書や保証書類を除くとこれだけ。本体にフロントキャップ、リアキャップ、そしてポーチが付いていました。

IMGP7947.jpg
 レンズ側のマウントです。カメラに付いてるそれと変わりません。いわゆるKAF2マウントであり、ボディモーターでAF駆動するためのカプラーに加え、レンズ内モーターに電源を供給するための端子も付いています。
 レンズ構成は3群4枚、最新のHDコーティングが施されています。大きさは径が65mm、奥行きは20mm、重量は126gとかなりコンパクトにできています。

IMGP7950.jpg
 カメラ側です。同じくAFカプラーと電気接点の両対応。また製品名に"AW"とあるとおり、このコンバーターは防塵防滴仕様です。簡易防滴の"WR"ではありません。赤いシーリングが目立ちます。なお、最近のKマウントレンズと同じく"ASSEMBLED IN VIETNAM"と刻印されています。

K-3に取り付けてみる

 早速カメラとレンズに取り付けてみましょう。その前にこのテレコンバーターを使用するためには、ファームウェアをアップデートする必要があります。K-xを除く、K-7以降に発売されたカメラが対象となっています。

IMGP7954.jpg
 さらにここで注意事項。対応レンズは基本的にDAおよびDFAレンズのみとなっていますが、その中でもDA15mm、DA21mm(いずれもHD版、smc版とも)、そしてDA40mm XS(LimitedはOK)はレンズが干渉するとのことで取り付け不可となっています。
 また、FAレンズについては特に互換性情報は無く、FAQで「取り付けられるレンズもあるが、性能的にお勧めしない」と書かれています。

 私の手持ちのレンズの中ではDA21mmが使えず、FA31mm、FA77mm、FA50mmは非推奨ということになります。DA21mmは他のレンズと見比べてもどこがどう出っ張りすぎているのかよく分かりません。いずれにしてもDA21mmにテレコンバーターを付ける理由はないので問題ありません。

IMGP7963.jpg
 なお、テレコンバータ使用時は、焦点距離も絞りもちゃんと換算され手ぶれ補正も正しく動作します。Exifには換算後の焦点距離と絞りが記録されますが、レンズIDはマスターレンズのままとなります。また、レンズ収差補正はすべて使用できなくなります。

smc PENTAX DA★60-250mmF4ED [IF] SDMで使ってみる

 このテレコンバータを買った目的は、このレンズに付けるためと言っても過言ではありません。
IMGP7956.jpg
 この組み合わでは84-350mmF5.6という望遠ズームになり、しかも防塵防滴のまま。AF駆動はSDMがそのまま動きます。取り付けのガタも感じず、大きさ重さも気になるほどの変化はありません。

 望遠端で250mmという微妙な焦点距離が350mmまで伸びることは、望遠レンズとして遠景をより引き寄せるという点でも、IF機能のために近接撮影時の撮影倍率が上がらないという欠点をカバーすると言う面でも、その意味は大きいと思います。

 早速試写してみましょう。画角変化と画質の劣化はどの程度あるでしょうか? とりあえず望遠端のみ貼ってみます。

K3PS2980.jpg
K-3, DA★60-250mmF4, 1/3200sec, F4.0, ISO200, AWB, 250mm
 まずはオリジナルレンズの望遠端開放です。

K3PS2984.jpg
K-3, DA★60-250mmF4 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/1600sec, F5.6, ISO200, AWB, 350mm
 次にテレコン付けて望遠端開放です。

K3PS2986.jpg
K-3, DA★60-250mmF4 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/1000sec, F8.0, ISO200, AWB, 350mm
 テレコン付けたまま1段絞ってみました。

 当たり前ですが、望遠効果は1.4倍に。画質的な面ではとりあえず中央しか比較できませんし、空気が揺らいでいてあまり適切なシーンではありませんが、開放では目に見えて解像感が落ちるのが分かります。一段絞ってF8.0にすればまぁまぁかなと。また、画角が狭くなったせいでそう見えるのかも知れませんが、ホワイトバランスも変わってしまってるように感じます。

 これだけではなんなので、別の被写体を探してしばし散歩してみました。
K3PS2876.jpg
K-3, DA★60-250mm + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/1600sec, F8.0, ISO400, AWB, 350mm
 すると、河津桜にメジロが群がっていました。鳥は望遠レンズにうってつけの被写体。ということで撮ってみたところこんな感じに撮れました。絞り開放はちょっと心配だったので一段絞って、代わりに感度をやや上げて撮ってみました。うん、被写体がビビッドでクッキリハッキリしているせいもあって、悪くありません。

K3PS2923.jpg
K-3, DA★60-250mm + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/1000sec, F8.0, ISO400, AWB, 350mm
 もう一枚前ボケ入りで。メジロは非常に動きがせわしないですが、一応枝に止まってる状態を撮ったものなので、それほどAFに厳しくはないと思います。AF.SのままスポットAFエリアで撮りましたが、AF駆動の最初に一瞬、ほんの一瞬立ち上がりが遅いような気がしますが、精度、速度ともに十分だと思います。

K3PS2876-Edit.jpg
 一枚目のメジロの顔の部分を等倍切り出しするとこんな感じです。微ブレしてるかも知れませんが、明らかにコントラストが低いとか、フワッとして収差っぽさが見られるとか、そういう感じはないです。

K3PS2793.jpg
K-3, DA★60-250mm + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/500sec, F5.6, ISO0100, AWB, 350mm
 少し移動してカルガモやユリカモメが羽を休めている池にやってきました。ここで思い切って開放に設定して撮ってみました。スカイツリーで撮り比べたよりは悪くありません。逆光気味でコントラストが高いからかも。ハイライトはやはりフワッとしていますけど。少しアンダー気味に撮れば気にならないってことでしょうか。

 ということで、開放でもそこそこ使えそう、1段絞れば確実ってところかと思います。今年のF1はこの組み合わせで行こうと思います。F1は絞って流し撮りすることがほとんどなので、描写性能的には問題ないはず。時々撮りに行く飛行機はどうですかね? 近々試しに撮りに行ってみたいと思います。

smc PENTAX FA77mmF1.8 Limitedで使ってみる

 DA★60-250mmが使えれば満足なのですが、ついでに公式にはサポートされていないFA Limitedも自己責任で試してみることにしました。レンズ後端も凸レンズではないですし、特に出っ張っていないようなので大丈夫だと思います。

IMGP7958.jpg
 この組み合わせでは108mmF2.4というレンズになります。これでも十分な明るさを保ったままさらに望遠になり、こちらの場合、遠景を引き寄せるよりは近接時の撮影倍率を稼ぐことができそうです。もともと十分に望遠で、十分に明るいレンズですし、最短撮影距離は70cmと、焦点距離を考えればごく普通。でも、あと一歩近寄りたいと思うことがありますので。さらにこのレンズはDA★と違ってAFもボディモーター駆動です。その動作確認の意味もあります。

K3PS2989.jpg
K-3, FA77mmF1.8, 1/5000sec, F1.8, ISO100, AWB, 77mm
 まずはオリジナルレンズの開放です。ハイライトのエッジにフリンジの色つきが見られますが、それほど悪くありません。

K3PS2987.jpg
K-3, FA77mmF1.8 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/5000sec, F2.4, ISO100, AWB, 108mm
 テレコン付けるとこうなりました。ええっ! っと思って何度も撮り直しましたが、どのカットもこうなります。

K3PS2991.jpg
K-3, FA77mmF1.8 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/1250sec, F4, ISO100, AWB, 108mm
 1段ちょっと絞るとようやく落ち着いてきます。ということで「FAレンズに付けて使うのはお勧めしない」というメーカーのコメントは本当だったようです。少なくとも開放ではちょっと厳しいですね。1段以上絞れば何とかなりますが、そういう用途があるかどうか...。せっかくの大口径レンズなのに。

K3PS2775.jpg
K-3, FA77mmF1.8 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/2000sec, F2.4, ISO100, +0.3EV, AWB, 108mm
 遠景ではなくて近景だとどうなるか?ということで、菜の花畑へやってきました。思い切って開放に設定。ボケ重視と言うこともあってこういうシーンなら「柔らかい描写」も悪くはないかも。でも芯がなくてピリッとしない感じは拭えません。

K3PS2854.jpg
K-3, FA77mmF1.8 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/250sec, F2.8, ISO200, AWB, 108mm
 ではと言うことで、被写体を変えて野良猫さんを撮ってみました。一眼レフ構えて近づいていっても動じる気配はありません。108mmという距離感がちょうど良かったのかも。1段絞ったつもりでしたが、0.3段しか絞られていませんでした。なのでこれもほぼ開放に近いですが、ピントが合っているところはそんなに悪くないかも。全く使い物にならないってことは少なくともなさそうです。いえ、だいぶ球面収差由来と思われる滲みがありますが、それこそちゃんと1段絞っていたら本当に何も問題なかったかも知れません。

K3PS2827.jpg
K-3, FA77mmF1.8 + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/320sec, F8.0, ISO200, AWB, 108mm
 ではと言うことで、梅の花を思い切り絞って撮ってみました。そこそこの望遠ですし、背景との距離差もあるので十分にボケてくれます。うん、これならピントの合ったところはしっかり解像していて滲みもありません。しかし開放同盟メンバーとしては絞らないと使えないのは残念あと頃です。

 ということで、絞りによる描写変化が激しくて、これはこれで使いこなしが面白いかも。開放付近のソフトフォーカス効果を狙ってポートレートとか... 面白いかも知れませんね。まぁ、じゃじゃ馬すぎて実際には使い道は限られる、という結論が正しいところかと思います。

 ファーストインプレッションは以上です。目当てのDA★60-250mmとの組み合わせではAFも描写性能も期待通りで、このレンズの使い道が一気に広がりそう。ますます望遠好きが加速するかも知れません。また、気が向いたら今回試していない他のレンズ、あるいはK-30との組み合わせなども試してみたいと思います。