読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

六義園のライトアップでK-3の高感度性能を試す

写真 カメラ PENTAX K-3 FA77mm F1.8 Limited FA31mm F1.8AL Limited DA18-135mm F3.5-5.6ED DC WR

 紅葉の季節に毎年行われている六義園のライトアップを撮りに行ってきました。「紅葉と大名庭園のライトアップ」と題して、11月22日から12月8日まで行われている特別イベントです。似たような日本庭園のライトアップは地元の清澄庭園でもこの時期に行われていたのですが、なぜか今年は開催されないとのこと。K-3も来たことだし紅葉ライトアップ撮りに行きたいなぁ、と思っていたところに、Facebook経由で写真好きな仲間からお誘いがあったので、渡りに船とばかりに出かけてみました。

K3PS0152.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/30sec, F2.0, ISO1600, RAW

 実は六義園に入るのは初めてだったりします。日没の少し前、午後4時には駒込駅にほど近い入場券売り場は行列ができるほどの混雑。園内もあまりに人の多さに驚きました。池の周囲、ライトアップされた景色がよく見える場所は身動きがとれないほどの状態で、移動するのもままなりません。正直言って写真どころではなく、何度か諦めようと思ったほどです。しかしせっかくだから何枚かシャッターを切っておかねばと、すこし粘ったのですが、当然ですが三脚を立てるなんてことは全く無理で、人並みに押されながら手持ちでとるしかありません。ということで、思いがけずK-3の高感度性能を試すことになりました。

 なお、今回は初物のカメラで難しい条件と言うこともあって、特性をじっくり見るためにも、保険の意味でもRAW+JPEGで撮影しました。以下、両方を見比べて良いと思う方を選びましたが、やはりおおむねRAW現像したものを採用しています。良い悪いよりも好みの問題で。でも、JPEGはJPEGで色毎に細かい調整をしているらしく、とても真似のできない仕上がりになってる場合が多く、特に光量がたっぷりある場面ではRAWを使う理由は特にないように思います。ちなみにK-5まではJPEGに「★★★★」のプレミアムという超低圧縮モードがありましたが、K-3では「★★★」のファインまでしかありません。高画素化したこともあってファイルサイズの問題でしょうか。

K3PS0104.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/30sec, F1.8, ISO1600, RAW
 到着した頃はまだ空が明るくて微妙な状態。メインの池のまわりはすでに人垣が出来ていて大変な混雑でした。日が落ちるに従っていっそう大変なことになります。

K3PS0127.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/30sec, F1.8, ISO1600, RAW

K3PS0125.jpg
PENTAX K-3, FA77mmF1.8 Limited, 1/25sec, F1.8, ISO1600, -0.3EV, RAW
 石灯籠と紅葉のライトアップ。日中に見ると微妙な紅葉でもライトアップされると綺麗さが200%増しくらいになる気がします。でもここは本当にとても綺麗でした。77mm(フルサイズ換算115mm)で1/20secほど。絞りをめいっぱい開けてISO1600に設定、手ぶれ補正にも頼ってやっと手持ちが可能なところです。

K3PS0138.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/8sec, F2.0, ISO1600, RAW

K3PS0161.jpg
PENTAX K-3, DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR, 1/5sec, F3.5, ISO3200, -0.3EV, RAW

K3PS0166.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/6sec, F4.5, ISO6400, RAW
 園内中央にある池に浮かぶ中の島のライトアップ。ここがメインとなるようで、池を臨む通路は身動きが取れない状態。意を決して飛び込み数十分かけてなんとか最前列まで到達しました。手持ちで撮るにはあまりにも暗すぎるので(あと後の人のためにも)しゃがんで肘と膝でカメラを構え、スローシャッターで数打ちゃ当たる作戦。上からISO1600, 3200, 6400です。ISO6400のカットは絞りを戻し忘れて無用な低速シャッターを切ってしまいました。

 さすがにノイズはそれなりにあります。特に暗い空のあたり。ISO6400までいくと超高感度特有のシャドーの沈みと、不自然なエッジとフラットでない部分にもざらつきを感じます。しかし全体的にまだまだ使い道がありそうなレベルではないかと思います。

K3PS0169.jpg
PENTAX K-3, DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR, 1/20sec, F4.5, ISO12800, -0.3EV, RAW

K3PS0170.jpg
PENTAX K-3, DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR, 1/40sec, F4.5, ISO25600, -0.3EV, RAW

K3PS0171.jpg
PENTAX K-3, DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR, 1/80sec, F4.5, ISO51200, -0.3EV, RAW
 ISO12800, 25600, 51200も試してみました。実はK-5でも実際には使ったことのない領域ですので比較してどうこうは言えません。いずれもRAWからLightroomで(わりと適当に)現像しています。そのほうがカメラ内で生成されたJPEGよりは好みの感じに仕上がります。ISO12800はまだ場面を選べば何とか使えるレベルかもしれませんが、それ以上はちょっと使用場面が思い浮かびません。

K3PS0209.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/30sec, F1.8, ISO1600, AWB
 中の島のライトアップを見ていたあたりからぐるっと回って池の反対側あたりに茶屋があります。純和風でとても良い雰囲気ですが、やはりここも大混雑。日が暮れてからはだいぶ冷え込んだので温かいお茶とお団子でも食べたかったところです。

K3PS0222.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/30sec, F1.8, ISO1600, RAW

K3PS0230.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/60sec, F1.8, ISO1600, RAW
 そろそろ帰ろうと門へ向かっている途中にも様々な工夫を凝らしたライトアップがされていました。ブルーの怪しげな光で地面を照らしつつ、時折ミスト(霧)を吹き出したりして、かなり凝った演出がされている一角も人だかりしています。光源はLEDだと思うのですが、この手の青い光ってデジタルカメラは不得意ですよね。色も階調も狂ってしまった経験があります。案の定上のカットは一部階調がおかしなことになっています。JPEGでカスタムイメージが「鮮やか」のままだともっと悲惨なことになっています。

K3PS0245.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/6sec, F1.8, ISO1600, AWB
 池の周辺とは対照的に、このあたりは小川が流れていたりしてうっそうとした山奥の雰囲気。時期がずれているのか今ひとつな紅葉もこうして夜にライトアップされるとそこそこ綺麗です。

K3PS0253.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/25sec, F2.0, ISO1600, -0.7EV, RAW

K3PS0261.jpg
PENTAX K-3, FA77mmF1.8 Limited, 1/80sec, F2.0, ISO800, -1.7EV, RAW
 暗闇に浮かび上がる紅葉。ここは綺麗に色づいてます。照明が思ったよりも明るくて露出合わせるのにだいぶ試行錯誤しました。ISO400まで感度下げても良かったかも。

 FA Limitedは31mmも77mmもハイライトのエッジに色収差というかフリンジが出やすいと感じていたのですが、今回K-3と組み合わせて使ってみると思ったほど気になりません。FA31mmのほうは滲んでいますが、FA77mmはスッキリしています。フリンジはK-5が特に出やすいという気もしていますが(上のカットのような条件なら盛大に縁取りが出たんじゃないかと思います)実際のところカメラで変わるものなのかどうかよく分かりません。いずれにしてもこのくらいなら私的にはほとんど気にならない範囲です。

K3PS0273.jpg
PENTAX K-3, FA77mmF1.8 Limited, 1/13sec, F1.8, ISO3200, RAW

K3PS0295.jpg
PENTAX K-3, FA31mmF1.8AL Limited, 1/6sec, F1.8, ISO1600, -0.7EV, RAW
 水面に映る紅葉。木に囲まれた人工の川であるが故か、水面はピタッと凪いで鏡のよう。綺麗にライトアップされた木々を映していました。とはいえこのあたりはとても暗くてかなり苦労しました。ブレが完全に押さえ切れていないと思いますが、中でもマシな方のカットです。このくらいの暗さでもK-3のAFは全く迷うことはありません。暗所および大口径レンズに対応したAFの信頼性はかなり高いと思います。少なくともこの暗所対応力、および大口径レンズを開放で使ったときの安定性はK-5とは雲泥の差と感じます。

K3PS0122.jpg
PENTAX K-3, FA77mmF1.8 Limited, 1/30sec, F1.8, ISO1600, RAW

 APS-Cサイズのまま16Mピクセルから24Mピクセルまで高解像度化したK-3については、K-5/K-5IIシリーズとの高感度性能の比較についていろいろな意見が飛び交っています。基本的には弱くなっているはずだと。体験イベントで使ってみた限りではISO1600程度ではむしろやや改善したように感じたのですが、それは縮小したファイルを見ていたためかもしれません。

 ざっくり結論を言うと、ISO3200程度まで場合によっては常用可能で、緊急時はISO6400、どうしてもというならISO12800も使えなくはないという点ではK-5とほぼ同じという気がしますが、しっかり見比べると差があるのでしょう(→ 参考記事:PENTAX K-3【第2回】高画素化しての高感度画質をK-5 IIsと比較 -デジカメ Watch)

 その他、AEについてはまだよく分かりません。暴れると言われていたK-5でもあまり問題を感じていませんでしたので。あと、紅葉の夜景ともなるとホワイトバランス的にとても厳しい条件ですが、やはりかなり青かぶり(寒色)方向に振れました。好みの問題もありますが、今回貼ったカットの多くはRAW現像で暖色方向に補正してあります。この辺は電球照明の室内などでもう少し使ってみてから判断したいと思います。RGBセンサーを搭載し、間違いなくポテンシャルは上がってるはずですので、問題があればファームウェアでどんどんブラッシュアップされることを期待したいです。

 以下は今回の撮影に同行させて頂いた皆さんが書かれたブログ記事です(順次追加予定)。一眼レフは私だけ(^^; みなさん主に最新のミラーレス機で撮られていました。

 趣味力向上作戦 : 六義園のライトアップ
 FUJIFILM X-E1 + XF23mmF1.4R 六義園 紅葉と大名庭園のライトアップ - Digital Life Innovator

 なお、六義園のライトアップは今週末、12月8日までです。


大きな地図で見る