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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

むらいさち先生と行くFUJIFILM XQ1で撮るバスツアー フォトレッスン

写真 カメラ みんぽす FUJIFILM

 この夏から秋にかけて、FUJIFILMのXシリーズは怒濤の新製品攻勢が続いています。それに伴って、私もいつになくたくさんのFUJIFILM製品を触らせていただく機会に恵まれ、ほぼここもXシリーズのレビューブログとなりつつあります。なお、この状態はまだしばらく続く予定です。で、今回登場するのはXシリーズ末っ子として今月末に発売される「XQ1」です。発売前の段階ですが触らせていただく機会に恵まれました。

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 しかも今回はバスツアー付き、プロの写真家によるレッスン付きという豪華企画です。バスツアーと言っても1日かけて遠くへ出かけるのではなく、半日で東京の湾岸地区に行くだけなのですが、それでもなかなか体験できることでもないので、都合を付けて出かけてみました。


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)


 なお、今回お借りしたXQ1はまだ試作機でファームウェアも最終のものではないということで、以下に貼ったXQ1撮影のサンプルは、主催者によって若干縮小されています。オリジナルの撮って出しではないのでご注意ください。

XQ1

 まずは六本木にある富士フイルムのオフィスに集合し、早速XQ1を貸してもらいます。見た目は普通のコンパクトカメラですが、これが実は正真正銘、Xシリーズの1台なのです。

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 シルバーとブラックがあるのですが、私がついた席にはシルバーが置いてありました。よくよくシルバーのカメラとは縁があるようです。こう見えてもセンサーはX20と同じ2/3インチ1200万画素のX-Trans CMOS IIを搭載しています。レンズはフルサイズ換算で25-100mm相当の4倍ズームというのはごく普通ですが、開放F値がF1.8-4.9と、広角側の明るさが特徴。そして操作系においてもレンズ鏡胴まわりにコントロールリングを搭載しており、今時のトレンドを押さえたカメラです。

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 発売されたばかりのX-E2と並べてみました。なぜかこの写真だとそれほど大きさに差がないように見えてしまいますが、実物はかなり違います。XQ1はかなりコンパクト。というか、普通にコンパクトカメラのサイズです。

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 背面の操作系はこんな感じでかなりシンプルです。コマンドダイヤルの代わりはレンズ周囲のコントロールリングに任せ、ボタンの数も普通にコンパクトカメラ並み。しかしその機能はこう見えてもXシリーズに準拠しており、とても多彩です。その多機能を少ないボタンで操るための工夫が右下の「E-Fn」ボタン。これを押すとその時々の動作モードに応じて、十字キーなど他のボタン類の機能が変わっていきます。その機能割り付けは液晶画面にグラフィックと共にわかりやすく表示されるという優れもの(タッチスクリーンではありません)。

 例えば上の写真の状態だと、通常は再生モードを呼び出すボタンが、E-Fnを押すとフィルムシミュレーションを呼び出すボタンに変わります。同じようにマクロモードはISO設定に。何をするにもワンアクション増えてしまうのですが、非常にわかりやすくて使いやすいです。

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 お借りしたXQ1には専用のレザーケースとストラップがついた状態でした。持ち運び用にはさらにカメラ全体をすっぽり収めることが出来るクロスケースがついてきます。なかなか格好いいですね、これ。軽いし首からぶら下げていても邪魔になりませんし、長さ調節も出来るので長めに設定して斜めがけも出来そうです。

むらいさちさんによるXQ1講座

 XQ1の操作を一通り覚えたところで、いよいよむらいさち先生の登場です。海カメラマンとして水中写真が専門ですが、普通に陸上でもすてきな写真を撮られている写真家さんです。実際にバスツアーで行く先々でXQ1を使ってあらかじめ取ってきたいくつか作例を見ながら、いい写真を撮るためのポイントや、そのためにXQ1でどういったことが出来るのか、説明してくれました。

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 スクリーンの左側にいる方がむらいさちさん。実はここで私は思わず「えっ!?」と声に出そうになるくらい驚いていました。と言うのもむらいさちさんというのはてっきり女性の方だと思い込んでいたもので...。名前の印象ももちろんですが、撮られる作品(主に陸上の)も柔らかいふわっとした感じの、いかにも女子カメラ風な写真が印象に残っていたせいかと思います。それがこんな若い男性だとは(A^^;

 ついでに会場で驚いたことがもう一つあります。実は今回のバスツアー&モニター企画に参加されている20名以上の参加者のほとんどが女性だったのです。XQ1のターゲットが女性向きなのかもしれませんが、正直かなり面食らいました。まぁ、それはそれで良い経験をさせてもらいましたけど。

 さて、それはともかく、今回のお題は上の写真にあるような項目です。どれもXQ1で簡単にできてしまうことです。絞りを開けて背景をぼかすのはいつもやっていますが、それ以外は実はあまりやったことがありません。特にホワイトバランスってあまりいじらないですし、フィルター類もQ7では時々使いますが、それ以外のカメラでは触ったことがありません。あと、夜景は憧れるんですが、面倒で夜に出かけることがあまりありません。ということで、個人的にこの四点を重点的にやってみようと思います。

 ということで、以下にXQ1で撮った写真を貼っていきます。最初に書いたとおり、カメラ自体が製品版ではないため撮って出しのオリジナルではありません。

日本科学未来館とその周辺

 六本木からバスに乗ってやってきたのは科学未来館です。実はここに来たのは初めてです。中は正直写真を撮るには微妙な感じだったので、途中で外に出て海辺の方へ散歩したりしていました。

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FUJIFILM XQ1, 1/60sec, F4.5, ISO320, +1EV, WB: 蛍光灯, 7.4mm
 いきなり何の芸もない写真でスミマセン。外はどんより曇り空だったので、早速ホワイトバランスいじって露出補正して、クールで柔らかい感じになるか試してみました。ガラスぽっさはでましたが、思ってたのと違う...ということでここはとりあえず諦めます。ちなみにホワイトバランスはE-Fnボタンからすぐに設定できます、メニューの中を探す必要はありません。なので変更数rのも戻すのも簡単です。

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FUJIFILM XQ1, 1/140sec, F1.8, ISO400, WB:AUTO, 6.4mm、ミニチュア
 エスカレータを見下ろせる場所でミニチュアフィルターを使ってみました。これ、やってみたかったんですよね。やはり見下ろした風景が王道。必ずしもミニチュア効果を求めなくても、面白い使い方が出来る、と教わったばかりなのに。ちなみにボケないエリアは選択したAFポイントに追従しますので、真ん中以外にも設定できます。

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FUJIFILM XQ1, 1/30sec, F4.9, ISO160, WB:AUTO, 25.6mm
 外に出て海辺にやってきました。しかし天気が悪くてイマイチ。と思っていたらこんな変な船がありました。どんよりした空も海も映らないようにドアップで。そういえばこの船、東京ゲートブリッジ付近で見かけたことがあります。東京湾を巡る遊覧船なのでしょうか。営業しているのかしていないのか分からないほど人気がなくてひっそりしていました。

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FUJIFILM XQ1, 1/600sec, F2.1, ISO100, WB:AUTO, 6.7mm, ダイナミックトーン
 「曇りの日はHDR風なダイナミックトーンとか使うと面白いかもしれませんよ」と、むらいさちさんが言っていたのを思いだしてやってみました。なるほど、どんよりした感じがより強調されて面白いことになりました。これは良いかも!と気に入って、この後このフィルターを乱用してしまいました。

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FUJIFILM XQ1, 1/40sec, F4.9, ISO100, WB:AUTO, 25.6mm, 超解像ズーム
 XQ1は光学4倍ズームを搭載していますが、コンパクトカメラの例にならって4倍を超える領域はデジタルズームが出来るようになっています。それも最大で16倍の400mm相当まで行きます。クロップではなくて拡大処理されるのですが、その際、超解像アルゴリズムで処理されるので、とても綺麗で鮮明な画像が得られるとのこと。それを思い出して、遠くに停泊している大型コンテナ船とキリンクレーンを撮ってみました。多分、ほぼ最大倍率までズームしたはず。超解像とはいえ、こうした細かくて戦がはっきりした被写体はデジタルズームが一番苦手とするところでしょう。さすがに拡大するとボケボケで解像感も何もありませんが、線がガタガタになることなくそういう意味ではとても綺麗です。モニターで見るにも、ブログサイズくらいなら普通に見られてしまいますし、L判プリントでも問題なさそう。こういうものは「出来る」ということが重要だと思います。

DECKS東京ビーチとその周辺

 次に移動してきたのは科学未来館から数百メートルしか離れていないDECKS東京です。このあたりはほぼお台場の中心地と言っても良いでしょう。たくさんの人であふれかえっています。特にアジア系の旅行者が山ほどいます。

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FUJIFILM XQ1, 1/30sec, F1.8, ISO100, WB:AUTO, 6.4mm
 どんより薄暗い空の下、花壇に咲いていた秋桜。花を撮るには最も適していない天候でした。が、ワイド端のマクロモードで開放に設定。前玉はほとんど花びらにくっついています。ボケも綺麗で色も鮮やかですが、いかにも薄暗いです。空は入れないようにしたのですが、思い切ってプラス補正とかしてみれば良かったかも。あるいはこれこをホワイトバランスをいじるとか。
 ただしマクロは広角端こそレンズ前3cmまで近寄れますが望遠端は50cmまで。この最短撮影距離の極端な落差がこの手のカメラのマクロ機能を使うときには一番気になります。マクロ撮影はワイド端限定で少しでも望遠側nズームしてしまうとほとんど役には立ちません。

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FUJIFILM XQ1, 1/15sec, F4.9, ISO800, WB:AUTO, 25.6mm
 海辺に出て水上バス乗り場までやってきました。豊洲や浅草行きの船が出ています。ちょうどヒミコが出航しホタルナが入港するところに出くわしました。ホタルナは屋上にデッキがあるんですね、たくさんの人が外に出て鈴なりになっています。一隻だけでもかなり目立つのに、二隻揃うとかなり異様な光景です。
 それにしてもこのカット、F4.9とは言えISO800なのにシャッター速度は1/15secしか稼げません。いかにこの日は雲が厚くて暗かったかを物語っています。Exif上は望遠端ですが少しデジタルズームしていたかもしれません。

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FUJIFILM XQ1, 1/90sec, F2.5, ISO1600, WB:AUTO, 7.4mm, ぐるっとパノラマ180°
 ホタルナも出て行ってしまって閑散とする水上バス乗り場。そろそろ日暮れの時間です。と言っても何も見えませんが。海辺からレインボーブリッジを臨みつつ、ぐるっとパノラマをやってみました。何度かこの機能は使ったことがあるのですが、コツは水平に振るときでもカメラを縦位置に構え、縦方向パノラマモードで撮影すること。そうすると上下方向に広いパノラマ写真になります。人工物ばかり写ってますが、綺麗につながりました。

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FUJIFILM XQ1, 2.6sec, F10, ISO100, -0.3EV, WB:晴れ, 7.4mm
 DECKS東京の前にある人工の岩場。足下が悪くて結構危険な場所です。そろそろ昼と夜との境目のマジックアワーです。天気が悪いならいっそのこと青白くしてしまえと言うことで、ホワイトバランスをマニュアルにして通常の「晴れ」モードへ。これだけで十分青くなりました。さらにわざとISO感度を落とし、絞りを絞ってスローシャッターを切ってみました。水面がフワフワになるにはちょっと足りませんが、それっぽさは出たかと思います。三脚棟は使わず岩場に固定しただけで普通にシャッター切ったので、拡大するとさすがにブレています。

夜景

 それからしばらくするととっぷりと日が暮れて、どんよりした空も気にならなくなってきました。さて、ここからは夜景撮影タイムです。X-Trans CMOSの高感度性能に頼って、手持ちで撮りました。もちろん柵などで一生懸命固定しましたが。

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FUJIFILM XQ1, 1/4sec, F4.9, ISO800, WB:AUTO, 24.2mm
 DECKS東京で夜景と言えばこれしかありません。ベタですが自由の女神像とレインボーブリッジと東京タワー。X-Trans CMOS IIといえども2/3インチですので、ISO800でもこんな感じ。ノイズ感はよく押さえてありますが、さすがにエッジはかなり甘くなってきます。

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FUJIFILM XQ1, 1/8sec, F2.2, ISO800, WB:AUTO, 6.4mm
 自由の女神像のすぐ近くまでいける木製の遊歩道。かなり揺れるので、三脚があってもここで写真を撮るのは難しいです。それでもがんばって撮っていたら、異国の言葉で「どけどけ」と追い払われてしまいました。

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FUJIFILM XQ1, 1/4sec, F3.8, ISO800, WB:AUTO, 6.4mm, ソフトフォーカス
 さて、ここに来たらレインボーブリッジと東京の夜景を撮らずにはいられません。どうにも工夫のしようがないですが、フィルターモードを色々見ていたら、ソフトフォーカスが良い感じです。人や花に使うだけではなくて、敢えて夜景に使うのも良いかも。特にこの日はどんよりしていましたから。

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FUJIFILM XQ1, 1/80sec, F1.8, ISO6400, WB:AUTO, 6.4mm
 高感度も試してみました。XQ1はISO12800まで設定可能です。が、さすがにそれは厳しいようなので、ひとつ下のISO6400を試してみました。薄暗いフラットな領域が広い夜景は厳しい条件下と思います。夜景は基本三脚棟で固定して低感度が鉄則ですが、気軽に持ち運ぶコンパクトカメラにそれを言っても酷というもの。このカメラの場合はこうやって高感度で手持ちで撮るという需要の方が多いはず。
 この辺はまだチューニングが勧められているところかもしれませんが、さすがにAPS-CサイズのX-Trans CMOSとは歴然とした差があります。もはや拡大して見られるレベルではありませんが、これもまたこうして縮小してモニター上で見たり、L判にプリントするにはそこそこ問題ない範囲と言えるのかもしれません。

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FUJIFILM XQ1, 1/3sec, F4.9, ISO1600, WB:AUTO, 25.6mm
 ISO1600ならこんな感じ。これはなかなか良いです。屋形船の障子の桟までちゃんと解像します。屋形船、良いですね、楽しそうです。

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FUJIFILM XQ1, 1/13sec, F1.8, ISO800, WB:AUTO, 6.4mm
 フジテレビを臨む広場では大道芸というか、なにやらパフォーマンスをやっていました。結構お客さんが集まっています。ここは絞った方が良かったかな?

まとめ

 ということで、わずか半日のバスツアー&フォトレッスンは終了です。お台場は何度も来たことがありますが、写真を撮るにはベタなところだからこそ、むしろ色々とカメラを操作して遊ぶことに専念できた気がします。XQ1はかなり本格的なカメラでアリながら、コンパクトで誰にでも使える間口の広さを持っていると思います。
 XF1には何となくピンとくるものがなかったのですが、これは良いかも。もはやこのクラスのカメラは要らないと思っているのですが、触っていると手触りが良くて気軽に使えて、それでいて色々といじることも出来て、いつも持ち歩くカメラとしては最適かも?と思い始めました。

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 これによく似たカメラは実は他にもあるのですが、FUJIFILMのXシリーズの1台と言うだけで、興味を持ってしまいます。実際、2/3インチというコンパクトカメラにしては大型のX-Trans CMOSセンサーを積んでいるわけで、他にはない個性を持っているのも事実。そして操作系もダイヤルを廃し、ボタンも減らした上で、しっかりとXシリーズのそれを踏襲しているところが地味に凄いです。しかも操作性は悪くありません。ただ、この純正革ケースを使っていると、使用頻度がもしかしたら一番高いかもしれないE-Fnボタンが押しにくくなることだけがちょっと気になりました。それもケースを使わなければ問題ないわけで、たいしたことではありません。

 発売は今月末の予定で、発売後はしばらくお借りできるようですので、またじっくりと触りながら色々試してみたいと思います。