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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

体験イベントでPENTAX K-3に惚れ込む

 一昨日発表されたばかりのPENTAX K-3に早くも触れてきました。みんぽすを運営しているWillViiさんを通じて、K-3体験イベントに参加させていただくことができたのです。

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 その場では、K-3についての製品セミナーというかプレゼンテーションを聞かせていただくとともに、短時間ながら撮影体験もさせていただきました。まずは、手元に貸していただいたK-3実機とともにセミナーの模様をまとめておきます。


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

究極のフィールドカメラ

 プレゼンターはリコーイメージングのマーケティング統括部、荒井さんです。
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 K-3を一言で表すと「究極のフィールドカメラ」とのこと。これは言ってみればK-7以来変わっていないコンセプトではないかと思います。

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 そうか、K-7は2009年でしたっけ。もう4年、まだたったの4年。K-5、K-5IIとモデルチェンジを繰り返しながら、今回K-3に到達しました。

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 K-5II比で主に進化したポイントの比較表です。外観が大きく変わっていないので分かりづらいですが、こうして比較するとK20DからK-7へ変化したときと同じくらいの大きなモデルチェンジだそうです。

 実際この表を眺めるだけでも、変更点はカメラの基礎となるメカから、センサーはじめとした電子デバイスから、ソフトウェアに至るまで幅広い部分に及んでいることが分かります。

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 中でも画質に直結する部分では、センサーと画像処理エンジンが完全に新しくなりました。どちらかというと後者がもたらす影響は、画質だけでなく機能や使い勝手にいたるまで、非常に大きいのではないかと思います。K-5IIまではK-7世代の画像処理エンジンでしたので、画質はともかく仕様的に色々と古くさいところが目立つようになってきていました。

 高画素大容量のデータを高速に処理することから、高感度性能を向上させたり、SDXC UHC-I対応のデュアルスロットや、動画機能の向上など、多くの進化がこの画像処理エンジンの高性能化によってもたらされています。

手ぶれ補正機構を利用した独創的機能

 PENTAK Kシリーズは磁気浮上式のボディ内手ぶれ補正機構によって、数多くの独創的な機能を実現しています。

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 構図微調整や水平補正、アストロトレーサなどに加え、今回はこの手ぶれ補正ユニットにより、ローパスフィルタの効き具合を変化させるという、びっくりな機能を搭載してきました。

 プレゼンでは、ここに書かれたことに加え、光学ファインダーの100%視野率の実現にも、この手ぶれ補正が使われていると説明がありました。ま、これは以前から既に知られていたことでしたが。

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 K-3の目玉機能の一つがローパスセレクター。手振れ補正機構を使ってセンサーを1ピクセルより小さな単位で振動させることで、光学ローパスフィルターと同等の効果を得るものです。OFFを含め3段階の設定が可能で、弱設定で通常の光学LPF相当となり、強設定だとさらに強い効果が得られるそうです。

 これにより、OFF設定はモアレを気にせず、画像処理も控えめの解像度重視設定とし、強設定では徹底的にモアレを排除するという、ある意味尖ったセッティングが可能となったそうです。

ペンタックスリアルタイムシーン解析システム

 ローパスセレクターはある意味従来技術の応用といえますが、カメラとして大幅に足回りから変更になったといえるのが、測光と測距のシステムです。

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 大きな肝は8.6万画素のRGB測光センサーです。他社では既にあった機能ではありますが、ペンタックスでも採用となりました。従来の単なる明るさを検知する分割測光ではなく、色も含めて検出するため、AEだけでなくホワイトバランスやAFにもその情報は利用できるそうです。

 その機構全体を模式的に表したのがこのブロック図。ここでもやはり演算の新しい主体は画像処理エンジン、PRIMEIIIとなります。この両方の新デバイスがあってはじめてできるようになったものだと思います。

大幅な進歩を果たしたオートフォーカス

 ペンタックスユーザーが、ある意味諦めに似た達観を持ち、そして待ち望んでいたのが、よりいっそうのAF動体追尾能力です。
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 PRIME IIIと8.6万画素RGB測光センサーと、ペンタックスリアルタイムシーン解析システム(名前長い!)に加え、新しいAFセンサーを組み合わせることで、AF性能は動体追尾を中心にかなり強化されています。

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 AFポイントはK-5IIまでの「11点うち9点クロス」から「27点うち25点クロス」まで大幅に増量しました。しかしその増加分は、AFエリアの拡大ではなく、各AFポイントのスポット化とともに高密度化することに使われています。ここは実使用上で賛否があるところかもしれません。個人的には少し密度を下げても良いから、もう少し広いエリアをカバーできた方が使い道があるように思えます。
 また、-3EVまでAF可能で中央の縦3点の水平センサーはF2.8光束対応です。大口径レンズ使用時の精度向上が期待できます。これら含め、K-5無印からのAF性能向上は非常に大きなものがありそうです。

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 AFポイント増加とともに、AFエリアに関わるモードは非常に多機能になりました。AF.C時のセレクトエリア拡大はK-30以降サポートされていますが、拡大の度合いが3段階から選べます。その他AF.Sの場合にも使えるゾーンセレクト(自動時の測距点を制限する機能)は新しい機能です。いずれのモードもエリアの広さを9点セレクトに設定した場合は中心点を25ポイントの範囲内で動かすことができます。

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 さらにさらに! 動体追従時の動作もカスタム設定で変更することができます。その自由度は非常に高く、自分の使い方をしっかりと把握して適切に設定しないと、何が何だか分からなくなってしまう可能性もあります。まずは、フォーカス優先とコマ速優先の設定。これはK-5からあるにはありましたが、K-3では最初の一コマ目の動作と、それ以降の連写時の動作を別途選択できるようになりました。詰まるところ、1コマ目はフォーカス優先だが、それ以降はコマ速優先みたいな設定にすることができるわけです。

 しかもK-3では「オート」という選択肢が追加されています。これは、AF動作を開始した時点で、デフォーカス量がどのくらいか?によって自動的にカメラがフォーカス優先にするか、コマ速優先にするか切り替えるもので、基本的にはデフォーカス量が多ければまずはピントをあわせを優先し、そこそこピントが来てると判断されればコマ速優先でシャッターを切ってしまう、というような動作になるそうです。

 そして動体追従時のホールドの強さも設定可能。とにかくAFエリアに入ったものを追いかけ続けるか、ある程度連続性を考慮するかが選べます。これら動体AFに関する機能は、とにかくK-5IIまでとは雲泥の差となっています。ある意味、この分野ではトップを行く2社に、少なくとも機能面では追いついたのではないかと思います。

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 デジタルの時代になろうとも、カメラは結局のところメカだ!と言わんばかりにメカにも相当気合いが入っています。まずはモーター。K-5までは2モーターで、シャッターとミラー、そして絞りを駆動していたところ、K-3ではモーターをもう一つ増やして、3モーター化されています。これAF用のモーターを加えれば、あのボディの中に4つのモーターが入っていることになります。

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 これに加え、ミラーショックの吸収用にダンパー機構も追加するなど、APS-C一眼レフで最速の8.3コマ/秒(5段絞り込みまで同速)を実現するために、相当に凝ったことをしているようです。

 また、連写速度が上がってもバッファがすぐにいっぱいになっては意味がありません。K-3ではバッファもたっぷり積み、高速連写機能が生かせるようになっています。JPEGで60コマもあれば、たいていのことはできそうです。

デザインはキープコンセプト

 外装デザインはK-7以来の基本的なフォルムとサイズを踏襲しています。このデザインは相当完成度が高いと自信があるようです。

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 とはいえ、ディテールは少しずつ変わっています。まずペンタ部はかなりシャープになりました。仕様で見るとK-5IIに対し高さは3mmほど高くなっています。

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 K-5ユーザーがK-3を触ってみて一番感じるのはグリップ周りの変化ではないかと思います。私はとっさにシャッターボタンの位置が高い、と感じました。実際少し高いのかもしれませんし、この図の通り角度が少し寝かされたせいでそう感じたのかも。

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 一見ほとんど同じようでいて、グリップからシャッターボタン、ISOと露出補正の二つのボタンからサブ液晶周りの細かい造形は、かなり変化があるように感じます。どっちが良いかと言われると、K-5にも特に不満は無かったので微妙ですが、K-3も悪くありません。

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 グリップ周りの内部機構は大きな変化があって、一番大きいのはデュアルスロットになったこと。しかし外装への影響は最小限となっており、厚みが大幅に増えたりはしていません。
 シャッター周りと併せて親指側のかかり具合も変化が感じられます、短時間に私が試した感覚では、K-3のほうが親指のかかる部分が深く感じました。ここに関してはK-3の方がより安定してグリップできると思います。

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 デザインは変えないと言いつつ、このようにかなり細かいチューニングがされています。特に右手グリップ側はこのようなモックをたくさん作って、詰めていったそうです。

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 セミナーの最後には写真家の田中希美男さん(右)と桃井一至さん(左)も登場。かなりのぶっちゃけ話が聞けました(書けないようなことばかりですが)。

 かなり長くなりましたが充実のセミナー内容(しかもダイジェスト版)は以上です。

実機に触ってみる

 そして、いよいよ実機に触ってみました。写真撮るまえに一通り外観を眺めてみます。

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 まずは私のK-5 Limited Silverと並べてみました。奇しくもレンズも一緒。こうして並べてしまうとほとんど違いが分かりません。特に同じ色同士なら。しかし上で書いたように、以外に細部は違っていて、触っていると差を感じます。
 なお、細かいことですが、K-5ではペンタ部の頭頂にあった内蔵モノラルマイクの穴はマウント脇、向かって左上に移動しています。

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 背面から。K-3の液晶パネルは3.2インチと大型化していますが、アスペクト比が変わって横長になってるようです。その他ボタン類の配置や機能割り付けは、そっくりなようでいて微妙に変わっています。測光モードボタンとか、LV/録画ボタンとか、親指AF用のボタンとか。K-5から変わっているとは言え、ほとんど違和感なく使えます。

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 そう来たか!と笑ってしまったのが、モードダイヤルのロック機構。PENTAXでは伝統的にロック機構ありでしたが、K-3からはロックありとなしが自由に選べるようになりました。K-5までは測光モード切替レバーがあった部分が、ロックのON/OFFレバーになっています。内部で機械的にやるのかと思えば、外からも一目でロックされているか、フリーなのか分かるようになっています。納得なのですが、切り替え時に中央のボタンがすごすごと一人で下がっていく姿が、なんだか健気に見えました。ハイテクデジタル最近機のなかで、とても泥臭さを感じる機構です。

そして実写!

 いよいよ試作機をお借りして写真を撮ってみました。モデルさん(荻野沙織さん)と桃井一至さんがセッティングした照明まで用意されていました。

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PENTAX K-3(試作機), DA★200mmF2.8ED (IF) SDM, 1/200sec, F2.8, ISO800, AWB
 とりあえず今日のところは一枚だけ。撮って出しそのままは持ち帰りが出来なくて、縮小されたのちに頂くことができました。しかも横1,000ピクセルという、今の時代ほとんどサムネイルと言えるクラス。あくまでも雰囲気だけと言うことで。本当の実力については今のところ公式サンプルを見て頂くしかありません。

 実際撮影して感じたのは音と手触りの良さです。秒間8コマ以上の実力があるとあって、非常に静かで柔らかいK-5よりは少し甲高くて鋭い音がします。普通に一枚ずつ撮っているときでも同じ。これはこれで悪くありません。特に今回のようにモデルさんを撮るには。しかしショックや振動といったものは当然ながら皆無。あ、あと重要なのはファインダー。気持ちK-5より見やすいような気がします。明るくなって倍率もわずかに上がってるので、そのおかげでしょうか。もちろんミラーの揺れみたいなものは感じません。安心して見ていられるファインダーです。
 

PENTAX デジタル一眼レフカメラ K-3 プレミアムシルバーエディション 15565

 
 ...で、私は早速K-3注文してしまいました。いえ、この体験イベントで気に入って... と言うことではなく、その前にもう予約済み。シルバーモデルは今回も限定なので、はやくしないとなくなってしまいそうでしたから(A^^;