酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

iMacでBoot Camp

 先日Mac OS Xが10.8.3にアップデートされました。基本的な内容は細かいバグ修正などのマイナーバージョンアップのようなのですが、一つ私にとっては大きな変更点がありました。それはBoot Campが3TBのディスクに対応したというものです。Boot CampはWindowsとOS XのデュアルブートにMBRを使っているとのことで、約2TBを超える領域からのブートができません。そのため、3TBのディスクを積むiMacはBoot Campは非対応となっていました。

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 それがどんなからくりを仕掛けたのか、OS X 10.8.3からは3TBのディスクにも対応したというわけです。これはやってみなくては!

 Windowsは仮想マシン上で動かせばいいや、ということでBoot Campができないことは承知で3TBのフュージョンドライブ版を買ったわけですが、できるに越したことはありません。いえ、ネイティブでWindowsが動かせるならとても便利な使い道が一つだけ思い当たります。なので、お試しというよりは本気でやってみました。

 なおインストールするのはWindows8ではなくWindows7です。27インチの高解像度画面にあのスタート画面が表示されると萎えますので。以前に購入してあったHome Premiumの通常パッケージ版がありますので、これが使えそうです。ちなみにメモリーをフルに生かすためにももちろん64bit版を使います。

いきなり失敗...

 事前にネットなどで手順を調べたりMacBook Airで予行演習をしたりして万全を期して、Boot Campアシスタンスを立ち上げます。特に難しそうなところはなく、Windowsに割り当てるディスク容量を約250GBに設定。パーティションの作成へと進みます。

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 ところが、ここで問題発生。「パーティションを作成中」のままフリーズしてしまったのです。1時間放置しても何も進展はありません。遅ればせながら巨大掲示板などで情報を収集してみると、同じ現象に遭遇している人がたくさんいるようです。これはやられた! まさか3TB HDDには対応してるけど3TBのフュージョンドライブには対応してないなんてことはないよな... と一抹の不安がよぎりますが、とりあえず仕方ないので強制終了し、対策を考えます。

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 Boot Camp用のパーティション作成の途中で強制終了した結果、3TBのフュージョンドライブの中身はこんなことになっていました。OS Xのパーティションは2TBに縮小され、Boot Camp用の250GBもちゃんとできているようです。しかしそのほかにPV2という謎の領域が800GBもありました。

 その後いろいろ調べた結果、どうやらある程度使い込んだ状態では失敗する確率が高いらしく、OS Xごとゼロからクリーン・インストールするとうまくいくそうです。なぜなのかはわかりません。幸いTime Machineでバックアップもとってあるし、この際OS Xのインストールからやり直すことにします。

 しかしクリーンインストールする前に、中途半端にパーティションが分けられてしまったフュージョンドライブを元通り3TBのシングルパーティションに戻すのに手間取りました。ディスクユーティリティで簡単にできると思っていたのですが、何か重要な部分も中途半端に書き換えられてしまったのか、"BOOTCAMP"と"PV2"と名付けられたパーティションを削除することはできるものの、肝心の"Macintosh HD"を元通りの3TBに戻すことができません。パーティションサイズの変更が禁止されたままなのです。

 結局試行錯誤の結果、一度そのままOS Xをクリーンインストールし、ダミーのBOOTCAMPパーティションを作成した後、そのままBoot CampアシスタンスでWindows領域の削除をすることでようやく元通り、3TBのシングルドライブに戻りました。

【追記】
 ディスクユーティリティでパーティション操作が制限されているのは、なにか問題があったわけではなく、フュージョンドライブが構成されているせいかもしれません。

再トライアル

 ここまで来てようやくOS Xの再インストール本番に取りかかります。まずは3TBのシングルパーティションにOS Xを再インストール。ここでは工場出荷時と同じ10.8.2になるので、ネット経由で10.8.3へアップデート。バックアップの書き戻しは後回しにして、すぐにBoot Campアシスタンスを実行してWindows7をインストール。今度はうまくいきました。

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 その後OS X側にバックアップを書き戻し、環境を元通りに復元してようやく完了。その結果ディスクの構成はこのようになりました。OS Xに2.85TB、Windows7に250GBです。めでたしめでたし。

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 ちなみにディスクユーティリティでパーティション構成を見てみると、実態はこんなことになっています。なにか魔法をかけて2TB以上の領域からWindowsを起動できるようにしたわけではなく、Boot Campの領域はぎりぎりMBRが扱える2TB付近に作っています。物理的に二つに分断されてしまうOS Xの領域はOSレベルでマージしてシングルパーティションに見えるように細工しているということなのでしょう。

 なので失敗したときはそのマージが完了する前の状態でフリーズしてしまい、VC2という謎の領域が残ってしまった状態だったと思われます。

Widows7 on iMac

 さて、Macのほうの環境が元通りになったところで、Windows7の環境を整えていきましょう。Windows7のインストールが完了したら、Boot Campアシスタンスでダウンロードしておいた、Windowsサポートソフトウェアをインストールする必要があります。これはいわゆるドライバーパッケージのインストールとなり、グラフィクスやサウンド、ネットワークなどなど、iMac搭載のH/W機能のほとんどがWindows上からも使えるようになります。

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 システム情報。メモリーも32GB認識されています。

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 ちなみにエクスペリエンス・インデックスはこんな感じ。CPUやメモリーは抜群に速いですし、グラフィクスも十分すぎます。一番ネックになっているのがディスクです。フュージョンドライブはBoot Camp領域には適用されず、WindowsからはHDDの素の特性が見えているようです。HDDとしては十分に速いとは思いますが、SSDに慣れてしまった身にすればディスクの読み書きが多いとイライラいするかもしれません。

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 ところでWindows7からはドライブ構成はとてもシンプルに見えます。OS Xの領域は見えず、ただしUSBでつないだ外部HDDはHFS+フォーマットですがちゃんと見えます。逆にOS X側からはBoot Campの領域もリードオンリーで普通に見えています。ファイルの受け渡しが必要なら、外部ディスクを使う必要がありますが、お互いにうっかり悪さをすることがなくて、これはこれで良いのでしょう。

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 さて、Boot Campができてうれしいことといえば、まずはビデオエンコードです。Boot CampはネイティブでWindowsを動かしているわけで、私のiMacに搭載されているGPUの能力をフルに使うことが出来ます。Mac上でも出来るソフトはあると思うのですが、慣れやらなにやらで今まで使っていたソフトがそのままネイティブで、しかもGPUのハードウェアエンコーダが使えるなら、やってみない手はありません。
 ということで、TMPGEnc 5をBoot CampのWindows7にインストールしてみると、GeForce GTX675Mが持っているGPGPU機能、CUDAがイネーブルできました。試しに90分程度の1440x1080/59.94i のMPEG2-TSファイルを720pのAVCHDにエンコードしてみると、実時間の半分以下(約35分)で完了しました。うん、これはすばらしい!

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 iMacでWindows7が動くの図。Boot Campは目新しい機能ではないですが、改めて自分で動かしてみると不思議な感じです。場合によってはこっちメインにしても良いんだよなぁ... とろくでもないこと考えてしまいます。いえいえ、やりませんけど。PCでMac OS Xを動かすことは基本的に出来ないわけで、この両刀遣いができるというのはMacの大きな利点の一つかと思います。