酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

2012年F1第2戦 マレーシアGP

 今年もいよいよF1が開幕しました。と言っても開幕戦は1週間前のオーストラリアGPだったのですが、ちょうど北海道へスキーに行ってたので、タイミングよく観戦出来なかったので観戦記は割愛。ということで、第2戦のマレーシアGPから今年は始めたいと思います。
 マレーシアと言えば熱帯雨林気候。晴れれば灼熱、雨が降れば土砂降り。暑さ対策と欧州でのテレビ放映時間の関係から、夕方スタートとなっているわけですが、夕方はやはりスコールの時間帯なのでしょう。今年のレースも雨絡みとなりました。結果を見れば「荒れたレース」と言えるのでしょうが、テレビを見てる限りはなんだか淡々と進んでいるようにも思えました。それは地上波からBSに移行して、例年よりもおとなしくなったフジテレビの実況解説のせいかもしれません。

「勝てたと思う」 セルジオ・ペレス/ザウバー

 なんといっても今レースのMVPはペレスです。序盤のフルウェットへのスイッチが早かったことに始まり、タイヤ交換のタイミングがほぼすべて当たった上に、終始驚異的なペースで走りきりました。そして誰もがペレスを応援していたであろう終盤、もう少しでトップを行くアロンソに追いつこうかというところで、痛恨のミス。奇跡の優勝は逃したものの、やはり奇跡的と言える2位を手に入れました。
 「もしあそこでミスをしなければ」というタラレバを言ってしまえば、次のDRSゾーンでアロンソをオーバーテイクできたのかもしれません。そしてペース差があのままであれば、オーバーテイク後もすぐに突き放せたのかも。と、本人ならずとも誰もが想像したはずです。
 基本的にはウェットレースになって全体のタイムが落ちたことが、ペレスには幸いしたと思うのですが、終盤ドライに切り替わってからもハミルトンやウェバーがまったく追いつけなかったところがポイントだと思います。それだけペレスがヘビーウェットからハーフウェットまで、どの条件でも安定して速かったということなのでしょう。
 でも、昨年のカナダでは同じように雨絡みで2位までポジションを上げた小林可夢偉は、ドライになるにつれ上位チームのペースについて行けずにポジションを落としてしまいました。チーム力の差を考えれば仕方がない結果といわれましたが、今回はザウバーのマシンを持ってして、むしろドライになってからアロンソにチャレンジする寸前まで行った、と言う点が素晴らしいです。
 これでペレスのフェラーリ行きはかなり確度が上がったかもしれません。それはいいのですが日本人ファンとしては、ペレスの大活躍の一方で小林可夢偉にまったく良いところが無かったことが、むしろ気になります。嫉妬に近い感情と言えるかも。あれが可夢偉だったらよかったのに!と。そんなタラレバこそもっと無意味なのですが(^^;

「優勝できるとは思わなかった」 フェルナンド・アロンソ/フェラーリ

 彼も雨に助けられたと言えるのでしょう。今年も相変わらずぐずぐずのフェラーリは、既に2戦目にしてマクラーレンとレッドブルから大きく置いていかれた感がありました。今回も予選でも振るわず誰もがアロンソの存在を忘れていたはずです。いや、忘れていたというのは言い過ぎで、どんなにダメなマシンでもアロンソなら5位あたりには食い込むかも?程度の予想が大方の所でしょう。
 実際にレース序盤の大雨の中、5位なら十分に狙えるポジションを確保していたアロンソ/フェラーリは、リスタート後のタイヤ選択の判断の速さでもって他を出し抜き一気にトップへ。本来こういうコンディションで圧倒的に強いはずのバトンがミスして下位に沈んだことを初め、上位2チームが今ひとつ振るわないなかで、実力的に5位のポジションにいるアロンソは確実にチャンスをものにする力を見せつけたと思います。
 想定外だったペレスの猛アタックについても「細いドライラインを守ってさえいれば大丈夫だと思っていた」と、とても理にかなった冷静なコメントを残しています。そう、やはり勢いだけでアロンソをオーバーテイクするのは到底無理だったのかも。優勝がかかっていたらなら尚更です。

「5位は悪くはないが、もっと良い結果が欲しい」 キミ・ライコネン/ロータス

 予選で調子のよかったメルセデスがレースで総崩れしたりする中、トップから少し下の第2グループで確実に結果を残しているのが、今シーズンに電撃カムバックを果たしたライコネンです。下位グリッドからポイントを獲得したオーストラリアGPもそうでしたが、今回も荒れるレースの中でしっかりと5位という結果を獲得しました。
 以前のレースぶりからすると、あまりウェットは得意には見えませんでしたし、今回は特にピレリのウェットタイヤは初めてという状況。それでもインターミディエイトでもフルウェットでも、そしてドライでも安定したペースで周回を重ねました。あまり目立った動きはなかったですが、チームのタイヤ戦略含めて地道なレース運びの結果です。こういうレースを確実にするあたりはアロンソにも通じるものがあって、さすがチャンピオン経験者。目立つものの大暴れするだけのグロージャンとは格の違いを感じます。
 シーズン当初、優勝争いができるとは思っていない、と冷静なコメントをしていたライコネンですが、普通に走って5位が取れるなら、もう少し何とかすれば表彰台に上がれるかも?という手応えを感じているのかもしれません。予選の勘も鈍っていないようですし、チームが昨年のようにマシン開発に失敗せずシーズンを進んで行ければ、ひょっとするかもしれません。

BS放送

 今年からフジテレビによるF1の無料放送は、地上波からBSに移りました。番組製作も昨年までのように無料放送専用で行われることはなくなり、基本的に有料のCS放送のダイジェスト版になりました。コスト削減にもなり、番組の質も上がるという点でいいことずくめだと思います。ただ、昨年までの賑やかな放送に意外に耳が慣れていて、ずいぶん静かな実況だなーと、ちょっと違和感を感じますし、川井一仁氏の解説にはいろんな意味で分かっていても面食らいますけど。あと、放送時間が地上波時代よりも1時間くらい早めにシフトするのも、観戦しやすくていいと思います。

 さて、次回は少し間が開いて3週間後、上海で中国GPが行われます!