酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

ワイドコンバージョンレンズ GW-4 で RICOH GR III を超広角化する

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 これまで自分は望遠好きだと思っていたのですが、最近は超広角レンズがとても気になっています。と言っても、Kマウントでは魚眼ズームDA10-17mmをかなり昔から持っていたし、K-1に合わせて最初に買ったフルサイズ対応レンズはDFA15-30mm でした。なので、それなりに超広角の世界も知っているつもりではあるのですが、それまでは「必要なときに持ち出すオプションレンズ」という位置づけだったのが、最近は「これってもしかして常用できるんじゃね?」と思い始めたところです。

 そこでGR IIIです。言わずと知れた、28mm相当の固定焦点レンズが搭載された硬派なカメラ。望遠でも超広角でもない28mmというのは、スマホとほぼ同じで万能であると同時にとても難しいレンズです。好きな焦点距離のGR作ってあげるよ!と仮に言われたとしたら、多分私は28mmを選ばないでしょう。いや、だからと言って28mmレンズじゃなければ良いのにとか、それが欠点だと言ってるわけではありません。28mmであることがGRをGRたらしめていることはよく分かった上で手にしています。

 でもでも... フィルム時代のGR21みたいな超広角単焦点も面白そう... と気になりだしてしまい、ワイドコンバージョンレンズを使ってみることにしました。デジタル化後のGRシリーズには常にワイドコンバージョンレンズが用意されていました。GR III用にももちろん用意されています。

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 この手のフロントコンバージョンレンズを使ってみるのは初めてです。コンパクトさは失われてしまいますが、それでも「GRで超広角」という独自の世界が手に入ります。さて、どんな感じに写るのでしょうか?

GW-4を付けるにはGA-1も必要

 GR III用のワイドコンバージョンレンズはGW-4という品名で販売されています。が、これだけ手に入れても取り付けが出来ません。GR III本体とGW-4の間に挟み込むレンズアダプターGA-1も同時に必要となります。

RICOH レンズアダプター GA-1 リコー 37817

RICOH レンズアダプター GA-1 リコー 37817

 購入時は忘れずに必ず両方同時に発注しましょう。両方合わせて概ね3万円です。

 本当は最初に買うGR III用アクセサリーは光学ビューファインダーGV-1かGV-2にしようと思っていたのですが、それは後回しにすることにしました。

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 届いたGW-4とGA-1の箱のデザインはGR仕様となっています。

 まずはGW-4の方を見てみましょう。

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 中身はこんな感じ。専用フードと前後キャップが付属しています。専用フードはフニャフニャのゴム製。フロントキャップは72mm径で旧型のKマウントレンズ仕様と思われます。ただし無銘となっています。

 この写真には写っていませんが、さらにポーチが付属しています。

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 前玉はこんな感じでかなり大きいです。出目金に見えますが、物理的には72mm径のフィルターを付けることができます。ただし公式にはケラレが発生するためフィルターは使用不可と言うことになっています。薄枠なら何とかなるかも知れませんが、試してないので分かりません。

 なお、このコンバージョンレンズは倍率0.75倍となっており、28mm x 0.75 = 21mm相当となります。フロントコンバージョンなので開放F値には変化はありません。

 35mmフルサイズ換算で21mm相当というのは、超広角と呼ぶにはギリギリのところです。できれば18mmくらいの広さが欲しいところですが、そうするともっと巨大になってしまうのでしょう。GRシリーズのワイドコンバージョンレンズは今までも全て21mm相当です。

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 さて、後玉はこんな感じで、これまたかなり大きなレンズが入っています。どういう曲率になっているのか、一見分かりにくい反射の仕方をしていますが、実際のところこの後玉後端はほぼフラットなようです。

 このコンバージョンレンズの光学系は3群4枚。見たところコーティングもかなり良さそうな感じ。見ての通り、それなりにガラス径があるので、重量はこのコンバージョンレンズだけで256gもあって、ほぼGR III本体と同じ重量です。つまり、これを取り付けると重さが倍増します。

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 次にレンズアダプターGA-1の方を見てみましょう。箱の中身は筒とバヨネット式のリアキャップがひとつ入っているだけです。

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 本体は前から見ても後ろから見ても、ほぼただのプラスチック製の筒です。外装はちゃんとGR III本体に合わせた仕上げとなっていますし、ボディ側には2ピンの電子接点がありますが、GW-4側には接点は何もなくて、特に通信をしてるわけではなさそう。この2ピンは、Open/Shortまたは抵抗値を判別しているだけではないかと思われます。

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 側面にはこんなスライドスイッチがついています。これはGA-1とGR IIIボディ間のロック解除スイッチです。

 アダプターのGR III本体側はロック付きのバヨネット式、GW-4側はねじ込み式です。

GR IIIにGA-1 + GW-4を取り付けてみる

 ではさっそくGR IIIにGA-1を介してGW-4を取り付け、超広角化してみましょう。

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 材料は揃いました。あとは組み立てるだけ。

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 リングキャップを取り外しレンズアダプターGA-1をまずは取り付けます。リングキャップと違って、上述したとおりGA-1の取り付けにはカチッとロック機構がついています。リングキャップのようにポロッと意図せず外れたら困りますからね。

 なお、外したリングキャップはなくさないようにしないといけません。

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 そしてGA-1にGW-4をねじ込みます。この部分はバヨネット式ではなく49mm径のネジになっています。

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 通常付けたり外したりする場合は、全てをバラバラにする必要はなくて、こんな感じでGA-1とGW-4は一体のユニットとして扱うことになります。GA-1を付けっぱなしにしたままで、GW-4に付属していたポーチにすっぽり収まりますから。

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 なお、ゴム式のフードを取り付けるとこうなります。ゴムのテンションだけで固定するものなので、扱いは楽なのですが、位置合わせの機構が全くないので、正しく定位置に取り付けるのはけっこう面倒。気がついたら曲がっていて画面がケラレる... なんてことが起こりかねません。

 ホコリがたくさんついてみすぼらしいし、そもそも効果があるのかどうかよく分からないので、結局このフードは使わないことにしました。

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 小型軽量なGR IIIがこんな姿になってしまいました。257gのボディにほぼ同じ重量のフロントコンバージョンレンズですから、前が重たくなってバランスも悪いです。 しかしガタつきもなくけっこうしっかり取り付けられます。

 いずれにしても、APS-Cのカメラで21mm F2.8がこのサイズで収まってると思えば、これはやっぱりすごいことなのかも。とりあえずどんな感じに使えるのか、試してみましょう!

GW-4あり/なしの比較


 GR III本体は18.3mmのレンズが搭載されており、35mmフルサイズ換算で28mm相当。対角線画角は75°です。これに対しGW-4を取り付けて0.75倍すると、レンズ焦点距離は13.8mmとなり、35mmフルサイズ換算で21mm相当、対角線画角は90°となります。

 その画角差を一応実写で確認してみましょう。

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 こちらがオリジナル、GR III単体の28mm相当です。

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 そしてこれがGW-4を取り付け21mm相当になった場合。

 RAWから現像しましたが、歪曲補正がRAWに対してかかっているかどうかはよく分かりません。周辺光量補正は行っていませんが、F8.0まで絞っているためか、どちらも余り気になりません。

 そしてGW-4付きでも隅まできっちり写っていて少し意外でした。フロントコンバージョンレンズをあまり信用していなかったのですが、さすがGR III用とあって、かなり真面目に作られているようです。

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 もう一つ別のシーンで比較してみましょう。こちらがGR III単体の28mm相当。

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 これがGW-4を付けた21mm相当。F値も変わらないので同じ露出値で撮れるし、発色なども変わらず、こういったシーンでも滲んだりモヤったりせず、コントラストもビシッと保っていて、やっぱりフロントコンバージョンでここまで出来るのかー、と感心してしまいました。

 被写体力があるのでどっちも十分に綺麗だし、画角もこうなると微妙な差のようでいて、でもやっぱり21mmは迫力があります。

 ちなみに電子接点があるおかげで、GW-4が取り付けられたことはカメラが認識するので、Exifに記録されるレンス焦点距離はちゃんと書き換わっています。

GW-4を使って撮った写真いろいろ


 さて、以下にはGW-4を付けてこれまでに撮った写真を何枚か貼っておきます。だいたいこんな感じに撮れます。

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 奄美空港のビル。うっすらと歪曲の様子が分かる気がします。少なくともRAWには電子補正はかかっていないようです。JPEGはもしかしたらかかってるかも知れませんが、確認していません。

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 奄美空港の空。こういうシーンは超得意。というか、むしろもっと広角が欲しくなります。

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 コンバージョンレンズを取り付けても最短撮影距離も変わってないはず。マクロ域で使うと遠近感がより強調されます。

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 実は、GW-4はアイランドホッピング2回目に行く前に手に入れていました。機窓からの写真を撮るには28mmではちょっと足りないな、と思ったもので、機窓写真も目当ての一つでした。

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 しかし、離島便に使われているATR42などのプロペラ機は窓が小さく、2重窓の厚みもあって、目論んでいたほど上手くは撮れませんでした。結局最後の方では機窓からの風景はGW-4を使いませんでした。

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 でも至近距離からこうやって飛行機撮るのにはとても役立ちました。空もたっぷり入ってとても爽やかな離島空港の風景が撮れました。

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 ガラッと変わって、街中スナップみたいなものも21mmレンズはけっこういけると思います。普通より広角だと言うだけで、ひと味違った感じになりますから。

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 ここはその辺の公園ですが、自然の美しい中では特に威力を発揮しそう。でもそういうところに気合いを入れて取りに行くときは、K-1を持ち出してしまうんですけどね。

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 綺麗な新緑と青空と雲とか撮りたくなりますよね。

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 これもまたちょっと歪みが目立ちます。それよりもこのカットは太陽が右上に入ってるのですが、全画面に渡ってゴーストもフレアもなく、全くビクともしない安定感がすごいです。

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 こういうの、どこにピント置いてどのくらい絞ると良いのか悩むわけですが、それにしても隅まで本当にビシッとしていて、これはもう当初からこのコンバージョンレンズありきで光学設計がされてたんじゃないかと思えてきます。

 ちなみにピントは真ん中辺りの葉っぱにおいてF5.6まで絞ったのですが、遠景は微妙に深度に収まってない気がします。うーむ「絞る」感覚をものにするのは難しいですね。

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 このくらい絞るとほぼパンフォーカスかー... などと色々試してみます。これは思い切ってF11まで絞ってみました。これ以上絞るのは回折が心配になりますし。

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 そう言えば桜も撮ってありました。開放のボケもこんな感じで穏やかで良い感じです。だからやっぱり開放のままでだいたい良いのかも(A^^;

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 ということで、だいたいこんな感じです。写りというか画質に関してはフロントコンバージョンレンズとは思えないくらい素晴らしくて、その点は何のためらいもなく使えます。問題があるとすれば大きさ。それでもレンズ交換式カメラから比べると圧倒的に小さくて軽いし、ワンタッチで付け外しできるので、とりあえずカバンに入れていくという使い方は出来ると思います。

おまけ(1):青いケースを買った

 ワイドコンバージョンレンズとは全く関係ないのですが、GR III用のケースを買いました。GR IIIに関してはブルーのリングキャップに合わせて、ピークデザインのアンカーやストラップを「ブルー」のアクセント付きのもので揃えてしまいました。

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 なのでケースもブルーにこだわってみました。suono製のGR3用ケースです。ブルーの他にも何色かラインナップがあるし、縦入れタイプや光学ファインダー付きの状態に対応したタイプなど、いくつものバリエーションがあります。

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 私が買ったのは横開きの普通タイプ。GR III専用とあってサイズはもちろんぴったりです。内部には小さなポケットが二つあって、予備電池またはSDカードがちょうど入るサイズ。それ含めてサイズはちょうど良い感じです。

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 フタはベルクロで固定するようになっています。生地も厚くボディの保護効果は十分。縫製もちゃんとしてるし、かといって嵩張ることもなく、カバンの隅っこに押し込んでおくにはちょうど良いケースではないかと思います。


おまけ(2):Image SyncがようやくGR IIIに対応した

 GR IIIが発売されたのは3月15日のこと。GR III本体はWi-FiはもちろんBluetoothも搭載していますが、ソフトウェア(アプリ側と本体側も?)の準備が間に合わず使えない状態でした。4月末に対応予定とアナウンスされていましたが、その約束通り4月23日にImage SyncとともにGR III側のファームウェアもアップデートし、スマホへの画像転送が出来るようになりました。

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 Image SyncはVer 2.0.4にアップデートしGR IIIに対応しました。が、とりあえずWi-Fi経由で画像転送ができるだけ、ということでBluetoothによる常時接続、位置情報と時刻同期とか、さらにはリモート撮影には対応していません。

 全体的にとりあえず必要最低限のことが出来るようにするための暫定版という感じです。実際のところWi-Fi経由による画像転送が出来ればだいたい問題はありません。Bluetooth接続によるジオタグや時刻同期などは出来るととても便利だとは思いますが、一方で電池の心配がありますし、リモート撮影に至ってはまず使用しません。

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左:画像一覧 中:リモート撮影は非対応 右:情報画面
 実際使ってみると、気のせいかK-1で使う場合よりも快適な気がします。デュアルスロット問題がないせいもありますが、RAW+で記録してあっても、一覧の読み込みはそこそこ早いし、選択した画像の転送もK-1よりずっと速くなってると思われます。

 オフィシャルの情報ではGR II比で5倍速なんだとか。既存製品でImage Syncを使った場合の驚くべき転送の遅さは、アプリ側だけのせいではなく、本体側のH/WまたはS/Wの問題もあると言うことなのでしょうか?

 だとしたらK-1もWi-Fiのモジュールをアップデートしたマイナーチェンジ機を作って欲しいです。できれば改造サービスもありで(A^^;

 なお、私はK-1改ではImage Syncを使わず、サードパーティ製の「PK読込み」というアプリを使っています。このアプリの方がストレスなく使えてずっと便利です。

 ですが、残念ながらこの「PK読込み」はGRシリーズには対応しておらず、GR IIIでは使えませんでした。

 なのでK-1改は「PK読込み」、GR IIIは「Image Sync」と使い分けています。そもそもカメラとして使い勝手の大きく違う2台ですから、それで特に不便は感じていません。

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