FinePix F800EXR

投稿者: | 2012年10月20日

 先日のF1日本GPを挟んで約1週間、富士フイルム製のFinePix F800EXRを試用させていただく機会がありました。と言うのは、現在富士フイルムのキャンペーンでWorld Photo Relayというものが9月末から始まっているのですが、その中の日本チームのメンバーとして参加させていただくことが出来ました。

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Photo by gomaさん

 そのツールとして渡されたのがFinePix F800EXRのレッド仕様。これで写真を自由に撮り、World Photo Relayのサイトに10枚までアップロードすることが出来ます。それをFacebookの繋がりを利用して友達から友達へ、リレーしていこうという企画です。

 私にバトン(=カメラ)が渡ってきたのは、ちょうどF1日本GPに出かける前、ちょうどイイやと言うことで、鈴鹿で撮った写真を10枚アップロードしました。どんな写真をアップしたかはWorld Photo Relayのページを探していただくとして、この企画のために渡されたFinePix F800EXRの感想をまとめておこうと思います。

 以下、F1日本GP前後にF800EXRで撮影した写真を貼っておきます。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F7.1, 1/420sec, ISO100, DR:100%, HRモード, 4.6mm)
 操作系もF600EXRと全く同じなので、全く迷うことがありません。レンズは変わりましたが、1/2インチで1600万画素のEXR COMSセンサーから出てくる映像も、やや明るめながらも色乗りが良く、ダイナミックレンジの広さを感じる富士フイルムらしくスッキリしています。多少厳しい条件でも、後調整の余地がある余裕のある映像が撮れるので、安心して何も考えずシャッターが切れます。


FinePix F800EXR, シャッター優先オート 1/80sec (F14, ISO100, DR:100%, 21.6mm)

 さて、せっかくF1を見に来たので、F1マシンを撮ってみました。もちろん流し撮りで。モードダイヤルを回してシャッター優先オートに設定します。絞りの調整範囲はNDフィルター併用で3段階しかないようですが、思い切って1/80secに設定してみました。
 シャッターボタン半押しでAFが働き、その間一瞬だけモニターがフリーズするので、動きの速いものを撮るのは難しいのですが、数打ちゃ当たる戦法でとにかく撮りまくってみたら、何枚か見られるカットがありました。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F5.3, 1/500sec, ISO100, DR:200%, DRモード, 92.0mm)

 でもさすがに失敗カット多数で凹んできたので作戦変更。今度は高倍率ズームを生かした圧縮効果を狙ってみました。撮影モードはお任せのプレミアムEXRオートに戻します。光学ズームの望遠端、フルサイズ換算で500mm相当です。
 ヘアピンを立ち上がるマシンを正面から捕らえれば、高速シャッターでもOK。でも追いかけながら撮るのはやはり難しいので、置きピン作戦で撮ってみました。こちらの方が歩留まりがかなり上がります。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F5.6, 1/550sec, ISO100, DR:100%, HRモード, 87.5mm)
 F1の前に行われたサポートレースの一つ、ポルシェ・カレラカップ。スピードはF1よりだいぶ遅いですが、それでも撮影の難しさは余り変わりません。これも望遠に頼って置きピン作戦です。このくらいのカテゴリーだと接近戦になりやすいので、F1とはまた違った写真が撮れて面白そうです。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F6.0, 1/550sec, ISO100, DR:100%, HRモード, 65.8mm)
 ということで、F800EXRはモータースポーツ撮影にも使えます!(キッパリ)。いえ、実際のところ一眼レフで撮るよりも、何だか楽しく感じたのも事実。無理をしてみたり、慣れないことには夢中になれますよね(^^;

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F3.5, 1/4sec, ISO800, DR:400%, NRモード, 4.6mm)
 さて、F1を見終わった後はそのまま東京に帰らず、三重県は津市内の磨洞温泉で疲れを落としてきました。上の写真はその磨洞温泉にある洞窟。昔から磨き粉用の材料を削っていた洞窟だそうです。そして今はここが涼風荘という宿の食事会場になっています。洞窟で宴会… 意味不明でイイ響きです。
 かなり暗いところでしたが感度がISO800までしか上がらず、シャッタースピードが1/4~1/6となってしまいました。適当に手持ち撮影なのでブレていますが、手ぶれ補正がだいぶ頑張ってくれてこの程度に収まってると言えるのかも。NRが強めにかかり妙なS/N感ですし、光源が反射してフレアっぽくなるのは、やはりこの手のコンパクトカメラでは仕方のないところでしょうか。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F3.5, 1/6sec, ISO1600, DR:400%, NRモード, 4.6mm)
 料理はとても美味しかったです。特に松阪牛。やっぱり焼肉はイイですよね。洞窟を無理矢理座敷にしていたりして、証明も薄暗く、写真を撮るにはかなり厳しい条件でしたが、ホワイトバランス含めそこそこ綺麗に写ります。テーブルフォトというか、飲み屋写真においてもこの辺はF600EXR同様にかなり頼りになります。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F5.3, 1/640sec, ISO100, DR:100%, HRモード, 24.4mm)
 翌日は津市内をまずは散歩。その後思い立ってレンタカーを借りて二見の夫婦岩を見に行きました。昔来たことがありましたっけ。
 F800EXRはもちろん旅の記録を撮るにはピッタリなカメラです。日中の光量が十分あるところでの写りは、露出や色味の好みはあるにしても、しっかり綺麗に過不足なく写るという点で非の打ち所がありません。

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FinePix F800EXR, プレミアムEXRオート (F5.6, 1/170sec, ISO100, DR:400%, DRモード, 31.6mm)
 レンズスペックはフルサイズ換算で25mm~500mm相当の20倍。明るさはF3.5~5.3とそこそこです。おまけの超望遠というレベルではなく、描写性能や手ぶれ補正など含めて、しっかり使える高倍率ズーム。でもEVFなしだとこの辺が限界ではないでしょうか。ワイド側に延びていくと面白いと思います。コンパクト機で20mm相当とか(^^; と言いつつ、F1を見た直後で目が望遠方向に慣れていたのか、この日はやたらに望遠側ばかり使ってしまいました。

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 さて、F550EXR以降、F600EXR,F770EXRにいたるこのシリーズの特徴の一つがGPSだったのですが、今ひとつ人気が出なかったのか、F800EXRからは非搭載となってしまったのは残念ですが、その代わりWi-Fiを内蔵し、スマートフォンと連携させることが可能となりました。この辺はとても今時な機能です。
 試しにiPhoneアプリをダウンロードして連携させてみましたが、一度使い方を覚えると非常に簡単に使えます。出来ることは、iPhoneで撮影画像の一覧を見る、撮影画像を転送する、そしてiPhoneが持っている位置情報をF800EXRに送ると言ったことが出来ます。

 試用期間中にも位置情報の転送を何度かやってみて、ちゃんと成功したっぽかったのですが、撮った写真を後で見たらどれにもジオタグはついていませんでした。何か手順か設定が一つ足りなかったのでしょう。事前に使い方をもう少し調べておく必要があったようです。

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Photo by gomaさん

 ということで、カメラ自身がスマートホン化する、あるいはスマートホンがカメラ化する、という流れを変えるほどではないと思いますが、まぁこれはこれでアリかな?と思いました。むしろコンパクト機よりもレンズ交換式カメラで採用すると面白いのに、とも思います。

 F600EXRユーザーの私にはとても使いやすいカメラでした。レンズのズーム範囲の差や大きさの違いはあまり感じませんでしたし、GPSがないせいか、電池の持ちも気持ちよくなってるような気がしましたが、カタログ上の数値は変わらないので気のせいかも知れません。このシリーズ、立ち位置が難しくなってきているかも知れませんが、地道に続けて進化させて欲しいと思います。

 ということで、F800EXRの簡易レビューでした。